チームの前代表が逝去した翌日に、逃げ切りでプロ初勝利を掴んだパブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)。前日ステージで進路妨害により落車したカラパスや反論するオコーナーなど、ブエルタ12日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝 パブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)

10kmを独走したパブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) photo:CorVos

信じられないほど素晴らしい勝利。この勝利はチームとスタッフのものだ。正直いまだに信じられない。ブエルタでプロ初勝利を挙げたんだ。この勝利はチームや家族、そして昨晩亡くなった(前チーム代表で創設者である)マノロ(アズコーナ)に捧げたい。今日は彼のことを考えながら走っていた。

マノロの死が伝えられ、僕たちは悲しんだ。だが僕らはそれを、逃げに乗り勝利を狙うモチベーションに繋げたんだ。勝つことができて素晴らしいし、彼に勝利を捧ぐことができて感動したよ。

ステージ2位 マックス・プール(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)

前日の3位に続き、勝利を逃したマックス・プール(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) photo:CorVos

今日もまた勝利を狙いに行った。逃げ集団にはイネオスが2名いたので、彼らがカストリーリョとの差を縮めてくれると思った。だがカストリーリョは強く、そのリードを最後まで保った。残り800mから全力で踏み込んだのだが先頭には届かなかった。(勝利を逃した)レース後はいつも失望感に襲われるものだが、2日連続の表彰台(前日3位)に上がれたことを満足の結果と思うことができるかもしれない。

エキポ・ケルンファルマのフアン・ホセ・オロス監督

エキポ・ケルンファルマの創設者であり、前日に亡くなったマノロ・アズコーナ氏を弔う選手たち photo:CorVos

我々には「良き人間であり、常に戦い続ける」というマノロの教えがある。それに従い、我々は自分たちを信じて戦いつづけた。これまでチームとしてやってきたことを誇りに思うし、今後も続けていくことだ。

チームとして信頼し合いながら結束し、集中した状態でブエルタに臨んだ。その成果を今日、我々は示すことができた。この勝利をマノロに捧げる。

マイヨプントス ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

逃げを逃したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

エキポ・ケルンファルは連日アタックし、逃げに乗ることを目指している。だからステージ勝利は彼らに相応しい結果だ。特に今朝、チームの関係者が亡くなったことを聞き彼らにとって特別な日に勝てたことは素晴らしい。

僕自身逃げに乗ろうとしたのだが、あと一歩届かなかった。後悔はないし、プロトンでリラックスして走ることができた。この週末にチャンスがあれば狙いに行くよ。

マイヨロホ ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

プロトンはベン・オコーナー(オーストラリア)を擁するデカトロンAG2Rラモンディアルが先導した photo:CorVos

トリッキーかつハードな序盤となったよ。その後はチームでペースを作り、最終山岳は速いスピードで展開した。

―前日に失った自信は取り戻せたか?

いや、自信を失ったわけではない(笑)。嫌な気持ちになったレースではあったけどね。明日はとても厳しい終盤になるし、(マイヨロホ争いの)重要なステージとなるだろう。

第11ステージでリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が落車した原因となった、進路妨害によってブシャールら4名にイエローカードが与えられたことについて

何も悪いことはしておらず、EFと話したが僕らに敵意は全くない。ジョフレ(ブシャール)は何も悪いことをしていない。だから(イエローカードという)制裁の意味が分からない。その時僕も集団先頭を走っていたし、横にはワウト・ファンアールトもいたがイエローカードをもらっていない。よく意味が分からないよ。

リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)

マイヨロホを守る方法はたくさんあるが、彼ら(デカトロン)はリスペクトに欠くとても悲しい方法を取った。僕は判断を下す立場ではないが、皆同じような判断(ペナルティ)を下すだろう。また、彼らからの謝罪などはない。(落車による)身体への影響は何もない。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos