2023/11/04(土) - 15:30
11月1日(水)、在日フランス商工会議所主催のさいたまクリテリウムのプレイベント「Come and Meet Riders of le Tour de France Critérium Saitama」が開かれた。会にはコフィディスからヴィクトル・ラフェ、アクセル・ザングル、トマ・シャンピオンの3名のフランス人選手が参加。日本からは、ロード・トゥ・ラヴニールのプロジェクトリーダーである浅田顕氏と、バーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也がゲストに招かれ、それぞれが参加者の質問などに応じた。
司会進行は、かつてサッカー日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏の通訳でもあったフローラン・ダバディさん。会は、在日フランス商工会議所の会員向けと言うこともあり、英語とフランス語のみで進行した。前半はダバディさんよりツール・ド・フランス2024のコースが紹介され、途中からコフィディスの選手達が紹介を受けながら登壇し、コースへの感想などを述べた。
今年のツール第2ステージのゴールスプリントで大会初勝利を飾ったヴィクトル・ラフェは、参加者からの拍手喝采を受けて当時の様子を振り返り、「スプリントに集中しながらも、先頭に出てフィニッシュラインまでの道のりがよく見えていて、ゴールの瞬間は喜びが爆発した。難しいコースも多く緊張を強いられるが、来年も勝利を狙っていきたい。」とコメント。
14箇所の未舗装路区間がある2024年ツールの第9ステージについて取り上げられると、アクセル・ザングルは「難易度が高くリスキーなコースなので、位置取りも含めて気をつけて走らなければならない」と話し、ジロ・デ・イタリアでフーガ賞を獲得したトマ・シャンピオンは「ツールに出場することが出来たら、また果敢にアタックしたい。簡単ではないが狙えるコースもある。勝つことが出来れば最高だね」と語ってくれた。
続いてステージへと招かれた新城は、ツールのコースレイアウトについて「コンパクトだけど標高差があったり、ダート区間があったり、また、南側地域中心なので暑さもあり、厳しいツールになりそうだ」とフランス語で応じた。
参加者からの質問コーナーではRTAプロジェクトに絡めた質問が多く飛び、新城には「どうやってプロになったのか」と言う話が振られ、「高校はハンドボールをやっていたけれど、福島晋一さんの勧めで最初からフランスに行って、ここにいるコフィディスのみんなと同じように、フランスの地方大会から全国大会まで勝ち上がって、エキップアサダで残した成績でプロ契約まで行きました」と自らのプロ入りまでの遍歴を伝えた。
浅田氏は「RTAプロジェクトとはどんなものなのか?日本のロードレース界の現状は?」と言った質問が矢継ぎ早に投げかけられ、参加者への説明を行った。「日本には、いまだ幸也や別府の後に続く選手がいません。これは悪夢のようで、育成チームをやり続けてきたが、プロを輩出出来ていないのは大きな問題。だから今もう一度、ゼロに戻ってタレント発掘からやり、才能のある選手だけを本場ヨーロッパへ連れて行きたい。他のスポーツでハイレベルに到達しているのだから、日本にタレントは居る。自転車競技にあまり来ていないだけ。
ロードレースは本当のレベルがヨーロッパにしかないスポーツ。オーストラリアもコロンビアも、通年ヨーロッパにベースを置いていないと戦えない。日本にはそういうチームが一つもなく、続かなくなったのはそれが大きい。」
「今日はツールのコースプレゼンテーションが行われたが、我々日本人は、ツールの前にラヴニールを語らないといけない。ツールはとてつもなく高い夢で、(日本のロードレース界は)どうやって行ったら良いかわからないでいる。日本の野球では甲子園があり、道筋も明確に示されているが、自転車は無い。だからプロへのもっとも重要な道筋としてツール・ド・ラヴニールを目標に置いて進みたい。」
会の最後には抽選会が行われ、コフィディスのジャージが3着、くじを引いた各選手から当選した参加者へ贈られた。終了後は軽食が振る舞われ、立食式の懇親会へと移行。和やかな雰囲気で選手や参加者同士の交流が行われ、それぞれが笑顔で帰途に着いた。
text&photo: Yuichiro Hosoda
司会進行は、かつてサッカー日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏の通訳でもあったフローラン・ダバディさん。会は、在日フランス商工会議所の会員向けと言うこともあり、英語とフランス語のみで進行した。前半はダバディさんよりツール・ド・フランス2024のコースが紹介され、途中からコフィディスの選手達が紹介を受けながら登壇し、コースへの感想などを述べた。
今年のツール第2ステージのゴールスプリントで大会初勝利を飾ったヴィクトル・ラフェは、参加者からの拍手喝采を受けて当時の様子を振り返り、「スプリントに集中しながらも、先頭に出てフィニッシュラインまでの道のりがよく見えていて、ゴールの瞬間は喜びが爆発した。難しいコースも多く緊張を強いられるが、来年も勝利を狙っていきたい。」とコメント。
14箇所の未舗装路区間がある2024年ツールの第9ステージについて取り上げられると、アクセル・ザングルは「難易度が高くリスキーなコースなので、位置取りも含めて気をつけて走らなければならない」と話し、ジロ・デ・イタリアでフーガ賞を獲得したトマ・シャンピオンは「ツールに出場することが出来たら、また果敢にアタックしたい。簡単ではないが狙えるコースもある。勝つことが出来れば最高だね」と語ってくれた。
続いてステージへと招かれた新城は、ツールのコースレイアウトについて「コンパクトだけど標高差があったり、ダート区間があったり、また、南側地域中心なので暑さもあり、厳しいツールになりそうだ」とフランス語で応じた。
参加者からの質問コーナーではRTAプロジェクトに絡めた質問が多く飛び、新城には「どうやってプロになったのか」と言う話が振られ、「高校はハンドボールをやっていたけれど、福島晋一さんの勧めで最初からフランスに行って、ここにいるコフィディスのみんなと同じように、フランスの地方大会から全国大会まで勝ち上がって、エキップアサダで残した成績でプロ契約まで行きました」と自らのプロ入りまでの遍歴を伝えた。
浅田氏は「RTAプロジェクトとはどんなものなのか?日本のロードレース界の現状は?」と言った質問が矢継ぎ早に投げかけられ、参加者への説明を行った。「日本には、いまだ幸也や別府の後に続く選手がいません。これは悪夢のようで、育成チームをやり続けてきたが、プロを輩出出来ていないのは大きな問題。だから今もう一度、ゼロに戻ってタレント発掘からやり、才能のある選手だけを本場ヨーロッパへ連れて行きたい。他のスポーツでハイレベルに到達しているのだから、日本にタレントは居る。自転車競技にあまり来ていないだけ。
ロードレースは本当のレベルがヨーロッパにしかないスポーツ。オーストラリアもコロンビアも、通年ヨーロッパにベースを置いていないと戦えない。日本にはそういうチームが一つもなく、続かなくなったのはそれが大きい。」
「今日はツールのコースプレゼンテーションが行われたが、我々日本人は、ツールの前にラヴニールを語らないといけない。ツールはとてつもなく高い夢で、(日本のロードレース界は)どうやって行ったら良いかわからないでいる。日本の野球では甲子園があり、道筋も明確に示されているが、自転車は無い。だからプロへのもっとも重要な道筋としてツール・ド・ラヴニールを目標に置いて進みたい。」
会の最後には抽選会が行われ、コフィディスのジャージが3着、くじを引いた各選手から当選した参加者へ贈られた。終了後は軽食が振る舞われ、立食式の懇親会へと移行。和やかな雰囲気で選手や参加者同士の交流が行われ、それぞれが笑顔で帰途に着いた。
text&photo: Yuichiro Hosoda
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