「勝利に値する苦しみだった」と振り返るカラパスが、アルプ・デュエズで今大会区間2勝目を掴む。「イサークのために走れて光栄」と語るポガチャルなど、ツール第20ステージを選手たちの言葉で振り返る。



ステージ優勝&マイヨアポワ リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)

2度目のステージ優勝とマイヨアポワを決めたリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:A.S.O.

本当に厳しいツール・ド・フランスで、ステージの平均時速や山岳の登坂タイムなど、さまざまな記録が更新された大会だった。年々レベルが上がっているなかで、マイヨアポワを獲得できて、本当に嬉しい。また、マイヨブランやマイヨヴェールを巡っても激しい戦いが繰り広げられ、それもレースをより厳しくした要因だったのだろう。僕が得意とする3週目に区間2勝とマイヨアポワを獲得し、開幕前のバルセロナで立てた目標を達成できた。

今日はガリビエ峠を通過した辺りから、ステージ優勝を意識していた。その下りではクスやヒンドレー、アユソらと協力して走ることができた。その後も冷静さを保つことができ、激しかった前日のレースとは対照的だった。最終山岳では、30分間自分のペースで登り続ければ、勝利に近づけると思っていた。クスのアタックにも遅れずについていき、下りで彼に何が起きたのかはわからない。その後のアルプ・デュエズは、コースを熟知していても苦しかった。だが、勝利のためなら十分に価値のある苦しみだった。

ステージ2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

ステージ優勝できず、残念だ。何しろ、あと少しのところだったのだからね。でも、それほど悔しいのは、僕がそういう性格だからだ。僕は常に高みを目指し、勝利を目指している。そのために力を尽くした。

ステージ優勝者から20秒遅れでフィニッシュした。総合順位は2位。区間2勝を挙げ、区間2位と3位にも何度か入った。だから、とても良いツールだったと言える。

ステージ3位 セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)

セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

落車したのは、限界を超えていたからだ。トンネルのコーナーで判断を間違い、タイム差を取り戻そうとして、その後のコーナーでも再び落車してしまった。少し怖かったし、TVで観戦していた妻や家族を驚かせてしまったので、謝りたい(笑)。でも、これもレースだ。戦いのなかで見せた自分の走りには満足している。

チームに幸運ばかりが続いたわけではない。それでも今大会を通して、チームとして戦い続けたことを誇りに思う。ヨナス(ヴィンゲゴー)がレースを去った後も、連日、チームから選手を逃げに送り込み、戦う姿勢を見せることができたからね。

ステージ4位&マイヨジョーヌ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

5回目の総合優勝に王手をかけたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

みんな、僕がイサーク(デルトロ)の総合表彰台のためにアシストしたと言うだろう。だが、そもそも彼は、僕がマイヨジョーヌを着るのを助けてくれた。ニルス(ポリッツ)とフロリアン(フェルミールス)が平坦区間で常に支えてくれ、ロードキャプテンであるフェリックス(グロスシャートナー)が要所で判断を下してくれた。アダム(イェーツ)は常に自己犠牲を厭わず、ブランドン(マクナルティ)が大会序盤から見せた走りも忘れてはならない。

だから今日、最後の1時間半ほどをイサークのために走ることができて光栄だった。おかげで、アシストすることの大変さを身に染みるほど実感したよ。彼とともにフィニッシュでき、このステージは記憶に残るものとなった。

今大会ではライバルたちに不運もあった。でも、それも3週間のツール・ド・フランスだ。悪態をつきたくなるような、どうしようもないことも起こるものだ。それでもチーム一丸となってここまで走り抜き、明日はパリで最後の88kmを走る。今大会最後のショーだ。勝利を狙うかどうかは脚の調子次第。でも今年はワウト(ファンアールト)がいないので、その分ライバルが1人少ない。そこでの勝利を大きな目標に掲げているわけではないが、調子次第だね。

ステージ5位&総合3位&マイヨブラン イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)

マイヨブラン争いを制したイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

言葉を失うほど素晴らしい結果だよ。ツールの3週目は決して楽ではなかった。苦しい日々が続いたが、弱みを見せないよう気丈に振る舞った。アルプスでの3日間はずっと脚が痛かったが、チームの皆が回復の方法などを教えてくれた。なぜここまで僕を支えてくれるのかと思うほどだった。そして夢に見た結果を得ることができた。さらに、タデイ(ポガチャル)の力を借りられるという特権にも恵まれた。アイウェアに隠れて見えなかったと思うが、涙が流れ、言葉を失うほど感動していた。

この美しいマイヨブランを獲得でき、本当に嬉しいよ。それに、チームが求めるレベルに自分が達していたことも嬉しい。いまはこの瞬間を楽しみたい。もう苦しまなくていいのだからね。

ステージ10位&総合4位 ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)

サレンヌ峠で千切れたポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)やマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

序盤のクロワ・ド・フェールとガリビエでは調子が良かった。サレンヌでニコラ(プロドム)とマシュー(リッチテッロ)が牽引を始めた時、僕も限界まで力を振り絞ろうとした。だが、途中で限界に達し、脚が止まってしまった。

ただ、それがチームと立てた作戦だった。僕たちには失うものがなかったからね。昨日も総合4位で、今日を終えても総合4位。デルトロを振り落とそうと、持てる力のすべてを出し切ったが、彼の方が僕より強かった。数日後、この総合4位を振り返れば、きっと誇りに思えるはずだ。でも今夜は、悔しさの方が大きい。

text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O. CorVos

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