2025/03/03(月) - 11:00
伝統のクールネ~ブリュッセル~クールネを制したのはヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)。教科書通りのリードアウトを得て今季初勝利を収めた。
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昨年覇者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が歓声を浴びて登場 photo:CorVos
クラシックシーズンの幕開けを告げる2連戦の2日目。オムロープ・ヘットニュースブラットの翌日、同じベルギー・フランドル地方で伝統の一戦「クールネ~ブリュッセル~クールネ(UCI1.Pro)」が開催された。
「ザ・クラシックハンター」向けのオムロープに対して、急勾配や石畳登坂が登場するものの、ラスト50kmが平坦基調のクールネは比較的スプリンター向けと言える。ただし昨年はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が3名のスプリントを制し、2023年もティシュ・べノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が逃げ切りを成功させるなど決して単調にはならない厳しいクラシックレースだ。
合計13箇所の登坂区間が設定された196km/獲得標高700mオーバーのコースに、各チームのスプリンターがエースナンバーをピン留めしたプロトンが出発。あまり時間を要さずにドリース・デボント(ベルギー、デカトロン・AG2Rラモンディアール)やトマシュ・コペツキー(チェコ、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)らを含む逃げグループが先行を開始した。
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序盤のアタック合戦。カンペナールツらもこの動きに加わった photo:CorVos
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春の訪れを感じるフランドルを駆け巡る photo:CorVos
逃げる7名は一気にリードを築き上げて巡航体制に。100kmほど距離を消化し、徐々にスピードを上げるプロトンからは前日驚きの勝利を挙げたソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がこぼれ落ちていく。ここからスプリンター不在のUAEチームエミレーツXRGが積極的な攻撃に打って出た。
UAEはルイス・アスキー(イギリス、グルパマ・FDJ)のアタックにダウンアンダー覇者ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)を追従させ、この動きが吸収されるとティム・ウェレンス(ベルギー)で攻撃を続行。活性化を遂げる集団からは昨年覇者ファンアールトが加速したものの、昨年のように抜け出しには至らなかった。
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集団を抜け出し、逃げに合流したティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
残り60km地点ではシュテファン・ビッセガー(スイス、デカトロン・AG2Rラモンディアール)が飛び出してウェレンスが合流し、当初からの逃げメンバーを捉えながら逃げを続ける。ファンアールトは再度集団を飛び立ったが、追従したロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がローテを回さなかったため踏みやめる。こうして「逃げ+メイン集団」という構図を変えずにラスト50kmの平坦区間へ。
スーダル・クイックステップとリドル・トレックが牽く集団が、序盤から180km以上逃げていたメンバーをラスト11kmで吸収。クールネ市街地を位置取り争いを繰り広げながら駆け抜け、EFエデュケーション・イージーポストが良い形を作ってフラムルージュ(ラスト1km)をくぐる。主導権を奪ったヴィスマは残り500mでアシスト勢を使い切ってオラフ・コーイ(オランダ)単騎となり、代わってアルペシン・ドゥクーニンクのリードアウトトレインが発進した。
ヤスパー・フィリプセン(ベルギー)を最後尾に据えたアルペシンは残り300mで3名を残す最高の状況を作り上げる。ヨナス・リカールト(ベルギー)とカーデン・グローブス(オーストラリア)による教科書通りのリードアウトを受けたフィリプセンのスピードは、追いすがるコーイを一切寄せ付けなかった。
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スプリントで圧勝したヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)。勝利に貢献したグローブスは降格処分に photo:CorVos
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今季初勝利を収めたヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
シーズンインのUAEツアーで3位と2位、昨日のオムループで3位と勝利に手が届いていなかったフィリプセンが待望の勝利。「強力なチームなしでは全く不可能な勝利だったと思う。昨日は複雑な気分だったぶん、今日の勝利は格別だよ。調子自体はあまり良くなかったけれど、スプリントの可能性が高いことは分かっていたんだ。この数年、僕らのチームがクラシック開幕2連戦でうまく行ったことがなかったし、本当に嬉しい結果になった」と27回目の誕生日を、自らの今季初勝利で祝っている。
コーイが2位に入り、3位はユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック)。なおフィリプセンをリードアウトしたグローブスは今季から履行される「集団スプリントにおける優勝者以外のガッツポーズ禁止令」によって集団最後尾への降格処分となっている。
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クールネ~ブリュッセル~クールネ2025表彰台 photo:CorVos
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クラシックシーズンの幕開けを告げる2連戦の2日目。オムロープ・ヘットニュースブラットの翌日、同じベルギー・フランドル地方で伝統の一戦「クールネ~ブリュッセル~クールネ(UCI1.Pro)」が開催された。
「ザ・クラシックハンター」向けのオムロープに対して、急勾配や石畳登坂が登場するものの、ラスト50kmが平坦基調のクールネは比較的スプリンター向けと言える。ただし昨年はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が3名のスプリントを制し、2023年もティシュ・べノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が逃げ切りを成功させるなど決して単調にはならない厳しいクラシックレースだ。
合計13箇所の登坂区間が設定された196km/獲得標高700mオーバーのコースに、各チームのスプリンターがエースナンバーをピン留めしたプロトンが出発。あまり時間を要さずにドリース・デボント(ベルギー、デカトロン・AG2Rラモンディアール)やトマシュ・コペツキー(チェコ、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)らを含む逃げグループが先行を開始した。
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逃げる7名は一気にリードを築き上げて巡航体制に。100kmほど距離を消化し、徐々にスピードを上げるプロトンからは前日驚きの勝利を挙げたソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がこぼれ落ちていく。ここからスプリンター不在のUAEチームエミレーツXRGが積極的な攻撃に打って出た。
UAEはルイス・アスキー(イギリス、グルパマ・FDJ)のアタックにダウンアンダー覇者ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)を追従させ、この動きが吸収されるとティム・ウェレンス(ベルギー)で攻撃を続行。活性化を遂げる集団からは昨年覇者ファンアールトが加速したものの、昨年のように抜け出しには至らなかった。
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残り60km地点ではシュテファン・ビッセガー(スイス、デカトロン・AG2Rラモンディアール)が飛び出してウェレンスが合流し、当初からの逃げメンバーを捉えながら逃げを続ける。ファンアールトは再度集団を飛び立ったが、追従したロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がローテを回さなかったため踏みやめる。こうして「逃げ+メイン集団」という構図を変えずにラスト50kmの平坦区間へ。
スーダル・クイックステップとリドル・トレックが牽く集団が、序盤から180km以上逃げていたメンバーをラスト11kmで吸収。クールネ市街地を位置取り争いを繰り広げながら駆け抜け、EFエデュケーション・イージーポストが良い形を作ってフラムルージュ(ラスト1km)をくぐる。主導権を奪ったヴィスマは残り500mでアシスト勢を使い切ってオラフ・コーイ(オランダ)単騎となり、代わってアルペシン・ドゥクーニンクのリードアウトトレインが発進した。
ヤスパー・フィリプセン(ベルギー)を最後尾に据えたアルペシンは残り300mで3名を残す最高の状況を作り上げる。ヨナス・リカールト(ベルギー)とカーデン・グローブス(オーストラリア)による教科書通りのリードアウトを受けたフィリプセンのスピードは、追いすがるコーイを一切寄せ付けなかった。
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シーズンインのUAEツアーで3位と2位、昨日のオムループで3位と勝利に手が届いていなかったフィリプセンが待望の勝利。「強力なチームなしでは全く不可能な勝利だったと思う。昨日は複雑な気分だったぶん、今日の勝利は格別だよ。調子自体はあまり良くなかったけれど、スプリントの可能性が高いことは分かっていたんだ。この数年、僕らのチームがクラシック開幕2連戦でうまく行ったことがなかったし、本当に嬉しい結果になった」と27回目の誕生日を、自らの今季初勝利で祝っている。
コーイが2位に入り、3位はユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック)。なおフィリプセンをリードアウトしたグローブスは今季から履行される「集団スプリントにおける優勝者以外のガッツポーズ禁止令」によって集団最後尾への降格処分となっている。
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クールネ~ブリュッセル~クールネ2025
1位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 4:42:24 |
2位 | オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック) | |
4位 | アルネ・マーリッツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
5位 | リック・プルイマース(オランダ、チューダー・プロサイクリング) | |
6位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
7位 | マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
8位 | パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL) | |
9位 | ルカシュ・クビシュ(スロバキア、ユニベット・ティテマ・ロケッツ) | |
10位 | ミラン・フレティン(ベルギー、コフィディス) |
text:So.Isobe
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