2024/06/14(金) - 18:30
ウィリエールの国内担当者キット北村さんのアルデンヌクラシック参戦&観戦記も最終回。今回はリエージュ〜バストーニュ〜リエージュのプロレースを観戦し、ウィリエールのサポートチームであるグルパマFDJのチームバスへ訪問したそうです。
2019年から5大モニュメント制覇を目指しているウィリエールの日本国内担当者“キット北村”です。急遽リエージュ~バストーニュ~リエージュ市民レースのコース変更を申請し、体調不良の中で何とかゴールにたどり着きました。いよいよアルデンヌクラシック三連戦の最後はリエージュ~バストーニュ~リエージュのプロレースです。
前日の市民レース後にはホテルに戻って早くに就寝しましたが、予想通り全身疲労でまさかの寝坊。たまたま声をかけられたリエージュ警察の方々と仲良くなり、観戦客がほとんど周りにいない場所に誘導してもらい特等席でプロレースの観戦をする事が出来ました。アルデンヌクラシック三連戦の最終戦、キット北村の果てしない戦いもいよいよクライマックスへと向かいます。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのレースを観戦
市民レースは最悪の天気だったのに、プロレースは晴れました。疲労困憊でやはり朝早くにどうしても起きる事が出来なくて、チームプレゼンテーションに間に合わない予感がズバリ的中。ホテルから自転車で15分の所がプレゼンテーション会場なのでダッシュで向かいました。川向かいにチームバスの車列が見えるので、橋を渡ればプレゼンテーション会場はすぐそこでしょう。
現場周辺はエキスポみたいになっており、コースを跨いでエキスポの奥の奥にあるプレゼンテーション会場へと向かいます。スピーカーからアナウンスが流れているので、もう既にチームプレゼンテーションは始まっている模様です。
昨年のイル・ロンバルディアぶりにタデイ・ポガチャル選手を生で見ました。ベルギーでも大人気です。ステージレースでも1デイレースでも勝ちまくる彼は、ベルギーの英雄:エディ・メルクスを彷彿とさせるからでしょう。
ベルギー・オランダエリアでは、タデイ・ポガチャル選手よりも声援が多かったのは、やはり現世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプール選手でした。ここでチームプレゼンテーションが終了したので、どうやらアスタナ・カザクスタンのプレゼンテーションに私は間に合わなかったようです。
来場者が楽しめるブースがたくさんのレースエキスポを体験!
数分後にレーススタートなのですが、スタート地点がプレゼンテーション会場から1km先離れた場所にあるので、スタート地点に向かうのは潔く諦めてリエージュ~バストーニュ~リエージュのスポンサーが出展しているエキスポを体験します。シクロワイアードでレースのエキスポブースを紹介した記事なんて過去無かったと思うので、じっくりとエキスポ体験レポートを記事にしたいと思います。
リエージュ警察が自転車に乗る人達への交通安全の啓蒙にブースを出していました。小さい警察のバッジみたいなのや、光反射ベルトがもらえました。コフィディスが子供向けのルーレットをやっていました。景品は子供用のサングラスであったり、赤いベースボールキャップなのですが、ルーレットを見る限りハズレもあるようです。ハズレは多分リンゴです。
リエージュの自治体が的当てゲームをやっていました。小さなバスケットボールであったり、テニスボールであったり、ボールであれば何でも良さそうです。景品はリンゴでした。さらにリエージュの自治体では、ペダルを漕ぐとミキサーが回る自転車を開発していました。すりおろし100%リンゴジュースを飲み放題です。
スーパーマーケットのリドルでは、子供達がチームになって空気入れで景品を目指します。画面を見る限り、1等は『お母さんが喜ぶ野菜セット』、2等が『ボトルとバナナ』、3等以下は『リンゴ』のようです。15分ほど見ていましたが全員リンゴでした。1等や2等をゲットするには、相当パワーのある人がチームを組んでやらないと無理だと思います。
エキスポに1時間も居るとさすがに飽きてきたので、一旦ホテルに戻ることにします。ホテルに戻る途中で毎週日曜日に開かれるマルシェを見つけたので、大人気のサンドイッチ&フライドポテト屋さんで昼食を取ります。
ベルギーでフライドポテトを食べる時のお気に入りのソースはピリ辛のアンダルーズソースです。何故か炒めた玉ネギをトッピングするのがベルギー流。
リエージュ警察の案内で特等席で観戦!
ホテルに戻ってのんびりとテレビでレースを観戦です。リエージュ~バストーニュ~リエージュという名前の通り、夕方には再びリエージュのゴールに戻ってくるので、それまでベッドの上で観戦です。グルパマFDJのレミ・ロシャ選手とアスタナ・カザクスタンのクリスティアン・スカローニ選手の2人が先頭集団にいるので、とても良い気分でレース観戦していますが、いつの間にか昼寝してしまいました。
ゴールするまでに奇跡的に目が覚めて、急いでゴール会場へと向かいます。リエージュ警察により広範囲に規制線が張られていましたが、リエージュ警察の方々とお友達になり、ほとんど周りに観客のいないスペースに誘導してもらい特等席で観戦出来ました。ヘリコプターの騒音と共にタデイ・ポガチャル選手が独走でリエージュに帰ってきた模様です。その後すぐにグルパマFDJの選手を含めた第一集団がやってきました。
集団が過ぎ去ってから、バラバラとアシスト選手達はゴールを目指して帰ってきました。ツール・ド・フランスで勝利するには彼らの下支えがとても大事なので、今後のためにここで彼らの顔を憶えておきます。
タデイ・ポガチャル選手の表彰式の喧騒が聞こえてきますが、残念ながらキット北村はグルパマFDJとアスタナ・カザクスタンにしか興味がありません!過去、今までアスタナ・カザクスタンには潜入出来ているので、今回はグルパマFDJです。スペアバイクを積んだチームカーがゴールに戻ってきているので、その車の後を追ってグルパマFDJ本隊に向かいました。
ついにグルパマFDJのチームバスを訪問!
チームカーの後を付けるとチームバスを見つけました。アムステルゴールドで合流出来なかったグルパマFDJ本隊に遂に合流出来ました。(ちなみに“キット北村はチームに合流”と勝手に思っているだけで、チーム側からすれば、“キット北村が勝手にチームに来襲”が正しい表現でしょう。)
チームバスの後ろにはメカニックトラックもありました。これはプロトタイプのパーツや選手専用のバイクを拝める可能性が高いですね。ワクワクします。選手のメインバイクも並んでいました。選手達はシャワーを浴びて、リラックスしているでしょうからチームバスの中には突撃出来ません。
中盤で起こった落車に巻き込まれた選手のホイールのリムに大きな穴が開いています。スタート地点は晴れていましたが途中で雨が降ったので、どのバイクもかなり汚れていました。
グルパマFDJ本隊の撮影に関しては、フィリップ・モデュイさんに許可を頂きました。実はイル・ロンバルディアでのアスタナ・カザクスタン訪問の時と同じく、ポジティーボの永井メカニックやグルッポ・エンネの中野マッサーの事をグルパマFDJの方々に『コーキやナカノは元気でやっているか?』と聞かれました。本当にお2人のおかげでアスタナ・カザクスタンに続きグルパマFDJでも大変良くして頂きました。改めて永井メカニックや中野マッサーがヨーロッパのロードレースで残された功績を強く強く感じました。永井メカニックと中野マッサーには再度感謝です!そして、グルパマFDJにも完全に顔を憶えてもらったので、来年のヨーロッパ遠征の際に何か困った事があればグルパマFDJにも助けてもらえる事でしょう。
ベテランメカニックがフランスチャンピオンのヴァランタン・マドゥアス選手のバイクの洗車を始めました。レース当日は比較的天気が良かったのですが、前日のような荒天であれば屋外でのメンテナンス作業は苦痛であった事でしょう。
洗車を終えるとすぐに、各部品をウェスで拭き上げ動作チェックを行っていました。どれくらいの頻度で部品類を交換していくのか?質問したかったのですが、フランス人に声をかけるのが苦手なのと、まだ顔見知りになっていないので声がかけ辛かったです。
グルパマFDJのメカニックトラックの内部です。天井に沢山フレームが吊ってあったので、1本お土産に持って帰りたかったです。デュラエースのホイールもこんなに沢山あるので、宝の山ですね。
メカニックトラックの奥へと進み、プロトタイプの製品群を探しましたが、残念ながら見当たりませんでした。私の予想では、ツール・ド・フランスでデビューする新型軽量バイクと新型TTバイクのプロトタイプが隠されていると思っていたのですが…。
メカニックトラックの中を物色していると、『おいキット!市民レース155kmどうだった?完走できたのか?』と聞き覚えのある声が後ろから聞こえました。振り返るとウィリエールの社長三兄弟とヨーロッパのセールスマネージャー等、総勢7名のウィリエール御一行様がいるではありませんか!
“市民レースは悪天候だったのでコースは79kmに変更することになったけど、無事完走出来たよ。それよりもレース現場の視察はいつも1~2人ぐらいなのに何故今回はそんなに大所帯なの?”と問いかけました。『来週末にファルケンブルグのシマノエクスペリエンスセンターでグラベルのイベントをするからなんだ。クラウディオ(テクニカルマネージャー)も来ているけど、アスタナ・カザクスタン側に帯同しているよ。』との事でした。
この時、ウィリエール御一行を見て凄く驚きました。レースの現場にはよっぽどのことが無い限り出て来ないカーボンエンジニアがいたからです。彼の名前はマルコ・ジェノベーゼ(写真左から3番目の長身のニット帽を被った男性)、元トロロッソF1のカーボンシャーシエンジニアの1人で10数年前からウィリエールのカーボンプロダクトの積層レイアウトを彼が担当しています。決して表に出ないはずの彼がレースの現場にいるという事は、新型軽量バイクの説明をグルパマFDJやアスタナ・カザクスタンに行い、ステファン・キュング選手に新型TTバイクの引き渡しがあったのだろう事が容易に想像出来ました。
最後に偶然、アムステルゴールドでお世話になったスポルティブ・ブレイクス社のヨハン・タイトガットさんに出会い、感謝とお別れの言葉を告げました。ヨハンさんからは『またスポルティブ・ブレイクス社を使ってくれ、そして、俺達はお前の最後のモニュメント:ミラノ~サンレモをサポート出来ると思うから、マンチェスターオフィスのジェームス・モリシーと話をしてくれ!』との話しを頂き、改めてモニュメントを制する旅の終焉が近い事を再認識するのでした。
今回のアルデンヌクラシック三連戦は円安ユーロ高のため、大きく予算オーバーしてしまい貯金が激減。キット北村の運動能力的問題だけでなく、来年のミラノ~サンレモに向けては金銭的問題も深刻です。またミラノ~サンレモ300kmの長丁場はきっとボランティアのアシストやサポーターが必要となるでしょうから、せめてその方へのサポート費用も予算に入れなければならないと思っているので、“流行りのクラウドファンディングか何かしてみようかしらん?”と考えています。正直、来年は予算的に無理かもしれない、再来年か…。
ミラノ~サンレモのハードルがあまりにも高すぎて悩みは尽きませんが、アムステルゴールドのオフィシャルカメラマンが撮影していた私のゴールシーンがアムステルゴールドの公式フェイスブックに掲載されたみたいで、アルデンヌクラシック三連戦に挑んだことを誇らしく思い、気持ちを前向きにしてくれました。
帰りのエミレーツの機内では、アスタナ・カザクスタンとグルパマFDJのチームバスの中で拝借したアムステルゴールドとリエージュ~バストーニュ~リエージュの公式ガイドブックを読みながら、アルデンヌクラシックの激戦を噛みしめました。余韻に浸りたい所ですが、現実を見るときっと会社には仕事が山のように溜まっているだろうから、本音としては帰国したくありませんでした…。
5大モニュメントの4つを制覇!?ミラノ~サンレモに向けて!
100年以上前から続くクラシックと呼ばれるレースのうち、“クラシックの王様:ロンド・ファン・フラーンデレン”、“クラシックの女王:パリ~ルーベ”、“落ち葉のクラシック:イル・ロンバルディア”そして、“ラ・ドワイエンヌ:リエージュ~バストーニュ~リエージュ”を走り終えた。遂に5大モニュメント制覇まで “ラ・プリマヴェーラ:ミラノ~サンレモ”を残すのみとなりました。
“グランフォンド・ミラノ~サンレモ”はアマチュアでもプロと同じコース設定で300kmの距離を平均時速36kmでおよそ8時間走らなければならないようだ。今のキット北村の身体能力では絶対に無理な条件だし、肉体改造だけでなく一緒に走ってくれる仲間を集めてチーム戦で挑まないと駄目そうだ。
正直な所、今後このミラノ~サンレモ市民レースがより幅広いアマチュアライダー向けとして短い距離の設定が増えるのか?キット北村がヨーロッパのセミプロ並みの脚力になって、仲間にアシストになってもらってゴールを目指すぐらいしか完走出来る方法が無さそうである。しかし、残念ながらどちらもかなり非現実的だ。
実は、市民レースの難易度以外にも“グランフォンド・ミラノ~サンレモ”を最後の挑戦にした理由が他にある。プロレースのミラノ~サンレモは3月なのに、グランフォンド・ミラノ~サンレモは6月なのです。つまり、市民レースとプロレースの両方を楽しめないのです。今まで制した4つのモニュメントは全て、プロレースの前日もしくは翌日に市民レースが開催されていました。しかし、グランフォンド・ミラノ~サンレモだけが異なるのです。
他にも色々な問題が山積みで憂鬱になりますが、アムステルゴールドでお世話になったイギリスの旅行会社スポルティブ・ブレイクス社のヨハン・タイトガットさんやジェームス・モリシーさんが『来年、キット北村の最終決戦を俺達がサポートするよ!大丈夫だよ!』と言ってくれたので、1年以上かけて彼らと共に決戦の地:ミラノ~サンレモへ向けての準備を始める事にした。
また、自分の知り合いでブルべを得意とするウィリエール乗りの滋賀県のアンバウンドバイシクルズ&コーヒーの野村宗史さんを師と仰ぎ、アドバイスをもらいながらコツコツと準備して行くしかない!
<あとがき> モニュメントを制する旅の続きをいつレポート出来るのかは分かりませんが、ミラノ~サンレモに向けてコースの下見や試走であったり、ミラノ~サンレモをアシストしてくれる日本とイタリアの混成ウィリエール乗りで作るドリームチームの募集の話であったりをレポート出来たらと思います。早速、友達でミラノ市内にあるウィリエールストアのジャウレに助けてくれるように連絡を取りました。そう言えば“偶然にもミラノ~サンレモで優勝した元選手2人の連絡先を知っているので、助けてくれないかなぁ…”という誇大妄想に最近ふけっております。
夢の5大モニュメント制覇リーチです!!!
Special Thanks to
Enrico Gastaldello (Wilier Triestina)
Michele Gastaldello (Wilier Triestina)
Andrea Gastaldello (Wilier Triestina)
Claudio Salomoni (Wilier Triestina)
Mattia Palombini (Wilier Triestina)
Mauro Moretto (Wilier Triestina)
Marco Genovese (Wilier Triestina)
Philippe Mauduit (Groupama FDJ Team)
Johan Tytgat (Sportive Breaks)
James Morrissey (Sportive Breaks)
Joule (Joulelab.com)
Police Liege
Organizer of Amstel Gold Race
Organizer of La Flèche Wallonne
Organizer of Liege Bastogne Liege
Motoshi Nomura (Unbound Bicycles & Coffee Shiga)
report:Kitto Kitamura
2019年から5大モニュメント制覇を目指しているウィリエールの日本国内担当者“キット北村”です。急遽リエージュ~バストーニュ~リエージュ市民レースのコース変更を申請し、体調不良の中で何とかゴールにたどり着きました。いよいよアルデンヌクラシック三連戦の最後はリエージュ~バストーニュ~リエージュのプロレースです。
前日の市民レース後にはホテルに戻って早くに就寝しましたが、予想通り全身疲労でまさかの寝坊。たまたま声をかけられたリエージュ警察の方々と仲良くなり、観戦客がほとんど周りにいない場所に誘導してもらい特等席でプロレースの観戦をする事が出来ました。アルデンヌクラシック三連戦の最終戦、キット北村の果てしない戦いもいよいよクライマックスへと向かいます。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのレースを観戦
市民レースは最悪の天気だったのに、プロレースは晴れました。疲労困憊でやはり朝早くにどうしても起きる事が出来なくて、チームプレゼンテーションに間に合わない予感がズバリ的中。ホテルから自転車で15分の所がプレゼンテーション会場なのでダッシュで向かいました。川向かいにチームバスの車列が見えるので、橋を渡ればプレゼンテーション会場はすぐそこでしょう。
現場周辺はエキスポみたいになっており、コースを跨いでエキスポの奥の奥にあるプレゼンテーション会場へと向かいます。スピーカーからアナウンスが流れているので、もう既にチームプレゼンテーションは始まっている模様です。
昨年のイル・ロンバルディアぶりにタデイ・ポガチャル選手を生で見ました。ベルギーでも大人気です。ステージレースでも1デイレースでも勝ちまくる彼は、ベルギーの英雄:エディ・メルクスを彷彿とさせるからでしょう。
ベルギー・オランダエリアでは、タデイ・ポガチャル選手よりも声援が多かったのは、やはり現世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプール選手でした。ここでチームプレゼンテーションが終了したので、どうやらアスタナ・カザクスタンのプレゼンテーションに私は間に合わなかったようです。
来場者が楽しめるブースがたくさんのレースエキスポを体験!
数分後にレーススタートなのですが、スタート地点がプレゼンテーション会場から1km先離れた場所にあるので、スタート地点に向かうのは潔く諦めてリエージュ~バストーニュ~リエージュのスポンサーが出展しているエキスポを体験します。シクロワイアードでレースのエキスポブースを紹介した記事なんて過去無かったと思うので、じっくりとエキスポ体験レポートを記事にしたいと思います。
リエージュ警察が自転車に乗る人達への交通安全の啓蒙にブースを出していました。小さい警察のバッジみたいなのや、光反射ベルトがもらえました。コフィディスが子供向けのルーレットをやっていました。景品は子供用のサングラスであったり、赤いベースボールキャップなのですが、ルーレットを見る限りハズレもあるようです。ハズレは多分リンゴです。
リエージュの自治体が的当てゲームをやっていました。小さなバスケットボールであったり、テニスボールであったり、ボールであれば何でも良さそうです。景品はリンゴでした。さらにリエージュの自治体では、ペダルを漕ぐとミキサーが回る自転車を開発していました。すりおろし100%リンゴジュースを飲み放題です。
スーパーマーケットのリドルでは、子供達がチームになって空気入れで景品を目指します。画面を見る限り、1等は『お母さんが喜ぶ野菜セット』、2等が『ボトルとバナナ』、3等以下は『リンゴ』のようです。15分ほど見ていましたが全員リンゴでした。1等や2等をゲットするには、相当パワーのある人がチームを組んでやらないと無理だと思います。
エキスポに1時間も居るとさすがに飽きてきたので、一旦ホテルに戻ることにします。ホテルに戻る途中で毎週日曜日に開かれるマルシェを見つけたので、大人気のサンドイッチ&フライドポテト屋さんで昼食を取ります。
ベルギーでフライドポテトを食べる時のお気に入りのソースはピリ辛のアンダルーズソースです。何故か炒めた玉ネギをトッピングするのがベルギー流。
リエージュ警察の案内で特等席で観戦!
ホテルに戻ってのんびりとテレビでレースを観戦です。リエージュ~バストーニュ~リエージュという名前の通り、夕方には再びリエージュのゴールに戻ってくるので、それまでベッドの上で観戦です。グルパマFDJのレミ・ロシャ選手とアスタナ・カザクスタンのクリスティアン・スカローニ選手の2人が先頭集団にいるので、とても良い気分でレース観戦していますが、いつの間にか昼寝してしまいました。
ゴールするまでに奇跡的に目が覚めて、急いでゴール会場へと向かいます。リエージュ警察により広範囲に規制線が張られていましたが、リエージュ警察の方々とお友達になり、ほとんど周りに観客のいないスペースに誘導してもらい特等席で観戦出来ました。ヘリコプターの騒音と共にタデイ・ポガチャル選手が独走でリエージュに帰ってきた模様です。その後すぐにグルパマFDJの選手を含めた第一集団がやってきました。
集団が過ぎ去ってから、バラバラとアシスト選手達はゴールを目指して帰ってきました。ツール・ド・フランスで勝利するには彼らの下支えがとても大事なので、今後のためにここで彼らの顔を憶えておきます。
タデイ・ポガチャル選手の表彰式の喧騒が聞こえてきますが、残念ながらキット北村はグルパマFDJとアスタナ・カザクスタンにしか興味がありません!過去、今までアスタナ・カザクスタンには潜入出来ているので、今回はグルパマFDJです。スペアバイクを積んだチームカーがゴールに戻ってきているので、その車の後を追ってグルパマFDJ本隊に向かいました。
ついにグルパマFDJのチームバスを訪問!
チームカーの後を付けるとチームバスを見つけました。アムステルゴールドで合流出来なかったグルパマFDJ本隊に遂に合流出来ました。(ちなみに“キット北村はチームに合流”と勝手に思っているだけで、チーム側からすれば、“キット北村が勝手にチームに来襲”が正しい表現でしょう。)
チームバスの後ろにはメカニックトラックもありました。これはプロトタイプのパーツや選手専用のバイクを拝める可能性が高いですね。ワクワクします。選手のメインバイクも並んでいました。選手達はシャワーを浴びて、リラックスしているでしょうからチームバスの中には突撃出来ません。
中盤で起こった落車に巻き込まれた選手のホイールのリムに大きな穴が開いています。スタート地点は晴れていましたが途中で雨が降ったので、どのバイクもかなり汚れていました。
グルパマFDJ本隊の撮影に関しては、フィリップ・モデュイさんに許可を頂きました。実はイル・ロンバルディアでのアスタナ・カザクスタン訪問の時と同じく、ポジティーボの永井メカニックやグルッポ・エンネの中野マッサーの事をグルパマFDJの方々に『コーキやナカノは元気でやっているか?』と聞かれました。本当にお2人のおかげでアスタナ・カザクスタンに続きグルパマFDJでも大変良くして頂きました。改めて永井メカニックや中野マッサーがヨーロッパのロードレースで残された功績を強く強く感じました。永井メカニックと中野マッサーには再度感謝です!そして、グルパマFDJにも完全に顔を憶えてもらったので、来年のヨーロッパ遠征の際に何か困った事があればグルパマFDJにも助けてもらえる事でしょう。
ベテランメカニックがフランスチャンピオンのヴァランタン・マドゥアス選手のバイクの洗車を始めました。レース当日は比較的天気が良かったのですが、前日のような荒天であれば屋外でのメンテナンス作業は苦痛であった事でしょう。
洗車を終えるとすぐに、各部品をウェスで拭き上げ動作チェックを行っていました。どれくらいの頻度で部品類を交換していくのか?質問したかったのですが、フランス人に声をかけるのが苦手なのと、まだ顔見知りになっていないので声がかけ辛かったです。
グルパマFDJのメカニックトラックの内部です。天井に沢山フレームが吊ってあったので、1本お土産に持って帰りたかったです。デュラエースのホイールもこんなに沢山あるので、宝の山ですね。
メカニックトラックの奥へと進み、プロトタイプの製品群を探しましたが、残念ながら見当たりませんでした。私の予想では、ツール・ド・フランスでデビューする新型軽量バイクと新型TTバイクのプロトタイプが隠されていると思っていたのですが…。
メカニックトラックの中を物色していると、『おいキット!市民レース155kmどうだった?完走できたのか?』と聞き覚えのある声が後ろから聞こえました。振り返るとウィリエールの社長三兄弟とヨーロッパのセールスマネージャー等、総勢7名のウィリエール御一行様がいるではありませんか!
“市民レースは悪天候だったのでコースは79kmに変更することになったけど、無事完走出来たよ。それよりもレース現場の視察はいつも1~2人ぐらいなのに何故今回はそんなに大所帯なの?”と問いかけました。『来週末にファルケンブルグのシマノエクスペリエンスセンターでグラベルのイベントをするからなんだ。クラウディオ(テクニカルマネージャー)も来ているけど、アスタナ・カザクスタン側に帯同しているよ。』との事でした。
この時、ウィリエール御一行を見て凄く驚きました。レースの現場にはよっぽどのことが無い限り出て来ないカーボンエンジニアがいたからです。彼の名前はマルコ・ジェノベーゼ(写真左から3番目の長身のニット帽を被った男性)、元トロロッソF1のカーボンシャーシエンジニアの1人で10数年前からウィリエールのカーボンプロダクトの積層レイアウトを彼が担当しています。決して表に出ないはずの彼がレースの現場にいるという事は、新型軽量バイクの説明をグルパマFDJやアスタナ・カザクスタンに行い、ステファン・キュング選手に新型TTバイクの引き渡しがあったのだろう事が容易に想像出来ました。
最後に偶然、アムステルゴールドでお世話になったスポルティブ・ブレイクス社のヨハン・タイトガットさんに出会い、感謝とお別れの言葉を告げました。ヨハンさんからは『またスポルティブ・ブレイクス社を使ってくれ、そして、俺達はお前の最後のモニュメント:ミラノ~サンレモをサポート出来ると思うから、マンチェスターオフィスのジェームス・モリシーと話をしてくれ!』との話しを頂き、改めてモニュメントを制する旅の終焉が近い事を再認識するのでした。
今回のアルデンヌクラシック三連戦は円安ユーロ高のため、大きく予算オーバーしてしまい貯金が激減。キット北村の運動能力的問題だけでなく、来年のミラノ~サンレモに向けては金銭的問題も深刻です。またミラノ~サンレモ300kmの長丁場はきっとボランティアのアシストやサポーターが必要となるでしょうから、せめてその方へのサポート費用も予算に入れなければならないと思っているので、“流行りのクラウドファンディングか何かしてみようかしらん?”と考えています。正直、来年は予算的に無理かもしれない、再来年か…。
ミラノ~サンレモのハードルがあまりにも高すぎて悩みは尽きませんが、アムステルゴールドのオフィシャルカメラマンが撮影していた私のゴールシーンがアムステルゴールドの公式フェイスブックに掲載されたみたいで、アルデンヌクラシック三連戦に挑んだことを誇らしく思い、気持ちを前向きにしてくれました。
帰りのエミレーツの機内では、アスタナ・カザクスタンとグルパマFDJのチームバスの中で拝借したアムステルゴールドとリエージュ~バストーニュ~リエージュの公式ガイドブックを読みながら、アルデンヌクラシックの激戦を噛みしめました。余韻に浸りたい所ですが、現実を見るときっと会社には仕事が山のように溜まっているだろうから、本音としては帰国したくありませんでした…。
5大モニュメントの4つを制覇!?ミラノ~サンレモに向けて!
100年以上前から続くクラシックと呼ばれるレースのうち、“クラシックの王様:ロンド・ファン・フラーンデレン”、“クラシックの女王:パリ~ルーベ”、“落ち葉のクラシック:イル・ロンバルディア”そして、“ラ・ドワイエンヌ:リエージュ~バストーニュ~リエージュ”を走り終えた。遂に5大モニュメント制覇まで “ラ・プリマヴェーラ:ミラノ~サンレモ”を残すのみとなりました。
“グランフォンド・ミラノ~サンレモ”はアマチュアでもプロと同じコース設定で300kmの距離を平均時速36kmでおよそ8時間走らなければならないようだ。今のキット北村の身体能力では絶対に無理な条件だし、肉体改造だけでなく一緒に走ってくれる仲間を集めてチーム戦で挑まないと駄目そうだ。
正直な所、今後このミラノ~サンレモ市民レースがより幅広いアマチュアライダー向けとして短い距離の設定が増えるのか?キット北村がヨーロッパのセミプロ並みの脚力になって、仲間にアシストになってもらってゴールを目指すぐらいしか完走出来る方法が無さそうである。しかし、残念ながらどちらもかなり非現実的だ。
実は、市民レースの難易度以外にも“グランフォンド・ミラノ~サンレモ”を最後の挑戦にした理由が他にある。プロレースのミラノ~サンレモは3月なのに、グランフォンド・ミラノ~サンレモは6月なのです。つまり、市民レースとプロレースの両方を楽しめないのです。今まで制した4つのモニュメントは全て、プロレースの前日もしくは翌日に市民レースが開催されていました。しかし、グランフォンド・ミラノ~サンレモだけが異なるのです。
他にも色々な問題が山積みで憂鬱になりますが、アムステルゴールドでお世話になったイギリスの旅行会社スポルティブ・ブレイクス社のヨハン・タイトガットさんやジェームス・モリシーさんが『来年、キット北村の最終決戦を俺達がサポートするよ!大丈夫だよ!』と言ってくれたので、1年以上かけて彼らと共に決戦の地:ミラノ~サンレモへ向けての準備を始める事にした。
また、自分の知り合いでブルべを得意とするウィリエール乗りの滋賀県のアンバウンドバイシクルズ&コーヒーの野村宗史さんを師と仰ぎ、アドバイスをもらいながらコツコツと準備して行くしかない!
<あとがき> モニュメントを制する旅の続きをいつレポート出来るのかは分かりませんが、ミラノ~サンレモに向けてコースの下見や試走であったり、ミラノ~サンレモをアシストしてくれる日本とイタリアの混成ウィリエール乗りで作るドリームチームの募集の話であったりをレポート出来たらと思います。早速、友達でミラノ市内にあるウィリエールストアのジャウレに助けてくれるように連絡を取りました。そう言えば“偶然にもミラノ~サンレモで優勝した元選手2人の連絡先を知っているので、助けてくれないかなぁ…”という誇大妄想に最近ふけっております。
夢の5大モニュメント制覇リーチです!!!
Special Thanks to
Enrico Gastaldello (Wilier Triestina)
Michele Gastaldello (Wilier Triestina)
Andrea Gastaldello (Wilier Triestina)
Claudio Salomoni (Wilier Triestina)
Mattia Palombini (Wilier Triestina)
Mauro Moretto (Wilier Triestina)
Marco Genovese (Wilier Triestina)
Philippe Mauduit (Groupama FDJ Team)
Johan Tytgat (Sportive Breaks)
James Morrissey (Sportive Breaks)
Joule (Joulelab.com)
Police Liege
Organizer of Amstel Gold Race
Organizer of La Flèche Wallonne
Organizer of Liege Bastogne Liege
Motoshi Nomura (Unbound Bicycles & Coffee Shiga)
report:Kitto Kitamura
Amazon.co.jp