アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCLチーム右京)のツアー・オブ・ジャパン優勝バイクに注目。これぞプロバイクたる、オーソドックスなセッティングのOSTRO VAMを取り上げる。



アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCLチーム右京)が駆るファクター OSTRO VAM photo:So Isobe

ツアー・オブ・ジャパン総合覇者に輝いたアレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCLチーム右京)は、エオーロ・コメタでプロデビューを飾り、Q36.5プロサイクリングを経て今年チーム加入した25歳。第3ステージのいなべで勝利してリーダージャージを獲得し、2日後の第5ステージ信州飯田ではチームメイトのシモーネ・ラッカーニに首位を譲るものの、翌日第6ステージ富士山で奪還。そこで付けたラッカーニとの21秒差を最終日まで守り切った。

そんなファンチェルをはじめ、チーム右京の選手が駆るのはファクターのOSTRO VAMだ。今年から2024年に第2世代化した現行モデルを使用しており、鮮やかなスカイブルーが目を引く。なお山岳賞を獲ったニコロ・ガリッポ(イタリア)は途中の落車でバイクを破損してしまい、それ以降はスペアの先代OSTROに乗っていた。

ハンドルは専用品。幅は380mmだ photo:So Isobe

コンピューターはiGPSPORTのiGS800 photo:So Isobe
DI2の追加スイッチの有無は各選手の好み。ファンチェルはドロップ部分の左右に配置 photo:So Isobe


コンポーネントやホイールはシマノDURA-ACEで固める。フロント歯数は54/40Tだ photo:So Isobe

クランク長は170mm photo:So Isobe
アンドレア・ダマート(イタリア)は相模原ステージで54/36Tを使用 photo:So Isobe



シマノのスポンサーチームだけに、コンポーネントやホイールなどは全てシマノDURA-ACEとPROの各種製品で固められ、一体式ハンドルはOSTROオリジナルのブラックインク(幅380mm/ステム長120mm)とオーソドックスな組み合わせ。DI2の追加スイッチは選手の好みによって設置されているといい、ファンチェルは左右ドロップ部分に付けるスタイルだ。

DURA-ACEのクランクセットは54/40Tだが、チーム内には富士山ステージに合わせて36Tのインナーリングを取り付ける選手も。取材日の相模原ステージでもスプリンターのアンドレア・ダマート(イタリア)は54/36Tの組み合わせを運用していた。

ヴィットリアのCORSA PRO。サイズは28c photo:So Isobe

アンドレア・ダマート(イタリア)は相模原ステージで54/36Tを使用 photo:So Isobe
ゼッケンホルダーは国内チームで使用率上昇中のシーズデザインワークス photo:So Isobe



タイヤはヴィットリアのCORSA PRO(28c)で、コンピューターはiGPSPORTのハイエンドモデルであるiGS800。セラミックスピード製のボトムブラケットはフレームカラーと合わせたカラーリングだ。

ファンチェルをはじめ、右京のイタリア人選手たちはこの後控えるイタリアナショナル選手権に出場予定。ツアー・オブ・ジャパンを席巻した選手たちが強豪揃いの母国レースでどう戦うかに注目したい。

text&photo:So Isobe