4回目の開催となる「富士山サイクルロードレース/富士クリテリウムチャンピオンシップ」が開幕。初日は予選が行われ、翌日の決勝レースに進出する75名が決まった。予選の模様とあわせ、出場チームと決勝レースをプレビューする。



朝から富士山が見える1日 photo:Satoru Kato

「富士山サイクルロードレース/富士クリテリウムチャンピオンシップ」は、国内トップチームと大学生が出場する大会。JCF(日本自転車競技連盟)の公式戦として開催され、大会名通りクリテリウムをメインとした国内唯一の大会である。

今年は3月1日、2日の2日間にわたり開催。初日は静岡県清水市の富士川滑空場で予選が行われ、翌日は富士市内の公道コースで決勝が行われる。

レース前にはフリーランが行われた photo:Satoru Kato

女子のレースにはアジア選手権から帰国したばかりの池田瑞紀(前)と水谷彩奈らが出場 photo:Satoru Kato

出場チームは以下表の通り。UCIコンチネンタル登録チームとクラブチームが計14チームと大学15校、計135名が出走した。公式サイトで発表されていた愛三工業レーシングチームと、ベルマーレ・レーシングチームは出場を取りやめている。
富士クリテリウムチャンピオンシップ2025 出場チーム
シマノレーシング チームブリヂストンサイクリング
ヴィクトワール広島 キナンレーシングチーム
スパークルおおいたレーシングチーム VC福岡
群馬グリフィンレーシングチーム チームサイクラーズスネル
シエルブルー鹿屋 アヴニールサイクリング山梨
レバンテフジ静岡 備後しまなみeNShare
イナーメ信濃山形 稲城FIETS クラスアクト
慶應義塾大学 早稲田大学 立命館大学 日本大学
順天堂大学 明治大学 法政大学 立教大学
日本体育大学 作新学院大学 徳島大学 東京大学
新潟食料農業大学 東京科学大学 駒沢大学 東海大学
富士川滑空場の滑走路を使用した予選コース photo:Satoru Kato

後続との差を確認しやすい往復コース photo:Satoru Kato

予選のコースは、富士川河川敷にある富士川滑空場のグライダー用の滑走路を往復する1周1.5kmのコースを30周する45km。3組に分けて行われ、各組25名、計75名が決勝に進出する。昨年まで予選の組分けは大学生のみの予選グループが設定されていたが、今年は区分けなくシャッフルされての予選とされた。

予選1組 チームブリヂストンサイクリングの2名が先行 photo:Satoru Kato

予選1組はチームブリヂストンサイクリングの2名が抜け出したのをきっかけに集団が二つに割れ、16名の先頭集団が形成された。後方集団は9名の決勝進出をかけてのスプリントとなったが、優勝候補チームの山下虎ノ亮(チームブリヂストンサイクリング)が26位で予選落ちとなる波乱があった。

予選2組 集団が大きく割れて大人数が先行 photo:Satoru Kato

予選2組は速いペースでの進行にタイムアウトの選手が続出。コース上に残った人数が25名となったため、5周を残して予選レース終了となった。

予選3組 先頭集団と最後尾が開きすぎた為、審判のバイクによりニュートラル走行の処置が取られた photo:Satoru Kato

予選3組は集団が3つに分かれ、終盤に6名の先頭集団が最後尾集団の直後に迫るまでの差となった。最後尾集団がタイムアウトで除外されると決勝進出人数が16名になってしまうことから、先頭集団がニュートラル走行の処置が取られた。

決勝レースは54km
決勝は富士市内の公道コース 今回も富士山がよく見える1日になりそう photo:Satoru Kato

コース両端は折り返しのヘアピンコーナー photo:Satoru Kato

決勝は富士市役所前の公道に設定される1周1.8kmの周回コースを使用し、30周54kmのレースが行われる。コースは「へ」の字を描くように両端の折り返しを往復するレイアウト。スタート・フィニッシュ地点が小高くなっており、最後は登りスプリント勝負になる。それ故、過去の決勝はタイミングよくロングスプリントを仕掛けた者が勝者となっている。

東京クリテリウムでは鉄壁のレースを見せたチームブリヂストンサイクリング photo:Satoru Kato

富士市に近い三島市を拠点とするチームブリヂストンサイクリングは、毎年優勝候補に挙げられながらもこの大会での優勝はまだない。今回は直前に帰国したばかりのアジア選手権出場メンバーも揃えて必勝体制。2月16日に行われたJプロツアー特別戦「東京クリテリウム」で見せた支配力を見せるか。

志布志クリテリウムで主導権を握ったシマノレーシング photo:Satoru Kato
鹿屋・肝付ロードレースではヴィクトワール広島がレースの流れを変えた photo:Satoru Kato


一方で、1週間前のJクリテリウムツアー志布志クリテリウムを制した中井唯晶擁するシマノレーシングが対抗馬となるか。シマノレーシングと同数の6名を決勝に揃えたヴィクトワール広島も孫崎大樹を筆頭に勝ちを狙ってくると思われ、この3チームを軸にレースが展開しそうだ。大学生の決勝進出は16名。トップチームの間隙を突いて上位に食い込むことが出来るか?

決勝レースは14時15分スタート。レースの模様はYouTubeでライブ配信される。詳細は下記リンクより大会公式サイトも合わせてご参照を。


text&photo:Satoru Kato


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