レッドブルが34歳トラトニクを獲得　ログリッチと再びチームメイトに

レッドブル・ボーラ・ハンスグローエがヤン・トラトニク（スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク）の獲得を発表した。今年オムロープ・ヘットニュースブラットで優勝した同選手は34歳のベテラン。ヴィスマで共に走った同国出身のログリッチと再びチームメイトとなる。

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「僕はチームで最年少（などと言う若い選手）ではないが、野心のあるチームに加入することができて本当に嬉しい。まだ個人的な目標はたくさんあるものの、自分の経験を若い選手たちに伝え、チームがあらゆる分野において限界を超える手助けがしたい」と、ヤン・トラトニク（スロベニア）はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのプレスリリースで語った。

1990年生まれのトラトニクは現在34歳。2011年に現在のスーダル・クイックステップでプロデビュー後、2012年から5年間はコンチネンタルチームで走った。2019年に現バーレーン・ヴィクトリアスで再びワールドチームに戻ってくると、タイムトライアルを得意とするルーラーとして活躍。2021年の東京オリンピックでは長時間に渡り、集団を牽引していた姿が記憶に新しい。

ヴィスマ・リースアバイクに移籍した2023年はブエルタ・ア・エスパーニャで、セップ・クス（アメリカ）の総合優勝に貢献。今シーズンは2月のオムロープ・ヘットニュースブラットでキャリアハイとなる勝利を飾り、ジロ・デ・イタリアを完走後、チームで怪我人が続出した影響もあり急遽ツール・ド・フランスに出場。見事完走を果たした。

レッドブルの代表を務めるラルフ・デンク氏はトラトニクについて、「才能を活かすためには経験が必要だ。だからこそ長くプロトンで走っている選手が必要だった。ヤン（トラトニク）はチームプレイヤーであると共に、自分で成功を掴もうとするハングリーさと強さを併せ持つ。彼はそんな選手の典型的な例だ」とコメントしている。

今年新たなメインスポンサーと総合エースであるプリモシュ・ログリッチ（スロベニア）を迎えたレッドブル。今年限りで長くチームを支えたクライマーのマキシミリアン・シャフマンやエマヌエル・ブッフマン、レナード・ケムナ（いずれもドイツ）など主力選手たちがチームを去り、代わりにフィン・フィッシャーブラック（ニュージーランド、UAEチームエミレーツ）ら若手を補強。徐々に総合系チームへと変貌する中で、トラトニクは重要な役割が期待される。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos