2024/03/06(水) - 08:55
ティレーノ〜アドリアティコ2日目はスプリント決着。ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)の早駆けを利用したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が、今季初勝利を飾った。
ヴィスマ・リースアバイクが新しいTTヘルメットをお披露目したティレーノ〜アドリアティコ初日から一夜明け、3月5日(火)に第2ステージが行われた。前日に続きティレニア海沿岸を南に下るコースは平坦路。コース真ん中に約12kmに及ぶ山岳が設定されているものの、平均勾配3%とスプリンターを退けるほどではない。
そのため集団スプリントが確実と見られた199kmレースは、イタリアのプロチーム所属の4名が逃げ集団を形成する。それを追うメイン集団は前日に驚きの勝利を飾ったフアン・アユソ(スペイン)を擁するUAEチームエミレーツが牽引し、また1秒差で敗れた元TT世界王者のフィリッポ・ガンナ(イタリア)のイネオス・グレナディアーズも時折先頭でペースを作った。
一時5分差を得た逃げグループだったが、フィニッシュまでの距離と比例するようにリードは減少する。この日唯一の山岳をダヴィデ・バイス(イタリア、ポルティ・コメタ)がトップ通過して山岳賞ジャージを獲得し、中間スプリント(残り62.8km)はヤン・ストックリ(スイス、コラテック・ヴィーニファンティーニ)が先頭通過。ストックリはそのまま単独先頭に立ったが、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が集団先頭でチームメイトを牽引するプロトンに残り36km地点で吸収された。
その後はエーススプリンターを擁するアルペシン・ドゥクーニンクやスーダル・クイックステップ、そして新城を先頭にするバーレーンなどが横並びのまま残り距離を消化する。そんな中スプリントに向け徐々にスピードと緊張感の高まる残り18km地点で、優勝候補の1人であるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)がパンク。ケース・ボル(オランダ)や新加入ミケル・モルコフ(デンマーク)などを揃えて期待されたカヴェンディッシュは勝負から脱落した。
フォッローニカの市街地は細かい路面の段差に加え、不規則なラウンドアバウトが各チームのトレイン維持を阻害する。混沌とした曇り空のなか、残り5km地点でイタリア王者のシモーネ・ヴェラスコ(アスタナ・カザクスタン)やロベルト・ヘーシンク(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が落車し、そこには左手首を抑えるクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)の姿も。全員がフィニッシュしたものの、イスラエルはフルームの容態を「チームドクターの検査の後に詳細を報告する」と伝えている。
アンテルマルシェ・ワンティを先頭に残り1kmを通過し、最終コーナーを23歳の若手スプリンターであるソーレン・ヴァーレンショルトを従えたアレクサンダー・クリストフ(共にノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が先頭に突入する。しかしイン側を取ったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が最終ストレートで先頭に立ち、残り300mから早くもスプリントを開始した。
その踏み込みにヴァーレンショルトの反応が遅れる一方で、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)はメルリールの背後につく。コーナーの前から脚を使って先頭に立ったメルリールは振り向きざまにフィリプセンの姿を確認した瞬間勝負を諦め、そのままフィリプセンがトップでフィニッシュした。
2月24日のオムロープ・ヘットニュースブラットで今シーズンの初戦を迎え、ようやく初勝利を飾ったフィリプセン。「この冬、自分の強い部分を熟知しているのでスプリントの練習は全く行わなかった。その分クラシックレースに適応するための練習を積んでいた」と語ったフィリプセンは、名だたるピュアスプリンターを退け掴んだ勝利を喜んだ。
ヴィスマ・リースアバイクが新しいTTヘルメットをお披露目したティレーノ〜アドリアティコ初日から一夜明け、3月5日(火)に第2ステージが行われた。前日に続きティレニア海沿岸を南に下るコースは平坦路。コース真ん中に約12kmに及ぶ山岳が設定されているものの、平均勾配3%とスプリンターを退けるほどではない。
そのため集団スプリントが確実と見られた199kmレースは、イタリアのプロチーム所属の4名が逃げ集団を形成する。それを追うメイン集団は前日に驚きの勝利を飾ったフアン・アユソ(スペイン)を擁するUAEチームエミレーツが牽引し、また1秒差で敗れた元TT世界王者のフィリッポ・ガンナ(イタリア)のイネオス・グレナディアーズも時折先頭でペースを作った。
一時5分差を得た逃げグループだったが、フィニッシュまでの距離と比例するようにリードは減少する。この日唯一の山岳をダヴィデ・バイス(イタリア、ポルティ・コメタ)がトップ通過して山岳賞ジャージを獲得し、中間スプリント(残り62.8km)はヤン・ストックリ(スイス、コラテック・ヴィーニファンティーニ)が先頭通過。ストックリはそのまま単独先頭に立ったが、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が集団先頭でチームメイトを牽引するプロトンに残り36km地点で吸収された。
その後はエーススプリンターを擁するアルペシン・ドゥクーニンクやスーダル・クイックステップ、そして新城を先頭にするバーレーンなどが横並びのまま残り距離を消化する。そんな中スプリントに向け徐々にスピードと緊張感の高まる残り18km地点で、優勝候補の1人であるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)がパンク。ケース・ボル(オランダ)や新加入ミケル・モルコフ(デンマーク)などを揃えて期待されたカヴェンディッシュは勝負から脱落した。
フォッローニカの市街地は細かい路面の段差に加え、不規則なラウンドアバウトが各チームのトレイン維持を阻害する。混沌とした曇り空のなか、残り5km地点でイタリア王者のシモーネ・ヴェラスコ(アスタナ・カザクスタン)やロベルト・ヘーシンク(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が落車し、そこには左手首を抑えるクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)の姿も。全員がフィニッシュしたものの、イスラエルはフルームの容態を「チームドクターの検査の後に詳細を報告する」と伝えている。
アンテルマルシェ・ワンティを先頭に残り1kmを通過し、最終コーナーを23歳の若手スプリンターであるソーレン・ヴァーレンショルトを従えたアレクサンダー・クリストフ(共にノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が先頭に突入する。しかしイン側を取ったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が最終ストレートで先頭に立ち、残り300mから早くもスプリントを開始した。
その踏み込みにヴァーレンショルトの反応が遅れる一方で、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)はメルリールの背後につく。コーナーの前から脚を使って先頭に立ったメルリールは振り向きざまにフィリプセンの姿を確認した瞬間勝負を諦め、そのままフィリプセンがトップでフィニッシュした。
2月24日のオムロープ・ヘットニュースブラットで今シーズンの初戦を迎え、ようやく初勝利を飾ったフィリプセン。「この冬、自分の強い部分を熟知しているのでスプリントの練習は全く行わなかった。その分クラシックレースに適応するための練習を積んでいた」と語ったフィリプセンは、名だたるピュアスプリンターを退け掴んだ勝利を喜んだ。
ティレーノ〜アドリアティコ2024第2ステージ結果
1位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 4:32:07 |
2位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | アクセル・ジングレ(フランス、コフィディス) | |
4位 | アモリ・カピオット(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ) | |
5位 | カスペル・ファンウーデン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
6位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
7位 | ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・コメタ) | |
8位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
10位 | ファビアン・リーンハルト(スイス、グルパマFDJ) |
個人総合成績
1位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 4:43:31 |
2位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:01 |
3位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | +0:12 |
4位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | +0:13 |
5位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +0:16 |
6位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:17 |
7位 | ケヴィン・ゲニエッツ(ルクセンブルク、グルパマFDJ) | +0:18 |
8位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:22 |
9位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、Q36.5プロサイクリング) | +0:23 |
その他の特別賞
ポイント賞 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | ダヴィデ・バイス(イタリア、ポルティ・コメタ) |
ヤングライダー賞 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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