2024/07/14(日) - 11:47
ジロ・デ・イタリア・ウィメンの最難関ステージで22歳の新星が逃げ切り。3秒差で臨んだマリアローザ争いに決着はつかず、エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)のリードは僅か1秒に減少して最終日に臨むこととなった。
開幕前から話題を振りまくジロ・デ・イタリア・ウィメン(UCIウィメンズワールドツアー)の最難関ステージが登場。1級山岳ランチャーノ峠(距離11.2km/平均8.6%)を2度登坂し、2度目のランチャーノ峠から1級山岳ブロックハウス(距離16.5km/平均7.9%)に登り詰めてフィニッシュする。獲得標高3800mオーバーを誇る正真正銘のクイーンステージだ。
ここまでマリアローザを着る総合首位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)と、総合2位ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)のタイム差は僅か3秒。スプリント力に勝る世界女王コペッキーがボーナスタイムを稼いで差を詰めており、この日どこまでクライマーのロンゴボルギーニに食らい付けるかが注目されていた。
最高気温35度まで上がったこの日は強力な逃げグループが生まれないまま進行し、1度目のランチャーノ峠手前のタイミングでクララ・エモンド(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)が熱中症のためチームメイト2人と共にリタイアしてしまう。マリアアッズーラを欠いたプロトンはリドル・トレックの牽引でランチャーノ峠を登り、エモンドに代わって山岳賞ランキング2位につけていたジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)が1度目のKOM先頭通過で20ポイント獲得&首位浮上に成功している。
各チームのエースやクライマー、最終アシストなど20名程度まで絞られたメイン集団がダウンヒルをこなし、続けざまに2度目のランチャーノ峠(ブロックハウス)へ。リドルの若手クライマーであるガイア・レアリーニ(イタリア)のペーシングで集団は縮小の一途を辿ったものの、レース前に「ノープレッシャーで臨む」と話していたコペッキーは千切れない。すると「私ともう一人のチームメイトでステージ優勝を狙っていた」と言う22歳のニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラムレーシング)がアタックした。
総合首位ロンゴボルギーニと2位コペッキー、総合5位アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラムレーシング)、総合9位パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)だけに絞られたメイン集団はペースを落としたことでブラッドバリーのリードは見る間に拡大。「何度もレッドゾーンに入りながら踏み続けた」と言うブラッドバリーは1分までリードを広げ、ステージ優勝を確実なものにしていった。
一方メイン集団では、登坂で抜け出したいロンゴボルギーニが度重なるアタックを仕掛けたものの、苦しそうな表情のコペッキーは千切れない。ランチャーノ峠からブロックハウスに入ってもなお状況は変わらず、コペッキーは自分有利のスプリントでのボーナスタイム獲得に向けて駒を進めてみせる。
淡々と踏み続けたブラッドバリーが歓喜のクイーンステージ制覇を遂げた44秒後、コペッキーがロンゴボルギーニを抑え込みながら2位フィニッシュする。コペッキーはボーナスタイム6秒、ロンゴボルギーニは4秒をそれぞれ獲得したことで2人のタイム差は3秒から-2秒の1秒差に減少。クイーンステージを経て勝負の行方が見えるどころか、より緊迫した状況で最終日を迎えることとなった。
翌最終日は117kmで2300mオーバーの中級山岳ステージ。中盤に1級山岳を越えるものの、後半はアップダウン区間を経て登りフィニッシュするコペッキー向きのレイアウトだ。前半区間の中間スプリントも含め、いかにリドル・トレックがボーナスタイムを潰すかが最大の焦点となるだろう。
「たった1秒という小さな差だけど、アドバンテージであることには変わらない。今日リードを重ねることはできなかったけれど、必要とあらばレース外でもマリアローザを守るためにあらゆる努力をしたいと思うほど。私たちには経験豊富な監督陣やチームメイトがいて、完璧な作戦を立てて実行してくれる。あと一日、ローザを守るために努力したい」とロンゴボルギーニ。対するコペッキーは「今日は本当にエリザが強かった。ここまで厳しい戦いを続けてきたけれど、明日も当然タフで、緊張感のあるレースになるはず。リドルは全力でボーナスタイムを潰しにくるはず。ここまでいい走りをできているし、マリアローザを獲るために最大限努力する」と意気込んでいる。
開幕前から話題を振りまくジロ・デ・イタリア・ウィメン(UCIウィメンズワールドツアー)の最難関ステージが登場。1級山岳ランチャーノ峠(距離11.2km/平均8.6%)を2度登坂し、2度目のランチャーノ峠から1級山岳ブロックハウス(距離16.5km/平均7.9%)に登り詰めてフィニッシュする。獲得標高3800mオーバーを誇る正真正銘のクイーンステージだ。
ここまでマリアローザを着る総合首位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)と、総合2位ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)のタイム差は僅か3秒。スプリント力に勝る世界女王コペッキーがボーナスタイムを稼いで差を詰めており、この日どこまでクライマーのロンゴボルギーニに食らい付けるかが注目されていた。
最高気温35度まで上がったこの日は強力な逃げグループが生まれないまま進行し、1度目のランチャーノ峠手前のタイミングでクララ・エモンド(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)が熱中症のためチームメイト2人と共にリタイアしてしまう。マリアアッズーラを欠いたプロトンはリドル・トレックの牽引でランチャーノ峠を登り、エモンドに代わって山岳賞ランキング2位につけていたジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)が1度目のKOM先頭通過で20ポイント獲得&首位浮上に成功している。
各チームのエースやクライマー、最終アシストなど20名程度まで絞られたメイン集団がダウンヒルをこなし、続けざまに2度目のランチャーノ峠(ブロックハウス)へ。リドルの若手クライマーであるガイア・レアリーニ(イタリア)のペーシングで集団は縮小の一途を辿ったものの、レース前に「ノープレッシャーで臨む」と話していたコペッキーは千切れない。すると「私ともう一人のチームメイトでステージ優勝を狙っていた」と言う22歳のニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラムレーシング)がアタックした。
総合首位ロンゴボルギーニと2位コペッキー、総合5位アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラムレーシング)、総合9位パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)だけに絞られたメイン集団はペースを落としたことでブラッドバリーのリードは見る間に拡大。「何度もレッドゾーンに入りながら踏み続けた」と言うブラッドバリーは1分までリードを広げ、ステージ優勝を確実なものにしていった。
一方メイン集団では、登坂で抜け出したいロンゴボルギーニが度重なるアタックを仕掛けたものの、苦しそうな表情のコペッキーは千切れない。ランチャーノ峠からブロックハウスに入ってもなお状況は変わらず、コペッキーは自分有利のスプリントでのボーナスタイム獲得に向けて駒を進めてみせる。
淡々と踏み続けたブラッドバリーが歓喜のクイーンステージ制覇を遂げた44秒後、コペッキーがロンゴボルギーニを抑え込みながら2位フィニッシュする。コペッキーはボーナスタイム6秒、ロンゴボルギーニは4秒をそれぞれ獲得したことで2人のタイム差は3秒から-2秒の1秒差に減少。クイーンステージを経て勝負の行方が見えるどころか、より緊迫した状況で最終日を迎えることとなった。
翌最終日は117kmで2300mオーバーの中級山岳ステージ。中盤に1級山岳を越えるものの、後半はアップダウン区間を経て登りフィニッシュするコペッキー向きのレイアウトだ。前半区間の中間スプリントも含め、いかにリドル・トレックがボーナスタイムを潰すかが最大の焦点となるだろう。
「たった1秒という小さな差だけど、アドバンテージであることには変わらない。今日リードを重ねることはできなかったけれど、必要とあらばレース外でもマリアローザを守るためにあらゆる努力をしたいと思うほど。私たちには経験豊富な監督陣やチームメイトがいて、完璧な作戦を立てて実行してくれる。あと一日、ローザを守るために努力したい」とロンゴボルギーニ。対するコペッキーは「今日は本当にエリザが強かった。ここまで厳しい戦いを続けてきたけれど、明日も当然タフで、緊張感のあるレースになるはず。リドルは全力でボーナスタイムを潰しにくるはず。ここまでいい走りをできているし、マリアローザを獲るために最大限努力する」と意気込んでいる。
ジロ・デ・イタリア・ウィメン2024第7ステージ結果
1位 | ニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラムレーシング) | 4:17:34 |
2位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | +0:44 |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:07 |
5位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラムレーシング) | +2:02 |
6位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
7位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | 2:05 |
8位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック) | 2:15 |
9位 | マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター) | +4:20 |
10位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) |
個人総合成績(マリアローザ)
1位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | 20:42:43 |
2位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | +0:01 |
3位 | ニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラムレーシング) | +1:12 |
4位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +2:01 |
5位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +2:11 |
6位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラムレーシング) | +2:28 |
7位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | +2:54 |
8位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック) | +3:19 |
9位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJスエズ) | +4:18 |
10位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +5:13 |
その他の特別賞
ポイント賞 | キアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ) |
山岳賞 | ジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) |
ヤングライダー賞 | ニーヴ・ブラッドバリー(オーストラリア、キャニオン・スラムレーシング) |
チーム総合成績 | キャニオン・スラムレーシング |
text:So Isobe
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