静岡県御殿場市の「高根西ふれあい広場」特設コースで行われたJCXシリーズ第3戦で、副島達海(大阪産業大学)と石田唯(TRKWorks)が勝利を挙げた。マスターズカテゴリーや、その他カテゴリーと共にレポートしていく。



女子最高峰であるWE1のフロントロー photo:Michinari TAKAGI

11月3日に静岡県御殿場市の「高根西ふれあい広場」特設コースでAJOCC JCXシリーズ第3戦である「湘南シクロクロスシリーズ2024 第2戦 御殿場シクロクロス」が開催された。

当日のコースコンディションは最高気温20℃の暖かな秋晴れ。前日に大雨が降ったがコースの水捌けが良かったため、路面コンディションはドライに保たれた。コースは富士山の麓の地形を利用した難易度の高いキャンバーや登り返し、階段、シケインといった要素を取り入れたテクニカルなレイアウト。さらに火山灰のセクションと多様なスキルとパワーが求められるコースで熱戦が繰り広げられた。

女子エリート:石田唯(TRKWorks)が今シーズン初勝利

竹村舞葉(SHIDO-WORKS)がホールショットを獲得 photo:Michinari TAKAGI

日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)が先頭でシケインをクリアしていく photo:Michinari TAKAGI

女子最高峰であるWE1の最前列には元全日本チャンピオンの渡部春雅(明治大学)、JCX開幕戦で2位に入った石田唯(TRKWorks)、エリートカテゴリーに昇格したばかりの日吉愛華(Teamまるいち/中京大学)らが揃った。

勢いの良いスタートでホールショットを獲得したのは竹村舞葉(SHIDO-WORKS)。しかしテクニカルなキャンバーセクションを駆け抜け、シケインに先頭で現れたのは日吉だった。その後続には石田と渡部が集団を作り、先頭を追いかける展開になった。

MTBスキルを活かした走りで先頭を独走する石田唯(TRKWorks) photo:Michinari TAKAGI

火山灰のセクションをスムーズにクリアし、2位になった渡部春雅(明治大学) photo:Michinari TAKAGI

森林区間に入ると石田が先頭を捉え、日吉を抜き去る。その後石田は持ち前のMTBスキルを活かした走りで、テクニカルな火山灰のセクションをスムーズに駆け抜けていく。後方では渡部も順位を上げ、単独2位で先頭の石田を追走していく。

終始安定した力強い走りで独走状態をキープし、御殿場のテクニカルコースを攻略した石田が今シーズン初勝利を挙げた。2位は渡部、3位には日吉が入り、エリートカテゴリーで自身初の表彰台に上がった。

石田唯(TRKWorks)が今シーズン初勝利 photo:Michinari TAKAGI

女子エリートの表彰式 photo:Michinari TAKAGI

優勝した石田は「JCX開幕戦は教育実習明けで調子が上がっていなかったですが、この1か月でしっかりトレーニングができて調子を上げることができました。今日のレースでは前半から自分のペースに持ち込むことができ、MTBのスキルも活かしてコーナーやテクニカルな区間もミスなく走れて優勝できました!次戦の幕張クロスも頑張ります!」と笑顔を見せた。



男子エリート:副島達海(大阪産業大学)が沢田との接戦を制し、JCX2勝目

ホールショットは副島達海(大阪産業大学)が獲得 photo:宇都宮ブリッツェン

御殿場クロスの最終レース、男子最高峰であるME1。JCX第3戦の最前列には沢田時(宇都宮ブリッツェン)と前日の信州クロスで優勝している副島達海(大阪産業大学)、小坂光(Utsunomiya Lux)、鈴木来人(OnebyESU-ICV)、らが揃った。

14時25分、スタートの号砲と共に男子エリートの72名が一斉に加速していく。ホールショットは副島が獲得。沢田が続き、テクニカルな区間を抜けると副島と沢田の2名が先行する形となった。

シケインをバニーホップでクリアする副島達海(大阪産業大学)とバイクを担いでクリアする沢田時(宇都宮ブリッツェン) photo:宇都宮ブリッツェン

副島達海(大阪産業大学)と沢田時(宇都宮ブリッツェン)の先頭パック photo:宇都宮ブリッツェン

3周目には副島がペースアップして単独先頭となる。沢田は18秒後方で追いかけ、3位以降は高橋翔(TeensMAP)、鈴木、小坂の順で続いていった。

最終周回に入り、猛チャージをかけた沢田は副島との差を3秒まで縮める。しかし、最後まで2名の距離はゼロになることはなく、副島がJCX開幕戦に続き、JCX第3戦でも勝利を挙げた。沢田は4秒差の2位、3位は鈴木が入り表彰台を獲得。結果的に完走者がわずか10名という厳しいレースとなった。

副島達海(大阪産業大学)がJCX2勝目 photo:宇都宮ブリッツェン

惜しくも2位となった沢田時(宇都宮ブリッツェン) photo:宇都宮ブリッツェン
粘りの走りを見せた鈴木来人(OnebyESU-ICV)が3位に入った photo:宇都宮ブリッツェン


男子エリートの表彰式 photo:Michinari TAKAGI

元日本チャンピオンの沢田を退け、今季4勝目を飾った副島は「個人的にはテクニカルで楽しいコースだと思いますが、ワンミスで逆転もあるコースなのでとても緊張しました。沢田選手との駆け引きもありましたが、冷静に走ることができて先行しながら優勝できました」とコメント。「土曜の信州クロスでも優勝して、御殿場シクロクロスでも優勝。2連勝できて最高な週末になりました!」と喜びを語った。



その他のレース結果

ベテラン揃いのマスターズクラスのMM35は佐野千尋(イナーメ信濃山形)、MM40は太田好政(AX cyclocross team)、MM50は生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)、MM60は増田謙一(SHIDO-WORKS)、WMは西山みゆきが勝利を挙げている。

MM50のスタート前 photo:Michinari TAKAGI
MM40の表彰式 photo:Michinari TAKAGI

MM35で優勝した佐野千尋(イナーメ信濃山形)が家族と喜びを分かち合う photo:Michinari TAKAGI
MU17で優勝した三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19) photo:Michinari TAKAGI

日吉彩華(Teamまるいち/中京大学)がWU17で優勝 photo:Michinari TAKAGI
ジュニアは全日本チャンピオンの成田光志(OLIVE)が独走優勝 photo:Michinari TAKAGI

MU15の表彰式 photo:Michinari TAKAGI
MM60のホールショットは増田謙一(SHIDO-WORKS)が獲得 photo:Michinari TAKAGI

尾形美香(臼杵レーシング)がWE2+3で勝利 photo:Michinari TAKAGI
WMで優勝した西山みゆき photo:Michinari TAKAGI


ジュニアは全日本チャンピオンの成田光志(OLIVE)が優勝。MU17は三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)、WU17は日吉彩華(Teamまるいち/中京大学)、MU15は渡井健太(AVENTURA VICTORIA RACING)が優勝を決めた。

ME2は佐野和矢(C.viento)、ME3は澤原翔(Team轍屋)、WE2+3は尾形美香(臼杵レーシング)、ME4は大神武之(SPADE ACE CX TEAM)が上位クラスへの昇格を決めている。
エリート女子(WE1)リザルト
1位 石田唯(TRKWorks) 0:53:25
2位 渡部春雅(明治大学) +1:16
3位 日吉愛華(Teamまるいち/中京大学) +1:30
4位 竹村舞葉(SHIDO-WORKS) +3:35
5位 椿井和佳奈(信州大学) +4:35
エリート男子(ME1)リザルト
1位 副島達海(大阪産業大学) 1:05:50
2位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0:04
3位 鈴木来人(OnebyESU-ICV) +2:03
4位 高橋翔(TeensMAP) +2:21
5位 小坂光(Utsunomiya Lux) +3:02
その他カテゴリーのリザルト
ME2 佐野和矢(C.viento)
ME3 澤原翔(Team轍屋)
ME4 大神武之(SPADE ACE CX TEAM)
WE2+3 尾形美香(臼杵レーシング)
WM 西山みゆき
MM35 佐野千尋(イナーメ信濃山形)
MM40 太田好政(AX cyclocross team)
MM50 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)
MM60 増田謙一(SHIDO-WORKS)
MJ 成田光志(OLIVE)
MU17 三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)
WU17 日吉彩華(Teamまるいち/中京大学)
MU15 渡井健太(AVENTURA VICTORIA RACING)
CK3 今井秋里(どろたんJr)
CK2 横田和晴(イオンバイクJr.レーシング)
CK1 森田圭