2023/08/31(木) - 12:00
2連勝を決めたカーデン・グローブスは「仲間がお膳立てしてくれたおかげ」と喜び、敗れながらも驚きのスプリントを見せたガンナは再挑戦を誓った。ボーナスタイムを稼いだエヴェネプールなど、ブエルタ5日目を選手たちのコメントで振り返ります。
区間優勝&ポイント賞 カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
ブエルタという舞台で2日連続の勝利。しかも(オーストラリア人として初めて)マイヨプントスを着て勝つことができて素晴らしい気持ちだよ。今日もまたラウンドアバウトの多い混沌としたスプリントになった。風の影響で緊張感の高まる瞬間もあったが、素晴らしいチームのおかげで問題なく切り抜けることができた。途中の落車で2人のチームメイトを失ったものの、残ったリードアウトを務める仲間が勝利のお膳立てをしてくれた。
チームとして中間スプリントは狙いにいかないという方針だった。だが力を使わずとも狙えるのではと思い、2位通過することができた。
区間2位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
残り30km地点でG(ゲラント・トーマス)が「調子はどうだ?」と聞いてきたんだ。「長いステージだから多少の疲れはあるが、悪くはない」と答えたら、彼が「残り3km地点まで僕をアシストし、その後は自由に走れ」と言ってくれた。だから勝負に出たのだが、残り3.2km地点のラウンドアバウトで落車が発生し、番手を下げてしまった。だから集団前方に戻るために力を使わなくてはならなかった。
僕の目標はこのブエルタで一日一日を集中して走ること。そんな僕をGは大会の前からサポートしてくれた。だからこそ大きな目標を掲げる彼を僕もサポートしたい。まだ多くのステージが残っているので、次の機会があれば挑戦したい。
中間スプリントでボーナスタイムを加算したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
―いつから君はスプリンターになったんだ?(笑)
(中間スプリントの直前に)視線の右端でスプリントトレインを組むUAEが見えたんだ。また最初は3、2、1秒だと思ったボーナスタイムが6、4、2秒だと知り、スプリントする決め手となった。
今年のジロ・デ・イタリアではトーマスが総合で14秒差で敗れた。これで僕は17秒(正しくは16秒)をボーナスタイムで獲得したことになる。最も重要なものであるとは言えないまでも、これが勝負を分かつことも大いに考えられる。
今日のボーナスタイムはあまり力を使わずに獲得できたが、(山頂フィニッシュである明日の勝利は)そう簡単にはいかない。大きな逃げ集団との駆け引きになるだろうし、連日言っているようにマイヨロホを手放すチャンスがあるのであればそう望んでいる。ここまで良い調子で来ているので、この高いレベルを維持していきたい。
近年のレースの変化について語るゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
最近のレースは野性味を増した感がある。もちろん自転車やタイヤ、ウェアなどの進化によりスピードが上がったことも影響しているのだろう。だからこそコース上の障害物などの影響が大きくなる。昨日もそうだったが、プロトンが混沌と化するのは当然だろう。
―総合系の選手にとってトラブルなく走ることが難しくなっているか?
以前より緊張を強いられることは事実。少し前ならば(昨日のようなスプリントステージは)回復に努めるような日も、いまは最終盤に必死で争わなければならないことが分かっている。だから総合勢はよりリスクのない走りを心がけるようになったと思う。スプリントで争っても意味がないからね。
ログリッチとヴィンゲゴーをアシストする際の違いについて話すセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
2人は違ったタイプの選手だが、どちらも共通して常に冷静だ。2人とも多くを求めてこないし、それは彼らがチームを信頼しているからだろう。どちらも良い人間性のある選手で親しみやすい。また、僕に対する要求も特にしてこないんだ。
翌日の山頂フィニッシュについて語るユンボ・ヴィスマのグリシャ・ニールマン監督
今日の目標は落車なくレースを終えることで、それを達成することができた。昨日落車したウィルコ(ケルデルマン)の体調も良く、それがチームにとってブーストとなった。
明日は選手たちの脚が試されるステージ。もちろん2日前(第3ステージ)でタフなステージを体験したが、フィニッシュする山岳は厳しい。だが明日のコースは、幸運にもプリモシュ(ログリッチ)が2019年に6位に入った馴染みあるコースだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
区間優勝&ポイント賞 カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
ブエルタという舞台で2日連続の勝利。しかも(オーストラリア人として初めて)マイヨプントスを着て勝つことができて素晴らしい気持ちだよ。今日もまたラウンドアバウトの多い混沌としたスプリントになった。風の影響で緊張感の高まる瞬間もあったが、素晴らしいチームのおかげで問題なく切り抜けることができた。途中の落車で2人のチームメイトを失ったものの、残ったリードアウトを務める仲間が勝利のお膳立てをしてくれた。
チームとして中間スプリントは狙いにいかないという方針だった。だが力を使わずとも狙えるのではと思い、2位通過することができた。
区間2位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
残り30km地点でG(ゲラント・トーマス)が「調子はどうだ?」と聞いてきたんだ。「長いステージだから多少の疲れはあるが、悪くはない」と答えたら、彼が「残り3km地点まで僕をアシストし、その後は自由に走れ」と言ってくれた。だから勝負に出たのだが、残り3.2km地点のラウンドアバウトで落車が発生し、番手を下げてしまった。だから集団前方に戻るために力を使わなくてはならなかった。
僕の目標はこのブエルタで一日一日を集中して走ること。そんな僕をGは大会の前からサポートしてくれた。だからこそ大きな目標を掲げる彼を僕もサポートしたい。まだ多くのステージが残っているので、次の機会があれば挑戦したい。
中間スプリントでボーナスタイムを加算したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
―いつから君はスプリンターになったんだ?(笑)
(中間スプリントの直前に)視線の右端でスプリントトレインを組むUAEが見えたんだ。また最初は3、2、1秒だと思ったボーナスタイムが6、4、2秒だと知り、スプリントする決め手となった。
今年のジロ・デ・イタリアではトーマスが総合で14秒差で敗れた。これで僕は17秒(正しくは16秒)をボーナスタイムで獲得したことになる。最も重要なものであるとは言えないまでも、これが勝負を分かつことも大いに考えられる。
今日のボーナスタイムはあまり力を使わずに獲得できたが、(山頂フィニッシュである明日の勝利は)そう簡単にはいかない。大きな逃げ集団との駆け引きになるだろうし、連日言っているようにマイヨロホを手放すチャンスがあるのであればそう望んでいる。ここまで良い調子で来ているので、この高いレベルを維持していきたい。
近年のレースの変化について語るゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
最近のレースは野性味を増した感がある。もちろん自転車やタイヤ、ウェアなどの進化によりスピードが上がったことも影響しているのだろう。だからこそコース上の障害物などの影響が大きくなる。昨日もそうだったが、プロトンが混沌と化するのは当然だろう。
―総合系の選手にとってトラブルなく走ることが難しくなっているか?
以前より緊張を強いられることは事実。少し前ならば(昨日のようなスプリントステージは)回復に努めるような日も、いまは最終盤に必死で争わなければならないことが分かっている。だから総合勢はよりリスクのない走りを心がけるようになったと思う。スプリントで争っても意味がないからね。
ログリッチとヴィンゲゴーをアシストする際の違いについて話すセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
2人は違ったタイプの選手だが、どちらも共通して常に冷静だ。2人とも多くを求めてこないし、それは彼らがチームを信頼しているからだろう。どちらも良い人間性のある選手で親しみやすい。また、僕に対する要求も特にしてこないんだ。
翌日の山頂フィニッシュについて語るユンボ・ヴィスマのグリシャ・ニールマン監督
今日の目標は落車なくレースを終えることで、それを達成することができた。昨日落車したウィルコ(ケルデルマン)の体調も良く、それがチームにとってブーストとなった。
明日は選手たちの脚が試されるステージ。もちろん2日前(第3ステージ)でタフなステージを体験したが、フィニッシュする山岳は厳しい。だが明日のコースは、幸運にもプリモシュ(ログリッチ)が2019年に6位に入った馴染みあるコースだ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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