2025/02/24(月) - 08:27
UAEツアー最終日はジュベルハフィートの山頂フィニッシュ。残り7kmを独走したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が勝利し、2022年以来3年振りとなる総合優勝に輝く。序盤で落車したフルームは鎖骨を骨折した。
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サッカースタジアムであるハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムがスタート地点となった photo:UAE Tour
2025年シーズンのワールドツアー第3戦として開幕したUAEツアーも、最終日である第7ステージを迎えた。この日選手たちが挑むのは、大会を象徴する山岳ジュベルハフィート(距離10.7km/平均6.6%)。中腹に最大勾配12%が訪れる山岳の山頂で、ステージ優勝者と第7代の総合優勝者が決定する。
気温32度とヨーロッパとは大きく異なる暑さのなか、選手たちはヤシの木をモチーフとしたハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムを出発した。直後に7名による落車が発生。巻き込まれた総合2位のジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が再スタートを切る一方で、クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)は右鎖骨を骨折する怪我を負った。
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レース前半に横風分断が発生する photo:UAE Tour
ターリングが無事復帰したメイン集団では、横風による集団分断が起こる。その結果、レース先頭で総合首位ポガチャルや4位のフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)など10名の精鋭集団が形成される。その中にはポイント賞ジャージを着るジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)も入り、1つ目の中間スプリントを先頭通過した。
その後、総合上位のジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)ら追走集団が合流し、先頭は43名となる。その中に総合8位のレナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット)は入ることはできず、またポガチャルの重要なアシストであるジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)も合流を逃す。そして後続は懸命に追走したものの、最後までグループ・ポガチャルに追いつくことはできなかった。
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UAEの先導でジュベルハフィートに突入した photo:UAE Tour
いよいよ先頭集団は登坂距離10.7kmのジュベルハフィートに到着した。ペースメイクはUAEのベルギー人コンビ、フロリアン・フェルミールスとルネ・ヘレホーツが担当する。そして12名まで絞られた集団から、残り7.8kmでポガチャルがアタック。赤いリーダージャージを着る世界王者からはフィッシャーブラックが遅れ、チッコーネとオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)が食らいつく。
しかしシッティングのままハイケイデンスで脚を回すポガチャルは、残り7.4km地点で後続2名を引き離す。「カウンターアタックを警戒したため」とレース後に早い仕掛けの理由を語ったポガチャルは、そのまま高出力で踏み続け、残り1km地点を通過。途中観客とハイタッチする余裕を見せながら、チームのメインスポンサーであるアラブ首長国連邦の地で、名物ジュベルハフィートを制覇した。
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残り7.4km地点で後続を引き離したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
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4度目のジュベルハフィート制覇となったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
2020年から自身4度目のジュベルハフィート勝利を掴んだポガチャル。「横風が吹いたのでカオス(集団分断)を作り出した。最後はフロリアンとルネが先導し、素晴らしいアシストのおかげで独走することができた」とレースを振り返り、3度目となる総合優勝に輝いた。
「(6月の)ドーフィネまでステージレースはない。だから頭をワンデークラシックに切り替えて楽しみたい」と語ったポガチャルの次戦は、3月8日のストラーデビアンケを予定している。
総合2位には区間2位のチッコーネ、総合3位にはペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が入り、総合表彰台に上がっている。
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第7代総合優勝者となったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
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2025年シーズンのワールドツアー第3戦として開幕したUAEツアーも、最終日である第7ステージを迎えた。この日選手たちが挑むのは、大会を象徴する山岳ジュベルハフィート(距離10.7km/平均6.6%)。中腹に最大勾配12%が訪れる山岳の山頂で、ステージ優勝者と第7代の総合優勝者が決定する。
気温32度とヨーロッパとは大きく異なる暑さのなか、選手たちはヤシの木をモチーフとしたハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムを出発した。直後に7名による落車が発生。巻き込まれた総合2位のジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が再スタートを切る一方で、クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)は右鎖骨を骨折する怪我を負った。
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ターリングが無事復帰したメイン集団では、横風による集団分断が起こる。その結果、レース先頭で総合首位ポガチャルや4位のフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)など10名の精鋭集団が形成される。その中にはポイント賞ジャージを着るジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)も入り、1つ目の中間スプリントを先頭通過した。
その後、総合上位のジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)ら追走集団が合流し、先頭は43名となる。その中に総合8位のレナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット)は入ることはできず、またポガチャルの重要なアシストであるジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)も合流を逃す。そして後続は懸命に追走したものの、最後までグループ・ポガチャルに追いつくことはできなかった。
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いよいよ先頭集団は登坂距離10.7kmのジュベルハフィートに到着した。ペースメイクはUAEのベルギー人コンビ、フロリアン・フェルミールスとルネ・ヘレホーツが担当する。そして12名まで絞られた集団から、残り7.8kmでポガチャルがアタック。赤いリーダージャージを着る世界王者からはフィッシャーブラックが遅れ、チッコーネとオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)が食らいつく。
しかしシッティングのままハイケイデンスで脚を回すポガチャルは、残り7.4km地点で後続2名を引き離す。「カウンターアタックを警戒したため」とレース後に早い仕掛けの理由を語ったポガチャルは、そのまま高出力で踏み続け、残り1km地点を通過。途中観客とハイタッチする余裕を見せながら、チームのメインスポンサーであるアラブ首長国連邦の地で、名物ジュベルハフィートを制覇した。
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2020年から自身4度目のジュベルハフィート勝利を掴んだポガチャル。「横風が吹いたのでカオス(集団分断)を作り出した。最後はフロリアンとルネが先導し、素晴らしいアシストのおかげで独走することができた」とレースを振り返り、3度目となる総合優勝に輝いた。
「(6月の)ドーフィネまでステージレースはない。だから頭をワンデークラシックに切り替えて楽しみたい」と語ったポガチャルの次戦は、3月8日のストラーデビアンケを予定している。
総合2位には区間2位のチッコーネ、総合3位にはペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が入り、総合表彰台に上がっている。
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UAEツアー2025第7ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 3:44:04 |
2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +0:33 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:35 |
4位 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) | +0:49 |
5位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +1:16 |
6位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | +1:25 |
7位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:05 |
8位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +2:11 |
9位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、リドル・トレック) | +2:33 |
10位 | ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:51 |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 23:08:42 |
2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +1:14 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:19 |
4位 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) | +1:26 |
5位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +2:10 |
6位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | +2:43 |
7位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:59 |
8位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +3:49 |
9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +3:52 |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、リドル・トレック) | +4:00 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) |
ヤングライダー賞 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:UAE Tour
photo:UAE Tour
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