2023/10/05(木) - 13:00
8月としては異例の涼やかな天気の下で走り始めたやまなしフルーツライド。絶景とアップダウンが連続するみやさか道を走り抜けた前半に続き、フルーツ公園や野背坂峠など見どころが目白押しの後半へ。(前編はこちら)
第一エイドの八代ふるさと公園でフルーツ王国やまなしならではの振る舞いを堪能した私たち。甘~いフルーツで糖分補給し、残るコースへ再びスタートを切った。エイドからの出発に際してもサポートライダーが先導するグループが随時編成され、ほぼ常にまとまって走ることが出来るのは初心者にとっても安心できるポイントだ。
さて、ここにいたるまでの道のりでは甲府盆地の南側を走ってきたが、この先は市街を突っ切って、北側へ向かうことになる。みやさか道から下り、笛吹川沿いのサイクリングロードへと入っていく。
自動車の交通量の多い市街地を経由することなく、そして信号に捕まることも無く、一気に北側へと抜けることが出来るこのサイクリングロードをルートに組み込むあたりに、地元を知り尽くしたコースプランナーの腕が窺える。
笛吹川サイクリングロードには途中少し道幅の狭いところもあり、ちょっとしたアドベンチャーライド気分に浸るシーンも。夏らしい濃い緑に包まれた河川敷を走り抜ければ、後半のメインディッシュとなるフルーツラインはすぐそこだ。
太陽光を目いっぱいに受けることのできる甲府盆地の北斜面は、光の恵みを活かすように果樹園が集まる地帯となっている。その中腹にしつらえられているのが、広域農道のフルーツライン。信号も無く、道幅も広く、舗装も整えられており、そしてなによりずっと絶景が続く、自転車乗りにとっては夢のようなロケーション。
フルーツラインのほぼ西端となる西関東連絡道路の鎮目ランプからアプローチし、一気に直登で標高を稼いでいく。一旦標高を上げきれば、緩やかな登りと下りを繰り返しながら北東方向へと向かうことに。
天気次第では御坂山地の向こう側に富士山も望めるのだけれど、この日は残念ながら雲の中に隠れていた様子。それでも、山梨市街を眼下に収める景観は雄大なもので、思わず立ち止って写真を撮る人もちらほら。
景色を楽しみつつ向かう先は山梨の代表的な名所である笛吹川フルーツ公園だ。「花とフルーツとワインの公園」をテーマとして設立されたフルーツ公園は、広大な敷地の中に果樹園やレストラン、カフェ、アスレチック施設等が整備されている。
その駐車場の一角に設けられた第2エイドでは、ちょうどお昼前での到着ということもありボリュームのあるお弁当が振舞われることに。しっかりとお腹にたまるもち米を用いた赤飯で、ここまでで消費したエネルギーをしっかり補給。
猛暑が予想されたこともあり、このフルーツ公園エイドでは広めのテントエリアが用意されているのも嬉しいポイント。日陰で涼みながらご飯を食べられるだけでなく、保冷剤や掛水なども用意されており積極的に火照った体をクールダウンすることも出来るのだ。例年よりも涼しいとはいえ、昼時ともなれば30℃ほどにまで気温は上がってきており、こういった準備はこれ以上なくありがたい。頭から水を被れば冷却効果はもちろん、汗を流してさっぱりリフレッシュできるのも嬉しい。
この先に待ち受けるのは、大会最大の難所である「野背坂峠」。コース上で唯一峠と名の付くこの登りは、距離4.7km、獲得標高392m、平均勾配8.3%と、その名に恥じぬ本格的なもの。実はこの峠、7年ほど前に開通したばかりの新たな道とあって、道幅も広く舗装も整備されており非常に走りやすいことも特徴。
ペースで登る人もいれば、仲間と競いあうようにして登る人もおり、峠の楽しみ方は人それぞれ。登る様子は十人十色でも、峠の頂上で見せる顔は皆一様に達成感に満ちている。
難関を越えた先にはご褒美が待っている。下り切った先にある高原フルーツ農園ではミニエイドが展開されている。ユニークな像やアートが多数並べられた農園で振舞われたのは、キンキンに凍らされたフローズングレープ。なんと冷凍車まで手配して提供された冷凍巨峰が火照った体を芯から冷やしてくれる。
残るエイドは塩山ふれあいの森公園のみ。ここから先のフルーツラインははほぼ下り基調。短い登りは登場するものの、直前に越えた野背坂峠に比べればあっという間に登りきれるハズ。フィニッシュが近づいてきたこともあってか、エイド直前に登場する10%の直登激坂でアタック合戦を繰り広げる猛者も。
ラストエイドでは、みたらし団子とフルーツシロップをトッピングした杏仁豆腐が提供される。杏仁豆腐は地元のカフェ謹製の一品で、自家製ならではの滑らかな口当たりと甘すぎない優しい味わいが疲れた身体に心地良い。
日も中天に差し掛かってきたこともあり、公園中央にある噴水に思わず飛び込んでしまう参加者も。走り出せばすぐ乾いてしまう、そんな季節だからこそできる大技である。ちなみにこちらの噴水は普段から中で水遊び出来るスポットなのでご安心を。
さて、残すはフィニッシュまでの10㎞ほど。フルーツラインの東側に位置する牛奥展望台からは、これまでに走ってきたルートが一望できる。最後に大パノラマを楽しめば、後は勝沼中学校までは下っていくだけだ。
フィニッシュ地点では、完走賞、そしていろんな景品が当たる抽選会も開催。なんと、ゼッケン番号で事前に発表されるミニ抽選会と、閉会式にて行われた豪華抽選会という2段構え。閉会式のほうでは、カスクやリマールのヘルメット、高性能なセラミックコーティング剤のBORA SOLUTION、そして山梨自慢のシャインマスカットセットなど、目玉賞品が勢揃いとなった。
さらに走り切った参加者を待ち受けるのが、具沢山のほうとうだ。大きなお椀にたっぷりとよそってくれるので、エイドでの補給と合わせればカロリーオーバーなのではないかと思うほど(笑)。最後までしっかり山梨らしいグルメで締めてくれるのは、なんとも嬉しい心遣い。
最初から最後まで、山梨は峡東エリアの魅力がたっぷり詰め込まれたフルーツライド。大会を作り上げる皆さんの熱意と甲府盆地の暑さが、例年良い勝負を演じるイベントだけど、予想以上に走りやすい気温となった今年は皆さんの熱気と情熱の圧勝といったところ。来年も更に熱い大会になることが、今から楽しみだ。(気温は今年くらいでお願いします……)
第一エイドの八代ふるさと公園でフルーツ王国やまなしならではの振る舞いを堪能した私たち。甘~いフルーツで糖分補給し、残るコースへ再びスタートを切った。エイドからの出発に際してもサポートライダーが先導するグループが随時編成され、ほぼ常にまとまって走ることが出来るのは初心者にとっても安心できるポイントだ。
さて、ここにいたるまでの道のりでは甲府盆地の南側を走ってきたが、この先は市街を突っ切って、北側へ向かうことになる。みやさか道から下り、笛吹川沿いのサイクリングロードへと入っていく。
自動車の交通量の多い市街地を経由することなく、そして信号に捕まることも無く、一気に北側へと抜けることが出来るこのサイクリングロードをルートに組み込むあたりに、地元を知り尽くしたコースプランナーの腕が窺える。
笛吹川サイクリングロードには途中少し道幅の狭いところもあり、ちょっとしたアドベンチャーライド気分に浸るシーンも。夏らしい濃い緑に包まれた河川敷を走り抜ければ、後半のメインディッシュとなるフルーツラインはすぐそこだ。
太陽光を目いっぱいに受けることのできる甲府盆地の北斜面は、光の恵みを活かすように果樹園が集まる地帯となっている。その中腹にしつらえられているのが、広域農道のフルーツライン。信号も無く、道幅も広く、舗装も整えられており、そしてなによりずっと絶景が続く、自転車乗りにとっては夢のようなロケーション。
フルーツラインのほぼ西端となる西関東連絡道路の鎮目ランプからアプローチし、一気に直登で標高を稼いでいく。一旦標高を上げきれば、緩やかな登りと下りを繰り返しながら北東方向へと向かうことに。
天気次第では御坂山地の向こう側に富士山も望めるのだけれど、この日は残念ながら雲の中に隠れていた様子。それでも、山梨市街を眼下に収める景観は雄大なもので、思わず立ち止って写真を撮る人もちらほら。
景色を楽しみつつ向かう先は山梨の代表的な名所である笛吹川フルーツ公園だ。「花とフルーツとワインの公園」をテーマとして設立されたフルーツ公園は、広大な敷地の中に果樹園やレストラン、カフェ、アスレチック施設等が整備されている。
その駐車場の一角に設けられた第2エイドでは、ちょうどお昼前での到着ということもありボリュームのあるお弁当が振舞われることに。しっかりとお腹にたまるもち米を用いた赤飯で、ここまでで消費したエネルギーをしっかり補給。
猛暑が予想されたこともあり、このフルーツ公園エイドでは広めのテントエリアが用意されているのも嬉しいポイント。日陰で涼みながらご飯を食べられるだけでなく、保冷剤や掛水なども用意されており積極的に火照った体をクールダウンすることも出来るのだ。例年よりも涼しいとはいえ、昼時ともなれば30℃ほどにまで気温は上がってきており、こういった準備はこれ以上なくありがたい。頭から水を被れば冷却効果はもちろん、汗を流してさっぱりリフレッシュできるのも嬉しい。
この先に待ち受けるのは、大会最大の難所である「野背坂峠」。コース上で唯一峠と名の付くこの登りは、距離4.7km、獲得標高392m、平均勾配8.3%と、その名に恥じぬ本格的なもの。実はこの峠、7年ほど前に開通したばかりの新たな道とあって、道幅も広く舗装も整備されており非常に走りやすいことも特徴。
ペースで登る人もいれば、仲間と競いあうようにして登る人もおり、峠の楽しみ方は人それぞれ。登る様子は十人十色でも、峠の頂上で見せる顔は皆一様に達成感に満ちている。
難関を越えた先にはご褒美が待っている。下り切った先にある高原フルーツ農園ではミニエイドが展開されている。ユニークな像やアートが多数並べられた農園で振舞われたのは、キンキンに凍らされたフローズングレープ。なんと冷凍車まで手配して提供された冷凍巨峰が火照った体を芯から冷やしてくれる。
残るエイドは塩山ふれあいの森公園のみ。ここから先のフルーツラインははほぼ下り基調。短い登りは登場するものの、直前に越えた野背坂峠に比べればあっという間に登りきれるハズ。フィニッシュが近づいてきたこともあってか、エイド直前に登場する10%の直登激坂でアタック合戦を繰り広げる猛者も。
ラストエイドでは、みたらし団子とフルーツシロップをトッピングした杏仁豆腐が提供される。杏仁豆腐は地元のカフェ謹製の一品で、自家製ならではの滑らかな口当たりと甘すぎない優しい味わいが疲れた身体に心地良い。
日も中天に差し掛かってきたこともあり、公園中央にある噴水に思わず飛び込んでしまう参加者も。走り出せばすぐ乾いてしまう、そんな季節だからこそできる大技である。ちなみにこちらの噴水は普段から中で水遊び出来るスポットなのでご安心を。
さて、残すはフィニッシュまでの10㎞ほど。フルーツラインの東側に位置する牛奥展望台からは、これまでに走ってきたルートが一望できる。最後に大パノラマを楽しめば、後は勝沼中学校までは下っていくだけだ。
フィニッシュ地点では、完走賞、そしていろんな景品が当たる抽選会も開催。なんと、ゼッケン番号で事前に発表されるミニ抽選会と、閉会式にて行われた豪華抽選会という2段構え。閉会式のほうでは、カスクやリマールのヘルメット、高性能なセラミックコーティング剤のBORA SOLUTION、そして山梨自慢のシャインマスカットセットなど、目玉賞品が勢揃いとなった。
さらに走り切った参加者を待ち受けるのが、具沢山のほうとうだ。大きなお椀にたっぷりとよそってくれるので、エイドでの補給と合わせればカロリーオーバーなのではないかと思うほど(笑)。最後までしっかり山梨らしいグルメで締めてくれるのは、なんとも嬉しい心遣い。
最初から最後まで、山梨は峡東エリアの魅力がたっぷり詰め込まれたフルーツライド。大会を作り上げる皆さんの熱意と甲府盆地の暑さが、例年良い勝負を演じるイベントだけど、予想以上に走りやすい気温となった今年は皆さんの熱気と情熱の圧勝といったところ。来年も更に熱い大会になることが、今から楽しみだ。(気温は今年くらいでお願いします……)
Amazon.co.jp