ツール・ド・熊野最終日に激しい総合争いが勃発。総合3位のニルス・シンシェク(オランダ、リーニン・スター)が逃げ切りで今大会2勝目を掴み、首位ルーク・バーンズ(オーストラリア、ヴィクトワール広島)はシンシェクから1秒差で首位を守り抜く。近年稀に見る僅差で4日間の戦いが幕を閉じた。

このレースで引退するトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)に選手達が花道を作った photo:Satoru Kato

スタート前、このレースで引退するトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)のセレモニーが執り行われた photo:Satoru Kato 
リーダージャージのルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島)を先頭にスタート photo:Satoru Kato
クリテリウムも含めれば合計5日間で争われたツール・ド・熊野(UCI2.2)もいよいよ最終日。大会を締めくくるのは「くじらの町」として知られる太地町(たいじまち)の「太地半島周回コース」で、太地湾に面した1周10.5kmアップダウンコースは、熊野山岳と並んでツール・ド・熊野を象徴する色鮮やかな沿道風景が魅力。この周回コースを10周する104.3kmコースが舞台だ。
前日に総合首位に浮上したルーク・バーンズ(オーストラリア、ヴィクトワール広島)と総合2位ニコロ・ガリッボ(イタリア、TEAM UKYO)のタイム差は14秒で、首位陥落したニルス・シンシェク(オランダ、リーニン・スター)も未だ21秒差。逃げが決まれば一発逆転にもチャンスがあるこの日、予想通り総合成績とステージ優勝狙いの思惑が絡みあう激しいレースが繰り広げられた。

朝から晴れて青い海が広がる太地湾 photo:Satoru Kato

2周目から先行した6名の集団 photo:Satoru Kato
現役最終日を迎えたトマ・ルバ(フランス)を含め、例によってホストチームのKINAN Racing Teamが積極的にペースアップする展開に。一方で首位バーンズを擁するヴィクトワール広島は、ここまで続けてきた攻めの姿勢ではなく集団コントロール役に徹する。すると山本哲央(TEAM UKYO)、小石祐馬(KINAN Racing Team)、沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)、山本大喜(VC FUKUOKA)、留目夕陽(愛三工業レーシングチーム)、山口瑛志(レバンテフジ静岡)という強力なエスケープが容認される。このうち留目は49秒遅れの総合13位、山本は同じく49秒遅れの総合14位。この二人は総合順位を上げるべく中間スプリントを争うシーンも。
しかし総合成績上位メンバーが入っていたことで逃げは長続きせず、残り50kmを切って小石の単独逃げに切り替わる。淡々とハイペースを刻む元全日本TT王者に対しては連日ゴールスプリントでトップ10入りを繰り返した⼭⽥拓海(シマノレーシング)が集団を飛び立ってジャンプ。「2名vsメイン集団」の展開となったものの、最終周回の登坂区間で小石が加速して再び単独逃げに。しかしこのタイミングですぐ後ろに迫っていた集団を振り切るには至らなかった。

残り2周、30秒差をつけて先行する山田拓海(シマノレーシング)と小石祐馬(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato

最終周回、小石祐馬(キナンレーシングチーム)が捕まる photo:Satoru Kato 
最終周回、ひとつになった集団をレイン・タラマエ(キナンレーシングチーム)が牽引 photo:Satoru Kato

最終周回残り4km付近でアタックしたニルス・シンシェク(リーニン・スター) photo:Satoru Kato

自分が勝ったか確認するようなジェスチャーでフィニッシュするニルス・シンシェク(リーニン・スター) photo:Satoru Kato
徹底的なペースアップによって細切れになったメイン集団を飛び立ち、小石を抜き去ったのは総合逆転を狙うシンシェクだった。肩幅の狭いエアロポジションで踏み抜くシンシェクは一気に5秒差をつけ、バーンズ自ら追走する後続グループがローテーションを上手く回せない隙にリードを上積みする。ラスト半周回を逃げ切ったシンシェクが第1ステージに続く2勝目を挙げてこの最終日だけに付与されるボーナスタイム-10秒も獲得。バーンズを含むメイン集団は10秒遅れでフィニッシュしたことで、スタート時に21秒リードだったバーンズが僅か01秒差で総合首位を守り抜くという劇的な幕切れとなった。

第4ステージ 表彰式 photo:Satoru Kato

個人総合時間賞 表彰式 photo:Satoru Kato
「まずはスポンサーやチームのスタッフ、ファンに大きな感謝を伝えたい。第2ステージでキャリア初のUCIレース勝利ができて、さらに総合優勝まで達成できるだなんて本当に凄いことになったよ。チームメイトたちは今日素晴らしい働きを見せてくれたし、本当に良い結果を出すことができて嬉しい。彼らの働きに総合優勝という形でお返しをすることができて本当に良かった」とレース後のインタビューで答えている。
総合優勝まで1秒届かなかったシンシェクはポイント賞を獲得し、山岳賞は連日積極的な走りを続けたガリッボが、ヤングライダー賞はサミュエル・ベルトッリ(イタリア、チームNIPPO・ヌオーヴァコマウト・オボール)が獲得。チーム総合成績はヴィクトワール広島が獲得することとなった。

ツール・ド・熊野2026 各賞ジャージ photo:Satoru Kato

チーム総合優勝 ヴィクトワール広島 photo:Satoru Kato



クリテリウムも含めれば合計5日間で争われたツール・ド・熊野(UCI2.2)もいよいよ最終日。大会を締めくくるのは「くじらの町」として知られる太地町(たいじまち)の「太地半島周回コース」で、太地湾に面した1周10.5kmアップダウンコースは、熊野山岳と並んでツール・ド・熊野を象徴する色鮮やかな沿道風景が魅力。この周回コースを10周する104.3kmコースが舞台だ。
前日に総合首位に浮上したルーク・バーンズ(オーストラリア、ヴィクトワール広島)と総合2位ニコロ・ガリッボ(イタリア、TEAM UKYO)のタイム差は14秒で、首位陥落したニルス・シンシェク(オランダ、リーニン・スター)も未だ21秒差。逃げが決まれば一発逆転にもチャンスがあるこの日、予想通り総合成績とステージ優勝狙いの思惑が絡みあう激しいレースが繰り広げられた。


現役最終日を迎えたトマ・ルバ(フランス)を含め、例によってホストチームのKINAN Racing Teamが積極的にペースアップする展開に。一方で首位バーンズを擁するヴィクトワール広島は、ここまで続けてきた攻めの姿勢ではなく集団コントロール役に徹する。すると山本哲央(TEAM UKYO)、小石祐馬(KINAN Racing Team)、沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)、山本大喜(VC FUKUOKA)、留目夕陽(愛三工業レーシングチーム)、山口瑛志(レバンテフジ静岡)という強力なエスケープが容認される。このうち留目は49秒遅れの総合13位、山本は同じく49秒遅れの総合14位。この二人は総合順位を上げるべく中間スプリントを争うシーンも。
しかし総合成績上位メンバーが入っていたことで逃げは長続きせず、残り50kmを切って小石の単独逃げに切り替わる。淡々とハイペースを刻む元全日本TT王者に対しては連日ゴールスプリントでトップ10入りを繰り返した⼭⽥拓海(シマノレーシング)が集団を飛び立ってジャンプ。「2名vsメイン集団」の展開となったものの、最終周回の登坂区間で小石が加速して再び単独逃げに。しかしこのタイミングですぐ後ろに迫っていた集団を振り切るには至らなかった。





徹底的なペースアップによって細切れになったメイン集団を飛び立ち、小石を抜き去ったのは総合逆転を狙うシンシェクだった。肩幅の狭いエアロポジションで踏み抜くシンシェクは一気に5秒差をつけ、バーンズ自ら追走する後続グループがローテーションを上手く回せない隙にリードを上積みする。ラスト半周回を逃げ切ったシンシェクが第1ステージに続く2勝目を挙げてこの最終日だけに付与されるボーナスタイム-10秒も獲得。バーンズを含むメイン集団は10秒遅れでフィニッシュしたことで、スタート時に21秒リードだったバーンズが僅か01秒差で総合首位を守り抜くという劇的な幕切れとなった。


「まずはスポンサーやチームのスタッフ、ファンに大きな感謝を伝えたい。第2ステージでキャリア初のUCIレース勝利ができて、さらに総合優勝まで達成できるだなんて本当に凄いことになったよ。チームメイトたちは今日素晴らしい働きを見せてくれたし、本当に良い結果を出すことができて嬉しい。彼らの働きに総合優勝という形でお返しをすることができて本当に良かった」とレース後のインタビューで答えている。
総合優勝まで1秒届かなかったシンシェクはポイント賞を獲得し、山岳賞は連日積極的な走りを続けたガリッボが、ヤングライダー賞はサミュエル・ベルトッリ(イタリア、チームNIPPO・ヌオーヴァコマウト・オボール)が獲得。チーム総合成績はヴィクトワール広島が獲得することとなった。


ツール・ド・熊野2026 第4ステージ結果
| 1位 | ニルス・シンシェク(オランダ、リーニン・スター) | 2:31:18 |
| 2位 | アンドレア・ダマト(イタリア、TEAM UKYO) | +0:10 |
| 3位 | 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) | |
| 4位 | キャメロン・スコット(オーストラリア、リーニン・スター) | |
| 5位 | ルーク・マッジウェイ(ニュージーランド、リーニン・スター) | |
| 6位 | 織田聖(愛三工業レーシングチーム) | |
| 7位 | キム・ユーロ(韓国、LXサイクリングチーム) | |
| 8位 | ゼブ・キフィン(イギリス、トレンガヌ・サイクリングチーム) | |
| 9位 | サミュエル・ベルトッリ(イタリア、チームNIPPO・ヌオーヴァコマウト・オボール) | |
| 10位 | エリオット・シュルツ(オーストラリア、ヴィクトワール広島) |
個人総合成績
| 1位 | ルーク・バーンズ(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | 11:01:25 |
| 2位 | ニルス・シンシェク(オランダ、リーニン・スター) | +0:01 |
| 3位 | ニコロ・ガリッボ(イタリア、TEAM UKYO) | +0:14 |
| 4位 | ファーガス・ブラウニング(オーストラリア、トレンガヌ・サイクリングチーム) | +0:25 |
| 5位 | エリオット・シュルツ(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +0:32 |
| 6位 | 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) | +0:44 |
| 7位 | ゼブ・キフィン(イギリス、トレンガヌ・サイクリングチーム) | +0:45 |
| 8位 | 織田聖(愛三工業レーシングチーム) | +0:47 |
| 9位 | ⼭⽥拓海(シマノレーシング) | +0:48 |
| 10位 | 橋川丈(KINAN Racing Team) |
その他の特別賞
| 山岳賞 | ニコロ・ガリッボ(イタリア、TEAM UKYO) |
| ポイント賞 | ニルス・シンシェク(オランダ、リーニン・スター) |
| ヤングライダー賞 | サミュエル・ベルトッリ(イタリア、チームNIPPO・ヌオーヴァコマウト・オボール) |
| チーム総合成績 | ヴィクトワール広島 |
text:So Isobe
photo:Satoru Kato
photo:Satoru Kato
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