2024/07/09(火) - 10:25
フランス中部オルレアンで迎えた2024年ツール・ド・フランス、1度目の休息日。ビッグ4と呼ばれるポガチャルとヴィンゲゴー、エヴェネプール、ログリッチによる第1週目の振り返りと、来る第2週目に向けた言葉を紹介する。
ポガチャル「極めて満足な結果」
大会2日目の激坂サンルーカで果敢なアタックから、早くもマイヨジョーヌに袖を通したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。第3ステージで一度手放したものの、標高2,642mの超級山岳ガリビエ峠で仕掛け、総合首位に返り咲くとともにライバルたちからタイムを奪った。
「第1週目は保守的にならざるを得ないステージが多く、大きくタイム差を稼ぐチャンスがなかった。だがいまマイヨジョーヌを着用しているし、ここまでのレースには満足している」と語り、「第2週目は特に第15ステージが楽しみだよ」と報道陣にいつもの笑顔を見せた。
自ら仕掛けるのではなく、ポガチャルのマークに徹するヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)は総合3位(1分15秒遅れ)。「登坂記録を20秒更新した第2ステージのサンルーカでヨナスは僕のアタックについてきた。それが彼の調子の良さを表しており、プロトンでも常にチームメイトの背後で前方に位置取りしている。彼の集中力は高く、ダウンヒルでもリスクを顧みない走りができている」と最大のライバルを評した。
また「白い道」こと未舗装路が舞台となった第9ステージでアタックしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)については、「グランツールで初めて相対するレムコの走りには感服している。昨日のレースでも見せた通り、非常に積極的な彼と走るのは楽しいよ」と称賛した。
エヴェネプール「自分たちを信じて全力を尽くすのみ」
「今日は遅めの朝食を取り、その後は軽く脚を回した。この記者会見の後は休む予定だ。だから僕をイライラさせるような質問がこないことを願っている(笑)」と、取材陣を牽制するレムコ節からエヴェネプールは会見を始めた。
「(第4ステージの)ガリビエ峠では向かい風のおかげもあり、タデイとヨナスに次ぐ3番手で頂上にたどり着いた。すなわちそれは脚の状態が良いことを証明しており、水曜(第11ステージ)は逃げや天候次第で総合争いも起こるだろう。また最後に(フィニッシュ地点である)リオランで勝利したのがグレッグ・ファンアーヴェルマートということもあり、同じベルギー人としても勝利がほしい。この後彼に電話してラスト50〜60kmのコースを教えてもらおうかな。間違いなく第2週目の重要なステージとなる」。
大会2日目からマイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)を着用し、個人タイムトライアルで自身初の区間優勝を掴んだエヴェネプール。「昨日のタデイは残酷なほど凄いアタックを見せた。また僕の渾身のアタックにも彼は軽々と追いついてきた。彼の調子は良く、またフレッシュかつモチベーションも高く見える。彼を破ることは難しいだろうが、誰にでもバッドデイは起こり得る。だからこそ僕たちは自分たちの作戦と脚を信じ、全力でいくしかない」とあくまで狙うのは33秒遅れ(総合2位)を挽回し、マイヨジョーヌ獲得であることを強調した。
ヴィンゲゴー「予想を遥かに上回る調子」
先の2人がオンライン記者会見を開くなか、ヴィンゲゴーは記者の前に姿を現した。「調子はとても良い。レースを走る毎に成長している感覚すらある。もちろん昨年よりは劣るものの、1ヶ月半しか準備期間が取れなかったのにもかかわらず、既に予想を遥かに上回る高いレベルにあるよ」と、4月の骨折を含む大怪我からの順調な回復ぶりをアピールした。
しかし前日のレース後にエヴェネプールが、逃げと合流後に協調して攻めなかったポガチャルとヴィンゲゴーを批判。それに対しヴィンゲゴーは「あそこで協調しても、途中で遅れていれば僕のツールは終わっていただろう。だから積極性がなかったわけではなくスマートに走っただけだ」と答えた。
1分15秒差の総合3位につけてはいるものの、本来のトップコンディションではないことが明らかなヴィンゲゴー。「もちろん総合優勝は目指しているが、たとえ負けても人生は続いていく。プレッシャーと向き合うことに苦労したことはないが、怪我のおかげで幸いプレッシャーをさほど感じていない。落車のおかげで、この命があることを幸せに思うし、またこのツールを走れているだけで満足している」と記者会見を締めくくった。
ログリッチ「まだ1週目が終わっただけ」
「水をくれないか?いつもレッドブルを飲んでいるわけじゃないからね」と、最初に取材陣の笑いを誘ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。1分36秒遅れとタイムロスを最小限に抑え、総合4位にはつけているものの、第1週目の走りは明らかに精彩を欠いていた。
「ボローニャ(第2ステージ)やガリビエ、個人タイムトライアルでタイムを失った。だがこれがレースだ。まだ1週目が終わっただけで、あと2週間もあるんだ」とログリッチは語った。またチームメイトであるアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が第9ステージの落車し、足首を骨折。本調子ではないことに加え、重要な山岳アシストが大会を去る不運に見舞われている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ポガチャル「極めて満足な結果」
大会2日目の激坂サンルーカで果敢なアタックから、早くもマイヨジョーヌに袖を通したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。第3ステージで一度手放したものの、標高2,642mの超級山岳ガリビエ峠で仕掛け、総合首位に返り咲くとともにライバルたちからタイムを奪った。
「第1週目は保守的にならざるを得ないステージが多く、大きくタイム差を稼ぐチャンスがなかった。だがいまマイヨジョーヌを着用しているし、ここまでのレースには満足している」と語り、「第2週目は特に第15ステージが楽しみだよ」と報道陣にいつもの笑顔を見せた。
自ら仕掛けるのではなく、ポガチャルのマークに徹するヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)は総合3位(1分15秒遅れ)。「登坂記録を20秒更新した第2ステージのサンルーカでヨナスは僕のアタックについてきた。それが彼の調子の良さを表しており、プロトンでも常にチームメイトの背後で前方に位置取りしている。彼の集中力は高く、ダウンヒルでもリスクを顧みない走りができている」と最大のライバルを評した。
また「白い道」こと未舗装路が舞台となった第9ステージでアタックしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)については、「グランツールで初めて相対するレムコの走りには感服している。昨日のレースでも見せた通り、非常に積極的な彼と走るのは楽しいよ」と称賛した。
エヴェネプール「自分たちを信じて全力を尽くすのみ」
「今日は遅めの朝食を取り、その後は軽く脚を回した。この記者会見の後は休む予定だ。だから僕をイライラさせるような質問がこないことを願っている(笑)」と、取材陣を牽制するレムコ節からエヴェネプールは会見を始めた。
「(第4ステージの)ガリビエ峠では向かい風のおかげもあり、タデイとヨナスに次ぐ3番手で頂上にたどり着いた。すなわちそれは脚の状態が良いことを証明しており、水曜(第11ステージ)は逃げや天候次第で総合争いも起こるだろう。また最後に(フィニッシュ地点である)リオランで勝利したのがグレッグ・ファンアーヴェルマートということもあり、同じベルギー人としても勝利がほしい。この後彼に電話してラスト50〜60kmのコースを教えてもらおうかな。間違いなく第2週目の重要なステージとなる」。
大会2日目からマイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)を着用し、個人タイムトライアルで自身初の区間優勝を掴んだエヴェネプール。「昨日のタデイは残酷なほど凄いアタックを見せた。また僕の渾身のアタックにも彼は軽々と追いついてきた。彼の調子は良く、またフレッシュかつモチベーションも高く見える。彼を破ることは難しいだろうが、誰にでもバッドデイは起こり得る。だからこそ僕たちは自分たちの作戦と脚を信じ、全力でいくしかない」とあくまで狙うのは33秒遅れ(総合2位)を挽回し、マイヨジョーヌ獲得であることを強調した。
ヴィンゲゴー「予想を遥かに上回る調子」
先の2人がオンライン記者会見を開くなか、ヴィンゲゴーは記者の前に姿を現した。「調子はとても良い。レースを走る毎に成長している感覚すらある。もちろん昨年よりは劣るものの、1ヶ月半しか準備期間が取れなかったのにもかかわらず、既に予想を遥かに上回る高いレベルにあるよ」と、4月の骨折を含む大怪我からの順調な回復ぶりをアピールした。
しかし前日のレース後にエヴェネプールが、逃げと合流後に協調して攻めなかったポガチャルとヴィンゲゴーを批判。それに対しヴィンゲゴーは「あそこで協調しても、途中で遅れていれば僕のツールは終わっていただろう。だから積極性がなかったわけではなくスマートに走っただけだ」と答えた。
1分15秒差の総合3位につけてはいるものの、本来のトップコンディションではないことが明らかなヴィンゲゴー。「もちろん総合優勝は目指しているが、たとえ負けても人生は続いていく。プレッシャーと向き合うことに苦労したことはないが、怪我のおかげで幸いプレッシャーをさほど感じていない。落車のおかげで、この命があることを幸せに思うし、またこのツールを走れているだけで満足している」と記者会見を締めくくった。
ログリッチ「まだ1週目が終わっただけ」
「水をくれないか?いつもレッドブルを飲んでいるわけじゃないからね」と、最初に取材陣の笑いを誘ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。1分36秒遅れとタイムロスを最小限に抑え、総合4位にはつけているものの、第1週目の走りは明らかに精彩を欠いていた。
「ボローニャ(第2ステージ)やガリビエ、個人タイムトライアルでタイムを失った。だがこれがレースだ。まだ1週目が終わっただけで、あと2週間もあるんだ」とログリッチは語った。またチームメイトであるアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が第9ステージの落車し、足首を骨折。本調子ではないことに加え、重要な山岳アシストが大会を去る不運に見舞われている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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