ベルギーで開催された5日間のステージレース「ツール・ド・ワロニー」で、コービン・ストロング(イスラエル・プレミアテック)が総合優勝。ワールドチームからの降格危機にあるコフィディスは、若手2選手が区間2勝を挙げ、残留争いに望みを繋いだ。

5日間のステージレースであるエティアス・ツール・ド・ワロニー photo:CorVos
ツール・ド・フランスの第20ステージが行われた7月26日(土)、今年で46回目を迎えたエティアス・ツール・ド・ワロニー(UCI2.Pro)が開幕した。本大会はベルギー西部のワロン地方を舞台とする、短い急坂や石畳が詰め込まれた5日間のステージレース。本格的な山岳は登場しないため、歴代の総合優勝者にはマッテオ・トレンティン(イタリア、チューダー・プロサイクリング)やフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)など、クラシックレースを得意とする選手の名が並ぶ。
初日はナソーニュを発着地点とする丘陵ステージとなり、緩斜面のフィニッシュに大集団がなだれ込んだ。重量級のラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が先に踏み込むと、その背後からコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)が切れ味鋭いアタックを敢行。昨年区間1勝&総合2位と相性の良いストロングが、鮮やかに初日勝者に輝いた。

初日勝者に輝いたコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

2日目の集団スプリントは オリバー・ナイト(イギリス、コフィディス)が勝利 photo:CorVos
ラ・フレーシュ・ワロンヌのフィニッシュ地点「ユイの壁」で知られるユイを出発する2日目も、細かいアップダウンを走るレイアウト。逃げを捉え、振り出しに戻ったプロトンからは、残り20kmで若手3名が飛び出す。過去にタイムトライアル世界選手権でU23の王者に輝いたロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)を含む3名はローテーションを回し、プロトンを振り切ることに成功。そして前日4位のオリバー・ナイト(イギリス、コフィディス)がスプリントを制し、プロ初勝利を掴み取った。
ナイトは昨年プロデビューした24歳であり、ワールドチームから降格圏にいるコフィディスに、貴重な今季7勝目をもたらした。
終盤にイネオス・グレナディアーズが中心となって精鋭集団を形成した3日目は、その集団をプロトンが最終ストレートで引き戻し、集団スプリントで決着した。アナス・フォレーヤ(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)が良いスプリントを見せたものの、勝ったのはダヴィデ・ドナーティ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。下部チームに所属する20歳のTTイタリアU23王者が、強豪を退け初勝利を手に入れた。

下部チーム所属のダヴィデ・ドナーティ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が3日目勝者に photo:CorVos
ここまでで最も厳しい6つのカテゴリー山岳を越える4日目は、終盤の丘でマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)がアタック。総合リーダージャージを着るストロングとモビスターの2名(カナルとテスファツィオン)以外を振り落とす。数的有利な状況を利用し、モビスターは交互にアタックしたが、ヴァチェクとストロングは振り切れなかった。
そしてハイスピードを維持したチェコ王者のヴァチェクが先着し、今シーズン4勝目を手に入れた。

大会4日目は牛と並走するシーンもあった photo:CorVos 
精鋭集団によるスプリントをマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)が制す photo:CorVos

逃げ切り勝利で大会を締めくくったクレマン・イズキエルド(フランス、コフィディス) photo:CorVos
ベルトリをスタート&フィニッシュ地点とし、ラストに距離の短い丘を登るレイアウトで争われた大会最終日。ミレージや37歳のベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)など強力な12名の逃げグループが形成された。追走するプロトンが逃げから遅れた選手を次々に吸収していくなか、総合首位のストロングは反対に逃げに合流した。
ラストは集団から追いついた選手たちも入り乱れる登りスプリントに持ち込まれ、クレマン・イズキエルド(フランス、コフィディス)が勝利。今年プロデビューした23歳が、プロ初勝利でコフィディスに今大会2勝目をもたらした。

総合優勝したコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos
2位に入ったストロングはボーナスタイム6秒を加算し、1秒遅れだった総合2位ヴァチェクを退け、総合優勝に輝いた。今季はジロ・デ・イタリアで区間2位と勝利に迫っていたストロングだが「今シーズンは思い通りにいかなかったのでとても嬉しい」と喜ぶ。そして「これがシーズン後半に向けた良いスタートになってくれたら」と語った。

ツール・ド・フランスの第20ステージが行われた7月26日(土)、今年で46回目を迎えたエティアス・ツール・ド・ワロニー(UCI2.Pro)が開幕した。本大会はベルギー西部のワロン地方を舞台とする、短い急坂や石畳が詰め込まれた5日間のステージレース。本格的な山岳は登場しないため、歴代の総合優勝者にはマッテオ・トレンティン(イタリア、チューダー・プロサイクリング)やフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)など、クラシックレースを得意とする選手の名が並ぶ。
初日はナソーニュを発着地点とする丘陵ステージとなり、緩斜面のフィニッシュに大集団がなだれ込んだ。重量級のラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が先に踏み込むと、その背後からコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)が切れ味鋭いアタックを敢行。昨年区間1勝&総合2位と相性の良いストロングが、鮮やかに初日勝者に輝いた。


ラ・フレーシュ・ワロンヌのフィニッシュ地点「ユイの壁」で知られるユイを出発する2日目も、細かいアップダウンを走るレイアウト。逃げを捉え、振り出しに戻ったプロトンからは、残り20kmで若手3名が飛び出す。過去にタイムトライアル世界選手権でU23の王者に輝いたロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)を含む3名はローテーションを回し、プロトンを振り切ることに成功。そして前日4位のオリバー・ナイト(イギリス、コフィディス)がスプリントを制し、プロ初勝利を掴み取った。
ナイトは昨年プロデビューした24歳であり、ワールドチームから降格圏にいるコフィディスに、貴重な今季7勝目をもたらした。
終盤にイネオス・グレナディアーズが中心となって精鋭集団を形成した3日目は、その集団をプロトンが最終ストレートで引き戻し、集団スプリントで決着した。アナス・フォレーヤ(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)が良いスプリントを見せたものの、勝ったのはダヴィデ・ドナーティ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。下部チームに所属する20歳のTTイタリアU23王者が、強豪を退け初勝利を手に入れた。

ここまでで最も厳しい6つのカテゴリー山岳を越える4日目は、終盤の丘でマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)がアタック。総合リーダージャージを着るストロングとモビスターの2名(カナルとテスファツィオン)以外を振り落とす。数的有利な状況を利用し、モビスターは交互にアタックしたが、ヴァチェクとストロングは振り切れなかった。
そしてハイスピードを維持したチェコ王者のヴァチェクが先着し、今シーズン4勝目を手に入れた。



ベルトリをスタート&フィニッシュ地点とし、ラストに距離の短い丘を登るレイアウトで争われた大会最終日。ミレージや37歳のベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)など強力な12名の逃げグループが形成された。追走するプロトンが逃げから遅れた選手を次々に吸収していくなか、総合首位のストロングは反対に逃げに合流した。
ラストは集団から追いついた選手たちも入り乱れる登りスプリントに持ち込まれ、クレマン・イズキエルド(フランス、コフィディス)が勝利。今年プロデビューした23歳が、プロ初勝利でコフィディスに今大会2勝目をもたらした。

2位に入ったストロングはボーナスタイム6秒を加算し、1秒遅れだった総合2位ヴァチェクを退け、総合優勝に輝いた。今季はジロ・デ・イタリアで区間2位と勝利に迫っていたストロングだが「今シーズンは思い通りにいかなかったのでとても嬉しい」と喜ぶ。そして「これがシーズン後半に向けた良いスタートになってくれたら」と語った。
ツール・ド・ワロニー2025第1ステージ結果
1位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | 4:14:00 |
2位 | ラスムス・ティレル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
3位 | アナス・フォレーヤ(デンマーク、ジェイコ・アルウラー) |
第2ステージ結果
1位 | オリバー・ナイト(イギリス、コフィディス) | 3:25:49 |
2位 | ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター) | |
3位 | ルイ・ルーラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) |
第3ステージ結果
1位 | ダヴィデ・ドナーティ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 3:33:23 |
2位 | ミラン・フレティン(ベルギー、コフィディス) | |
3位 | アナス・フォレーヤ(デンマーク、ジェイコ・アルウラー) |
第4ステージ結果
1位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | 3:53:36 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | カルロス・カナル(スペイン、モビスター) |
第5ステージ結果
1位 | クレマン・イズキエルド(フランス、コフィディス) | 4:26:39 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター) |
個人総合成績
1位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | 19:33:03 |
2位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | +0:09 |
3位 | オリバー・ナイト(イギリス、コフィディス) | +0:22 |
その他の特別賞
ポイント賞 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) |
山岳賞 | アンリフランソワ・ルナールアカン(フランス、ワグナー・バザンWB) |
ヤングライダー賞 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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