ロード、グラベル、マウンテンバイクのイベントが同時に開催されたSPECIALIZED DAY 2024。充実したライドイベントやエンデューロレースや豪華なケータリングで、参加したサイクリストが皆笑顔となった1日をレポート。



ロードライドの参加者全員でまずは記念撮影を一枚 photo:Nobuhiko Tanabe

ライドを楽しむだけではなく、会場の雰囲気が穏やかで、走り終わっても余韻に浸りたいという気持ちにさせてくれるイベントは珍しい存在かもしれない。今回取材でお邪魔したSPECIALIZED DAY 2024は、お世辞抜きでそういうイベントだった。

概要を説明すると、SPECIALIZED DAYはロードとグラベル、マウンテンバイク全てを同時開催する自転車フェスのような豪華なイベント。ロードは会場から飛び出して80kmのサイクリングを楽しみ、グラベルとマウンテンバイクは会場内でエンデューロ(時間耐久)を行うというものだ。

グランピング用のコンテナハウスも立ち並んでいる photo: Gakuto Fujiwara

会場は千葉県のYOU PORT木更津。ところどころにキャンピングカーが停車していて、斜面にはカプセルグランピング用の部屋が立ち並び、園路は未舗装ながらしっかりと転圧されていて、電動カートで施設利用者は移動する。さながら海外とか沖縄のリゾートヴィラのよう。そんな場所を使いSPECIALIZED DAYは開催された。

この日会場に最も早く集合したのは80kmの旅路に飛び出すロードサイクリングの参加者と、メイン会場で行われるキッズレースとグラベルレースの参加者。めいめいに身支度を整える参加者だが、ロードとグラベルどちらの自転車も用意されているのは意外と新鮮だ。

仲間と一緒に過ごす特別な一日 photo: Gakuto Fujiwara
SUPER GTドライバーのJPオリベイラさんも参加した photo: Gakuto Fujiwara


YOU PORT木更津から飛び出していくロードライドグループ photo: Gakuto Fujiwara

ロード参加者はスーダル・クイックステップのチームキットに身を包んだり、TARMAC SL8やAETHOS、ROUBAIXユーザーだったりスペシャライズドのイベントらしさを感じる方は多め。それでも他のバイクブランドもいるし、E-BIKEの方もいるし、誰でもウェルカム。グラベル系はもっと他社ブランドは多めだし、スペシャライズドのバイクでなければならないという圧は感じない。

房総半島らしいアップダウンを駆け抜け、眺望の良い場所一枚 photo:Nobuhiko Tanabe

ロードライドが楽しいものだったと、この一枚で伝わってくる photo:Nobuhiko Tanabe

竹谷賢二さんもグループを率いてサイクリングを楽しんだ photo:Nobuhiko Tanabe

YOU PORT木更津に駆けつけたロードサイクリストは非常に多く、6つのグループと自由に走るフリーライド組に分かれて、房総半島を駆け巡る。グループには竹谷賢二さんやMihoCさんらスペシャライズドライダーたちがアテンダントとして参加。彼らは皆グループのメンバーとにこやかに談笑しており、これから出発するライドが楽しいものになるだろうなという期待を抱かせてくれる。

そしていよいよ開会式とライドのブリーフィングが終わり、グループごとの記念撮影を終えてからライドへと飛び出していく。今回はライドには帯同せず会場イベントを見て回ることにしたため、ライド参加者とはしばしのお別れ。撮影がてら「いってらっしゃーい」と声をかけると、「いってきまーす」と返してくれたり、カメラに向かってポーズを決めてくれる方もいて、アットホームな感じがして気分は上々。

真剣な表情でキッズレースが始まった photo:Jinya Nishiwaki

子どもの勇姿をしっかりと撮影 photo: Gakuto Fujiwara
真剣に走るキッズライダーたち photo: Gakuto Fujiwara


しっかりとラインをトレースしている photo: Gakuto Fujiwara

ロードライドの各グループが出発している傍らで、特設グラベル&オフロードコースでキッズレースもスタート。子どもたちの目は真剣そのものだし、一生懸命オフロードコースを走る姿は自分の子どもでなくても応援したくなるもの。親御さんはその勇姿を残すためにカメラを構えていたり、優しく声をかけていたり雰囲気もかなり良い。

コースはフラットなグラベルやダートがメインだが、適度な起伏もあり、バランスの取れた設計になっている。一部、湿った泥が覆う区間もあったが、参加者たちは的確なラインを選んで走っており、安定した走りを見せていた。

インストラクターとして活躍する板垣奏男さんがサスペンション設定をレクチャー photo:Jinya Nishiwaki

スペシャライズド・ライダーの金子匠さんも丁寧にサスペンション設定を教えてくれた photo:Jinya Nishiwaki

キッズレースが完了する頃にSPECIALZED DAYは本格的に始動する。メイン会場のスペシャライズドブースではグラベルバイクやマウンテンバイクの試乗や、インストラクターの板垣奏男さんとスペシャライズドライダーの金子匠さんによるサスペンション設定相談会がスタートする。

チラリと顔を出したら、家に帰ってから実践できる実用的な内容で最初から最後まで通して聞けば、サスの初期設定には困ることはなさそう。マウンテンバイクレースがあるイベントでこのような初歩的な講座があると、初心者でも参加しやすくなるはず。

グラベル耐久は高岡亮寛さんと辻浦圭一さんを先頭にスタートした photo:Jinya Nishiwaki

走りやすいコースをまずは全員で一周 photo: Gakuto Fujiwara

グラベルレースはありそうで意外と少ない、2時間耐久エンデューロレースとして開催される。本格的なバイクに乗る方ももちろんいれば、ミニベロで参加する方や、サイクルウェアではなくカジュアルなウェアで参加する方もスタートラインに集まった。ロードのエンデューロと同じように2時間をきっちりと一人で走り切りたい方向けのソロカテゴリーと、チームメンバーと交代しながらワイワイ楽しみたいチームカテゴリーの参加者が一斉にスタートした。

最初の一周はスペシャライズドライダーの辻浦圭一さんと、アンバウンドグラベルにも積極的に参加するRX BIKEの高岡亮寛さんを先頭にインスタレーションラップとして、ゆっくりとコースを周ってくる。大勢のグラベルライダーが一塊となって走る光景は圧巻だ。

グラベルの登りもあり、走りごたえもあるコースとなった photo: Gakuto Fujiwara
走りやすいコースにたまらずニッコリ photo: Gakuto Fujiwara


ビギナーでも走り切れるコース設定となった photo: Gakuto Fujiwara
エンデューロはピットからの応援が定番 photo: Gakuto Fujiwara


チームで参加すればきっと特別な思い出となるでしょう photo: Gakuto Fujiwara

コース設定も非常に絶妙で、YOUPORT木更津のオートキャンプ園路を使った転圧されたグラベルを主体とし、砂利が敷かれたアップダウンや草地が組み合わされており、イージーすぎない設定。コース幅も非常に広く、安心して走れる初心者フレンドリーなコースだ。

ソロで走る選手は淡々とペースを刻み、チーム参加の方はピットエリアで仲間の声援を受けながら力強くペダルを踏み込んでいる。ピットからの応援は本当に心強くなるから、エンデューロは初心者が最初に参加するイベントにうってつけ。コースも難しくないので、SPECIALZED DAYはグラベルに挑戦しているエントリーの方にはおすすめ。

フードエリアには多くのテーブルが展開し、多くの方がくつろげた photo:Jinya Nishiwaki

参加者であれば誰でも食べられるケータリングが展開された photo: Gakuto Fujiwara

グラベルレースが始まったタイミングでメイン会場ではフードエリアが開店。これが非常に豪華で、数多くのブースが出店しており、どれも無料で振る舞われるという太っ腹ぶり。どのようなものが振る舞われたか、ひとまず列挙してみる。

「香川県さぬき麺業の手打ちうどん」や「農園貞太郎の自然解凍握り寿司」、「君津のともちゃんラーメンと餃子」、「愛媛のみかん」、「北海道自然農園のりんごやブルーベリー」、「農家レストランCafeやさまるのパンナコッタとハンドドリップコーヒー」、「金精軒の信玄餅」、「平田牧場の肉巻きおにぎり」。全てを食べようとすると満腹間違いなし。

その場で木更津スタイルの巻き寿司をこしらえた photo: Gakuto Fujiwara
アンパンマンの巻き寿司も! photo: Gakuto Fujiwara


一房のバナナがプレゼントされた photo: Gakuto Fujiwara
台湾バナナが用意されたのはこの量! photo: Gakuto Fujiwara


さぬきうどんはその場で湯切り photo: Gakuto Fujiwara
台湾ポークを使ったホットドックは最高だった photo: Gakuto Fujiwara



この大盤振る舞いはYOUPORT木更津のオーナーであり、今回のイベントを支えた株式会社裕源の提供。このサポートは裕源の社長が無類の自転車好きだった縁で実現したという。

その裕源も天然酵母無添加あんぱん、台湾ソーセージ、台湾バナナ、パイナップルケーキを振る舞っていた。ちなみにバナナは無数に用意されており、一房丸ごとプレゼント。しかも一房もスーパーで売っているような5本で一房ではなく、10本で一房というフルサイズ。結局イベントが終わる頃まで売り切れなかったので、ふた房でも持ち帰りOK。なんという大盤振る舞いなのかと、参加者全員が驚嘆したことだろう。

お昼ご飯としては十分な量。ブースには更なる種類の食べ物が用意されており、満腹になれる photo: Gakuto Fujiwara

自然解凍にぎり寿司はいつの間にか売り切れ。どうやらロードライドのエイドでも振る舞われていたようで、帰ってきた参加者の方に聞くとかなり美味しかった模様。スペシャライズドライダーであり、日本最高峰のツーリングカーレース”SUPER GT”に参戦するジョアオ・パウロ・デ・オリベイラさんも気に入ったみたいで、みんなからの評価はかなり高め。機会があれば積極的に食べてみてもらいたい。

レースを走り切ったキッズたちが美味しそうにご飯を食べていたり、これからレースのマウンテンバイカーたちが会場内のテーブルでご飯をいただくため、会場のハッピーな空気がひとまとまりになっているのもかなりいい雰囲気を作り出していた。

スペシャライズドパークではキッズが思う存分遊べるようになっていた photo:Jinya Nishiwaki
コーンホールというアメリカ発祥の遊びがやってきた photo:Jinya Nishiwaki


左右の紐を引いてボールをコントロール photo:Jinya Nishiwaki
塗り絵で夢のバイクを作り上げた photo:Jinya Nishiwaki


パンプトラックで存分に遊び尽くす photo: Gakuto Fujiwara

会場横のスペシャライズドパークというプレイエリアで遊ぶキッズたちの笑顔も印象的なものだった。スペシャライズドのハンドルとステムがセットされた遊具や、木製パンプトラックを楽しむことができ、とてもいい笑顔で遊んでいたのが、こちらも優しい気持ちになった。

スペシャライズドパークで気になったのはコーンホールというアメリカ発祥のパーティーゲーム。手のひらサイズの座布団のような形の球を離れた場所の穴に投げ入れるという遊びなのだが、これがとても難しい。まずミニ座布団を投げたこともないので、狙った位置へのコントロールと距離感の調整がうまくいかなくて、かなりチャレンジングな遊びだ。

非常に多くのマウンテンバイカーがスタートラインに並んだ photo:Jinya Nishiwaki

BMXコースのウォッシュボードを突き進む photo:Jinya Nishiwaki
険しい登りがコースのスパイスとなった photo:Jinya Nishiwaki



レースを見たり、ご飯を食べたり、子どもたちと一緒になって遊んだりしていると、時間はあっという間に過ぎていき、マウンテンバイクのエンデューロが午後イチからスタートした。コースの多くはグラベルレースと共通しながらも、常設のBMXコースや、斜面の脇を一気に登ったり、駆け降りたりするセクションが追加され、グラベルよりも3Dの動きを楽しめるクロスカントリーらしいコースに仕立てられていた。

このコースをガチガチに攻める方もいれば、マイペースで動きを楽しむ方もいたり、参加者は十人十色。E-BIKEカテゴリーも用意されていたので、電動アシストを活かしながらイベントを楽しむ方も。

トレイルの下りはコースのアクセントとなった photo: Gakuto Fujiwara
BMXコースではジャンプを披露する方も! photo: Gakuto Fujiwara


エンデューロレースのフィニッシュで仲間とハイタッチ photo: Gakuto Fujiwara


マウンテンバイクも大きなチームが参加していた photo: Gakuto Fujiwara

午後になるとロードライドの方もちらほらと帰ってきて、メイン会場の活気がさらに高まっていく。彼らもケータリングをフィニッシュエイドとして楽しんでおり、中にはこんな至れり尽くせりのイベントは他にないと驚く方も。ライド自体も房総半島らしい起伏に富んだコースを自由に楽しんだようで、その顔には満足感が見てとれた。

ロードライドは見知った仲間が集まったグループもあれば、今回が初めましての方と一緒に走ったグループもあったよう。竹谷賢二さんのグループはフィニッシュ後にみんなでハイタッチをするくらい仲が深まっており、自転車を通じて見知らぬ者同士が打ち解けあっていく様子を見るのは何とも微笑ましい。

そして辻浦圭一さんのグラベルスキル講座、竹谷賢二さんと風花さんのペダリング講座、そしてスペシャライズドの3大ロードバイク「TARMAC」「AETHOS」「ROUBAIX」をテーマにしたトークショーなど、多彩なプログラムが用意されていた。SPECIALIZED DAYはライドイベントだけではなく、会場にいるだけで楽しめるコンテンツが充実しており、どのカテゴリーの参加者も飽きさせない。

辻浦圭一さんのグラベルライド講座も人が集まった photo:Jinya Nishiwaki

竹谷賢二さんと風花とペダリング講座。とても本格的な内容は勉強になったはずだ photo:Nobuhiko Tanabe

3ICONSをテーマとしたトークショーも行われた photo:Nobuhiko Tanabe

会場の裏手ではナイトレースタイムアタックも開かれた。ガチガチのガチでタイムアタックを行うのだが、ミニ版のコーンホールで座布団を穴に入れてからスタートし、ルマン式で自転車に跨ってからが本番という遊び心に富んだ内容。

ミニオフロードコースは左右にバイクを切り返すようなテクニカルな設定で、タイムを出すのは中々難しいよう。キッズも大人も真剣にでも楽しく挑めるタイムアタックは非常に盛り上がりを見せた。

コーンホールで球を入れてからスタートする photo:Jinya Nishiwaki

薄暗くなる中でタイムアタックを行う photo:Jinya Nishiwaki

寒くなってきたタイミングで豚汁が振舞われた photo: Gakuto Fujiwara

この頃にはすっかりと陽は落ちて、夜のイベントに様変わり。気温も下がってき、お腹もすくタイミングを見計らって豚汁と豚丼の提供が開始。これは本当にありがたかった。一日中自転車で遊び尽くした体に滋味深いお味が体に染み渡る。繰り返しになるが、このイベントの手厚いおもてなしは特筆すべきで、まるでVIPになったかのような体験ができる。

イベントのクライマックスを告げるのは表彰式と抽選大会。最後の最後の大目玉商品は、スペシャライズドのタイヤ1年分!具体的にはタイヤ4セット(8本)という大盤振る舞い。なんとモデルも当選者が選ぶことができ、かつロードやグラベル、マウンテンバイクタイヤを混ぜてもOK。そんなサプライズに参加者たちの目の色が変わったのは言うまでも無い。

イベントの最後はスペシャライズド・ジャパンの代表(木戸脇 美輝成さん)の言葉で締めくくられた。その中で最も印象に残ったのは「The Rider is the Boss」というスペシャライズドの行動指針だった。この言葉に込められた想いは、創業者のマイク・シンヤードや各エリアの社長が偉いのではなく、自転車を楽しむユーザーの気持ちに応えるためにスペシャライズドは行動するものだという。まさに、ライドイベントだけではなく、ケータリングまで至れり尽くせりで、参加者全員が笑顔となったのは、スペシャライズドの気持ちの表現だったのだろう。

非常に良い笑顔で表彰台に登壇してくれました photo:Jinya Nishiwaki

タイヤ1年分のプレゼント抽選は参加者全員の目が輝いた photo:Nobuhiko Tanabe

朝8時から始まった1日がついに終わりを迎える。YOU PORT木更津には10時間ほど滞在したのだが、感覚的にはあっという間。それほどイベントが充実していたという証左だと思う。スペシャライズドが様々なイベントをサポートし、草の根のようなイベントとしてRACE DAYを開催してきたことが、ここで実を結んだ。来年もあるならば、ぜひ参加してもらいたいと思うようなイベントだった。

スペシャライズド・ジャパン マーケティングマネージャー板垣響さんに聞くSPECIALIZED DAY

スペシャライズド・ジャパンは今回のイベントを開催する前にもSPECIALIZED RACE DAYとして幾つかのイベントを開いてきた。その流れから、SPECIALIZED DAYへと繋がった背景と今回のイベントにかける思いを、スペシャライズド・ジャパンの板垣響さんに伺った。

スペシャライズド・ジャパンのマーケティングマネージャー板垣響さんに話を伺った photo: Gakuto Fujiwara

板垣「東北や大阪で開催してきたSPECIALIZED RACE DAYは、今回よりもローカルに根付いたイベントで、地元のスペシャライズドストアをブランドがサポートという形で開いていたものでした。それに対して今回のSPECIALIZED DAYは、スペシャライズド・ジャパンが主催としてロード、グラベル、マウンテンバイクが一度に楽しめるイベントを作ろうという想いからスタートしたイベントでした。」

そして、ブランドが主導してイベントを作ることにも板垣さんは情熱を持っていた。

板垣「日本の自転車文化はまだまだ大きくなる可能性があると思っていて、それを担うのはブランドの使命だと感じています。実際にスペシャライズドは「革新と熱狂でライダーの生活を向上させる」というビジョンがあり、日常から離れた特別感のあるイベントを企画し、自転車を楽しめる機会を皆様に届けられたらと思い、今回のイベントが立ち上がりました。

ショップ単位やコミュニティライドの規模を超えたイベントで大勢の人に集まってもらえると、その場にいる人たち同士が仲良くなったり、イベントの雰囲気を共有できる仲間になってもらいたいと思っています。それは参加者同士だけではなく、アンバサダーの皆さんとも仲良くなることで思い出に残る1日にしてもらいたいと思っています。」

スペシャライズド・アンバサダーのMihoCさんが元気よく参加者を迎え入れてくれた photo:Nobuhiko Tanabe

実際にロードライドは初対面の方が集まっているグループもあり、新しい親交ができていたり、グループにジョインするアンバサダーの人たちとの会話に華が咲いていたりと、スタート前からライダー同士の繋がりが結ばれていた。そして、フィニッシュ後はフードエリアで一つのテーブルを囲んで、思い出を語り合っていた姿も見てとれた。

板垣「オフロードのイベントもエンデューロにしたのはチームで参加できるからでした。チームで参加することで応援しあうことや、ピットで仲間を待つのも楽しいひと時になります。コースもビギナーが走り切れるように設定したので、仲間と一緒にオフロードへの一歩目にチャレンジできる瞬間になれば良いなと思っています。」

久留里駅前でも記念に photo:Nobuhiko Tanabe

本格的なレースイベントはENSなどのスポンサードを通じて、ライダーたちに機会を提供するサポートを行なっている。今回はあくまでも仲間と一緒に肩の力を抜いて足を運べるイベントかつ、様々なジャンルのライドやコンテンツを開催したかったのだという。

板垣「レースやライドの体験だけではないという点は大事にしたいところでした。裕源さんの提供によるフードサービスももちろんそうですし、試乗体験や木製パンプトラックやコーンホールという遊び、ステージイベントもあるので、自分のイベントが終わった後も楽しんでもらいたいという気持ちがありました。

スペシャライズドはサイクリストに自転車を続けてもらいたいという気持ちがあります。だからこそどんなブランドの自転車に乗っていても、どのようなカテゴリーであっても、どんなレベルであっても、それらの垣根を超えて一緒にサイクリングを楽しんでもらいたいと思っています。実際に笑顔の参加者も多く見られたので、来年以降も続けられたら良いなと思います。」


photo: Jinya Nishiwaki, Nobuhiko Tanebe
photo&text: Gakuto Fujiwara

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