2024/07/29(月) - 17:30
見事に晴れた北アルプス山麓グランフォンド。6年ぶりとなる快晴の小熊山での絶景を望み、爽快な序盤を終えた前編に続き、怒涛のグルメ攻勢の後編をお届け。グルメもライドもとことん追求する、北アルプス山麓グランフォンドのグルメフォンドミドルクラスの魅力を徹底レポートしていこう。(前編はコチラから)
白馬岩岳エイドを出発すれば、残すところ残り60km。そして、その間に6カ所のエイドステーションが存在している。フィニッシュ地点は数えないので、8.5㎞毎に1つのエイドがある計算だ。
相当なおもてなし攻勢が始まる予感に震えながら、東へ向かって走っていく。大糸線を渡り、白馬の山々を目前にする絶景ロードを経由して、戸隠方面へ繋がる白沢洞門への登りへとアプローチ。
ここまではスペシャルクラスのみなさんと同じルートを辿ってきたが、グルメフォンドミドルクラスは途中で右折し、南下していくことに。気持ちよく下った先に登場した「サンサンパーク白馬」に、今回初の「グルメエイド」が用意されていた。
このグルメエイドはグルメフォンドミドル/グルメフォンドという2つのクラスの参加者だけが立ち寄れるスペシャルエイドで、その名の通りこの地域の名店で振舞われる特別なグルメを楽しめるスポットなのだ。このサンサンパークエイドで振舞われたのは、大町のスイーツショップ「Miru's Meal」さんのアイスクレープ!大町産の米粉を使用した生地にはキンキンに冷えたクリームとブルーベリーがギッシリ。日も照りつけ、だいぶ体温も上がってきたタイミングでこのつめたく、あまい1本はこの上ないご褒美だ。
俄然やる気もみなぎってこようというもので、次なるエイドに向けて走り出す足にも自然と力がこもる。とはいえ、実はそこまで次のエイドとの距離は無く、緩い登りを一本こなせばすぐに「ぽかぽかランド美麻」に到着。
こちらで振舞われていたのは北アルプス山麓グランフォンド名物「伝説のネギ味噌おにぎり」。実はかなり久しぶりにいただいたのだけれど、口にした瞬間、「これこれ!これですよ!!」と一気に記憶が呼び起こされる。グルメ漫画などで昔の思い出が懐かしい味と共に再生される、なんて展開が良くあるけれど、このネギ味噌おにぎりは大会の記憶と結びついてしまうほどのパワーがある一品。
ちなみに個人的には、「伝説」はネギ味噌、というよりはおにぎりにかかっていると思っている。もちろんネギ味噌の美味さも格別なのだけれど、その土台となるおにぎりそれ自体の強度の高さあってこそ。お米って甘かったんだ、と気づかされるおにぎりの実力を、ネギ味噌が最大限に引きだす至高のマリアージュこそ、この伝説の本質だ。
さて、第1エイド到着前に感じていた空腹はどこへやら。怒涛のエイド攻勢に胃袋もだいぶ占領され始めてきたところで、再びヒルクライムが始まる。しっかり食べて、しっかり乗る。エイドで摂取したカロリーを消費し、到着した次のエイドで再びカロリーを摂取。永久機関の完成である。
九十九折れから始まる美麻八坂線は、途中に北アルプスを望む展望スポットも登場する目でも足でも楽しめる区間。クルクル軽めのギアで回しながら登りをこなせば、美麻支所給水所はすぐそこだ。こちらではさっぱりとした冷奴を頂き、ボトルに水を詰めて再スタート。
スペシャルやロングクラスの皆さんが難所と名高い鷹狩山へ向かうのを見送って、我らグルメフォンドミドルクラスは木崎湖方面へ下っていく道へ針路をとる。木崎湖へ注ぐ稲尾沢川沿いは木陰と川の流れの相乗効果でかなり涼しい。
この時期、なんといっても熱中症は怖いもの。実際、晴天となった今大会では暑さにやられた参加者も多かったそう。暑さ対策として、水分補給はもちろん大事だが、とにかく体を冷やすのは重要だ。保冷ボトルに氷を入れたり、身体に水を掛けたりというのは、夏のライドを乗り切るためには必須のテクニックとも言える。
ずぶ濡れになっても、この時期であれば走っていればあっという間に乾いてくれる。木崎湖畔へ降りたち、2つめのグルメエイドである「ねまるちゃテラス」へ到着するころには、すっかり乾ききっていた。
木崎湖南岸に位置するねまるちゃテラスでは、特製のはちみつレモンが振舞われた。まるでモネの絵画のような水蓮が咲く景色を前にいただくはちみつレモンは、甘さと酸っぱさが絶妙にバランスされ、疲れた体に染み入るよう。こちらではなんと、伝説のネギ味噌おにぎりも再登場し(グルメフォンドショートクラスの方に向けた設定だ)、更にお腹を満たすこともできた。
ねまるちゃテラスを出発すれば、しばらくは平坦路。大町市街を通り抜けたら西へ向かい、高瀬川を渡っていく。10kmも行かないうちに、3つ目のグルメエイドとなる「泉公民館」へ到着。
こちらで振舞われるのは地元でも高い人気を誇る「ジェラートショップ花彩」のジェラート。ミルクやチョコ、ブルーベリーなどなど、さまざまなフレーバーのジェラートが用意され、一つを選んでいただける。私はオーソドックスなミルクをチョイス。正直、鮮やかなフレーバ―の方が写真映えはするのだけれど、ここはやはり一番シンプルなフレーバーでこそジェラートのクオリティが分かるだろうという、断腸の思いで下した決断である。決して単に好きな味を選んだわけではない……という事にしてください。
え、肝心な味はどうだったかって?私は大会取材を終えた後、花彩さんでお土産にジェラートを買い込みました。つまり、そういうことです。
さて、ここまで来ればあと少し。ラストエイドの大町温泉郷でどらやき(こちらも地元の人気店Conaさんのもの)、と疲労回復クラッシュゼリー、そしてうず高く積まれたレッドブルを頂き、翼を授かったところで最後の登りとなる鹿島槍スポーツヴィレッジへのヒルクライムへ。
鹿島川沿いの前半は緩やかな勾配だが、ここまで走ってきた疲労もあって皆さんペースは抑え気味。途中、全国のトラウトファンから聖地とも言われる管理釣り場、鹿島槍ガーデンを過ぎれば、前半区間の終わりはほど近い。
鹿島槍スポーツヴィレッジの看板を右折すると、一気に勾配が増す。10%に迫る急勾配が登場する区間は、まさに最後の試練だ。えっちらおっちら登ったら、早朝に発った鹿島槍スポーツヴィレッジへゴールインだ。
フィニッシュ後にはフォトサービス、そして完走証の発行サービスも。一日の汗とホコリは鹿島槍スポーツヴィレッジの大浴場で流せるとあって、まさに至れり尽くせりな環境だ。ちなみに宿泊ももちろん可能で、宿泊者限定の前日イベントも開催されているので、前泊もオススメだ。
日本屈指の山岳ライドとして、スペシャルクラスの難易度に注目が集まりがちな北アルプス山麓グランフォンド。そのエッセンスをしっかり残した走りごたえのある本格山岳ルートに、地元のグルメを適所に配したエイドを組み合わせることで、走ってヨシ!食べてヨシ!の1粒で2度美味しい1日となったのが、グルメフォンドミドルクラスだと言えよう。
ある程度の走力は必要となるけれど、しっかり走るからこそグルメが美味しく感じられるのは、このイベントらしさとも言える。また、別の切り口で言えばE-BIKE派にも最高だ。実は今回、E-BIKEで取材したのだが、バッテリーをちょうど使い切るほど、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことが出来た。登りがあってこそ輝くカテゴリーだけに、この走りごたえあるルートはうってつけと言えるだろう。
ただ、厳しいルートにチャレンジするだけじゃない、色んな楽しみ方を提案してくれている北アルプス山麓グランフォンド。その魅力を一番体感しやすいのがグルメフォンドミドルクラスなんじゃないか。そう思える1日だった。
白馬岩岳エイドを出発すれば、残すところ残り60km。そして、その間に6カ所のエイドステーションが存在している。フィニッシュ地点は数えないので、8.5㎞毎に1つのエイドがある計算だ。
相当なおもてなし攻勢が始まる予感に震えながら、東へ向かって走っていく。大糸線を渡り、白馬の山々を目前にする絶景ロードを経由して、戸隠方面へ繋がる白沢洞門への登りへとアプローチ。
ここまではスペシャルクラスのみなさんと同じルートを辿ってきたが、グルメフォンドミドルクラスは途中で右折し、南下していくことに。気持ちよく下った先に登場した「サンサンパーク白馬」に、今回初の「グルメエイド」が用意されていた。
このグルメエイドはグルメフォンドミドル/グルメフォンドという2つのクラスの参加者だけが立ち寄れるスペシャルエイドで、その名の通りこの地域の名店で振舞われる特別なグルメを楽しめるスポットなのだ。このサンサンパークエイドで振舞われたのは、大町のスイーツショップ「Miru's Meal」さんのアイスクレープ!大町産の米粉を使用した生地にはキンキンに冷えたクリームとブルーベリーがギッシリ。日も照りつけ、だいぶ体温も上がってきたタイミングでこのつめたく、あまい1本はこの上ないご褒美だ。
俄然やる気もみなぎってこようというもので、次なるエイドに向けて走り出す足にも自然と力がこもる。とはいえ、実はそこまで次のエイドとの距離は無く、緩い登りを一本こなせばすぐに「ぽかぽかランド美麻」に到着。
こちらで振舞われていたのは北アルプス山麓グランフォンド名物「伝説のネギ味噌おにぎり」。実はかなり久しぶりにいただいたのだけれど、口にした瞬間、「これこれ!これですよ!!」と一気に記憶が呼び起こされる。グルメ漫画などで昔の思い出が懐かしい味と共に再生される、なんて展開が良くあるけれど、このネギ味噌おにぎりは大会の記憶と結びついてしまうほどのパワーがある一品。
ちなみに個人的には、「伝説」はネギ味噌、というよりはおにぎりにかかっていると思っている。もちろんネギ味噌の美味さも格別なのだけれど、その土台となるおにぎりそれ自体の強度の高さあってこそ。お米って甘かったんだ、と気づかされるおにぎりの実力を、ネギ味噌が最大限に引きだす至高のマリアージュこそ、この伝説の本質だ。
さて、第1エイド到着前に感じていた空腹はどこへやら。怒涛のエイド攻勢に胃袋もだいぶ占領され始めてきたところで、再びヒルクライムが始まる。しっかり食べて、しっかり乗る。エイドで摂取したカロリーを消費し、到着した次のエイドで再びカロリーを摂取。永久機関の完成である。
九十九折れから始まる美麻八坂線は、途中に北アルプスを望む展望スポットも登場する目でも足でも楽しめる区間。クルクル軽めのギアで回しながら登りをこなせば、美麻支所給水所はすぐそこだ。こちらではさっぱりとした冷奴を頂き、ボトルに水を詰めて再スタート。
スペシャルやロングクラスの皆さんが難所と名高い鷹狩山へ向かうのを見送って、我らグルメフォンドミドルクラスは木崎湖方面へ下っていく道へ針路をとる。木崎湖へ注ぐ稲尾沢川沿いは木陰と川の流れの相乗効果でかなり涼しい。
この時期、なんといっても熱中症は怖いもの。実際、晴天となった今大会では暑さにやられた参加者も多かったそう。暑さ対策として、水分補給はもちろん大事だが、とにかく体を冷やすのは重要だ。保冷ボトルに氷を入れたり、身体に水を掛けたりというのは、夏のライドを乗り切るためには必須のテクニックとも言える。
ずぶ濡れになっても、この時期であれば走っていればあっという間に乾いてくれる。木崎湖畔へ降りたち、2つめのグルメエイドである「ねまるちゃテラス」へ到着するころには、すっかり乾ききっていた。
木崎湖南岸に位置するねまるちゃテラスでは、特製のはちみつレモンが振舞われた。まるでモネの絵画のような水蓮が咲く景色を前にいただくはちみつレモンは、甘さと酸っぱさが絶妙にバランスされ、疲れた体に染み入るよう。こちらではなんと、伝説のネギ味噌おにぎりも再登場し(グルメフォンドショートクラスの方に向けた設定だ)、更にお腹を満たすこともできた。
ねまるちゃテラスを出発すれば、しばらくは平坦路。大町市街を通り抜けたら西へ向かい、高瀬川を渡っていく。10kmも行かないうちに、3つ目のグルメエイドとなる「泉公民館」へ到着。
こちらで振舞われるのは地元でも高い人気を誇る「ジェラートショップ花彩」のジェラート。ミルクやチョコ、ブルーベリーなどなど、さまざまなフレーバーのジェラートが用意され、一つを選んでいただける。私はオーソドックスなミルクをチョイス。正直、鮮やかなフレーバ―の方が写真映えはするのだけれど、ここはやはり一番シンプルなフレーバーでこそジェラートのクオリティが分かるだろうという、断腸の思いで下した決断である。決して単に好きな味を選んだわけではない……という事にしてください。
え、肝心な味はどうだったかって?私は大会取材を終えた後、花彩さんでお土産にジェラートを買い込みました。つまり、そういうことです。
さて、ここまで来ればあと少し。ラストエイドの大町温泉郷でどらやき(こちらも地元の人気店Conaさんのもの)、と疲労回復クラッシュゼリー、そしてうず高く積まれたレッドブルを頂き、翼を授かったところで最後の登りとなる鹿島槍スポーツヴィレッジへのヒルクライムへ。
鹿島川沿いの前半は緩やかな勾配だが、ここまで走ってきた疲労もあって皆さんペースは抑え気味。途中、全国のトラウトファンから聖地とも言われる管理釣り場、鹿島槍ガーデンを過ぎれば、前半区間の終わりはほど近い。
鹿島槍スポーツヴィレッジの看板を右折すると、一気に勾配が増す。10%に迫る急勾配が登場する区間は、まさに最後の試練だ。えっちらおっちら登ったら、早朝に発った鹿島槍スポーツヴィレッジへゴールインだ。
フィニッシュ後にはフォトサービス、そして完走証の発行サービスも。一日の汗とホコリは鹿島槍スポーツヴィレッジの大浴場で流せるとあって、まさに至れり尽くせりな環境だ。ちなみに宿泊ももちろん可能で、宿泊者限定の前日イベントも開催されているので、前泊もオススメだ。
日本屈指の山岳ライドとして、スペシャルクラスの難易度に注目が集まりがちな北アルプス山麓グランフォンド。そのエッセンスをしっかり残した走りごたえのある本格山岳ルートに、地元のグルメを適所に配したエイドを組み合わせることで、走ってヨシ!食べてヨシ!の1粒で2度美味しい1日となったのが、グルメフォンドミドルクラスだと言えよう。
ある程度の走力は必要となるけれど、しっかり走るからこそグルメが美味しく感じられるのは、このイベントらしさとも言える。また、別の切り口で言えばE-BIKE派にも最高だ。実は今回、E-BIKEで取材したのだが、バッテリーをちょうど使い切るほど、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことが出来た。登りがあってこそ輝くカテゴリーだけに、この走りごたえあるルートはうってつけと言えるだろう。
ただ、厳しいルートにチャレンジするだけじゃない、色んな楽しみ方を提案してくれている北アルプス山麓グランフォンド。その魅力を一番体感しやすいのがグルメフォンドミドルクラスなんじゃないか。そう思える1日だった。
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