スウェーデンのPOCが、ロードおよびグラベル向けの新作ヘルメット「AMIDAL(アミダル)」を発表した。スリムに引き締めたシルエットと、リア側に配置された補強ゾーンを特徴とするロード用モデルで、専用設計のノグ製リアライトを装着できる点も大きなポイント。



POC AMIDAL(Hydrogen White Matt / Uranium Black Matt / Granite Grey Matt)

POCは2005年にスウェーデン・ストックホルムで生まれた、プロテクションを軸に据えるブランドだ。スキーからスタートし、自転車競技にもカテゴリーを広げており、EFプロサイクリングへのサポートでお馴染みの存在となっている。

また、Mipsをはじめとする回転衝撃保護技術の積極的な採用、独自のフィッティングシステム、視認性を高めるカラーリングなど、安全性のディテールをプロダクトの中心に置いてきたブランドだ。そのPOCが、ロードバイクおよびグラベル向けに新たに送り出したのが、今回紹介する「AMIDAL」だ。

POCらしく整列した開口部が備えられている

洗練されたスリムなシェイプとなっている

AMIDALはスリムなシルエットと、リア側を中心に据えた構造補強という独自のアプローチを採用したモデル。専用設計のノグ製リアライトとの組み合わせが可能で、ツーリング時の安全性確保にも貢献する。

ベースとなる構造は、軽量なポリカーボネート製アウターシェルと、最適化されたEPSライナーの組み合わせ。頭の形に沿うようにコンパクトにまとめられたスリムなシルエットだ。これに加えて、リア側には「補強された排気ポート」と呼ばれる構造的に強化されたゾーンが配置されている。リア部が剛性、エアフロー設計を担いつつ、デザイン面でも象徴的な部分となっている。

強化されたリア部分が通気性などを高めている

エアフロー性能と空力性能は、CFD解析を用いてさまざまな速度域で検証されている。フロントベントから取り込まれたエアは、ヘルメット内部に設けられた直線的なエアチャンネルを通って、リア側の補強排気ポートから後方へと抜けていく。

登りのような低速域でも、レースペースの高速域でも、頭部を冷やし続けることを狙ったレイアウトだ。構造で重量と剛性、エアフローのバランスを取ることで、ロード/グラベルどちらにもフィットするヘルメットとなっている。

POCオリジナルのアジャスターが備えられている

フィット面では、POCがロード用ヘルメットで採用してきた360度アジャスタブルフィットシステムを引き続き搭載する。頭の周囲全体に均等にテンションをかけることで、長時間のライドでも特定の箇所に圧力が集中しにくい構造となっている。

こめかみ部分にはアイウェアを差し込めるアイガレージも設けられているので、ヒルクライム中や日陰の多いコースで一時的にサングラスを外したいときにも使いやすい。また、回転衝撃を低減するMips Air Nodeを搭載。

アイウェア用の滑り止めが備えられている

Mips Air Nodeが備えられている

AMIDALのもうひとつの大きな特徴が、オーストラリアのアクセサリーブランド「ノグ」との協業によって開発された専用リアライト「KNOG x POC HELMET LIGHT」を装着できること。AMIDALにはこのライト用のマウントが設計段階で組み込まれており、ヘルメット後部にダイレクトにマウントできる。

ライト本体はCOB技術を採用したコンパクトな設計で、サイズは48×33×31mm、重量はわずか17g。最大30ルーメンの光量を持ち、4つの点灯モードを備え、最大300m離れた場所からでも視認可能とアナウンスされている。

ノグとコラボした専用リアライトが用意されている (c)POC
ヘルメットにライトをつけることで、視認性が高まる (c)POC



点灯モードはHigh steadyで2時間、Low steadyで8時間、点滅モードはHigh flashで7時間、エコモードのEco flashでは26時間と、デイライト用途から夜間走行まで幅広く対応する。防水仕様で、充電はUSB-A経由。なお、ヘルメット本体とは別売となる。

ヘルメット側にライトを置き光源位置が高くなることで、後続車両のドライバーから視認されやすくなることがメリット。視認性確保のメリットが大きいシーンが多い使い方を考えているライダーであれば、合わせて購入してみても良いだろう。

編集部インプレッションby高木三千成

POCらしいしっかりとしたシェルと通気性を備えている

着用してまず感じたのは、しっかりとした安心感。「守られている」という頼もしさが強く感じられました。スキーヘルメットも手がけるPOCらしく、シェルの厚みとMipsの組み合わせで、落車時の保護性能への信頼感は高い。

フィット感については、自分の場合はMサイズで頭の側面に当たりを感じた。長時間だと痛くなりそうだったため、Lサイズを選択。カブトではS/M、スペシャライズド、METではMサイズが合う頭周り58〜59mm程度でも、帽体形状がユーロフィットの影響で、ワンサイズあげるとちょうど良い。ちなみに、POCのWF(ワイドフィット)はMサイズが最適。試着して余裕のあるサイズを選ぶことを勧めたい。

通気性は、見た目のボリューム感から想像するより良好だった。テスト時は気温30℃ほどだったが、特別な不快感はなく、20〜30km/hのスピード域から風がスムーズに抜けていく。「一部が特に涼しい」という体験ではなく、全体的に常に快適という印象だ。頭頂部や後頭部に大きめの通気口があり、走行中はしっかり機能している。暑さが特に気になるなら白系カラーを選ぶのも一手だろう。

すっきりとしたシルエットのAMIDAL

デザイン面では、スケルトンパーツを大きくデザインに取り入れた独特のアプローチが目を引く。AMIDALはひと目でPOCとわかる個性がある。シンプルに見えて細部への作り込みが深く、白・黒・ネイビーなどのカラーはどんなウェアとも合わせやすい。

総じてプロテクション性能を重視しつつスタイルにもこだわりたいサイクリストに向いているモデルだ。カフェライドからトレーニングライドまで幅広く対応でき、サングラス用グリッパーのような細かい配慮も日常使いでの完成度を高めている。



POC AMIDAL
カラー:Hydrogen White Matt / Uranium Black Matt / Granite Grey Matt / Prismane Red Matt / Fluorescent Orange Matt / Pargasite Green Matt / Apatite Navy Matt / Hydrogen White/Uranium Black Matt / Uranium Black Matt/Hydrogen White / Olivine Green Matt/Thulite Pink Matt / Indicolite Blue Matt/Carnelian Orange Matt(計11カラー)
サイズ:S / M / L
構造:ポリカーボネート製アウターシェル+EPSライナー
安全テクノロジー:Mips Air Node
フィットシステム:360°アジャスタブルフィット
価格:45,100円(税込)

POC KNOG x POC HELMET LIGHT
カラー:Hydrogen White / Uranium Black / Fluorescent Orange
光量:30ルーメン
点灯モード:4モード(High steady:2時間/Low steady:8時間/High flash:7時間/Eco flash:26時間)
サイズ:48 × 33 × 31 mm
重量:17g
充電方式:USB-A
価格:6,600円(税込)

リンク