2023/09/12(火) - 16:33
AG2RシトロエンをサポートするスイスのバイクブランドBMCを扱うフタバが展示会を開催。2023年の追加カラーや本国ラインアップにはない日本特別仕様を発表し、BMCがより身近な存在となった。FSAやヴェローシ、新たなTPUチューブの選択肢となるバルビエリPNKなどを紹介しよう。
青空に白い入道雲が浮かぶ真夏のある日、プロショップが浜松町の産業貿易センターに集った。この日はBMCを取り扱うフタバの展示会が開催されており、スイスが誇るバイクブランドの最新情報を手にいれることが目的だ。
まずアナウンスされたのは、今年は後期モデルとして新色がラインアップに追加されていること。BMCがサポートするAG2Rシトロエンのチームバイクに採用される水色と朱色のカラーリングのTeammachine SLR 01が登場する。独特な色味のバイクはレースはもちろんサイクリングでも目立つ存在となるだろう。他にもシンプルなホワイトカラーも登場している。
2023年の後期モデルはエンデュランスロード"Roadmachine”にも追加されている。こちらのモデルの追加カラーはカーボン&グレー、ホワイト&ブラックというシンプルなものばかり。ホワイト&ブラックは単純な白色ではなく、クリーム色のようなニュアンスカラーのため、ぜひ実車を見てみて欲しい。
Roadmachine(タイヤクリアランス最大35mm)よりも広い、タイヤクリアランス最大45mに設定されたRoadmachine X AL TWOにも追加カラーのブラック&ターコイズが登場する。フレームのロゴやフォークにターコイズのアクセントカラーが映えるデザインとされていることが特徴だ。
そしてBMCの国内総代理店フタバはジャパンアッセンブルというプログラムを開始する。これは本国ラインアップにはない完成車を国内で組み立てて販売するというもの。Teammachine SLR01はフレームセットのカラーとコンポーネント(DURA-ACE DI2、ULTEGRA DI2)、ホイール(ヴィジョンSC40、ヴィジョンTeam30、シマノWH-RS171)を選択することができ、好みと予算にフィットさせやすくなっている。
加えてミドルグレードのTeammachine SLR ONEとTWOもジャパンアッセンブルが用意されている。ONEはシマノ105 DI2完成車で、TWOはシマノ105機械式完成車としてラインアップされており、タイヤやホイールのチョイスが精査された内容となっている。
これらジャパンアッセンブルのメリットは、本国ラインアップにはないフレームカラーとコンポーネントの構成で手に入れられること。特にフラッグシップモデルのSLR 01はフレームセットから組み上げていくため、バリエーションが多くなることでBMCがより身近な存在となるはずだ。加えて精査された装備パーツによって価格も抑えられていることも魅力。
BMCといえばクリテリウム・デュ・ドーフィネやツール・ド・フランスで実戦投入していたプロトタイプも気になるところ。まだ見ぬ新型バイクは、F1でワールドチャンピオンを獲得しているマシンを開発するレッドブル・アドバンスド・テクノロジーとの共同開発プロジェクトということはアナウンスされているものの、その全貌はまだ明かされていない。
今回の展示会でも発表されることを期待していたものの実車の展示はなし。全貌が明らかになるのにはまだもう少し時間が必要そうだ。とはいえ、BMC渾身の一作となることは間違いないため、BMCやフタバからのアナウンスは引き続き注目しておこう。
BMCバイク購入者に案内される盗難保険もスタートしていることもトピックだ。盗難での補償は高価なBMCバイクを乗るにあたって嬉しい存在となる。メニューによっては車両の破損にも適応されるため、安心してサイクリングライフを送るためには心強い味方となってくれるだろう。
この保険を提供するZutto Rideにはロードサービス+賠償責任保険の商品もあり、最大100kmまでの無料搬送のサービスを受けることが可能。保険加入が義務付けられている自治体も増えてきているため、保険についても気にしてみてはいかがだろうか。
フタバは今年より台湾のハンドメイドバイクブランド、ヴェローシを扱いはじめており、引き続き注目の存在。レーシングバイクのイメージが強いBMCと対を成すように、カルチャー的側面の強いブランドでこだわりのバイクを組み上げたいという方にはオススメだ。
グラベル系やアーバン、ストリート系が目立つラインアップだが、中にはロードスタイルのOG DISCも用意されているため、非常に多くの自転車遊びをカバーしていることもブランドの魅力。アルマイトで彩ったヘッドパーツをはじめステム、クランク、ホイールまで一式で用意しているため、イチからバイクを組み上げることが初めての方でもパーツを選びやすい。パーツセレクトをプロショップのスタッフと共に考えるのも楽しいだろう。
フタバの取り扱いラインアップはパーツブランドも充実しており、FSA / ヴィジョンはその一つ。目立った新製品は登場していなかったものの、プロ選手も愛用するステム一体型ハンドルバー"METRON 5D”がアップデートされるとのアナウンスがあった。進化するポイントはハンドル内部にケーブルを通す方法がこれまで以上に洗練させることで扱いやすさが増したとのこと。ステム部分の厚みも薄くなり、見た目がすっきりするという。
FSAは各バイクブランドに対応するケーブルフル内装のヘッドセットも用意されているため、ヘッド周りをカスタムしたい方はチェックしてみてはいかがだろうか。
またフタバはイタリアに拠点を構えるバイクアクセサリーブランドのバルビエリPNKが用意するTPUチューブの取り扱いを開始する。超軽量チューブというイメージが強いTPU素材だが、バルビエリPNKは厚みを変化させることで耐久性と重量のバランスを調整した3種類(ROCCIA、PIUMA、NXT)が用意されている。
とはいえPIUMAは45mmバルブで29gで最軽量、NXTは同バルブ長で45g、ROCCIAもバルブ長は89gと非常に軽量。特にROCCIAはグラベルユースを想定しているため、軽くて高耐久、持ち運びしやすいという三拍子が揃ったチューブとしてオフロードライダーにはおすすめだ。
今回の展示会では参考出品のプロダクトもお目見えした。一つはUCIワールドチームのアンテルマルシェ・ワンティゴベールが使用するフォースからリリースされている大型一眼レンズのAMBIENT(ハーフリム)、ATTIC(フルリム)。トレンドのデザインを採用しつつ、参考価格14,520円(AMBIENT)、24,750円(ATTIC)という比較的手頃な価格が提示されており、販売開始されたら手を伸ばしやすそうだ。
高いグリップ力のバーテープでお馴染みのリザードスキンズからは、3Dプリンター製のフラットバー用グリップが展示された。サドルでポピュラーになりつつある技術を駆使したグリップは、優れた握り心地をライダーにもたらしてくれるだろう。こちらのグリップも今後の動きに注目したい。
フレームのコーティング剤を展開するハドラスはシューズ向けのコーティングを用意。非常に薄い膜を形成することで履き心地に強い影響を与えずに、水や汚れを弾くコーティングの性能を与えられることが魅力だ。グラベルやシクロクロス、マウンテンバイクなどオフロードを楽しむライダーにとって、このシューズコーティングは有難い存在となりそうだ。
様々なブランドでニュースがアナウンスされたフタバ展示会。BMCの来期モデルや参考出品の製品など今後の情報が気になるものが多数あるため、フタバからの情報には注目してもらいたい。
text&photo:Gakuto Fujiwara
青空に白い入道雲が浮かぶ真夏のある日、プロショップが浜松町の産業貿易センターに集った。この日はBMCを取り扱うフタバの展示会が開催されており、スイスが誇るバイクブランドの最新情報を手にいれることが目的だ。
まずアナウンスされたのは、今年は後期モデルとして新色がラインアップに追加されていること。BMCがサポートするAG2Rシトロエンのチームバイクに採用される水色と朱色のカラーリングのTeammachine SLR 01が登場する。独特な色味のバイクはレースはもちろんサイクリングでも目立つ存在となるだろう。他にもシンプルなホワイトカラーも登場している。
2023年の後期モデルはエンデュランスロード"Roadmachine”にも追加されている。こちらのモデルの追加カラーはカーボン&グレー、ホワイト&ブラックというシンプルなものばかり。ホワイト&ブラックは単純な白色ではなく、クリーム色のようなニュアンスカラーのため、ぜひ実車を見てみて欲しい。
Roadmachine(タイヤクリアランス最大35mm)よりも広い、タイヤクリアランス最大45mに設定されたRoadmachine X AL TWOにも追加カラーのブラック&ターコイズが登場する。フレームのロゴやフォークにターコイズのアクセントカラーが映えるデザインとされていることが特徴だ。
そしてBMCの国内総代理店フタバはジャパンアッセンブルというプログラムを開始する。これは本国ラインアップにはない完成車を国内で組み立てて販売するというもの。Teammachine SLR01はフレームセットのカラーとコンポーネント(DURA-ACE DI2、ULTEGRA DI2)、ホイール(ヴィジョンSC40、ヴィジョンTeam30、シマノWH-RS171)を選択することができ、好みと予算にフィットさせやすくなっている。
加えてミドルグレードのTeammachine SLR ONEとTWOもジャパンアッセンブルが用意されている。ONEはシマノ105 DI2完成車で、TWOはシマノ105機械式完成車としてラインアップされており、タイヤやホイールのチョイスが精査された内容となっている。
これらジャパンアッセンブルのメリットは、本国ラインアップにはないフレームカラーとコンポーネントの構成で手に入れられること。特にフラッグシップモデルのSLR 01はフレームセットから組み上げていくため、バリエーションが多くなることでBMCがより身近な存在となるはずだ。加えて精査された装備パーツによって価格も抑えられていることも魅力。
BMCといえばクリテリウム・デュ・ドーフィネやツール・ド・フランスで実戦投入していたプロトタイプも気になるところ。まだ見ぬ新型バイクは、F1でワールドチャンピオンを獲得しているマシンを開発するレッドブル・アドバンスド・テクノロジーとの共同開発プロジェクトということはアナウンスされているものの、その全貌はまだ明かされていない。
今回の展示会でも発表されることを期待していたものの実車の展示はなし。全貌が明らかになるのにはまだもう少し時間が必要そうだ。とはいえ、BMC渾身の一作となることは間違いないため、BMCやフタバからのアナウンスは引き続き注目しておこう。
BMCバイク購入者に案内される盗難保険もスタートしていることもトピックだ。盗難での補償は高価なBMCバイクを乗るにあたって嬉しい存在となる。メニューによっては車両の破損にも適応されるため、安心してサイクリングライフを送るためには心強い味方となってくれるだろう。
この保険を提供するZutto Rideにはロードサービス+賠償責任保険の商品もあり、最大100kmまでの無料搬送のサービスを受けることが可能。保険加入が義務付けられている自治体も増えてきているため、保険についても気にしてみてはいかがだろうか。
フタバは今年より台湾のハンドメイドバイクブランド、ヴェローシを扱いはじめており、引き続き注目の存在。レーシングバイクのイメージが強いBMCと対を成すように、カルチャー的側面の強いブランドでこだわりのバイクを組み上げたいという方にはオススメだ。
グラベル系やアーバン、ストリート系が目立つラインアップだが、中にはロードスタイルのOG DISCも用意されているため、非常に多くの自転車遊びをカバーしていることもブランドの魅力。アルマイトで彩ったヘッドパーツをはじめステム、クランク、ホイールまで一式で用意しているため、イチからバイクを組み上げることが初めての方でもパーツを選びやすい。パーツセレクトをプロショップのスタッフと共に考えるのも楽しいだろう。
フタバの取り扱いラインアップはパーツブランドも充実しており、FSA / ヴィジョンはその一つ。目立った新製品は登場していなかったものの、プロ選手も愛用するステム一体型ハンドルバー"METRON 5D”がアップデートされるとのアナウンスがあった。進化するポイントはハンドル内部にケーブルを通す方法がこれまで以上に洗練させることで扱いやすさが増したとのこと。ステム部分の厚みも薄くなり、見た目がすっきりするという。
FSAは各バイクブランドに対応するケーブルフル内装のヘッドセットも用意されているため、ヘッド周りをカスタムしたい方はチェックしてみてはいかがだろうか。
またフタバはイタリアに拠点を構えるバイクアクセサリーブランドのバルビエリPNKが用意するTPUチューブの取り扱いを開始する。超軽量チューブというイメージが強いTPU素材だが、バルビエリPNKは厚みを変化させることで耐久性と重量のバランスを調整した3種類(ROCCIA、PIUMA、NXT)が用意されている。
とはいえPIUMAは45mmバルブで29gで最軽量、NXTは同バルブ長で45g、ROCCIAもバルブ長は89gと非常に軽量。特にROCCIAはグラベルユースを想定しているため、軽くて高耐久、持ち運びしやすいという三拍子が揃ったチューブとしてオフロードライダーにはおすすめだ。
今回の展示会では参考出品のプロダクトもお目見えした。一つはUCIワールドチームのアンテルマルシェ・ワンティゴベールが使用するフォースからリリースされている大型一眼レンズのAMBIENT(ハーフリム)、ATTIC(フルリム)。トレンドのデザインを採用しつつ、参考価格14,520円(AMBIENT)、24,750円(ATTIC)という比較的手頃な価格が提示されており、販売開始されたら手を伸ばしやすそうだ。
高いグリップ力のバーテープでお馴染みのリザードスキンズからは、3Dプリンター製のフラットバー用グリップが展示された。サドルでポピュラーになりつつある技術を駆使したグリップは、優れた握り心地をライダーにもたらしてくれるだろう。こちらのグリップも今後の動きに注目したい。
フレームのコーティング剤を展開するハドラスはシューズ向けのコーティングを用意。非常に薄い膜を形成することで履き心地に強い影響を与えずに、水や汚れを弾くコーティングの性能を与えられることが魅力だ。グラベルやシクロクロス、マウンテンバイクなどオフロードを楽しむライダーにとって、このシューズコーティングは有難い存在となりそうだ。
様々なブランドでニュースがアナウンスされたフタバ展示会。BMCの来期モデルや参考出品の製品など今後の情報が気になるものが多数あるため、フタバからの情報には注目してもらいたい。
text&photo:Gakuto Fujiwara
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