ラストの3級山岳で集団の人数が絞られたラ・ブエルタ・フェメニーナ第4ステージ。残り6.8km地点の下りでアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)が飛び出し、独走から現役復帰後初の勝利を手に入れた。

集団先頭でスタートを待つヘリッツェやフォス photo:A.S.O.

ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第4ステージ コースプロフィール photo:A.S.O. スペインを巡る女子グランツールの初戦、ラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)。その第4ステージはペドロラからボルハに向かう111.6kmで、この日は中盤の2級山岳と後半の3級山岳を越える。遂にブエルタに選手たちの登坂力を試す山岳が登場したものの、総合順位をシャフルするような難易度ではないため、逃げ切りや精鋭集団によるスプリントなど、あらゆる可能性が考えられるレイアウトだ。
5名の未出走者が出たため137名に減った集団は、前日勝者で総合首位フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が先頭に立ち、スタートの時を待つ。そして現地時間の午後2時19分にレースは始まり、中継映像が届いた残り56km地点でも、逃げグループは形成されていなかった。

逃げが生まれないままレースは進む photo:A.S.O.
2級山岳アルト・デル・モンカヨ(距離5.5km/平均5.5%)ではリブ・アルウラー・ジェイコとリドル・トレックが中心にペースを作り、頂上手前1.8kmでエリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ)がアタック。しかしすぐに引き戻され、代わりにジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)が飛び出し、頂上を先頭通過。ヘキエーレは狙い通り山岳賞ジャージの獲得に成功した。
その下りでは、今大会集団を牽引するシーンの目立つクリステン・フォークナー(アメリカ、EFオートリー・キャノンデール)がハイペースに持ち込む。依然として逃げが生まれず、1つの集団のまま残り30.3km地点の中間スプリントに到着。スプリントポイントを狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)と、ボーナスタイムを狙うデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)を、マイヨロホを着るヘリッツェが退けトップ通過した。

プロトン先頭はリドル・トレックなどが中心にペースを作った photo:A.S.O.

3級山岳でハイペースに持ち込んだFDJスエズ photo:A.S.O.
そしてプロトンはいよいよこの日最後の3級山岳、プエルタ・デ・エル・バステ(距離5km/平均5.4%)の麓に到着。そこではフォレリングのためにFDJスエズが牽引し、今大会最初のマイヨロホ着用者であったエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)などが集団から遅れていく。頂上を目前にして集団からは、リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)やフォレリングが仕掛けたものの、いずれも決定打に欠いた。
フォレリングら総合有力勢に加え、フォスが入った精鋭集団は17名。一方、ヘリッツェは遅れを取り追走を強いられる。そして集団スプリントによる決着が濃厚となった状況の中、残り6.8kmの下り区間でアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)が飛び出した。

下りアタックを成功させ、6.8kmを独走したアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.
「計画していた動きではない」とレース後に語ったファンデルブレッヘンは、2020年タイムトライアル世界王者に輝いた独走力を発揮。懸命に追走する後続集団に12秒差をつけ、そのままボルハのフィニッシュ地点に到着。両腕を高々と挙げ、大舞台での復活勝利を喜んだ。

現役復帰後、初勝利を飾ったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.

総合でも2位に順位を上げたアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.
2021年末の引退から、3年のブランクを経て今年現役復帰したファンデルブレッヘン。「予想外の勝利。小集団のまま下りに入り、踏み込んだら単独先頭に立っていた。良いスピードも出ていたのでそのまま踏み込んだ。独走勝利できるとは思わなかったが、嬉しい」と過去に2度ロード世界王者に輝いたレジェンドが、プロ通算63勝目を喜んだ。
2位を争う後続はフォスがスプリントで先着し、3位にはフォレリングが入る。ヘリッツェは追走が実り、後続集団内の区間7位でフィニッシュしたため、マイヨロホの保持に成功。総合2位にはチームメイトのファンデルブレッヘンが4秒差で入っている。
そして大会は初日のチームTTを除き、3日連続でオランダ人選手の勝利が続いている。


5名の未出走者が出たため137名に減った集団は、前日勝者で総合首位フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が先頭に立ち、スタートの時を待つ。そして現地時間の午後2時19分にレースは始まり、中継映像が届いた残り56km地点でも、逃げグループは形成されていなかった。

2級山岳アルト・デル・モンカヨ(距離5.5km/平均5.5%)ではリブ・アルウラー・ジェイコとリドル・トレックが中心にペースを作り、頂上手前1.8kmでエリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ)がアタック。しかしすぐに引き戻され、代わりにジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)が飛び出し、頂上を先頭通過。ヘキエーレは狙い通り山岳賞ジャージの獲得に成功した。
その下りでは、今大会集団を牽引するシーンの目立つクリステン・フォークナー(アメリカ、EFオートリー・キャノンデール)がハイペースに持ち込む。依然として逃げが生まれず、1つの集団のまま残り30.3km地点の中間スプリントに到着。スプリントポイントを狙うマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)と、ボーナスタイムを狙うデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)を、マイヨロホを着るヘリッツェが退けトップ通過した。


そしてプロトンはいよいよこの日最後の3級山岳、プエルタ・デ・エル・バステ(距離5km/平均5.4%)の麓に到着。そこではフォレリングのためにFDJスエズが牽引し、今大会最初のマイヨロホ着用者であったエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)などが集団から遅れていく。頂上を目前にして集団からは、リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)やフォレリングが仕掛けたものの、いずれも決定打に欠いた。
フォレリングら総合有力勢に加え、フォスが入った精鋭集団は17名。一方、ヘリッツェは遅れを取り追走を強いられる。そして集団スプリントによる決着が濃厚となった状況の中、残り6.8kmの下り区間でアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)が飛び出した。

「計画していた動きではない」とレース後に語ったファンデルブレッヘンは、2020年タイムトライアル世界王者に輝いた独走力を発揮。懸命に追走する後続集団に12秒差をつけ、そのままボルハのフィニッシュ地点に到着。両腕を高々と挙げ、大舞台での復活勝利を喜んだ。


2021年末の引退から、3年のブランクを経て今年現役復帰したファンデルブレッヘン。「予想外の勝利。小集団のまま下りに入り、踏み込んだら単独先頭に立っていた。良いスピードも出ていたのでそのまま踏み込んだ。独走勝利できるとは思わなかったが、嬉しい」と過去に2度ロード世界王者に輝いたレジェンドが、プロ通算63勝目を喜んだ。
2位を争う後続はフォスがスプリントで先着し、3位にはフォレリングが入る。ヘリッツェは追走が実り、後続集団内の区間7位でフィニッシュしたため、マイヨロホの保持に成功。総合2位にはチームメイトのファンデルブレッヘンが4秒差で入っている。
そして大会は初日のチームTTを除き、3日連続でオランダ人選手の勝利が続いている。
ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第4ステージ
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 2:49:55 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:12 |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | |
4位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
5位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール) | |
6位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
7位 | フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
8位 | マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) | |
9位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
10位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) |
個人総合成績
1位 | フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 8:57:51 |
2位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:04 |
3位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:10 |
4位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | +0:21 |
5位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) | +0:23 |
6位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | |
7位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +0:26 |
8位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
9位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
10位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | +0:29 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
山岳賞 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) |
チーム総合成績 | SDワークス・プロタイム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.
photo:A.S.O.
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