2024/05/06(月) - 12:25
2つの1級山岳で締めくくられた第10回ラ・ブエルタ・フェメニーナ最終日。デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が最終山岳でアタックを成功させ、区間2勝目と共に念願の総合優勝を掴み取った。
全8ステージで争われたラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)も、5月5日(日)に最終日を迎えた。2024年のグランツール初戦を締めくくるのは、89.5kmという短い距離に2つの1級山岳が詰め込まれた山頂フィニッシュ。まずは1級プエルト・デ・ラ・モルクエラ(距離9.2km/平均6.8%)を登り、約14kmの下りを経て最終山岳バルデスキ・コムニダ・デ・マドリード(距離12.8km/平均4.8%)を駆け上がる。
大会最終日ということもあり、序盤から激しいアタック合戦でレースは幕を開けた。その結果13名による逃げグループが形成され、その中には前日勝者でマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を確定させたマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)やマイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)を着るカーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)の姿があった。
しかしSDワークス・プロタイムが中心に牽引するメイン集団は、逃げに1分のリードしか許さないタイトなコントロールを披露した。この日一つ目の1級プエルト・デ・ラ・モルクエラに入ると、逃げは9名まで減少。それを50秒で追うプロトンでは、総合4位(1分48秒遅れ)ジュリエット・ラブース(フランス)の総合ジャンプアップを目指すDSMフィルメニッヒ・ポストNLがペースアップを敢行した。
下った先にある中間スプリントを目指していたフォスなどが遅れ、逃げはスウィンケルスと共にオーストラリア出身のサラ・ジガンテ(AGインシュランス・スーダル)とブローディー・チャップマン(リドル・トレック)の3名に絞られる。一方、30秒後方のプロトンからは今大会コンディションの上がらないマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)が遅れていった。
頂上まで残り4kmを切り、先頭の3名を目視できるまで迫ったメイン集団からはパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がアタックする。総合11位のローイヤッカースは逃げを抜いて先頭に立ったものの、頂上手前1kmでグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)が牽引するプロトンが引き戻した。
一つになった集団からはFDJスエズの総合エースであるエヴィータ・ムジック(フランス)が山頂手前でアタック。後続を引き離すには至らなかったものの、1級山岳を先頭通過して山岳賞のバーチャルリーダーになった。
登りで約20名まで絞られた集団は下りに入り、マイヨロホを着るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)の重要な山岳アシスト、ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド)がコーナーでガードレールに衝突するアクシデントも。しかし自らも総合5位に入るフィッシャーブラックはチームカーから激励を受けながら先頭集団に合流。その直前に集団からスウィンケルスが飛び出した。
残り19km地点でスウィンケルスは、1分差で1級山岳バルデスキ・コムニダ・デ・マドリード(距離12.8km/平均4.8%)に突入する。プロトンではここでもブラウンが高速牽引を見せ、残り9.4kmでスウィンケルスをキャッチ。するとブラウンはスピードを一段上げて、それにアシスト業務を終えたマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)やクリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール)などが遅れていった。
そして頂上まで残り6.5km地点で、まだブラウンが牽引する集団からフォレリングが動いた。
マイヨロホのアタックに総合2位のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)は遅れ、リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)とムジックが懸命に踏み込む。しかしシッティングで軽快にペダルを回すフォレリングとの差は徐々に拡がっていく。
そして5.9km地点から単独になったフォレリングが最終ストレートに到着。両脇に集まる観客の声援にジグザグ走行で応え、笑顔のフォレリングが右腕を上げフィニッシュ。そして自らのバイクを高々と掲げ、区間2勝目と総合優勝を喜んだ。
総合優勝候補の筆頭であり、今大会まで今シーズン未勝利というプレッシャーを乗り越えたフォレリング。「このステージを勝つことができて本当に嬉しい。また表彰台の一番上(総合優勝)と区間2勝は誇りに思える結果。とても良い大会となった」と語った。
積極的な走りとブラウンのアシストを受けたムジックが2位に入り、3位のマルクスは総合でロンゴボルギーニ(区間7位)を抜き、総合2位に浮上した。
またフォレリングは山岳賞も手に入れ、ポイント賞は区間2勝と輝いたフォスが獲得している。
全8ステージで争われたラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)も、5月5日(日)に最終日を迎えた。2024年のグランツール初戦を締めくくるのは、89.5kmという短い距離に2つの1級山岳が詰め込まれた山頂フィニッシュ。まずは1級プエルト・デ・ラ・モルクエラ(距離9.2km/平均6.8%)を登り、約14kmの下りを経て最終山岳バルデスキ・コムニダ・デ・マドリード(距離12.8km/平均4.8%)を駆け上がる。
大会最終日ということもあり、序盤から激しいアタック合戦でレースは幕を開けた。その結果13名による逃げグループが形成され、その中には前日勝者でマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を確定させたマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)やマイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)を着るカーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)の姿があった。
しかしSDワークス・プロタイムが中心に牽引するメイン集団は、逃げに1分のリードしか許さないタイトなコントロールを披露した。この日一つ目の1級プエルト・デ・ラ・モルクエラに入ると、逃げは9名まで減少。それを50秒で追うプロトンでは、総合4位(1分48秒遅れ)ジュリエット・ラブース(フランス)の総合ジャンプアップを目指すDSMフィルメニッヒ・ポストNLがペースアップを敢行した。
下った先にある中間スプリントを目指していたフォスなどが遅れ、逃げはスウィンケルスと共にオーストラリア出身のサラ・ジガンテ(AGインシュランス・スーダル)とブローディー・チャップマン(リドル・トレック)の3名に絞られる。一方、30秒後方のプロトンからは今大会コンディションの上がらないマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)が遅れていった。
頂上まで残り4kmを切り、先頭の3名を目視できるまで迫ったメイン集団からはパウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がアタックする。総合11位のローイヤッカースは逃げを抜いて先頭に立ったものの、頂上手前1kmでグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)が牽引するプロトンが引き戻した。
一つになった集団からはFDJスエズの総合エースであるエヴィータ・ムジック(フランス)が山頂手前でアタック。後続を引き離すには至らなかったものの、1級山岳を先頭通過して山岳賞のバーチャルリーダーになった。
登りで約20名まで絞られた集団は下りに入り、マイヨロホを着るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)の重要な山岳アシスト、ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド)がコーナーでガードレールに衝突するアクシデントも。しかし自らも総合5位に入るフィッシャーブラックはチームカーから激励を受けながら先頭集団に合流。その直前に集団からスウィンケルスが飛び出した。
残り19km地点でスウィンケルスは、1分差で1級山岳バルデスキ・コムニダ・デ・マドリード(距離12.8km/平均4.8%)に突入する。プロトンではここでもブラウンが高速牽引を見せ、残り9.4kmでスウィンケルスをキャッチ。するとブラウンはスピードを一段上げて、それにアシスト業務を終えたマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)やクリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール)などが遅れていった。
そして頂上まで残り6.5km地点で、まだブラウンが牽引する集団からフォレリングが動いた。
マイヨロホのアタックに総合2位のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)は遅れ、リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)とムジックが懸命に踏み込む。しかしシッティングで軽快にペダルを回すフォレリングとの差は徐々に拡がっていく。
そして5.9km地点から単独になったフォレリングが最終ストレートに到着。両脇に集まる観客の声援にジグザグ走行で応え、笑顔のフォレリングが右腕を上げフィニッシュ。そして自らのバイクを高々と掲げ、区間2勝目と総合優勝を喜んだ。
総合優勝候補の筆頭であり、今大会まで今シーズン未勝利というプレッシャーを乗り越えたフォレリング。「このステージを勝つことができて本当に嬉しい。また表彰台の一番上(総合優勝)と区間2勝は誇りに思える結果。とても良い大会となった」と語った。
積極的な走りとブラウンのアシストを受けたムジックが2位に入り、3位のマルクスは総合でロンゴボルギーニ(区間7位)を抜き、総合2位に浮上した。
またフォレリングは山岳賞も手に入れ、ポイント賞は区間2勝と輝いたフォスが獲得している。
ラ・ブエルタ・フェメニーナ2024第8ステージ
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 2:43:06 |
2位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | +0:29 |
3位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:33 |
4位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:53 |
5位 | リカルダ・ボーンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | +0:56 |
6位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +1:00 |
7位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
8位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム) | |
9位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:10 |
10位 | キム・カゾー(ニュージーランド、EFエデュケーション・キャノンデール) | +1:28 |
個人総合成績
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 23:30:55 |
2位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:49 |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | +2:00 |
4位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +2:58 |
5位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | 3:15 |
6位 | リカルダ・ボーンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | +4:33 |
7位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | +5:14 |
8位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +5:27 |
9位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +5:42 |
10位 | キム・カゾー(ニュージーランド、EFエデュケーション・キャノンデール) | +6:19 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
山岳賞 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) |
チーム総合成績 | SDワークス・プロタイム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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