区間2勝目を飾ったヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)は「自信を持って踏み込んだ」と語り、2位のファンアールトは「楽しかった」と笑顔を見せた。逃げと横風がハイペースにしたツール第13ステージを、選手たちの言葉で振り返ります。



ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

区間2勝目を飾ったヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:A.S.O.

今日はスタート直後から全力で進み、集団のペースが落ちることがなかった。大きな逃げ集団にはマチュー(ファンデルプール)とアクセル・ローランスが入り、そのまま逃げ切るかと思った。

だがプロトンは速度を緩めることなく、僕は自分の勝利を信じ始めた。第1週目よりも調子がとても良かったからね。だからこそ自信を持ってスプリントに臨み、誰にも抜かれることがなかったので嬉しいよ。

クリストフ・ラポルトによる完璧なリードアウトを受けたファンアールトの背後を取り、すぐに飛び出しスプリントした。風を受けながらも早めに踏み始めたかった。自分の感覚とスプリントに満足しているよ。

今大会を良い形でスタートできず不運もあったが、今日は今大会で最も調子がよかった。区間2勝は決して悪い結果ではない。この後のステージも集中して臨み、いまはこの勝利を楽しみたい。

ステージ2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

ハンドルを投げるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

風や丘、雨、そして最後はスプリントとまるでクラシックレースのような雰囲気だった。とても楽しんで走ることができ、チームとしても良い走りができた。逃げ集団が勝利を掴むことはもちろん、アダム・イェーツにタイム差を稼がれてしまうことも僕らとしては嫌だった。レースをコントロールするのは決して簡単ではなかったが、横風に警戒していたので自信があった。

また個人的に厳しい展開のレースは好きで、チームメイトたちがスプリント勝負に持ち込んでくれた。ただ、勝ちきれなかったのは残念だよ。集団牽引で脚を使いすぎてしまったのだろう。

(山岳2連戦の)明日からは全く違うレースが始まる。ヨナス(ヴィンゲゴー)をサポートし、僕はその役割を全うするつもりだ。

ステージ4位&マイヨヴェール ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)

区間4位でマイヨヴェールを守ったビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

風がレースを激しくすることは分かっていた。20名の逃げグループと総合チームがハイペースを刻み、本当にタフなステージだったよ。今日のスプリントは残り200〜300mで前を塞がれてしまった。だが正直、今日は脚の調子がいまいちだったんだ。そんな中でも落車することなくフィニッシュできて本当によかった。それ自体が良い結果と言える。

明日から始まる山岳ステージを前に、激しいレースのせいで脚に疲労が溜まっている。でもそれは僕だけじゃなく、総合勢も同じことだ。

逃げに乗り、アタックを試みたマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)

積極的な走りが光ったマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) photo:A.S.O.

大きな逃げ集団に乗ったのだが、チームの指令を受けたアダム・イェーツがいたことが不運だった。彼を(プロトンに戻るよう)説得したのだが、戦術上の判断なので尊重した。だから逃げを分裂させたのだが、4名しかおらず逃げ切るのに十分な数ではなかった。

マイヨジョーヌ&マイヨアポワ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

翌日から始まるピレネー2連戦にマイヨジョーヌを着て臨むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

山岳ステージで鍵を握る選手だと思っていたフアン・アユソがリタイアし、とても残念だ。だがジョアン(アルメイダ)とアダム(イェーツ)は絶好調で、マルク(ソレル)は全局面で大活躍しており、ニルス(ポリッツ)とティム(ウェレンス)も徐々に調子を上げている。だからそこまで大きな打撃とはならないよ。

残り100kmから展開が動くだろうと予想しており、逃げ集団にはアダムを入れることができた。だからチームとしてそこまで力を使っていない。明日のピレネーは好きな山岳だ。開幕するまで登る山岳を把握していなかったのだが、どうやら僕の走ったことのある登りみたい。だから楽しみだよ。

未出走となったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)について語るロルフ アルダーグ監督

プリモシュは2度の落車に見舞われ、レースを続けるには身体に受けたダメージが大きすぎた。だがチームドクターによると脳震盪や骨折は見られなかった。今朝チームバスで別れを告げ、感謝を伝えた彼に対して、我々は悲しい気持ちになったよ。これから我々は新たな目標を立て、ワールドクラスの6名と共に戦い続ける。

彼は不運につきまとわれているが、その度プリモシュはやり返しているんだ。これまで外から彼を見てきて、今は近くで見ているが本当に強い選手だよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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