「数日前からこのステージを狙っていた」と語ったのは、逃げ切り勝利したアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)。2位のサンチェスや落車したトーマスなど、ジロ第19ステージを選手のコメントで振り返ります。



区間優勝 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

先頭集団から飛び出したアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

とても良い日となった。今日は逃げに乗ることを目指し、最初から最後までそのグループにい続けることができた。その中で僕は”ジョーカー”と呼ばれ、その通り下りという予想外なタイミングで飛び出した。後続は追走の協調が整わなかったので、結果的に良い動きとなった。

誰かが追いついてくるとも思ったが、一定の良いリズムをキープすることに集中した。またチームカーからサポートもあり、勝利に向けて完璧な状況となった。

自身2度目のジロ区間優勝を掴んだアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

明日もまた山岳での戦いとなる。ポガチャルがとても強いことは明らかだが、僕らにはオコーナーが総合上位につけている。僕らは既にチームとして区間2勝を挙げているので失うものがない。だから明日もトライしてみるつもりだよ。

区間2位 ペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター)

ヴェンドラーメがアタックし、その後10〜15秒差が続いたんだ。だから集団のまま彼との差を縮めるのが最善だと思った。しかしそこから彼は素晴らしい脚を見せた。彼を祝福したい。

区間3位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)

ヴェンドラーメを追うゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

スタート直後は体調が悪く、ヴァルグレンの牽引をしようと思い気づいたら逃げに乗っていた。急勾配区間ではアラフィリップに食らいついた。ヴェンドラーメは本当に素晴らしい勝ち方をしたよ。なぜなら僕たちは全力で追いかけていたのだからね。クレイジーな走りだよ。

―アラフィリップやナルバエスを引き離した時の気持ちは?

信じられないよ。ジロの前には想像すらしていなかったこと。でもこれが現実であるという実感が湧いてきており、3つのステージで良い走りができた。本当にクレイジーだよ。

区間5位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)

先頭に立ったアラフィリップたち6名 photo:CorVos

とても苦しい4時間だったけど、この結果には満足している。脚の調子はとても良く、ただ胃腸のトラブルが走りの妨げとなっている。一度登りで遅れ、再び先頭集団に戻るために膨大なエネルギーを使わなければならなかった。だけどずっと狙っていたこのステージで、この結果は概ね満足だよ。

終盤に落車した総合3位ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

愚かなミスを犯してしまった。後ろを見ていた時に前輪がぶつかり、落車してしまった。だが素早くバイクを交換し、ボーラのチームカーのおかげで集団に復帰することができた。出血はかさぶたを破ってしまったから。それ以外は大丈夫だよ。

今日は天候以外は予想通りの展開となった。そして明日は重要な日となる。

マリアローザ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

この日はマリアローザに黒のビブショーツを合わせたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:RCS Sport

何が起きたのか分からないが、トーマスが落車したので彼を待った。彼へのリスペクトを示すためにね。怪我が心配ないことを祈っている。

―今日はスロベニアから近いこともあり、家族など大勢が見に来ていたそうだが。

僕の故郷に住む90%の人が応援に来ていたんじゃないかな。本当にたくさんのスロベニア国旗を見かけたよ。明日アタックするかどうかは脚次第。またライバルたちも狙ってくるだろうから、僕たちも集中した走りをしたい。

マリアチクラミーノ ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)

このジャージを来て故郷を走ることは、叶えたい夢の一つだった。ローマまであと数日あるが、夢が叶ったよ。皆が僕の名前を叫び、それが力となった。明日登るモンテ・グラッパは、故郷の近くとはいえ一度も登ったことがないんだ。だけど頑張るよ(笑)。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Decathlon AG2R La Mondiale Team

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