2024/03/25(月) - 10:00
リドル・トレックが終始レースを有利に進めたヘント〜ウェヴェルヘム。マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が一騎打ちスプリントでファンデルプールを退け、ロンド前哨戦で自身2度目の優勝を果たした。
1週間後に控えた「クラシックの王様」ことロンド・ファン・フラーンデレンを前に、同じベルギー・フランドル地方でヘント〜ウェヴェルヘム(UCIワールドツアー)が行われた。セミクラシックの中で最も格式高い本大会は、地元の生活道路や農道を組み合わせた253.1kmの長距離レース。序盤は平坦な舗装路を進み、後半に設定された9つの急坂と3つの未舗装路区間が勝負所となる。
昨年ワンツーフィニッシュを決めたクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)とワウト・ファンアールト(ベルギー)が揃って不出場だった第86回大会には、同じロンド前哨戦のE3サクソ・クラシックを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が出場。また優勝経験のあるビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)など豪華メンバーが揃った。
スタート地点であるイーペルに集った175名の中には、ベルギークラシック3戦目となる留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)の姿も。序盤に形成された8名による逃げグループにはミケル・モルコフ(デンマーク、アスタナ・カザクスタン)やユーゴ・ウル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)などベテランが入り、ヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク)が早くも落車リタイアしたメイン集団に対し最大5分のリードを得た。
残り距離が150kmを切った辺りでプロトンに強い横風が吹き付ける。メイン集団は30名弱まで絞られ、ペースが一気に上がり逃げ集団に合流。ヴィスマとアルペシン、リドルはそれぞれ3名を入れた一方、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)などは後退。35名の先頭集団が急坂と未舗装路区間の待つレース後半に突入した。
急坂区間に入り、ヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)やダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)、マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)がアタックを試みる。しかしその度にリドルが引き戻し、この日3度登坂する急坂「ケンメルベルグ」でファンデルプールが仕掛けた。
初優勝を目指す世界王者の加速には、ピーダスンとスプリンターのジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が食らいつく。しかし頂上を過ぎた辺りで後続が追いつき、次の急坂と繋ぐ平坦区間で今度はミランが加速。今季好調の21歳ローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が単独で追いかけ、ピーダスンが脚を溜める集団をファンデルプールが先導した。
ファンデルプールの猛追によってピーダスン以外は振り落とされ、ピシーとミランを捉えるとすかさずピーダスンがアタック。ここもファンデルプールが反応し、ピシーは自らの脚を極力使わない上手い立ち回りでレースを進めていく。
プロトンと18秒差で進む先頭の4名(ピーダスン、ミラン、ファンデルプール、ピシー)はこの日2度目の「ケンメルベルグ」に突入する。するとここまでアシストに徹していたミランが遅れ、3度目にしてこの日最後の急坂「ケンメルベルグ」ではピシーが脱落。軽快に登るピーダスンに対し、ファンデルプールは苦悶の表情を浮かべた。
フィニッシュまで続く平坦路でローテーションを回したピーダスンとファンデルプールは、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のいる追走集団に対し約1分差で残り15km地点を通過。フラムルージュ(残り1km地点)を通過する頃に25秒差まで縮まったものの、勝負は先頭を行く元世界王者のピーダスンとアルカンシエルを着るファンデルプールに絞られた。
最終ストレートで前を行くピーダスンが先にスプリントを始め、一拍遅れてファンデルプールが腰を上げる。懸命にペダルを踏み込むファンデルプールだったが、ここまで脚を使ったためか横に並べず、ピーダスンが先頭でフィニッシュラインを通過した。
ミランやヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー)と共に終始有利なレース展開を作り、自身2度目の優勝を手に入れたピーダスン。「スプリントでマチューに勝てると、自分を信じなければならなかった。最近の彼の活躍を見ているから負けることも頭に過ったからね。追走集団にはフィリプセンもいたので、(ファンデルプールとの)マッチスプリントしか勝機はないと思った。現世界王者であるファンデルプールを下し、手に入れたこの勝利がとても嬉しいよ」と、ピーダスンは喜んだ。
一方、フィニッシュ直後にピーダスンの肩を抱き祝福を伝えたファンデルプールは「全てのレースを勝てるわけではない。2度目のケンメルベルグで脚は疲れていた。ミラノ〜サンレモの時のように(後続集団にいた)フィリプセンと密なコミュニケーションを取る必要があった」と敗因を語った。
また16秒遅れでやってきた3位争いはヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)が先着し、表彰台に上がっている。
1週間後に控えた「クラシックの王様」ことロンド・ファン・フラーンデレンを前に、同じベルギー・フランドル地方でヘント〜ウェヴェルヘム(UCIワールドツアー)が行われた。セミクラシックの中で最も格式高い本大会は、地元の生活道路や農道を組み合わせた253.1kmの長距離レース。序盤は平坦な舗装路を進み、後半に設定された9つの急坂と3つの未舗装路区間が勝負所となる。
昨年ワンツーフィニッシュを決めたクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)とワウト・ファンアールト(ベルギー)が揃って不出場だった第86回大会には、同じロンド前哨戦のE3サクソ・クラシックを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が出場。また優勝経験のあるビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)など豪華メンバーが揃った。
スタート地点であるイーペルに集った175名の中には、ベルギークラシック3戦目となる留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)の姿も。序盤に形成された8名による逃げグループにはミケル・モルコフ(デンマーク、アスタナ・カザクスタン)やユーゴ・ウル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)などベテランが入り、ヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク)が早くも落車リタイアしたメイン集団に対し最大5分のリードを得た。
残り距離が150kmを切った辺りでプロトンに強い横風が吹き付ける。メイン集団は30名弱まで絞られ、ペースが一気に上がり逃げ集団に合流。ヴィスマとアルペシン、リドルはそれぞれ3名を入れた一方、アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)などは後退。35名の先頭集団が急坂と未舗装路区間の待つレース後半に突入した。
急坂区間に入り、ヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)やダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)、マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)がアタックを試みる。しかしその度にリドルが引き戻し、この日3度登坂する急坂「ケンメルベルグ」でファンデルプールが仕掛けた。
初優勝を目指す世界王者の加速には、ピーダスンとスプリンターのジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が食らいつく。しかし頂上を過ぎた辺りで後続が追いつき、次の急坂と繋ぐ平坦区間で今度はミランが加速。今季好調の21歳ローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が単独で追いかけ、ピーダスンが脚を溜める集団をファンデルプールが先導した。
ファンデルプールの猛追によってピーダスン以外は振り落とされ、ピシーとミランを捉えるとすかさずピーダスンがアタック。ここもファンデルプールが反応し、ピシーは自らの脚を極力使わない上手い立ち回りでレースを進めていく。
プロトンと18秒差で進む先頭の4名(ピーダスン、ミラン、ファンデルプール、ピシー)はこの日2度目の「ケンメルベルグ」に突入する。するとここまでアシストに徹していたミランが遅れ、3度目にしてこの日最後の急坂「ケンメルベルグ」ではピシーが脱落。軽快に登るピーダスンに対し、ファンデルプールは苦悶の表情を浮かべた。
フィニッシュまで続く平坦路でローテーションを回したピーダスンとファンデルプールは、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のいる追走集団に対し約1分差で残り15km地点を通過。フラムルージュ(残り1km地点)を通過する頃に25秒差まで縮まったものの、勝負は先頭を行く元世界王者のピーダスンとアルカンシエルを着るファンデルプールに絞られた。
最終ストレートで前を行くピーダスンが先にスプリントを始め、一拍遅れてファンデルプールが腰を上げる。懸命にペダルを踏み込むファンデルプールだったが、ここまで脚を使ったためか横に並べず、ピーダスンが先頭でフィニッシュラインを通過した。
ミランやヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー)と共に終始有利なレース展開を作り、自身2度目の優勝を手に入れたピーダスン。「スプリントでマチューに勝てると、自分を信じなければならなかった。最近の彼の活躍を見ているから負けることも頭に過ったからね。追走集団にはフィリプセンもいたので、(ファンデルプールとの)マッチスプリントしか勝機はないと思った。現世界王者であるファンデルプールを下し、手に入れたこの勝利がとても嬉しいよ」と、ピーダスンは喜んだ。
一方、フィニッシュ直後にピーダスンの肩を抱き祝福を伝えたファンデルプールは「全てのレースを勝てるわけではない。2度目のケンメルベルグで脚は疲れていた。ミラノ〜サンレモの時のように(後続集団にいた)フィリプセンと密なコミュニケーションを取る必要があった」と敗因を語った。
また16秒遅れでやってきた3位争いはヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)が先着し、表彰台に上がっている。
ヘント〜ウェヴェルヘム2024結果
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | 5:36:00 |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
3位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:16 |
4位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
5位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
6位 | オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
8位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
9位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、チューダー・プロサイクリング) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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