3日連続でスプリント決着となったボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ第4ステージ。エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が連勝し、移籍初戦のデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)が総合優勝した。



ボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ第4ステージ photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

2025年プロシリーズの2戦目である、ボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナは最終日を迎えた。4日間の大会を締めくくるのは、コース前半に3つの山岳が設定された丘陵ステージ。しかし後半は、徐々に標高を下げていく下り基調のため、前日同様の集団スプリントが予想された。

この日レース中盤で形成された逃げグループは、2日目勝者ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)を含む9名。37歳のベテラン、アマンダ・スプラット(オーストラリア、リドル・トレック)も入る強力な逃げは最大2分半のリードを得る。山岳を越えて残り距離が20kmを切った地点でも、その差は1分45秒あった。

2時間を擁した逃げ集団は9名 photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

逃げ切りの可能性が徐々に高まるなか、メイン集団ではヴィスマ・リースアバイクが追走に本腰を入れる。その動きにはキャニオン・スラム・ゾンダクリプトが加勢し、残り10km地点で37秒差まで縮めることに成功。そしてフィニッシュ手前700mで、集団は逃げを捉えた。

最終ストレートに先頭で突入したのは、前日5位のリアヌ・リッパート(ドイツ)を擁するモビスター。しかし元ドイツ王者のスプリントは伸びず、アグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)を抑えたバルサモが先着。ピンク色のポイント賞ジャージを着た元世界王者が、2日連続で勝利を手に入れた。

スプリント勝利したエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

「正直、コンディションが良くなく(コース中盤の)山岳が辛かった。しかし遅れた私をチームメイトが集団に復帰させてくれた。皆が私のスプリント勝利を信じてくれたおかげ」と、バルサモは勝因を語った。

そして総合優勝は、FDJスエズに移籍初レースだったデミ・フォレリング(オランダ)の手に。また4年振りの実戦復帰となったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)は、総合3位で表彰台に上がっている。

総合優勝に輝いたデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines
ボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第4ステージ結果
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) 3:33:55
2位 アグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)
3位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
4位 タリタ・デヨング(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)
5位 ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)
個人総合成績
1位 デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) 12:52:26
2位 マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) +0:34
3位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) +0:37
4位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) +1:15
5位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) +1:28
その他の特別賞
ポイント賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)
山岳賞 ブローディー・チャップマン(オーストラリア、UAEチームADQ)
ヤングライダー賞 エレオノラ・チアボッコ(イタリア、ピクニック・ポストNL)
チーム総合成績 FDJスエズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Volta Comunitat Valenciana Fémines

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