2024/08/18(日) - 08:19
ポルトガルのリスボンで開幕した第79回ブエルタ・ア・エスパーニャ。初日は12kmの個人タイムトライアルで争われ、TTアメリカ王者のブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)がトップタイムを叩き出した。
8月17日(土) 第1ステージ
リスボン〜オエイラス 12km(個人TT)
パリ2024年オリンピックが閉幕して1週間後の8月17日(土)、2024年のグランツールを締めくくるブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)が開幕した。その舞台となったのは1997年に大会初のスペイン国外スタートとなったポルトガルの首都リスボン。ラース・ミカエルセン(デンマーク)が勝利したロードレースではなく、今回は12kmの個人タイムトライアルで幕を開けた。
リスボンを走り出した選手たちは、海岸線を沿って西のオエイラスを一直線に目指す。コーナーはスタート直後に登場するのみで、警戒するほどの丘もないため純粋なパワー勝負となるレイアウトだ。
現地時間午後4時23分、176名が走る第1出走者となったのはルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)。今年限りで現役を引退する40歳のスタートから1分間隔で続々と選手たちが走り出すなか、13番手スタートのヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)が13分8秒の暫定トップタイムをマークする。しかし22番手スタートのエドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)が、早くもそれを上回る12分43秒でフィニッシュした。
平均速度を56km/hに乗せたアッフィニは暫くホットシートに座り続け、その後スタートしたリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)やティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)など総合勢がタイムをまとめる。横風が徐々に強まっていった130番目に、現TTヨーロッパ王者である20歳のジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がスタートした。
パリ五輪ではパンクの不運がありながらも4位とメダルに迫ったターリングは、7.3km地点に設定された中間計測地点でアッフィニのタイムを3秒更新する。しかし終盤に失速してアッフィニからわずか0.28秒遅れでフィニッシュ。トップタイムを更新することはできなかった。
総合争いを繰り広げるであろうアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)やキアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)、カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)などが続々とフィニッシュする。母国ポルトガル出身のジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)が大歓声の中走り出す。そして1時間半近くホットシートに座り続けたアッフィニのタイムを上回ったのは、アルメイダではなく、その3分前にスタートしたマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)だった。
チェコのTT王者である22歳のヴァチェクは、平均速度を57km/h台に乗せてアッフィニのタイムを6秒更新する。アルメイダが最終的にステージ10位でレースを終え、2連覇を目指すセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)は62位でフィニッシュ。TTスペシャリストのシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)はアッフィニを上回りながらも暫定トップから5秒遅れでレースを終え、最終出走者であるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が走り出した。
パリ五輪で披露したディスクホイールの前輪ではなく、ディープリムのノーマルホイールを使用したファンアールトは、ヴァチェクがマークした中間計測でのタイムを0.62秒更新する。しかしこの日のトップタイムをマークしたのは、ファンアールトの一つ前にスタートしたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)だった。
一定のペースで踏み続けたアメリカTT王者のマクナルティは、ヴァチェクのタイムを2秒更新する快走を披露。直後にフィニッシュしたファンアールトはヴァチェクのタイムも上回ることができずステージ3位で終えたため、マクナルティのステージ初優勝が決まった。
「勝利を予想していたかは自分でも分からない。だが何かクレイジーなことが起きれば勝てると思っていた。そして今日、そのクレイジーが起きたみたいだ。信じられない結果だよ。今日はトレーニングから感じていた良い脚の感覚を、今日のレースでも感じていた。オリンピックに標準を合わせ、その好調がここまで続いているんだ」と、マクナルティは勝因を語った。
総合を争う選手のなかでトップタイムをマークしたのは、17秒遅れのステージ8位に入ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。レース前に「いま腰には痛みを抱えている」と語ったものの、7月のツールで負った腰骨骨折から驚異的な回復ぶりを見せた。
8月17日(土) 第1ステージ
リスボン〜オエイラス 12km(個人TT)
パリ2024年オリンピックが閉幕して1週間後の8月17日(土)、2024年のグランツールを締めくくるブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)が開幕した。その舞台となったのは1997年に大会初のスペイン国外スタートとなったポルトガルの首都リスボン。ラース・ミカエルセン(デンマーク)が勝利したロードレースではなく、今回は12kmの個人タイムトライアルで幕を開けた。
リスボンを走り出した選手たちは、海岸線を沿って西のオエイラスを一直線に目指す。コーナーはスタート直後に登場するのみで、警戒するほどの丘もないため純粋なパワー勝負となるレイアウトだ。
現地時間午後4時23分、176名が走る第1出走者となったのはルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)。今年限りで現役を引退する40歳のスタートから1分間隔で続々と選手たちが走り出すなか、13番手スタートのヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)が13分8秒の暫定トップタイムをマークする。しかし22番手スタートのエドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)が、早くもそれを上回る12分43秒でフィニッシュした。
平均速度を56km/hに乗せたアッフィニは暫くホットシートに座り続け、その後スタートしたリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)やティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)など総合勢がタイムをまとめる。横風が徐々に強まっていった130番目に、現TTヨーロッパ王者である20歳のジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がスタートした。
パリ五輪ではパンクの不運がありながらも4位とメダルに迫ったターリングは、7.3km地点に設定された中間計測地点でアッフィニのタイムを3秒更新する。しかし終盤に失速してアッフィニからわずか0.28秒遅れでフィニッシュ。トップタイムを更新することはできなかった。
総合争いを繰り広げるであろうアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)やキアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)、カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)などが続々とフィニッシュする。母国ポルトガル出身のジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)が大歓声の中走り出す。そして1時間半近くホットシートに座り続けたアッフィニのタイムを上回ったのは、アルメイダではなく、その3分前にスタートしたマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)だった。
チェコのTT王者である22歳のヴァチェクは、平均速度を57km/h台に乗せてアッフィニのタイムを6秒更新する。アルメイダが最終的にステージ10位でレースを終え、2連覇を目指すセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)は62位でフィニッシュ。TTスペシャリストのシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)はアッフィニを上回りながらも暫定トップから5秒遅れでレースを終え、最終出走者であるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が走り出した。
パリ五輪で披露したディスクホイールの前輪ではなく、ディープリムのノーマルホイールを使用したファンアールトは、ヴァチェクがマークした中間計測でのタイムを0.62秒更新する。しかしこの日のトップタイムをマークしたのは、ファンアールトの一つ前にスタートしたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)だった。
一定のペースで踏み続けたアメリカTT王者のマクナルティは、ヴァチェクのタイムを2秒更新する快走を披露。直後にフィニッシュしたファンアールトはヴァチェクのタイムも上回ることができずステージ3位で終えたため、マクナルティのステージ初優勝が決まった。
「勝利を予想していたかは自分でも分からない。だが何かクレイジーなことが起きれば勝てると思っていた。そして今日、そのクレイジーが起きたみたいだ。信じられない結果だよ。今日はトレーニングから感じていた良い脚の感覚を、今日のレースでも感じていた。オリンピックに標準を合わせ、その好調がここまで続いているんだ」と、マクナルティは勝因を語った。
総合を争う選手のなかでトップタイムをマークしたのは、17秒遅れのステージ8位に入ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。レース前に「いま腰には痛みを抱えている」と語ったものの、7月のツールで負った腰骨骨折から驚異的な回復ぶりを見せた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2024第1ステージ
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 12:35.28 |
2位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | 0:02.17 |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 0:02.80 |
4位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:06.57 |
5位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | 0:07.92 |
6位 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:08.20 |
7位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | 0:16.51 |
8位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 0:16.93 |
9位 | ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | 0:18.44 |
10位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:19.66 |
62位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | 0:53.40 |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 12:35 |
2位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | 0:02 |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 0:03 |
4位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:06 |
5位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | 0:08 |
6位 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | 0:16 |
8位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 0:17 |
9位 | ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | 0:18 |
10位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:19 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 20pts |
2位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | 17pts |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 15pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) | 0:12:37 |
2位 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:06 |
3位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | 0:14 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 0:38:28 |
2位 | リドル・トレック | +0:12 |
3位 | ヴィスマ・リースアバイク | +0:13 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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