4名のスプリントに持ち込まれた第9回リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム。キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル)がピーテルセやフォレリングを退け、キャリアハイとなる勝利を手に入れた。

デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:A.S.O.

コペッキー擁するSDワークス・プロタイム photo:A.S.O. 
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2025 コースプロフィール image:A.S.O.
今年のクラシックシーズンは女子もまた、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム(UCIワールドツアー)で締めくくられる。初開催の2017年から第9回を迎えたワンデーレースの舞台は、男子レースの往路を除いたバストーニュからリエージュまでの152.9km。勝負所と目されたのは、コート・ド・ストック(距離1km/平均12.5%)とコート・ド・ラ・ルドゥット(距離1.6km/平均9.4%)の急勾配な名物坂だ。
前回覇者で昨年引退したグレース・ブラウン(オーストラリア)に代わり、ゼッケン1をつけたのは2021&23年覇者のデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)。他にはロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)や2年連続2位の雪辱を目指すエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)、パリ〜ルーベ覇者ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)など春の最終レースに相応しい豪華な面々が顔を揃えた。

セブン-イレブンの特別ジャージを着るウノエックス・モビリティ photo:A.S.O.

コート・ド・サンロシュ photo:A.S.O.
序盤に5名の飛び出しを容認したメイン集団では、有力選手であるリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)らが落車する。これによりシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が早くもリタイアするなか、逃げが吸収される。その後、新たにダニエレ・デフランチェスコ(オーストラリア、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)ら8名がエスケープした。

プロトンを牽引するなどアシストに徹するアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.
プロトンではフォレリングの他に、ジュリエット・ラブース(フランス)など強力な布陣で臨むFDJスエズが集団をコントロール。丘を越える度に逃げとの差は縮まっていき、23歳のマエヴァ・スキバン(フランス、UAEチームADQ)が逃げから唯一粘る。しかしコート・ド・ラ・ルドゥットに入ると2017年&18年覇者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)の作るハイペースがスキバンを捉えた。
先頭でペースが上がる一方、ロンゴボルギーニは集団から遅れていく。ラ・ルドゥットの頂上を越える頃に先頭は15名まで絞られ、残り32.8km地点でパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がアタック。その動きにファンデルブレッヘンら3名が反応し、新たな先頭集団が形成された。

4名の先行集団に入ったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.
残り25km地点で25秒のリードを許したプロトンでは、選手を送り込むことのできなかったFDJスエズがペースを作る。最後の難関であるラ・ロッシュ・オ・フォーコン(1.3km地点/平均11%)に向かう平坦路では、残り17km地点で23秒差に危機感を覚えたモビスターも積極的に先頭で牽引。その甲斐もあり、登りに入った地点で12秒まで縮まった。
ラ・ロッシュ・オ・フォーコンではエリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)が牽引を終えると、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が先頭に出る。先行していたファンデルブレッヘンら逃げが捉まり、踏み込むフォレリングにピーテルセとコペッキー、セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール)の3名が食らいついた。

単独先頭に立ったセドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール) photo:A.S.O.
短い登りでケルバオルが飛び出し、追走の3名にはマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)が合流する。しかしその後シャッフルがかかり、コペッキーが遅れてキンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル)がジョイン。残り9kmでケルバオルが引き戻されると、フォレリングとピーテルセ、ケルバオル、ルコートはアタックを繰り返す。
しかしいずれも決め手に欠き、ファンデルブレッヘンと共に追走したコペッキーは届かない。そのため勝負は先頭4名によるスプリントに持ち込まれた。
フォレリングを先頭に最終ストレートに入り、4名がほぼ同時に腰を上げる。ルコートがフォレリングを抜き、その背後にピーテルセがつく。スプリントの伸びないフォレリングを尻目に、ピーテルセに並ばせることすら許さなかったルコートが勝利した。

4名スプリントを制したキンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) photo:CorVos

勝利を喜ぶキンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) photo:A.S.O.
「先頭集団に追いついた時、苦しむライバルを見て自信が湧いた。勝てるかどうかはわからいままスプリントに入り、後ろを振り向かずに踏み続けた。今シーズンは何度も勝利に迫り続けており、リエージュでの勝利を狙っていた。だけどチーム一丸となり掴んだこの結果が信じられない」と、ルコートは喜びを語った
ルコートはインド洋のイギリス連邦に加盟するモーリシャス共和国出身の29歳。昨年のジロ・デ・イタリア・ウィメンは最終ステージで勝利を挙げ、今年はミラノ〜サンレモとロンド・ファン・フラーンデレンで共に5位入賞。また4日前のラ・フレーシュ・ワロンヌでも6位と、ここまで好調を維持していた。
3位にはフォレリングが入り、後続集団の先頭はコペッキーが取って5位入賞を果たしている。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム2025表彰台:2位ピーテルセ、1位ルコート、3位フォレリング photo:A.S.O.



今年のクラシックシーズンは女子もまた、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム(UCIワールドツアー)で締めくくられる。初開催の2017年から第9回を迎えたワンデーレースの舞台は、男子レースの往路を除いたバストーニュからリエージュまでの152.9km。勝負所と目されたのは、コート・ド・ストック(距離1km/平均12.5%)とコート・ド・ラ・ルドゥット(距離1.6km/平均9.4%)の急勾配な名物坂だ。
前回覇者で昨年引退したグレース・ブラウン(オーストラリア)に代わり、ゼッケン1をつけたのは2021&23年覇者のデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)。他にはロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)や2年連続2位の雪辱を目指すエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)、パリ〜ルーベ覇者ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)など春の最終レースに相応しい豪華な面々が顔を揃えた。


序盤に5名の飛び出しを容認したメイン集団では、有力選手であるリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)らが落車する。これによりシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が早くもリタイアするなか、逃げが吸収される。その後、新たにダニエレ・デフランチェスコ(オーストラリア、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン)ら8名がエスケープした。

プロトンではフォレリングの他に、ジュリエット・ラブース(フランス)など強力な布陣で臨むFDJスエズが集団をコントロール。丘を越える度に逃げとの差は縮まっていき、23歳のマエヴァ・スキバン(フランス、UAEチームADQ)が逃げから唯一粘る。しかしコート・ド・ラ・ルドゥットに入ると2017年&18年覇者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)の作るハイペースがスキバンを捉えた。
先頭でペースが上がる一方、ロンゴボルギーニは集団から遅れていく。ラ・ルドゥットの頂上を越える頃に先頭は15名まで絞られ、残り32.8km地点でパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がアタック。その動きにファンデルブレッヘンら3名が反応し、新たな先頭集団が形成された。

残り25km地点で25秒のリードを許したプロトンでは、選手を送り込むことのできなかったFDJスエズがペースを作る。最後の難関であるラ・ロッシュ・オ・フォーコン(1.3km地点/平均11%)に向かう平坦路では、残り17km地点で23秒差に危機感を覚えたモビスターも積極的に先頭で牽引。その甲斐もあり、登りに入った地点で12秒まで縮まった。
ラ・ロッシュ・オ・フォーコンではエリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)が牽引を終えると、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が先頭に出る。先行していたファンデルブレッヘンら逃げが捉まり、踏み込むフォレリングにピーテルセとコペッキー、セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール)の3名が食らいついた。

短い登りでケルバオルが飛び出し、追走の3名にはマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)が合流する。しかしその後シャッフルがかかり、コペッキーが遅れてキンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル)がジョイン。残り9kmでケルバオルが引き戻されると、フォレリングとピーテルセ、ケルバオル、ルコートはアタックを繰り返す。
しかしいずれも決め手に欠き、ファンデルブレッヘンと共に追走したコペッキーは届かない。そのため勝負は先頭4名によるスプリントに持ち込まれた。
フォレリングを先頭に最終ストレートに入り、4名がほぼ同時に腰を上げる。ルコートがフォレリングを抜き、その背後にピーテルセがつく。スプリントの伸びないフォレリングを尻目に、ピーテルセに並ばせることすら許さなかったルコートが勝利した。


「先頭集団に追いついた時、苦しむライバルを見て自信が湧いた。勝てるかどうかはわからいままスプリントに入り、後ろを振り向かずに踏み続けた。今シーズンは何度も勝利に迫り続けており、リエージュでの勝利を狙っていた。だけどチーム一丸となり掴んだこの結果が信じられない」と、ルコートは喜びを語った
ルコートはインド洋のイギリス連邦に加盟するモーリシャス共和国出身の29歳。昨年のジロ・デ・イタリア・ウィメンは最終ステージで勝利を挙げ、今年はミラノ〜サンレモとロンド・ファン・フラーンデレンで共に5位入賞。また4日前のラ・フレーシュ・ワロンヌでも6位と、ここまで好調を維持していた。
3位にはフォレリングが入り、後続集団の先頭はコペッキーが取って5位入賞を果たしている。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファム2025結果
1位 | キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) | 4:15:42 |
2位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | |
4位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール) | |
5位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | +0:24 |
6位 | マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) | |
7位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | |
8位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
9位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | |
10位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp
【医療機器認定】MYTREX マイトレックス REBIVE マッサージガン 筋膜リリースガン ハンディーマッサージャー 電動マッサージ ハンディガン 肩こり リカバリー リバイブ ギフト プレゼント MT-RB
株式会社創通メディカル
¥23,980 (¥23,980 / 個)