アンダー23最強選手、ティボー・デルグロッソ(オランダ)が世界選手権連覇を達成した。柚木伸元(日本大学)は33位、副島達海(大阪産業大学)は40位で共に完走に手が届かなかった。



コールアップ前に足を回す柚木伸元(日本大学) photo:Nobuhiko Tanabe
集中した表情の副島達海(大阪産業大学) photo:Nobuhiko Tanabe


男子U23がスタート。刻々とコース状況が変わる中レースが展開した photo:CorVos

次代を担う2003〜2006年生まれの選手が対象のU23男子カテゴリーに出場したのは17カ国から集った49名。13時05分、気温上昇に伴って氷が緩んだコースに向け、開催国フランスと屈強な選手層を誇るオランダとベルギー勢が入り乱れるようにダッシュを決めた。

柚木伸元(日本大学)は20番手台までジャンプアップし、出遅れたと悔やむ副島達海(大阪産業大学)は40番手付近からの立ち上がり。「順位的にも良くパワーも出ていました。好きなタイプのコースですし、調子よく走れていた」と言う柚木は他国選手と争いながらポジションをキープし、「上手く噛み合わなかった」と悔やむ副島は落車で傷を縫う怪我を負いながらも懸命に前を追いかけた。

安定した走りでリードを構築するティボー・デルグロッソ(オランダ) photo:CorVos

開催国フランスは積極的に攻めるも表彰台獲得には至らず photo:CorVos

1周目に早くも独走に持ち込み、レースを支配したのはティボー・デルグロッソ(オランダ)だった。今季U23カテゴリーで出場したレースは全勝、エリートでもコクサイデで2位、オランダ選手権で初優勝した同年代最強選手があっという間にリードを構築。馬力でも、テクニックでも他を凌駕する22歳はレース開始後5分で20秒差を付け、その後もリードを積み重ね続けた。

圧勝でU23連覇を果たしたティボー・デルグロッソ(オランダ) photo:CorVos

ベルギーやイタリア、開催国フランス勢の追走を一切許さず、フライオーバーでファンデルプールスタイルのテールウィップを披露したデルグロッソがU23カテゴリー連覇。「最初に勝った時と同じくらい最高の気分だ。今日は本当に楽しく走れたよ。このコースではダークホースが勝つことはない。最初から自分のペースで走ったことが上手くいったよ。最初はコース状況がよく分からなかったけど、すぐ自分のラインを見つけることができた」と、背中のゼッケン1を取り外し、フィニッシュラインで披露したデルグロッソは嬉しい心境を話している。ベルギーは2位にカイ・デブリュッケレを、3位にイェンテ・マイケルズを送り込んだものの、金メダルには手が届かなかった。

強豪国のライダーに混ざってレースを続けた柚木は完走に1ラップ届かず33位。しかし「途中の苦しい時間帯も乗り切って自分のペースに戻せたし、変化し続けるコースにも対応できました。完走もできていないので悔しいですが、昨年よりも上手く走れた世界選手権でした。現段階の自己ベストの走りだったと思います」と、明るい声で自己評価をしている。

「今のベストの走りができた」と言う柚木伸元(日本大学) photo:Nobuhiko Tanabe

怪我を負いながらも前を追う副島達海(大阪産業大学) photo:Nobuhiko Tanabe

また、怪我にも屈せず走り抜いた副島は40位でレースを終えた。「中盤は良い走りができていたと評価を受けましたが、個人的には苦しい時間が続きました。今の実力としてはこれくらいの結果なのかな、と」と2年ぶりの世界選手権で改めて世界との差を痛感したという。

日本人選手のコメント全文は別記事で紹介します。

シクロクロス世界選手権2025 男子U23結果
1位 ティボー・デルグロッソ(オランダ) 56:26
2位 カイ・デブリュッケレ(ベルギー) +0:56
3位 イェンテ・マイケルズ(ベルギー) +1:05
4位 ステファノ・ヴィエッツィ(イタリア) +1:32
5位 セッぺ・ファンデンボーア(ベルギー) +2:10
33位 柚木伸元(日本大学)
40位 副島達海(大阪産業大学)
text:So Isobe
photo:CorVos, Nobuhiko Tanabe

最新ニュース(全ジャンル)