2024/05/09(木) - 18:00
ゴールデンウィーク最終日の5月6日(月・祝)、栃木県のモビリティリゾートもてぎでサーキットエンデューロイベント「第10回もてぎエンデューロ 春 2024」が開催された。940チームがエントリーし、1300人がサーキットを駆けた1日をレポートしていく。
5月6日(祝・月)、こどもの日の振替休日でありゴールデンウィークの最終日。栃木県芳賀郡茂木町にある「モビリティリゾートもてぎ」で「第10回もてぎエンデューロ 春 2024」が開催された。
舞台となる「モビリティリゾートもてぎ」は、過去には「ツインリンクもてぎ」として知られていたサーキット。現在ではサーキットを中心としつつ、グランピングやアスレチックなど、様々なアクティビティを楽しめるリゾート施設としてリニューアルし、モータースポーツファンだけではない幅広い層が楽しめるスポットとなっている。
エンデューロの舞台となるコースは全長4.8km、コーナー数は14、最大直線長762m、高低差30.4mの国際規格サーキットが使用される。登りや下り、高速コーナー、ヘアピンなどテクニカルなコースで、ライダーのスキルも求められるサーキットだ。なお、通常モータースポーツで使用されるのとは逆の反時計周りとなっている。
ちなみに、筆者が初めて参加したサーキットエンデューロも「もてぎエンデューロ」だった。子供のころからSUPER GTやスーパー耐久などのレースが好きでレース観戦をしていたため、そんな憧れのサーキットにコースインした時の感動は今でも忘れられない思い出だ。
大会当日の天気は最低気温13℃、最高気温が24℃で日が差し込む自転車日和となった。少々風は強いが、サーキットエンデューロでは集団で走る時間も長いため、協力して走れば問題なさそうだ。
エンデューロが始まる前には試走時間が用意されている。コース幅が広く、なかなか走る機会が少ないサーキットであるため、走り慣れる必要があるため入念に試走をしている参加者が多かった。
試走時間が終了すると、大会全体の開会式、そして最初の種目となるキッズレースが開催される。キッズレースは小学生が対象となり、低学年は3km、高学年は4.8kmを走る。どちらのカテゴリーも優勝争いはゴールスプリントに持ち込まれ、僅差で決まる白熱したレースが展開された。
未就学児には「ひよこレース」が用意されている。お子さんだけでなく、保護者の方も併走できるのがポイント。親子でゴールを目指して走る姿を、家族がコースの中から応援できる距離の近さが人気の秘訣。家族全員で参加できる種目とあって、盛り上がり方も一味違う。
子どもたちの白熱したレースが一段落ついたころ、大人達の出番となるエンデューロが始動する。最長種目となる6時間エンデューロをはじめ、4時間、2時間という3クラスの耐久レースが行われる。
そして今大会の目玉となる種目の「フルマラソンライド」も同時に開催。自転車界No.1 YouTuberのまさ/高倉正善がプロデュースする新種目で、"フルマラソン"というワードが種目名にあるように、42.195kmの完走を目指す初心者向けのイベントだ。見事完走した方にはオリジナルの完走メダルが用意されている。
先頭にはゲストライダーが整列していく。まさ君と宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグ、さいたま佐渡サンブレイブの選手たちが並び、まるで国内最高峰のJプロツアーのスタート前のようだ。
そして、ゲストライダーと同じラインに前年の企業対抗賞やショップ対抗賞の優勝チームが並ぶ。その後ろに4時間エンデューロの参加者たち、その後ろにフルマラソンライドの参加者たちが続き、ホームストレートを埋め尽くす光景は圧巻だ。
9時43分、号砲と共に4時間エンデューロとフルマラソンライドがスタートを切った。マヴィックカーが先頭でスタートし、色鮮やかなウェアを纏ったゲストライダーと参加者たちが作り出す集団がサーキットへ駆け出していく。
冒頭でも触れたとおり、もてぎエンデューロではモータースポーツとは逆の反時計回りで走ることになる。シケインの先のトンネルを抜けると現れるのが90度コーナー。モータースポーツでは長い下りからのブレーキング勝負で数々の名場面を生んできたこのコーナーを曲がると、コース最長の登り区間へ。
毎周回この長い登りが現れることになるのだが、優勝を狙う選手たちにとってはライバルたちを振るい落とすためのアタックポイントである一方、完走を目指す参加者にとっては一定ペースでクリアし、体力を温存したい区間でもある。
そして、長い登りを終えるとソロ専用のエイドステーションが用意されている東コントロールタワー・ピットが見えてくる。その先の180度コーナーを曲がると登った分を一気に吐き出すダウンヒルへ。
V字とS字が織りなす連続コーナーの下りセクションは、集団内で走っているとまるでジェットコースターのよう。また、ペダリングを止めても下っていけるため、この下り区間で体力を温存するのも作戦の内だろう。
仲間が待つピットの入り口にはシケインが用意されており、しっかりと減速する必要がある。ピットエリアでは計測チップのついたバンドを付け替えて、次の仲間がスタートしていく。この作業もタイム短縮には重要な要素であり、中にはF1を彷彿とさせるほど熟練した技を披露するチームも。
コース上ではゲストライダーが様々なグループにジョインし、一定ペースで走り続けてくれている。自分のペースに合うグループを見つけることも、距離を延ばすための重要なコツだ。
また、大会中の機材トラブルに備えて、もてぎエンデューロでは受付の横にメカニックブースが用意されている。変速調整といった軽い作業だけでなく、ホイールの振れ取りなどあらゆるトラブルを解決してくれるため心強い。
スタートから2時間が経過するころ、フルマラソンライドの参加者たちが続々とフィニッシュしてくる。フルマラソンライドのトップはなんとこの種目をプロデュースしたまさ君。57分9秒で42.195kmを駆け抜けた。表彰はないものの、完走者にはオリジナルの完走メダルが贈呈され、記念になったことだろう。
4時間エンデューロはチームメイトのアシストを受けて、独走で逃げ切りを決めた板大恵太(だち會)が拳を高く掲げながら優勝を決めた。4時間エンデューロ ロードウーマンソロのトップを走る古谷桜子(内房レーシングクラブ)はDI2のバッテリー切れに見舞われたが、粘りの走りで優勝。4時間エンデューロの参加者が続々とゴールラインを越える中、入れ替わるように2時間エンデューロの参加者たちがスタートしていく。
仲間の帰りを待つ間も楽しめるのが様々なブランドが出展するブースエリアだ。ウエイブワンではまさ君の自転車あるあるTシャツやサイクルウェアなどが販売されていた。マヴィックのブースではホイールの試乗会やシューズ試着会を実施。ワコーズでは洗車サービスが行われるなど、各ブランドでそれぞれ魅力的な企画を実施しており、多くの参加者が訪れていた。
6時間エンデューロと2時間エンデューロのフィニッシュ時間が近づくにつれて、ピットロードにチームメイトを見守る参加者が続々と集まり、仲間が通過するときに声援を送っていた。フィニッシュ時間の16時になるとチェッカーフラッグが振られ、横山昂平(さいくりずむ同好会)が2時間エンデューロを制した。
熱戦が繰り広げられた最長カテゴリーの6時間エンデューロは高岡亮寛(Roppongi Express)が終盤にトップ集団から抜け出し、両手を大きく掲げながら優勝を決めた。51周を走り切り、総距離244.8km、平均時速40.69km/hで駆け抜けた。
エンデューロ後に仲間と健闘を称え合った後は表彰式へと向かっていく。もてぎエンデューロではソロやチーム、男女混合、さらに、5歳刻みで年代別の表彰もあるため多くの参加者が表彰対象になる可能性が高いイベントになっている。
6時間と4時間エンデューロに参加するチームの中から会社や職場単位のチームで参加するチームには「企業対抗賞」が、同じサイクルショップのスタッフやショップチームで参加するチームには「ショップ対抗賞」が用意されている。
そして表彰対象とならずとも、1日の走りを讃えてくれるのがこの大会の嬉しいところ。エンデューロ種目に参加した方には、完走タイムに応じてブラックとレッド、ホワイトと色分けされたピンバッチが用意されている。さらに、完走者全員にもてぎエンデューロのロゴがデザインされた完走メダルが授与された。
仲間と共に走り切って獲得したメダルをもらった参加者は皆が笑顔になっていて、会場中が喜びと達成感に満ち溢れていた。ソロでもチームでも、老若男女が楽しめるのがサーキットエンデューロ「もてぎエンデューロ」。
次戦の秋大会は2024年11月16日(土)に開催予定だ。秋大会に向けて今から自転車仲間を誘って、参戦計画を立ててみるのが良いかもしれない。豪華なゲストライダーや日本全国から多くのサイクリストが集結する「もてぎエンデューロ」に皆さんも参加してみては。また、もてぎで会いましょう!
photo&text:Michinari TAKAGI
5月6日(祝・月)、こどもの日の振替休日でありゴールデンウィークの最終日。栃木県芳賀郡茂木町にある「モビリティリゾートもてぎ」で「第10回もてぎエンデューロ 春 2024」が開催された。
舞台となる「モビリティリゾートもてぎ」は、過去には「ツインリンクもてぎ」として知られていたサーキット。現在ではサーキットを中心としつつ、グランピングやアスレチックなど、様々なアクティビティを楽しめるリゾート施設としてリニューアルし、モータースポーツファンだけではない幅広い層が楽しめるスポットとなっている。
エンデューロの舞台となるコースは全長4.8km、コーナー数は14、最大直線長762m、高低差30.4mの国際規格サーキットが使用される。登りや下り、高速コーナー、ヘアピンなどテクニカルなコースで、ライダーのスキルも求められるサーキットだ。なお、通常モータースポーツで使用されるのとは逆の反時計周りとなっている。
ちなみに、筆者が初めて参加したサーキットエンデューロも「もてぎエンデューロ」だった。子供のころからSUPER GTやスーパー耐久などのレースが好きでレース観戦をしていたため、そんな憧れのサーキットにコースインした時の感動は今でも忘れられない思い出だ。
大会当日の天気は最低気温13℃、最高気温が24℃で日が差し込む自転車日和となった。少々風は強いが、サーキットエンデューロでは集団で走る時間も長いため、協力して走れば問題なさそうだ。
エンデューロが始まる前には試走時間が用意されている。コース幅が広く、なかなか走る機会が少ないサーキットであるため、走り慣れる必要があるため入念に試走をしている参加者が多かった。
試走時間が終了すると、大会全体の開会式、そして最初の種目となるキッズレースが開催される。キッズレースは小学生が対象となり、低学年は3km、高学年は4.8kmを走る。どちらのカテゴリーも優勝争いはゴールスプリントに持ち込まれ、僅差で決まる白熱したレースが展開された。
未就学児には「ひよこレース」が用意されている。お子さんだけでなく、保護者の方も併走できるのがポイント。親子でゴールを目指して走る姿を、家族がコースの中から応援できる距離の近さが人気の秘訣。家族全員で参加できる種目とあって、盛り上がり方も一味違う。
子どもたちの白熱したレースが一段落ついたころ、大人達の出番となるエンデューロが始動する。最長種目となる6時間エンデューロをはじめ、4時間、2時間という3クラスの耐久レースが行われる。
そして今大会の目玉となる種目の「フルマラソンライド」も同時に開催。自転車界No.1 YouTuberのまさ/高倉正善がプロデュースする新種目で、"フルマラソン"というワードが種目名にあるように、42.195kmの完走を目指す初心者向けのイベントだ。見事完走した方にはオリジナルの完走メダルが用意されている。
先頭にはゲストライダーが整列していく。まさ君と宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグ、さいたま佐渡サンブレイブの選手たちが並び、まるで国内最高峰のJプロツアーのスタート前のようだ。
そして、ゲストライダーと同じラインに前年の企業対抗賞やショップ対抗賞の優勝チームが並ぶ。その後ろに4時間エンデューロの参加者たち、その後ろにフルマラソンライドの参加者たちが続き、ホームストレートを埋め尽くす光景は圧巻だ。
9時43分、号砲と共に4時間エンデューロとフルマラソンライドがスタートを切った。マヴィックカーが先頭でスタートし、色鮮やかなウェアを纏ったゲストライダーと参加者たちが作り出す集団がサーキットへ駆け出していく。
冒頭でも触れたとおり、もてぎエンデューロではモータースポーツとは逆の反時計回りで走ることになる。シケインの先のトンネルを抜けると現れるのが90度コーナー。モータースポーツでは長い下りからのブレーキング勝負で数々の名場面を生んできたこのコーナーを曲がると、コース最長の登り区間へ。
毎周回この長い登りが現れることになるのだが、優勝を狙う選手たちにとってはライバルたちを振るい落とすためのアタックポイントである一方、完走を目指す参加者にとっては一定ペースでクリアし、体力を温存したい区間でもある。
そして、長い登りを終えるとソロ専用のエイドステーションが用意されている東コントロールタワー・ピットが見えてくる。その先の180度コーナーを曲がると登った分を一気に吐き出すダウンヒルへ。
V字とS字が織りなす連続コーナーの下りセクションは、集団内で走っているとまるでジェットコースターのよう。また、ペダリングを止めても下っていけるため、この下り区間で体力を温存するのも作戦の内だろう。
仲間が待つピットの入り口にはシケインが用意されており、しっかりと減速する必要がある。ピットエリアでは計測チップのついたバンドを付け替えて、次の仲間がスタートしていく。この作業もタイム短縮には重要な要素であり、中にはF1を彷彿とさせるほど熟練した技を披露するチームも。
コース上ではゲストライダーが様々なグループにジョインし、一定ペースで走り続けてくれている。自分のペースに合うグループを見つけることも、距離を延ばすための重要なコツだ。
また、大会中の機材トラブルに備えて、もてぎエンデューロでは受付の横にメカニックブースが用意されている。変速調整といった軽い作業だけでなく、ホイールの振れ取りなどあらゆるトラブルを解決してくれるため心強い。
スタートから2時間が経過するころ、フルマラソンライドの参加者たちが続々とフィニッシュしてくる。フルマラソンライドのトップはなんとこの種目をプロデュースしたまさ君。57分9秒で42.195kmを駆け抜けた。表彰はないものの、完走者にはオリジナルの完走メダルが贈呈され、記念になったことだろう。
4時間エンデューロはチームメイトのアシストを受けて、独走で逃げ切りを決めた板大恵太(だち會)が拳を高く掲げながら優勝を決めた。4時間エンデューロ ロードウーマンソロのトップを走る古谷桜子(内房レーシングクラブ)はDI2のバッテリー切れに見舞われたが、粘りの走りで優勝。4時間エンデューロの参加者が続々とゴールラインを越える中、入れ替わるように2時間エンデューロの参加者たちがスタートしていく。
仲間の帰りを待つ間も楽しめるのが様々なブランドが出展するブースエリアだ。ウエイブワンではまさ君の自転車あるあるTシャツやサイクルウェアなどが販売されていた。マヴィックのブースではホイールの試乗会やシューズ試着会を実施。ワコーズでは洗車サービスが行われるなど、各ブランドでそれぞれ魅力的な企画を実施しており、多くの参加者が訪れていた。
6時間エンデューロと2時間エンデューロのフィニッシュ時間が近づくにつれて、ピットロードにチームメイトを見守る参加者が続々と集まり、仲間が通過するときに声援を送っていた。フィニッシュ時間の16時になるとチェッカーフラッグが振られ、横山昂平(さいくりずむ同好会)が2時間エンデューロを制した。
熱戦が繰り広げられた最長カテゴリーの6時間エンデューロは高岡亮寛(Roppongi Express)が終盤にトップ集団から抜け出し、両手を大きく掲げながら優勝を決めた。51周を走り切り、総距離244.8km、平均時速40.69km/hで駆け抜けた。
エンデューロ後に仲間と健闘を称え合った後は表彰式へと向かっていく。もてぎエンデューロではソロやチーム、男女混合、さらに、5歳刻みで年代別の表彰もあるため多くの参加者が表彰対象になる可能性が高いイベントになっている。
6時間と4時間エンデューロに参加するチームの中から会社や職場単位のチームで参加するチームには「企業対抗賞」が、同じサイクルショップのスタッフやショップチームで参加するチームには「ショップ対抗賞」が用意されている。
そして表彰対象とならずとも、1日の走りを讃えてくれるのがこの大会の嬉しいところ。エンデューロ種目に参加した方には、完走タイムに応じてブラックとレッド、ホワイトと色分けされたピンバッチが用意されている。さらに、完走者全員にもてぎエンデューロのロゴがデザインされた完走メダルが授与された。
仲間と共に走り切って獲得したメダルをもらった参加者は皆が笑顔になっていて、会場中が喜びと達成感に満ち溢れていた。ソロでもチームでも、老若男女が楽しめるのがサーキットエンデューロ「もてぎエンデューロ」。
次戦の秋大会は2024年11月16日(土)に開催予定だ。秋大会に向けて今から自転車仲間を誘って、参戦計画を立ててみるのが良いかもしれない。豪華なゲストライダーや日本全国から多くのサイクリストが集結する「もてぎエンデューロ」に皆さんも参加してみては。また、もてぎで会いましょう!
photo&text:Michinari TAKAGI
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