2024/03/10(日) - 12:30
積雪の影響でコース短縮となったパリ〜ニース第7ステージ。精鋭集団からアタックしたアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)が今季初勝利を決め、追走集団から遅れたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が辛くも総合首位をキープした。
初開催が1933年と歴史深いパリ〜ニースは最終日前日の第7ステージを迎えた。本来のフィニッシュ地点であった山岳が積雪のため、レース主催者はコースの短縮を発表。そのためレース距離は173kmから103.7kmとなり、最後から2つ目であった1級山岳ラ・マドーヌ・デュテル(距離15.3km/平均5.7%)の頂上が新たなフィニッシュ地点となった。
この日のスタート地点であるニースを出発し、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)らスプリンターが未出走だった集団からバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)ら3名が逃げを打つ。時折雨粒が落ちる厚い雲の下、防寒のためウェアを着込んだ選手たち。逃げを追いかけるメイン集団はエガン・ベルナル(コロンビア)を擁するイネオス・グレナディアーズや、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)の総合優勝目指すスーダル・クイックステップがコントロールにあたった。
逃げからハイス・レイムライゼ(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れ、先頭はトマとヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)の2名となる。レースも後半戦に入る頃に大粒の冷たい雨が選手たちに降りつけ、トマも遅れ1人になったヤコブスがプロトンと22秒差で1級山岳ラ・マドーヌ・デュテル(距離15.3km/平均5.7%)に突入。しかしスーダルが猛チャージをかけるプロトンに捉まり、区間優勝と総合優勝の争いが始まった。
ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のハイスピード牽引が集団を絞り、今大会はコンディションの上がっていないジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が遅れる。その後頂上まで9kmを切ったタイミングでローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)がベルナルのために牽引を開始。ボーナスタイムが最大-6秒与えられる山岳中腹の中間スプリントはベルナルが先頭通過し、それをエヴェネプールのために潰しに行こうとしたイラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がそのまま集団先頭でペースを作り始めた。
ファンウィルデルが残り4.3kmで仕事を終え、そのタイミングでエヴェネプールが仕掛ける。しかし総合2位のマッテオ・ヨルゲンソン(ヴィスマ・リースアバイク)と総合首位ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)のアメリカ人コンビがこれを許さず、再び一つになった精鋭集団からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がカウンターアタックを仕掛けた。
総合争いの脅威ではないウラソフ(総合15位/2分42秒遅れ)の飛び出しをエヴェネプールやマクナルティたちは見送り、ウラソフは1kmで10秒のリードを作り出す。追走集団はヨルゲンソンのためにウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引し、ログリッチは集団後方で静観。順調に脚を回すウラソフは残り2km地点でリードを18秒まで拡げ、後方集団ではマイヨジョーヌを着るマクナルティが遅れ始めた。
そして3時間にも満たないショートステージでウラソフが勝利。8秒遅れでやってきた2位集団の先頭はエヴェネプールが獲り、ログリッチ、そして前日勝者のマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が続いた。
「ワールドツアーでステージ優勝することができて本当に嬉しい。ここは僕の練習場所なのでコースを熟知していた。作戦としてはプリモシュ(ログリッチ)で勝利を狙うか、アタックに反応するつもりだった。だがチャンスがあったので自分で仕掛けたんだ。雨と寒さで厳しいコンディションのなか、ラスト2kmは腕が凍えてしまいそうだったよ」とウラソフは、今シーズン初勝利を振り返った。
追走集団から遅れながらも、先頭から27秒遅れでフィニッシュしたマクナルティが総合首位キープに成功。しかし総合2位ヨルゲンソンとの差が4秒まで縮まっている。
大会最終日の翌日はニースの市街地を発着地点とし、北にある山岳地帯を巡る山岳ステージ。5つのカテゴリー山岳はいずれも6km前後と登坂距離は短いものの、最終1級山岳コル・デ・キャトル・シュマン(距離3.6km/平均8.8%)は険しい。フィニッシュ地点はそこから下り、平坦路を進んだ先にある。
初開催が1933年と歴史深いパリ〜ニースは最終日前日の第7ステージを迎えた。本来のフィニッシュ地点であった山岳が積雪のため、レース主催者はコースの短縮を発表。そのためレース距離は173kmから103.7kmとなり、最後から2つ目であった1級山岳ラ・マドーヌ・デュテル(距離15.3km/平均5.7%)の頂上が新たなフィニッシュ地点となった。
この日のスタート地点であるニースを出発し、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)らスプリンターが未出走だった集団からバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)ら3名が逃げを打つ。時折雨粒が落ちる厚い雲の下、防寒のためウェアを着込んだ選手たち。逃げを追いかけるメイン集団はエガン・ベルナル(コロンビア)を擁するイネオス・グレナディアーズや、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)の総合優勝目指すスーダル・クイックステップがコントロールにあたった。
逃げからハイス・レイムライゼ(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れ、先頭はトマとヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター)の2名となる。レースも後半戦に入る頃に大粒の冷たい雨が選手たちに降りつけ、トマも遅れ1人になったヤコブスがプロトンと22秒差で1級山岳ラ・マドーヌ・デュテル(距離15.3km/平均5.7%)に突入。しかしスーダルが猛チャージをかけるプロトンに捉まり、区間優勝と総合優勝の争いが始まった。
ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のハイスピード牽引が集団を絞り、今大会はコンディションの上がっていないジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が遅れる。その後頂上まで9kmを切ったタイミングでローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)がベルナルのために牽引を開始。ボーナスタイムが最大-6秒与えられる山岳中腹の中間スプリントはベルナルが先頭通過し、それをエヴェネプールのために潰しに行こうとしたイラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がそのまま集団先頭でペースを作り始めた。
ファンウィルデルが残り4.3kmで仕事を終え、そのタイミングでエヴェネプールが仕掛ける。しかし総合2位のマッテオ・ヨルゲンソン(ヴィスマ・リースアバイク)と総合首位ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)のアメリカ人コンビがこれを許さず、再び一つになった精鋭集団からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)がカウンターアタックを仕掛けた。
総合争いの脅威ではないウラソフ(総合15位/2分42秒遅れ)の飛び出しをエヴェネプールやマクナルティたちは見送り、ウラソフは1kmで10秒のリードを作り出す。追走集団はヨルゲンソンのためにウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引し、ログリッチは集団後方で静観。順調に脚を回すウラソフは残り2km地点でリードを18秒まで拡げ、後方集団ではマイヨジョーヌを着るマクナルティが遅れ始めた。
そして3時間にも満たないショートステージでウラソフが勝利。8秒遅れでやってきた2位集団の先頭はエヴェネプールが獲り、ログリッチ、そして前日勝者のマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が続いた。
「ワールドツアーでステージ優勝することができて本当に嬉しい。ここは僕の練習場所なのでコースを熟知していた。作戦としてはプリモシュ(ログリッチ)で勝利を狙うか、アタックに反応するつもりだった。だがチャンスがあったので自分で仕掛けたんだ。雨と寒さで厳しいコンディションのなか、ラスト2kmは腕が凍えてしまいそうだったよ」とウラソフは、今シーズン初勝利を振り返った。
追走集団から遅れながらも、先頭から27秒遅れでフィニッシュしたマクナルティが総合首位キープに成功。しかし総合2位ヨルゲンソンとの差が4秒まで縮まっている。
大会最終日の翌日はニースの市街地を発着地点とし、北にある山岳地帯を巡る山岳ステージ。5つのカテゴリー山岳はいずれも6km前後と登坂距離は短いものの、最終1級山岳コル・デ・キャトル・シュマン(距離3.6km/平均8.8%)は険しい。フィニッシュ地点はそこから下り、平坦路を進んだ先にある。
パリ〜ニース2024第7ステージ結果
1位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | 2:44:03 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:08 |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | |
5位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:13 |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:27 |
8位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:31 |
9位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:36 |
10位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:40 |
個人総合成績
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 25:00:28 |
2位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:04 |
3位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +0:35 |
4位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:36 |
5位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:47 |
6位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:21 |
7位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +1:42 |
8位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:43 |
9位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +1:53 |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:05 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) |
山岳賞 | マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー) |
ヤングライダー賞 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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