2023/09/08(金) - 15:56
9月3日(日)に千葉県成田市の下総運動公園で「しもふさクリテリウム MATRIX ヒヤリハンター杯 9月」が開催され、QNリーグ第8戦が併催された。中学生女子NWは岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)が、Nリーグ中学生男子Nは落合隼が優勝を決めた。QNリーグ主催者からのレポートで紹介する。
9月3日(日)、千葉県成田市・下総運動公園で「しもふさクリテリウム MATRIX ヒヤリハンター杯 9月」が開催された。
今大会はサイクルロードレース協会東日本(MATRIX)主催で下総運動公園内にある1周回・約1.5kmの常設サイクリングコースで開催。トップクラスはもちろん、ジュニアやキッズ、女子にも人気が高く“しもふさクリテ”の通称で親しまれているレースだ。今回もリーグ対象レースはQリーグとNリーグ中学生女子NWはレディースクラス、Nリーグ中学生男子Nは中学生クラスを走り、順位に基づくポイントを獲得しランキングを競う。
『福島復興サイクルロードレース』のうち、先月の8月に開催が予定されていた19日・QNリーグシリーズ第6戦「ツール・ド・かわうち(かわうちヴィンヤード山岳タイムトライアル)」、そして20日・同シリーズ第7戦「小野こまちロードレース」の連戦が延期となったため、久しぶりのリーグシリーズ戦開催となった今レース。当日は事前の天気予報を覆して、朝から素晴らしい晴天。残暑が厳しい蒸し暑いコンディションとなったが、風はあまり強くなくて選手達は思い切った走りを各クラスで展開した。
朝7時からのサイクルクリニックを挟みながら、8時過ぎスタートの120分エンデューロ、そしてキ
ッズ選手達が活躍する年齢別レースが終了し、昼12時過ぎからスタートとなったのが「レディースクラス」のレース。WALKRIDEロードシリーズとマトリックス主催チャレンジリーグ東日本地域大会を対象とした小学生ランキング制度の対象となる「小学生チャンピオン」と1分の時差スタートとなった。
コース5周のレディースクラスは10名のエントリー。最初の1周目を終えてすぐのコントロールライ
ン通過時点で、早くも先頭集団が7名に絞られる。コントロールラインがあるホーム側では篠塚萠依(AVENTURA)が集団の先頭を走っていたが、Nリーグ中学生女子NWの現ポイントリーダーである岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)のゴール後コメントによると「周回を重ねて4名の集団になってから、追い風基調のホームでは篠塚選手が先頭を引き、(コース裏側にあたる)サッカーゴールの近
くは向かい風だったので、根本さんが引いてくれて助かりました」と教えてくれた。
確かに、残り2周回となった時点で岡田と篠塚、そしてQリーグ現ポイントリーダーの根本香織(Team 一匹狼)、昨シーズンNリーグ中学生 NW 年間総合ポイントリーダー⻄山 千智(High Ambition 女子サイクリングアカデミー)の4名に絞られてからは集団のスピードが上がり、岡田の走りを根本がフォローしていたようだ。
そんな根本は「お母さんの気持ちで下りまでは前を引いて(笑)、ゴール手前の登りからは岡田選手を前方にするローテーションで走りました」とリーグ登録選手同士で集団内をローテしてくれたようだ。この状態で残り1周回は4名のまま、そしてゴールスプリントとなり、「先頭選手の後ろに控えて、冷静に動きを見られた」という岡田が先着。5月の同レースで優勝した篠塚を抑え優勝を手にし、笑顔でガッツポーズを魅せた。
さらに、西山が粘って3位となり表彰台を獲得。以前のスタミナ不足や集団での固い動きが練習とレース参戦を重ねて改善したようで、今回の結果に繋げることができた。一方、4位でレースを終えた根本は「次回(9/16 わたらせクリテリウム)は得意の平坦コースで、岡田選手を追い越して勝ちたい!」と先輩ライダーとしての意欲を見せた。
レディースレースの後には、今年から実施されている「ジュニア強化レース」となる。このレースは大会参加者で中・高校生の男女は無料で参戦できる、文字通り“強化育成”を目的としたレースで、Nリーグの中学生男女も参戦した。その中には昨シーズンのNリーグを盛り上げ、今年から高校生となったNリーグ卒業組も活躍。
そのため着順による表彰の代わりに、マトリックスパワータグの安原昌弘監督が選出する「敢闘賞」の対象にNリーグ登録選手やNリーグ卒業選手達も多く選ばれ、安原監督との「自撮り記念撮影」に笑顔で加わっていた。安原監督は「今後の自転車レースの発展には、ジュニア強化育成の機会作りが大事。マトリックスパワータグの活躍もジュニア選手達の目標になるから、ワシも選手達に活を入れていくで!」と授与式後にコメントを寄せた。
そして最終ブロックとなる午後3時近くに、Nリーグ中学生男子Nの対象レースとなる「中学生クラス」がスタート。33名がエントリーするコース6周回のレースは序盤に大きな集団を形成していたが、2周回目で昨シーズンのNリーグ年間総合ポイントリーダー稲葉 恵人(Team BFY Racing)がアタック。次の3周回目でも再度アタックをするも、現ポイントリーダー落合 隼が素早くチェックし再び1つの大きな集団に戻る。
その後も今レースからNリーグに加わった大藤 優作(Team 一匹狼)もアタックするが全てを落合が落ち着いてチェック。その度に集団のスピードが上がり、最終周回に入る直前のコントロールライン通過時点で当初25名近くいた集団は15名に絞られた。
残り1周回に入った直後に落合が満を持して渾身のアタック!「1人逃げをしたかったので、早めに仕掛けた」とポイントリーダー授与式でコメントしたように、力強い走りで後続を突き放し、ラストの周回ラップタイムは2分を切る1分58秒で逃げ切り単独でゴール。今回もレース優勝でリーグ最高ポイントを積み上げリーダー防衛に成功した。この後のシリーズ戦に向けては「全戦で勝ちたいと思います!」と宣言。このレースゴールで天に向かって大きく拳を突き上げた。力強い走りであった。Nリーグシリーズ後半戦も是非ご注目いただきたい。
さらに、この中学生クラスでは表彰台をNリーグ登録選手が独占した。まず2位となった成瀬謙太(FECT)は中学2年生。「集団の人数が減っていくのは、ある意味チャンスに繋がるので、最後の登りに向かうコーナーをイン側から差しました。惜しくも2位でしたが、完全燃焼できて嬉しかったです」と満足気にコメントしてくれた。そして3位に入った中学1年生の渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)は「最終局面では体力が足りなかったんですが、何とか最後にゴールスプリントができて良かったです」と安堵の笑顔。
次戦「わたらせクリテリウム第2戦」に向けての抱負を聞くと、前回のわたらせクリテで惜しくも落車してしまった成瀬は、Nリーグ絶対王者となりつつある現ポイントリーダー落合と同じクラス出走になることも意識して「今度こそ落車しないで1位を目指して頑張りたい」とコメント。中学1年生のため、次戦は成瀬と違うクラスでの出走となる渡邉は「前回の(わたらせクリテ該当クラス)レースで優勝をしていますが、もっと体力を上げて後続を大きく離して優勝したい」と意気込みを語った。
次のリーグシリーズ戦は9月16日(土)、栃木県栃木市・藤岡渡良瀬運動公園内わたらせサイクルパークで開催の「わたらせクリテリウム第2戦」となる。予想以上に残暑が続いており、またNリーグ登録選手たちのなかには中学3年生となって、高校受験の準備が本格的となるライダーもいる。しかし自転車レースに向けた情熱や練習、レース参戦の日々は、受験でも大いに役立つはずだ。引き続き体調に気をつけながら、リーグ登録選手たちには引き続きポイントリーダーを目指して頑張ってほしい。
photo:Yosuke SUGA、QNリーグ事務局
text:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
9月3日(日)、千葉県成田市・下総運動公園で「しもふさクリテリウム MATRIX ヒヤリハンター杯 9月」が開催された。
今大会はサイクルロードレース協会東日本(MATRIX)主催で下総運動公園内にある1周回・約1.5kmの常設サイクリングコースで開催。トップクラスはもちろん、ジュニアやキッズ、女子にも人気が高く“しもふさクリテ”の通称で親しまれているレースだ。今回もリーグ対象レースはQリーグとNリーグ中学生女子NWはレディースクラス、Nリーグ中学生男子Nは中学生クラスを走り、順位に基づくポイントを獲得しランキングを競う。
『福島復興サイクルロードレース』のうち、先月の8月に開催が予定されていた19日・QNリーグシリーズ第6戦「ツール・ド・かわうち(かわうちヴィンヤード山岳タイムトライアル)」、そして20日・同シリーズ第7戦「小野こまちロードレース」の連戦が延期となったため、久しぶりのリーグシリーズ戦開催となった今レース。当日は事前の天気予報を覆して、朝から素晴らしい晴天。残暑が厳しい蒸し暑いコンディションとなったが、風はあまり強くなくて選手達は思い切った走りを各クラスで展開した。
朝7時からのサイクルクリニックを挟みながら、8時過ぎスタートの120分エンデューロ、そしてキ
ッズ選手達が活躍する年齢別レースが終了し、昼12時過ぎからスタートとなったのが「レディースクラス」のレース。WALKRIDEロードシリーズとマトリックス主催チャレンジリーグ東日本地域大会を対象とした小学生ランキング制度の対象となる「小学生チャンピオン」と1分の時差スタートとなった。
コース5周のレディースクラスは10名のエントリー。最初の1周目を終えてすぐのコントロールライ
ン通過時点で、早くも先頭集団が7名に絞られる。コントロールラインがあるホーム側では篠塚萠依(AVENTURA)が集団の先頭を走っていたが、Nリーグ中学生女子NWの現ポイントリーダーである岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)のゴール後コメントによると「周回を重ねて4名の集団になってから、追い風基調のホームでは篠塚選手が先頭を引き、(コース裏側にあたる)サッカーゴールの近
くは向かい風だったので、根本さんが引いてくれて助かりました」と教えてくれた。
確かに、残り2周回となった時点で岡田と篠塚、そしてQリーグ現ポイントリーダーの根本香織(Team 一匹狼)、昨シーズンNリーグ中学生 NW 年間総合ポイントリーダー⻄山 千智(High Ambition 女子サイクリングアカデミー)の4名に絞られてからは集団のスピードが上がり、岡田の走りを根本がフォローしていたようだ。
そんな根本は「お母さんの気持ちで下りまでは前を引いて(笑)、ゴール手前の登りからは岡田選手を前方にするローテーションで走りました」とリーグ登録選手同士で集団内をローテしてくれたようだ。この状態で残り1周回は4名のまま、そしてゴールスプリントとなり、「先頭選手の後ろに控えて、冷静に動きを見られた」という岡田が先着。5月の同レースで優勝した篠塚を抑え優勝を手にし、笑顔でガッツポーズを魅せた。
さらに、西山が粘って3位となり表彰台を獲得。以前のスタミナ不足や集団での固い動きが練習とレース参戦を重ねて改善したようで、今回の結果に繋げることができた。一方、4位でレースを終えた根本は「次回(9/16 わたらせクリテリウム)は得意の平坦コースで、岡田選手を追い越して勝ちたい!」と先輩ライダーとしての意欲を見せた。
レディースレースの後には、今年から実施されている「ジュニア強化レース」となる。このレースは大会参加者で中・高校生の男女は無料で参戦できる、文字通り“強化育成”を目的としたレースで、Nリーグの中学生男女も参戦した。その中には昨シーズンのNリーグを盛り上げ、今年から高校生となったNリーグ卒業組も活躍。
そのため着順による表彰の代わりに、マトリックスパワータグの安原昌弘監督が選出する「敢闘賞」の対象にNリーグ登録選手やNリーグ卒業選手達も多く選ばれ、安原監督との「自撮り記念撮影」に笑顔で加わっていた。安原監督は「今後の自転車レースの発展には、ジュニア強化育成の機会作りが大事。マトリックスパワータグの活躍もジュニア選手達の目標になるから、ワシも選手達に活を入れていくで!」と授与式後にコメントを寄せた。
そして最終ブロックとなる午後3時近くに、Nリーグ中学生男子Nの対象レースとなる「中学生クラス」がスタート。33名がエントリーするコース6周回のレースは序盤に大きな集団を形成していたが、2周回目で昨シーズンのNリーグ年間総合ポイントリーダー稲葉 恵人(Team BFY Racing)がアタック。次の3周回目でも再度アタックをするも、現ポイントリーダー落合 隼が素早くチェックし再び1つの大きな集団に戻る。
その後も今レースからNリーグに加わった大藤 優作(Team 一匹狼)もアタックするが全てを落合が落ち着いてチェック。その度に集団のスピードが上がり、最終周回に入る直前のコントロールライン通過時点で当初25名近くいた集団は15名に絞られた。
残り1周回に入った直後に落合が満を持して渾身のアタック!「1人逃げをしたかったので、早めに仕掛けた」とポイントリーダー授与式でコメントしたように、力強い走りで後続を突き放し、ラストの周回ラップタイムは2分を切る1分58秒で逃げ切り単独でゴール。今回もレース優勝でリーグ最高ポイントを積み上げリーダー防衛に成功した。この後のシリーズ戦に向けては「全戦で勝ちたいと思います!」と宣言。このレースゴールで天に向かって大きく拳を突き上げた。力強い走りであった。Nリーグシリーズ後半戦も是非ご注目いただきたい。
さらに、この中学生クラスでは表彰台をNリーグ登録選手が独占した。まず2位となった成瀬謙太(FECT)は中学2年生。「集団の人数が減っていくのは、ある意味チャンスに繋がるので、最後の登りに向かうコーナーをイン側から差しました。惜しくも2位でしたが、完全燃焼できて嬉しかったです」と満足気にコメントしてくれた。そして3位に入った中学1年生の渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)は「最終局面では体力が足りなかったんですが、何とか最後にゴールスプリントができて良かったです」と安堵の笑顔。
次戦「わたらせクリテリウム第2戦」に向けての抱負を聞くと、前回のわたらせクリテで惜しくも落車してしまった成瀬は、Nリーグ絶対王者となりつつある現ポイントリーダー落合と同じクラス出走になることも意識して「今度こそ落車しないで1位を目指して頑張りたい」とコメント。中学1年生のため、次戦は成瀬と違うクラスでの出走となる渡邉は「前回の(わたらせクリテ該当クラス)レースで優勝をしていますが、もっと体力を上げて後続を大きく離して優勝したい」と意気込みを語った。
次のリーグシリーズ戦は9月16日(土)、栃木県栃木市・藤岡渡良瀬運動公園内わたらせサイクルパークで開催の「わたらせクリテリウム第2戦」となる。予想以上に残暑が続いており、またNリーグ登録選手たちのなかには中学3年生となって、高校受験の準備が本格的となるライダーもいる。しかし自転車レースに向けた情熱や練習、レース参戦の日々は、受験でも大いに役立つはずだ。引き続き体調に気をつけながら、リーグ登録選手たちには引き続きポイントリーダーを目指して頑張ってほしい。
photo:Yosuke SUGA、QNリーグ事務局
text:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
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