残り6kmの下り区間でアタックしたマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)が独走勝利。一方、登りのハイペースに耐えたマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)は2日連続の2位だった。



この日はオレンジではなく、桜が選手たちを彩る photo:CorVos

元世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)のスプリント勝利で幕を開けたボルタ・フェメニナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)は2日目を迎えた。コースは平坦路を進み、後半に2つの2級山岳が設定された117km。集団スプリントが濃厚と見られたものの、ヨーロッパTT選手権で3連覇中のマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)がその予想を狂わせた。

レースは元アイルランド王者であるイモージェン・コッター(ヘス・サイクリングチーム)ら2名が逃げを打ち、それをリドル・トレックやEFエデュケーション・キャノンデールがメイン集団の中心となり追走する。しかしレース中盤で逃げは捉えられ、1つ目の2級山岳の登坂でバルサモがプロトンから遅れたため、前日2位のマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の勝機が高まっていった。

2つ目の2級山岳でペースを上げるマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) photo:CorVos

2つ目の2級山岳(残り25km地点)に入ったプロトンは25名程度まで絞られ、アタックが繰り返されたことにより9名に。その中には優勝候補のフォスに加え、クライマーのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック)の姿も。そして頂上を越え、フィニッシュに向かう下り区間でロイサーが飛び出した。

現スイス王者で、昨年はTTだけでなくロードレースでの強さの目立ったロイサー。得意のエアロポジションで後続との差を30秒まで拡げ、フィニッシュラインをガッツポーズと共に通過した。

下りアタックを成功させたマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

「とても嬉しい勝利。今日は私か、チームメイトの誰かにとって良い日となることを願っていた。とてもクールな終盤の展開になった。本当に嬉しいよ」と、総合でも首位に立ったロイサーは喜んだ。

29秒遅れでやってきた追走集団はフォスが先頭通過し、2日連続の2位。そして3位には24歳のクライマーであるエヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)が入っている。

2位を争うスプリントで先着したマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
ボルタ・フェメニナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ2024第2ステージ結果
1位 マーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム) 3:01:19
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:29
3位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)
4位 シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)
5位 カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
個人総合成績
1位 マーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム) 5:55:54
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:27
3位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) +0:35
4位 カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) +0:39
5位 ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
その他の特別賞
山岳賞 ヴィクトワール・ベルトー(フランス、コフィディス・ウィメン)
ヤングライダー賞 シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)
チーム総合成績 キャニオン・スラム
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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