2024/01/13(土) - 22:23
"シクロクロス日本一"を決める全日本選手権が栃木県宇都宮市で開幕。初日はと男女マスターズの年代別選手権が行われ、各エイジグループで新たなチャンピオンたちが誕生。大原満と村田憲治はともに4連覇を達成した。
1月13日~14日開催のシクロクロス全日本選手権。舞台は栃木県宇都宮市「道の駅うつのみや ろまんちっく村」特設コースだ。ジャパンカップの故郷・宇都宮がシクロクロス全日本選手権を迎えるのは2016年12月以来2回目となる。男女エリート&アンダー、ジュニア等のレースを日曜日に控え、土曜日はマスターズ年代別選手権が開催された。
ろまんちっく村の特設コースは、長くテクニカルな芝と土のキャンバー、深い砂場、ハンドリングスキルが要求される林間セクション、大粒の砂利が深いジープロードなど、バランスの取れたコースとして定評がある。 会期中の土日とも最高気温は10度に満たない予報で、朝晩の冷え込みは厳しく、内陸の乾燥した冷気も敵となる。土曜は雪の予報が出ており、気温も10°に届かない。
まず前座として行われたチーム耐久エンデューロには仮装ライダーも出場し、緊張感が漂う会場を和ませた。そこからは雪と冷え込みの厳しい天候を凌駕するマスターズたちの熱き戦いが繰り広げられた。スタートラインには今シーズンの各大会でしのぎを削ってきた猛者が集う。コールアップ順は前年度チャンピオン以下ランキング順となる。
男子マスターズ60+
男子マスターズ60+は1992年のシクロクロス世界選手権の日本代表で昨年まで2連覇していた佐藤稔(スワコレーシングチーム)が優勝候補筆頭。しかしスタートから先頭に躍り出たのは関東で今季絶好調の増田謙一 (SHIDO WORKS)。砂場をトップで抜けると三段坂も乗車でクリアし先頭にたった。
キャンバーがまだ凍ったっままの難しい時間帯だが、増田は普段のMTBのクロスカントリー競技で培ったテクニックを活かして差を広げる。関東シリーズではM50勢を喰うパワーで平坦区間でも他を圧倒し、独走状態を築き上げた。フィニッシュラインを超えるとバイクを持ち上げて一礼した。
「昨年はワイルドなネーチャン(注:ワイルドネイチャープラザ)の砂にやられて13位だったので、今年は勝ててホッとしています。平坦が踏めているのでキャンバーは無理せずバイクを降りて押し、マイペースで走りました。ディフェンディングチャンピオンの佐藤さんが本調子ではなく、ライバルと見ていた中谷聡さん(北陸ドロタボウ)も10日前に骨折して欠場、しかし格別な勝利です。来年は全てのメンバーとともに戦って勝ちたいと思います」。
女子マスターズ
11人出走の女子マスターズ。ホールショットをとったのは西山みゆきだった。2位につけたディフェンディングチャンピオンの林口幸恵(Gufo cycleworks)を従えて快調に飛ばす。テクニカルセクションに秀でる西山に対しパワーに勝る林口は2周をおいてから抜きに出て独走にもちこみ、地元宇都宮で嬉しいマスターズ女子連覇を飾った。2位争いは後半にかけてじりじりと上げてきた片岡幸(Team轍屋)が西山をパスした。
林口「自分の得意とする直線で差をつけることができた。自分への応援が途切れることがなくて、本当に心強かった。私にとってここ地元・宇都宮で勝たなければ本当の全日本は取ったことにならないな、と感じていたんです。勝てて本当に嬉しいです」。
男子マスターズ50-59
11:30スタートは81名という今大会最大エントリー数となる男子マスターズ50-59。円熟かつ高レベルのもっともマスターズらしいクラスと言えよう。ホールショットは「スタート番長」の異名を取る浅井秀樹(SNEL CYCLOCROSS TEAM)だったが、砂場セクションを抜けて先頭に躍り出たのは野辺山シクロクロスオルガナイザーの矢野大介(八ヶ岳CYCLING CLUB)。そこに今季関東で負けなしの生田目修 (イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)が続く。
ほどなくトップに躍り出た生田目に、スタートでは出遅れて中盤に沈んでいた大原満が1周回完了を待たずに追いついた。ディフェンディングチャンピオンにして3連覇中の大原はトップに躍り出るとテクニックとパワー両面において生田目を凌駕する走りを披露。一方で生田目はサドルの角度がずれるトラブルに見舞われ、追走の勢いが鈍ってしまった。
1996年の第1回シクロクロス全日本選手権の覇者にして、96〜99年に3連覇を飾った元シクロクロス王者の大原が大差をもって4連覇を達成。
「正直なところ今大会は不安が一杯で、今までの三連勝と違って年々年齢が上がっていて、下からも若い選手たちがどんどんと上がってきている。そんな中でどれくらいやれるかな、と。しかし今回も勝ち切ることができて本当にホッとしました。昔と比べると体力は落ちていますが、気持ちは一緒ですよ」。
男子マスターズ35-39
12:30スタートの男子マスターズ35-39。まだ30代の「若いマスターズ」世代とあって出場選手数は14人と少なめ。稲益拓也(DENSO RACING)がホールショット、そのままの勢いで三段坂も乗車でクリアしたが、続いたのは渡辺佑樹(team SONIC)と昨年チャンピオンの城島大樹(Cycle shop Re Belle.)。
この力の抜けた3人の争いになったが、砂場もテクニカルキャンバーも乗車でクリアする城島がパワーとテクニックをみせつける。そして昨年はTeam Zenkoのジャージで勝利した城島が、今年は新結成のCycle shop Re Belleのジャージを着て連覇。最後はラップアウト寸前の前走者のお尻をプッシュして逃げ切らせる優しさと余裕も見せた。
「2連覇への周囲の期待が大きく、プレッシャーがありました。すごく緊張していたけど、走り出したら楽しいコースにしんどいながらも楽しみながら走って、最後にいい結果で終われて良かった。遠征をサポートしてくれたショップチームの方に感謝です」。
普段はマスターズのロードレースに専念しているが、ロードとCXのカテゴリー統一でマスターズを選んでいるという城島は、エリートに出たいという思いもあるという。しかし昨年に続き連覇。ここでの活躍も大いに魅力を感じている。
男子マスターズ40-49
激戦必至の男子マスターズ40-49は43人のレース。スタート時刻の13:40を迎える頃に予報通りの雪が降り始め、気温も急激に下がりはじめた。昨年までの3連覇チャンピオン、そして今年4連覇を狙う村田憲治(岩井商会レーシング)がホールショットで飛び出した。しかし雪に濡れた舗装の段差でスリップ落車、斉藤和哉(シルクロード)、國分圭二(Mt.HASE321)、藤田耕志(RINGO ROAD)らのパックに。
しかし中盤にかけて盛り返した村田は再びトップに躍り出ると、大きな差を開く。しかし冷え込みが厳しくなると村田の勢いが無くなり、斉藤が背後に迫る。最後は数メートルの差で逃げ切った村田が見事「年代渡りのマスターズ4連覇」を達成した。
「30代で2回、40代で2回優勝したことになるので、4連覇ですがプレッシャーもありました。1周目に転んでしまって、どうなることかと思いましたが、奇跡的にバイクも体も無事で再スタートでき、優勝までたどり着けました。4連覇ですが、まだ若いうちにもう一度エリートに挑戦してみたいという欲も出てきています。今はまだ決めかねていますが、走れるうちに走りたいという思いが再び沸いてきています」。
1月13日~14日開催のシクロクロス全日本選手権。舞台は栃木県宇都宮市「道の駅うつのみや ろまんちっく村」特設コースだ。ジャパンカップの故郷・宇都宮がシクロクロス全日本選手権を迎えるのは2016年12月以来2回目となる。男女エリート&アンダー、ジュニア等のレースを日曜日に控え、土曜日はマスターズ年代別選手権が開催された。
ろまんちっく村の特設コースは、長くテクニカルな芝と土のキャンバー、深い砂場、ハンドリングスキルが要求される林間セクション、大粒の砂利が深いジープロードなど、バランスの取れたコースとして定評がある。 会期中の土日とも最高気温は10度に満たない予報で、朝晩の冷え込みは厳しく、内陸の乾燥した冷気も敵となる。土曜は雪の予報が出ており、気温も10°に届かない。
まず前座として行われたチーム耐久エンデューロには仮装ライダーも出場し、緊張感が漂う会場を和ませた。そこからは雪と冷え込みの厳しい天候を凌駕するマスターズたちの熱き戦いが繰り広げられた。スタートラインには今シーズンの各大会でしのぎを削ってきた猛者が集う。コールアップ順は前年度チャンピオン以下ランキング順となる。
男子マスターズ60+
男子マスターズ60+は1992年のシクロクロス世界選手権の日本代表で昨年まで2連覇していた佐藤稔(スワコレーシングチーム)が優勝候補筆頭。しかしスタートから先頭に躍り出たのは関東で今季絶好調の増田謙一 (SHIDO WORKS)。砂場をトップで抜けると三段坂も乗車でクリアし先頭にたった。
キャンバーがまだ凍ったっままの難しい時間帯だが、増田は普段のMTBのクロスカントリー競技で培ったテクニックを活かして差を広げる。関東シリーズではM50勢を喰うパワーで平坦区間でも他を圧倒し、独走状態を築き上げた。フィニッシュラインを超えるとバイクを持ち上げて一礼した。
「昨年はワイルドなネーチャン(注:ワイルドネイチャープラザ)の砂にやられて13位だったので、今年は勝ててホッとしています。平坦が踏めているのでキャンバーは無理せずバイクを降りて押し、マイペースで走りました。ディフェンディングチャンピオンの佐藤さんが本調子ではなく、ライバルと見ていた中谷聡さん(北陸ドロタボウ)も10日前に骨折して欠場、しかし格別な勝利です。来年は全てのメンバーとともに戦って勝ちたいと思います」。
女子マスターズ
11人出走の女子マスターズ。ホールショットをとったのは西山みゆきだった。2位につけたディフェンディングチャンピオンの林口幸恵(Gufo cycleworks)を従えて快調に飛ばす。テクニカルセクションに秀でる西山に対しパワーに勝る林口は2周をおいてから抜きに出て独走にもちこみ、地元宇都宮で嬉しいマスターズ女子連覇を飾った。2位争いは後半にかけてじりじりと上げてきた片岡幸(Team轍屋)が西山をパスした。
林口「自分の得意とする直線で差をつけることができた。自分への応援が途切れることがなくて、本当に心強かった。私にとってここ地元・宇都宮で勝たなければ本当の全日本は取ったことにならないな、と感じていたんです。勝てて本当に嬉しいです」。
男子マスターズ50-59
11:30スタートは81名という今大会最大エントリー数となる男子マスターズ50-59。円熟かつ高レベルのもっともマスターズらしいクラスと言えよう。ホールショットは「スタート番長」の異名を取る浅井秀樹(SNEL CYCLOCROSS TEAM)だったが、砂場セクションを抜けて先頭に躍り出たのは野辺山シクロクロスオルガナイザーの矢野大介(八ヶ岳CYCLING CLUB)。そこに今季関東で負けなしの生田目修 (イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)が続く。
ほどなくトップに躍り出た生田目に、スタートでは出遅れて中盤に沈んでいた大原満が1周回完了を待たずに追いついた。ディフェンディングチャンピオンにして3連覇中の大原はトップに躍り出るとテクニックとパワー両面において生田目を凌駕する走りを披露。一方で生田目はサドルの角度がずれるトラブルに見舞われ、追走の勢いが鈍ってしまった。
1996年の第1回シクロクロス全日本選手権の覇者にして、96〜99年に3連覇を飾った元シクロクロス王者の大原が大差をもって4連覇を達成。
「正直なところ今大会は不安が一杯で、今までの三連勝と違って年々年齢が上がっていて、下からも若い選手たちがどんどんと上がってきている。そんな中でどれくらいやれるかな、と。しかし今回も勝ち切ることができて本当にホッとしました。昔と比べると体力は落ちていますが、気持ちは一緒ですよ」。
男子マスターズ35-39
12:30スタートの男子マスターズ35-39。まだ30代の「若いマスターズ」世代とあって出場選手数は14人と少なめ。稲益拓也(DENSO RACING)がホールショット、そのままの勢いで三段坂も乗車でクリアしたが、続いたのは渡辺佑樹(team SONIC)と昨年チャンピオンの城島大樹(Cycle shop Re Belle.)。
この力の抜けた3人の争いになったが、砂場もテクニカルキャンバーも乗車でクリアする城島がパワーとテクニックをみせつける。そして昨年はTeam Zenkoのジャージで勝利した城島が、今年は新結成のCycle shop Re Belleのジャージを着て連覇。最後はラップアウト寸前の前走者のお尻をプッシュして逃げ切らせる優しさと余裕も見せた。
「2連覇への周囲の期待が大きく、プレッシャーがありました。すごく緊張していたけど、走り出したら楽しいコースにしんどいながらも楽しみながら走って、最後にいい結果で終われて良かった。遠征をサポートしてくれたショップチームの方に感謝です」。
普段はマスターズのロードレースに専念しているが、ロードとCXのカテゴリー統一でマスターズを選んでいるという城島は、エリートに出たいという思いもあるという。しかし昨年に続き連覇。ここでの活躍も大いに魅力を感じている。
男子マスターズ40-49
激戦必至の男子マスターズ40-49は43人のレース。スタート時刻の13:40を迎える頃に予報通りの雪が降り始め、気温も急激に下がりはじめた。昨年までの3連覇チャンピオン、そして今年4連覇を狙う村田憲治(岩井商会レーシング)がホールショットで飛び出した。しかし雪に濡れた舗装の段差でスリップ落車、斉藤和哉(シルクロード)、國分圭二(Mt.HASE321)、藤田耕志(RINGO ROAD)らのパックに。
しかし中盤にかけて盛り返した村田は再びトップに躍り出ると、大きな差を開く。しかし冷え込みが厳しくなると村田の勢いが無くなり、斉藤が背後に迫る。最後は数メートルの差で逃げ切った村田が見事「年代渡りのマスターズ4連覇」を達成した。
「30代で2回、40代で2回優勝したことになるので、4連覇ですがプレッシャーもありました。1周目に転んでしまって、どうなることかと思いましたが、奇跡的にバイクも体も無事で再スタートでき、優勝までたどり着けました。4連覇ですが、まだ若いうちにもう一度エリートに挑戦してみたいという欲も出てきています。今はまだ決めかねていますが、走れるうちに走りたいという思いが再び沸いてきています」。
シクロクロス全日本選手権2024 Day1 マスターズ各クラスTOP3
男子マスターズ35-39 | ||
1位 | 城島大樹(Cycle shop Re Belle.) | 38:21 |
2位 | 渡辺佑樹(team SONIC) | +0:32 |
3位 | 稲益拓也(DENSO RACING) | +1:07 |
男子マスターズ40-49 | ||
1位 | 村田憲治(岩井商会レーシング) | 38:25 |
2位 | 斉藤和哉(シルクロード) | +0:01 |
3位 | 筧五郎(56) | +0:28 |
男子マスターズ50-59 | ||
1位 | 大原満 | 30:27 |
2位 | 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) | +0:05 |
3位 | 杉原貴弘(チーム バケラッタ) | +0:39 |
男子マスターズ60プラス | ||
1位 | 増田謙一(SHIDO WORKS) | 33:30 |
2位 | 野村正 | +0:24 |
3位 | 松井正通(CycleShop Re Belle.) | +0:56 |
女子マスターズ | ||
1位 | 林口幸恵(Gufo cycleworks) | 35:22 |
2位 | 片岡幸(Team轍屋) | +0:20 |
3位 | 西山みゆき | +1:25 |
text: Makoto AYANO
photo:Michinari TAKAGI,Makoto AYANO
photo:Michinari TAKAGI,Makoto AYANO
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