今大会最初の山頂フィニッシュとなったクリテリウム・デュ・ドーフィネ第6ステージ。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)がヴィンゲゴーらを振り切り、6.5km独走で勝利した。

スタート前に言葉を交わすエヴェネプールとファンデルプール photo:CorVos

クリテリウム・デュ・ドーフィネ2025第6ステージ image:A.S.O. ツール・ド・フランスを占う前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネは6日目を迎えた。ここから最終日までの3日間は山岳ステージが連続する。その初日はラストに2つの2級山岳を連続して登る、今大会最初の山頂フィニッシュだ。
比較的短い126.7kmコースにはカテゴリー山岳が5つ設定され、まず集団の人数を減らすのは残り39.1km地点に頂上が設定された1級山岳(距離5.4km/平均8.7%)。その後ボーナスタイム付き中間スプリントを経て、臨むのは2つの2級山岳だ。登坂距離がそれぞれ2.4km(平均8.6%)と2.7km(平均8.2%)の山岳が境目なく続くため、実質的に登坂距離5.1kmを選手たちは駆け上がる。
前日のフィニッシュ直前で落車し、右膝に擦過傷を負うレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は黄色のリーダージャージを纏いスタートを切る。総合8位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)まで39秒差と僅差のなか、スタートから1時間は平均スピードが46km/hと高速で展開。現役ラストレースを走るロマン・バルデ(フランス、ピクニック・ポストNL)を含む8名が逃げ集団を形成した。

激しいアタック合戦の末、8名が逃げグループを形成した photo:A.S.O.
逃げグループにはポイント賞ジャージを着るマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)や昨年ツールでステージ優勝を挙げたアントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー)など強力なメンバーが入る。一方のメイン集団は、UAEチームエミレーツXRGとスーダル・クイックステップが牽引を担当。2分以上のタイム差を許さないタイトなコントロールを見せ、残り50kmを過ぎた辺りから今度はヴィスマ・リースアバイクがペースメイクを担った。

逃げに乗ったファンデルプールとバルデ photo:A.S.O.

1級山岳でレース先頭はアレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)とマイケル・レオナード(カナダ、イネオス・グレナディアーズ)に絞られる photo:A.S.O.
1分半で逃げを追うプロトンは、1級山岳(距離5.4km/平均8.7%)に入るとヴィスマが一層早いペースで集団の人数を絞っていく。その結果、集団はバルデやファンデルプールなど逃げから遅れた選手たちを吸収。そしてプロトンからは、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエの若きエースであるフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ)がアタックした。
レース先頭はアレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)とマイケル・レオナード(カナダ、イネオス・グレナディアーズ)の若手コンビが1分のリードで頂上を通過する。後続のエヴェネプール・グループは10名に絞られたものの、下り、そして最終山岳に続く平坦路でアシストたちが続々と合流。ラスト2つの2級山岳に向けてジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が作るペースに、緩斜面にもかかわらずエヴェネプールが早くもを遅れを取った。

プロトンを高速牽引するパヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

山岳の麓で加速したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
ナルバエスによるハイペース牽引はリポヴィッツを捉え、チームメイトであるティム・ウェレンス(ベルギー)とポガチャル、そしてヴィンゲゴー以外を振り落とす。そして本格的な登坂が始まるフィニッシュ手前7.3km地点でポガチャルが加速し、それにヴィンゲゴーが食らいつく。しかしポガチャルはすぐにヴィンゲゴーをも引き離した。
ポガチャルはすぐに単独先頭に立っていたボーダンに追いつき、シッティングのまま加速。残り6.5km地点で世界王者の証であるアルカンシエルを纏うポガチャルが単独先頭に立った。
その後もポガチャルは淡々とハイケイデンスで脚を回し、2つの2級山岳を猛スピードで駆け上がる。フラムルージュ(残り1km)を過ぎる頃に、単独追走するヴィンゲゴーとの差は1分まで拡大。そして手元のサイクルコンピュータに触れながらフィニッシュラインを通過し、人差し指を突き上げた。

6.5kmの独走決め、今大会2勝目を手に入れたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

総合首位に立ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
第4ステージの個人タイムトライアルでは区間4位(48秒遅れ)と、コンディションが不安視されたポガチャル。しかしチームメイトによる高速牽引からライバルたちを一蹴する圧巻の強さで、今大会2勝目を手に入れた。
「チームの走りは素晴らしく、僕自身の調子も日に日に上がっていった。ヴィスマが1級山岳で仕掛けたが、何とか僕とチームメイト3名が生き残り、結果的にレースを終始コントロールすることができた。そして山岳ではなく、その麓からアタックしたんだ」とポガチャルは語った。
2位は1分1秒遅れでフィニッシュしたヴィンゲゴーで、3位はリポヴィッツ、エヴェネプールは1分50秒遅れの5位だった。この結果、総合首位ポガチャルと総合2位ヴィンゲゴーとの差は43秒で、首位陥落のエヴェネプールは1分22秒遅れの4位につけている。


比較的短い126.7kmコースにはカテゴリー山岳が5つ設定され、まず集団の人数を減らすのは残り39.1km地点に頂上が設定された1級山岳(距離5.4km/平均8.7%)。その後ボーナスタイム付き中間スプリントを経て、臨むのは2つの2級山岳だ。登坂距離がそれぞれ2.4km(平均8.6%)と2.7km(平均8.2%)の山岳が境目なく続くため、実質的に登坂距離5.1kmを選手たちは駆け上がる。
前日のフィニッシュ直前で落車し、右膝に擦過傷を負うレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は黄色のリーダージャージを纏いスタートを切る。総合8位のマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)まで39秒差と僅差のなか、スタートから1時間は平均スピードが46km/hと高速で展開。現役ラストレースを走るロマン・バルデ(フランス、ピクニック・ポストNL)を含む8名が逃げ集団を形成した。

逃げグループにはポイント賞ジャージを着るマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)や昨年ツールでステージ優勝を挙げたアントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー)など強力なメンバーが入る。一方のメイン集団は、UAEチームエミレーツXRGとスーダル・クイックステップが牽引を担当。2分以上のタイム差を許さないタイトなコントロールを見せ、残り50kmを過ぎた辺りから今度はヴィスマ・リースアバイクがペースメイクを担った。


1分半で逃げを追うプロトンは、1級山岳(距離5.4km/平均8.7%)に入るとヴィスマが一層早いペースで集団の人数を絞っていく。その結果、集団はバルデやファンデルプールなど逃げから遅れた選手たちを吸収。そしてプロトンからは、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエの若きエースであるフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ)がアタックした。
レース先頭はアレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)とマイケル・レオナード(カナダ、イネオス・グレナディアーズ)の若手コンビが1分のリードで頂上を通過する。後続のエヴェネプール・グループは10名に絞られたものの、下り、そして最終山岳に続く平坦路でアシストたちが続々と合流。ラスト2つの2級山岳に向けてジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)が作るペースに、緩斜面にもかかわらずエヴェネプールが早くもを遅れを取った。


ナルバエスによるハイペース牽引はリポヴィッツを捉え、チームメイトであるティム・ウェレンス(ベルギー)とポガチャル、そしてヴィンゲゴー以外を振り落とす。そして本格的な登坂が始まるフィニッシュ手前7.3km地点でポガチャルが加速し、それにヴィンゲゴーが食らいつく。しかしポガチャルはすぐにヴィンゲゴーをも引き離した。
ポガチャルはすぐに単独先頭に立っていたボーダンに追いつき、シッティングのまま加速。残り6.5km地点で世界王者の証であるアルカンシエルを纏うポガチャルが単独先頭に立った。
その後もポガチャルは淡々とハイケイデンスで脚を回し、2つの2級山岳を猛スピードで駆け上がる。フラムルージュ(残り1km)を過ぎる頃に、単独追走するヴィンゲゴーとの差は1分まで拡大。そして手元のサイクルコンピュータに触れながらフィニッシュラインを通過し、人差し指を突き上げた。


第4ステージの個人タイムトライアルでは区間4位(48秒遅れ)と、コンディションが不安視されたポガチャル。しかしチームメイトによる高速牽引からライバルたちを一蹴する圧巻の強さで、今大会2勝目を手に入れた。
「チームの走りは素晴らしく、僕自身の調子も日に日に上がっていった。ヴィスマが1級山岳で仕掛けたが、何とか僕とチームメイト3名が生き残り、結果的にレースを終始コントロールすることができた。そして山岳ではなく、その麓からアタックしたんだ」とポガチャルは語った。
2位は1分1秒遅れでフィニッシュしたヴィンゲゴーで、3位はリポヴィッツ、エヴェネプールは1分50秒遅れの5位だった。この結果、総合首位ポガチャルと総合2位ヴィンゲゴーとの差は43秒で、首位陥落のエヴェネプールは1分22秒遅れの4位につけている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2025第6ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 2:59:46 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:01 |
3位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:22 |
4位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:30 |
5位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:50 |
6位 | アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:56 |
7位 | アンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +2:03 |
8位 | ルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) | +2:04 |
9位 | ベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
10位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 2:59:46 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:43 |
3位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:54 |
4位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:22 |
5位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:41 |
6位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | +2:28 |
7位 | ルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) | +2:39 |
8位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +2:49 |
9位 | アンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +3:21 |
10位 | ベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | +3:26 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) |
山岳賞 | アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト) |
ヤングライダー賞 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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