2025/04/07(月) - 08:30
アタックが繰り返される壮絶な展開となった第109回ロンド・ファン・フラーンデレン。最後のオウデ・クワレモントからタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が18km独走を決め、自身2度目の優勝を飾った。

4勝目を目指す今季好調のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

アルカンシエルを纏うタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos 
特別ジャージで臨んだワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:CorVos

ロンド・ファン・フラーンデレン2025 コースプロフィール image:Ronde van Vlaanderen
4月6日(日)に行われたロンド・ファン・フラーンデレンは今年、晴天に恵まれた。モニュメントと呼ばれる世界5大クラシックの中でも「クラシックの王様」と呼ばれ、ベルギー北部のフランドル地方で愛され続けるレースは109回目。コースはブルージュから南のオーデナールデを結ぶ距離は268.9kmで、後半には7つの石畳区間と16の急坂が登場する。
昨年「コースの安全性の向上」のためコースが変更されながらも、オウデ・クワレモントやパテルベルグは健在。また最大勾配22%の激坂コッペンベルグも依然として重要なポイントとして見られた。
スタート地点には、最多優勝記録である4勝目を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とミラノ〜サンレモでの雪辱を期すタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が先頭に並ぶ。またワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も出場したため、ロンドには2年振りにビッグスリーが揃った。

8名の逃げ集団が形成された photo:CorVos
序盤の平坦区間で飛び出したのはコナー・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を含む8名だった。マックス・ウォーカー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)ら2名も逃げを目指したが叶わず、アルペシンとUAEがペースを作るメイン集団が吸収。逃げとプロトンの差が4分で、計3度登坂する最初のオウデ・クワレモントに入った。
すると逃げ集団からは、これがモニュメント初挑戦の21歳アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)が飛び出すものの、不発に終わる。プロトンではティム・デクレルク(ベルギー、リドル・トレック)が先頭でペースを作り、オウデ・クワレモントをクリア。しかしその後、残り126km地点の舗装路で発生したプロトンでの落車に、ゼッケン1をつけるファンデルプールが巻き込まれた。

落車によって鎖骨などを骨折したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ピクニック・ポストNL) photo:CorVos

逃げ集団に合流したティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
またジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ピクニック・ポストNL)は鎖骨と肘、そして手首を骨折によってリタイアする。その一方でファンデルプールはバイクを交換し、チームメイトと共に約10kmを使って集団に復帰。そのプロトンからはモーレンベルグでダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)のアタックをきっかけに、ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)ら4名の強力な追走集団が形成された。
その後フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)を含む4名の第3グループも出来上がり、レースが徐々に動き出す。2つの追走が逃げ集団に合流し、先頭は14名となる。その47秒後方ではUAEが中心にペースを作った。
先頭集団がオウデ・クワレモントに入り、ベノートがハイペースで逃げ集団の人数を絞っていく。その後方ではポガチャルによるアタックに、ヴィスマのファンアールトとマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)、マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)の3名が反応。集団の中で番手を下げていたファンデルプールが猛スピードで追いつき、ジョーゲンソンの背後についた。

パテルベルグで加速したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
ベノートら7名をポガチャル・グループが追う形でレースは進行し、43秒差で直後のパテルベルグに入る。今度はファンデルプールの加速にポガチャルがつき、1度離されたファンアールトやピーダスンが平坦路で合流。牽制によってペースが緩んだため、後続からヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)やニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつき、追走集団は9名になった。
最大勾配22%の激坂コッペンベルグで先頭はベノートを含む3名に絞られ、後続からポガチャルたちがジョインする。そのため先頭は13名となり、残り39km地点でポガチャルが再びアタック。レース前に「厳しい展開に持ち込みたい」という言葉どおり、積極的にライバルたちの脚を削っていく。

ポガチャルにファンデルプールとピーダスンが食らいつく photo:CorVos
ポガチャルはタイエンベルグでもスピードを上げ、ファンデルプールとピーダスン以外が振り落とされる。残り37km地点で先頭は3名。ファンアールトがジョーゲンソンとベノートと共に追走するなか、オウデ・クルイスベルグで加速したポガチャルはピーダスンを引き離した。
そのためレースは残り28km地点でポガチャルとファンデルプールに絞られた。しかし最後の勝負どころであるオウデ・クワレモントとパテルベルグを前にピーダスンたちは合流し、ここまで登りで引き離されることが続いたファンアールトがアタック。先頭でこの日最後のオウデ・クワレモントに突入した。
しかし石畳の坂に入る直前に集団はファンアールトをキャッチする。先導するアルカンシエルはそのまま踏み続け、ついにファンデルプールを引き離すことに成功。オウデ・クワレモントの頂上を通過し、短い下りを経てパテルベルグも悠々にクリアしたポガチャルが、独走でフィニッシュを目指した。

最後のオウデ・クワレモントで単独先頭に立ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
追走ではファンデルプールとファンアールト、そしてリドルのピーダスンとストゥイヴェンがローテーションを回して追走する。しかしポガチャルとの差は縮まるどころか拡がっていく一方。そして18kmを単独で走り続けたポガチャルが、大観衆のフィニッシュラインに到着した。

18km独走で2度目のロンド制覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
ミラノ〜サンレモの雪辱を果たし、2度目のロンド制覇を達成したポガチャル。「オウデ・クワレモントでのアタックは作戦通り。もちろん勝利を目指していたのだが、実際に勝つことができて信じられない気持ちだよ。このアルカンシエルを纏い、勝てたことが本当に嬉しい」と満面の笑みで語った。
1分1秒遅れでやってきた後続は、ピーダスンがファンデルプールとファンアールトをスプリントで退け2位。3位にはファンデルプールが入り「落車が無くても結果は同じだっただろう。体力が残っていなかったので、最後のオウデ・クワレモントでタデイのアタックについていくことは難しいと思っていた。この結果に驚きはなく、来年また頑張るよ」とレースを振り返った。
選手たちのコメントは別記事にてお伝えします。

2位スプリントはマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が先着 photo:CorVos

ロンド・ファン・フラーンデレン2025表彰台:2位ピーダスン、1位ポガチャル、3位ファンデルプール photo:CorVos




4月6日(日)に行われたロンド・ファン・フラーンデレンは今年、晴天に恵まれた。モニュメントと呼ばれる世界5大クラシックの中でも「クラシックの王様」と呼ばれ、ベルギー北部のフランドル地方で愛され続けるレースは109回目。コースはブルージュから南のオーデナールデを結ぶ距離は268.9kmで、後半には7つの石畳区間と16の急坂が登場する。
昨年「コースの安全性の向上」のためコースが変更されながらも、オウデ・クワレモントやパテルベルグは健在。また最大勾配22%の激坂コッペンベルグも依然として重要なポイントとして見られた。
スタート地点には、最多優勝記録である4勝目を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とミラノ〜サンレモでの雪辱を期すタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が先頭に並ぶ。またワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も出場したため、ロンドには2年振りにビッグスリーが揃った。

序盤の平坦区間で飛び出したのはコナー・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を含む8名だった。マックス・ウォーカー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)ら2名も逃げを目指したが叶わず、アルペシンとUAEがペースを作るメイン集団が吸収。逃げとプロトンの差が4分で、計3度登坂する最初のオウデ・クワレモントに入った。
すると逃げ集団からは、これがモニュメント初挑戦の21歳アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ)が飛び出すものの、不発に終わる。プロトンではティム・デクレルク(ベルギー、リドル・トレック)が先頭でペースを作り、オウデ・クワレモントをクリア。しかしその後、残り126km地点の舗装路で発生したプロトンでの落車に、ゼッケン1をつけるファンデルプールが巻き込まれた。


またジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ピクニック・ポストNL)は鎖骨と肘、そして手首を骨折によってリタイアする。その一方でファンデルプールはバイクを交換し、チームメイトと共に約10kmを使って集団に復帰。そのプロトンからはモーレンベルグでダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)のアタックをきっかけに、ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)ら4名の強力な追走集団が形成された。
その後フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)を含む4名の第3グループも出来上がり、レースが徐々に動き出す。2つの追走が逃げ集団に合流し、先頭は14名となる。その47秒後方ではUAEが中心にペースを作った。
先頭集団がオウデ・クワレモントに入り、ベノートがハイペースで逃げ集団の人数を絞っていく。その後方ではポガチャルによるアタックに、ヴィスマのファンアールトとマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)、マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)の3名が反応。集団の中で番手を下げていたファンデルプールが猛スピードで追いつき、ジョーゲンソンの背後についた。

ベノートら7名をポガチャル・グループが追う形でレースは進行し、43秒差で直後のパテルベルグに入る。今度はファンデルプールの加速にポガチャルがつき、1度離されたファンアールトやピーダスンが平坦路で合流。牽制によってペースが緩んだため、後続からヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)やニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつき、追走集団は9名になった。
最大勾配22%の激坂コッペンベルグで先頭はベノートを含む3名に絞られ、後続からポガチャルたちがジョインする。そのため先頭は13名となり、残り39km地点でポガチャルが再びアタック。レース前に「厳しい展開に持ち込みたい」という言葉どおり、積極的にライバルたちの脚を削っていく。

ポガチャルはタイエンベルグでもスピードを上げ、ファンデルプールとピーダスン以外が振り落とされる。残り37km地点で先頭は3名。ファンアールトがジョーゲンソンとベノートと共に追走するなか、オウデ・クルイスベルグで加速したポガチャルはピーダスンを引き離した。
そのためレースは残り28km地点でポガチャルとファンデルプールに絞られた。しかし最後の勝負どころであるオウデ・クワレモントとパテルベルグを前にピーダスンたちは合流し、ここまで登りで引き離されることが続いたファンアールトがアタック。先頭でこの日最後のオウデ・クワレモントに突入した。
しかし石畳の坂に入る直前に集団はファンアールトをキャッチする。先導するアルカンシエルはそのまま踏み続け、ついにファンデルプールを引き離すことに成功。オウデ・クワレモントの頂上を通過し、短い下りを経てパテルベルグも悠々にクリアしたポガチャルが、独走でフィニッシュを目指した。

追走ではファンデルプールとファンアールト、そしてリドルのピーダスンとストゥイヴェンがローテーションを回して追走する。しかしポガチャルとの差は縮まるどころか拡がっていく一方。そして18kmを単独で走り続けたポガチャルが、大観衆のフィニッシュラインに到着した。

ミラノ〜サンレモの雪辱を果たし、2度目のロンド制覇を達成したポガチャル。「オウデ・クワレモントでのアタックは作戦通り。もちろん勝利を目指していたのだが、実際に勝つことができて信じられない気持ちだよ。このアルカンシエルを纏い、勝てたことが本当に嬉しい」と満面の笑みで語った。
1分1秒遅れでやってきた後続は、ピーダスンがファンデルプールとファンアールトをスプリントで退け2位。3位にはファンデルプールが入り「落車が無くても結果は同じだっただろう。体力が残っていなかったので、最後のオウデ・クワレモントでタデイのアタックについていくことは難しいと思っていた。この結果に驚きはなく、来年また頑張るよ」とレースを振り返った。
選手たちのコメントは別記事にてお伝えします。


ロンド・ファン・フラーンデレン2025結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 5:58:41 |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | +1:01 |
3位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
4位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック) | +1:04 |
6位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:51 |
7位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +1:53 |
8位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | +2:19 |
9位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
10位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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