「人生最高の走りができた」と語るヴィンゲゴーを退け、区間3勝目を掴んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。ツール第2週目を終えた選手たちの言葉を紹介します。



ステージ優勝&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

総合リードを3分9秒まで拡げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

想像の上をいく結果だ。今日はとても暑く、厳しいステージとなった。僕はいつも暑さに弱いのだが、チームが僕の身体を冷やすなど力になってくれた。本当に素晴らしい日になったよ。ピレネーではこれまで多くのステージ優勝を飾っていて、僕がピレネーを好きなようにピレネーも僕のことが好きみたいだ。この関係が今後も続くといいね。

ヴィスマはメイン集団を高速で牽引し、山岳でも厳しいペースに持ち込んだ。そんな中でも僕に不安はなく、身体を冷やして水分や補給食を取ることを心がけた。ヨナス(ヴィンゲゴー)が引き離そうとした時は短い間だったが限界に達した。だが彼も苦しそうにしていた。最後に彼がペースを上げたのを見て「このまま踏み続けられそうにない」と思い、こっちから仕掛けた。最後は本当に苦しかったよ。
 
総合タイムも良い差まで拡がり、いまの気持ちのまま残り6日間を戦いたい。明日はみんなと回復ライドに向かい、途中でコーヒー休憩ができれば最高だね。

ステージ2位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

拳を合わせるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)とタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:A.S.O.

最終山岳では人生でほぼ最高と言える走りができた。だから自分やチームの走りを誇りに思う。ただタデイ(ポガチャル)が上回っていただけ。だから彼の勝利を祝福したい。もちろん勝てるという願いを持ちながら走っていたが、彼に1分の差をつけて敗れた。

―ここから逆転して総合優勝できると思っているか。

難しい状況になったが、ここ2年であったように彼にバッドデイが訪れる可能性もある。それを願っているが、この調子を最後まで維持されたら難しいだろうね。

1分8秒遅れでフィニッシュしたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

アタックしてからは振り返らず、全力で踏み続けた。チームが立てた作戦を疑ったことはなく、ここ2年はそれで上手くいっていた。僕は脚に疲労があっても踏み続けられるからね。だからこの結果に落ち込んではいないし、何も後悔していない。作戦は完璧だったし、タデイがそれを上回ってきただけ。

マッテオ(ヨルゲンソン)には(最終山岳の)麓から15〜20分間の牽引をしてもらう予定で、彼はそれ以上の走りを見せた。チーム全体として良い走りができたよ。

ステージ3位&総合3位&マイヨブラン レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

遅れを取ったものの、マイペースで先頭を追い続けたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

今日は彼ら2人が世界トップ選手であることを示した。また今年のタデイは一つ違うレベルにいる。その事実を受け入れ、マイヨブランを着用して総合3位を守ることができて嬉しいよ。ようやくこの非情なほど厳しい第2週目を終えることができた。

―今日はトップからの遅れを気にして走っていたか?あるいは後ろの選手を意識していた?

総合3位を脅かす選手たちを警戒していた。前の2人から失うタイム差よりも、ロドリゲスやアルメイダとの差を知っておきたかった。情報を得ながら自分のリズムで登っていたよ。

ステージ6位&総合7位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)

この日もポガチャルのアシストに徹したアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

タデイは分からないが、僕はヴィスマのペースに苦しめられた。チームバスで今日はより保守的な走りをしようと話し合った。他のチームの出方を見ようとね。でもどうやら彼の耳には届かなかったみたいだ(笑)。

ヨルゲンソンはかなり速いペースで牽引しており、僕が遅れる時もまだ先頭にいた。その時僕は480Wで踏んでいたのにもかかわらず。住んでいるアンドラからも遠くないのでよく知っている登りだったのだが、遅れてしまった。3分のリードという結果は、良い気分で休息日を過ごせそうだ。

最終山岳を高速で牽引したマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)

マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)がハイペースで集団の人数を絞っていく photo:A.S.O.

かなり前からこの山岳でのプランを立てていた。今日はその計画を遂行したまで。麓でパンクしてバイク交換したためパワーメーターがなかった。だから15分間自分がどれだけの出力で登っているのか分からなかった。でも全力は尽くしたよ。

この後どう攻めるかはこれからチームの首脳陣と話し合う。ポガチャルは凄い選手なので彼の走りに驚きはない。今日はヨナスのことを信じており、僕らでポガチャルを倒そうとした。だがポガチャルは世界トップの走りを見せた。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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