独走を許していたライバルを最終周回で逆転。リーズ・レヴォルが開催国フランスに早速アルカンシエルをもたらした。石川七海(チャンピオンシステムジャパンTT&轍屋)は最後尾から追い上げ、32位で完走を果たしている。



スタートを待つ石川七海(チャンピオンシステムジャパンTT&轍屋) photo:UCI

シクロクロス世界選手権2日目の皮切りとなったのが女子ジュニアレースだ。現地時間11:05(日本時間19:05)、まだ霜の残った硬い泥コースに向けて、石川七海(チャンピオンシステムジャパンTT&轍屋)を含む15カ国45名の選手たちが一斉にダッシュを決めた。

21年ぶりとなる世界選手権開催に燃えるフランス勢が序盤から飛ばし、するするとリーズ・レヴォル(フランス)が早くも独走に持ち込んだ。このまま独走勝利するかと思われるほどの勢いだったものの、3周目に入ると2位グループを抜け出したバーボラ・ブコフスカ(チェコ)が一気に差を詰めてその背中を追い抜いた。

霜が残るコースを逃げるリーズ・レヴォル(フランス) photo:UCI

最後尾から追い上げる走りを続けた石川七海(チャンピオンシステムジャパンTT&轍屋) photo:UCI

しかし今季W杯の女子ジュニアで2勝を挙げたレヴォルは冷静だった。「彼女は平坦区間で速くて付いていけなかったけれど、コース脇のスタッフからは難しいセクションで私の方がずっと速いと聞かされていた。最後の2周で急に追いつけたので勝てると思った」と、残り2周で13秒あった差を一気に縮めてひっくり返す。深く轍が刻まれた最後のキャンバー区間をミスなく抜けたレヴォルが、ペースを崩したライバルを振り切ってこの日最初の世界タイトルを勝ち取った。

母国ファンの前でアルカンシエルを獲得したリーズ・レヴォル(フランス) photo:UCI

シクロクロス世界選手権2025 女子ジュニア表彰台:1位レヴォル、2位ブコフスカ、3位キャリア photo:UCI

「観客の応援は本当に耳が痛くなるほどで、私の背中を後押ししてくれた。信じられない体験だった」と言うレヴォルが開催国フランスに金メダルとアルカンシエルをもたらした。ブコフスカが2位、W杯ランキング総合覇者のラファエレ・キャリア(カナダ) が1分43秒差で3位を獲得している。

スタートでペダルキャッチをミスし、最後尾からの追い上げを強いられた石川だったが、最終的にレヴォルから8分遅れの32位で完走した。「焦らずに中盤まで順位を上げる事が出来たので良かったなと思います。でも後半はタレてしまったので、今後はペースを維持できるようになりたい。いつも映像でしか見ていなかった場所で走ることができたのは本当に楽しかったです」と締め括っている。

シクロクロス世界選手権2025 女子ジュニア
1位 リーズ・レヴォル(フランス) 45:25
2位 バーボラ・ブコフスカ(チェコ) +0:11
3位 ラファエレ・キャリア(カナダ) +1:43
4位 アンヤ・グロスマン(スイス) +1:53
5位 リディア・キューザック(アメリカ)
32位 石川七海(チャンピオンシステムジャパンTT&轍屋) +8:00
text:So Isobe
photo:CorVos, Nobuhiko Tanabe

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