2023/06/23(金) - 21:50
全日本選手権個人タイムトライアル女子エリート+U23は與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)が欠場する中、U23の石田唯(早稲田大学)が女子全体のトップで優勝。男子U23は寺田吉騎(シマノレーシング)が津田悠義(キナンレーシングチーム)を約8秒上回る僅差で優勝した。
全日本選手権最初の種目として行われた男子U23には15名が出走。ふたつのウェーブ(グループ)に分け、4周23.2kmで行われた。ウェット路面が残る難しい状況の中、第1ウェーブで暫定トップとなったのは津田悠義(キナンレーシングチーム)。7秒差で伊藤恭(群馬グリフィンレーシングチーム)が続いた。
第2ウェーブでも路面状況は変わらない中、昨年2位の神村泰輝(早稲田大学)がDHバーなしのノーマルバイクでスタート。1周目は津田のタイムを上回るペースで周回する。しかし2周目以降はペースが落ち、落車して大幅にタイムを失ってしまう。
一方、神村の前にスタートした寺田吉騎(シマノレーシング)が一定のペースを保って周回。後半に入っても崩すことなく走り切り、津田のタイムを7.8秒上回って優勝した。
今年シマノレーシングに加入した寺田は静岡県袋井出身。高校時代は水泳部に所属しながら自転車レースに出場していたが、その後自転車1本に絞ったと言う。
「優勝という結果には自分でも驚いています。静岡出身なので地元での勝利も嬉しいです。このコースは選ぶラインでスピードが乗りやすい箇所とそうでない箇所があるので、失速しないようにうまく走ることを心がけました。ウェーブ1の津田選手の走りを見て序盤に上げすぎると後半に垂れるようだと判ったので、前半は抑えめにして、後半に脚を残すよう走ったのが良かったと思います。
最初のラップの9分30秒のタイムでいい感触を掴みました。応援の「いいぞ」という声もよく届いて、気持ちを保てました。限界まで追い込まないよう後半まで残せるよう意識し、パワーメーターを見ながら限界値を超えないように走りました。
シーズンはじめにタイでの合宿に参加して距離を乗り込んだが、体調を崩して復帰に時間がかかってしまいました。3月にようやくライドを再開し、4月からチームに合流したが、この全日本選手権だけにターゲットを絞ってコンディションをもってこれました。
結果論ですがこのコースは下りを攻めるよりも登りでペースを落とさないように踏んだほうが良いと感じていたので、機材は、ジャイアントPROPELのノーマルバイク+TTハンドルをあえて選びましたが、その選択も良いほうに働いたと思います。インナーは使わず、坂もアウターのままローギア55×30Tで行けました」
女子エリート+U23は7名が出走予定だった。しかし與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)がスタート時間になっても姿を見せず、6名の出走となった。
U23の石田唯(早稲田大学)が、1周目からトップタイムを刻んで周回。ロードバイクは3週間ぶりに乗ったという垣田真穂(早稲田大学)が2位タイムで続くが、差は徐々に開いていく。垣田は落車によりさらにタイムを失い、石田が2分近い差をつけて優勝した。
「アップダウンで踏みすぎないようにパワーメーターで出力を見ながら一定のペースで走るように心がけました。後半はキツかったけれど前の選手が見えていたので、気持ちを切らさずに踏むことができました。最終周に垣田さんが転倒したのは知らなかったけれど、前に姿が見えたことが良いペースを保つことにつながりました。
ロードでナショナルチャンピオンのタイトルは取ったことがなかったので、まずは優勝することを目標にしていました。支えてくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
今シーズンは3月から本格的に強度を上げてトレーニングして、ここを一番の目標としてきました。TTの割にはアップダウンが厳しいコースなので、追い込んで一度タレてしまうと戻せないと思っていたので、しっかりパワーメーターで出力をチェックしながら走ることを意識しました。一周目は余力を残して走ったのにトップに立てたのは予想外でしたが、調子が良いということは判ったので、後は出し切るだけだと思ってフィニッシュを目指しました。ロードでもアンダーで優勝できるよう頑張ります。
機材はノーマルバイクにTTバーをセット。ギア比もロードと同じ52/36 11-30Tです。選んだワケは学生ロードTTもあったためTTバイクの用意はあったが、このコースならロードバイクで走ったほうが有利だろうと思って2ヶ月前にはこの機材で行こうと決めていました。しかし念のためTTバイクも用意はしていました」
パラサイクリング
text:Satoru Kato
photo:Makoto AYANO, Yuichiro HOSODA, Satoru Kato
全日本選手権最初の種目として行われた男子U23には15名が出走。ふたつのウェーブ(グループ)に分け、4周23.2kmで行われた。ウェット路面が残る難しい状況の中、第1ウェーブで暫定トップとなったのは津田悠義(キナンレーシングチーム)。7秒差で伊藤恭(群馬グリフィンレーシングチーム)が続いた。
第2ウェーブでも路面状況は変わらない中、昨年2位の神村泰輝(早稲田大学)がDHバーなしのノーマルバイクでスタート。1周目は津田のタイムを上回るペースで周回する。しかし2周目以降はペースが落ち、落車して大幅にタイムを失ってしまう。
一方、神村の前にスタートした寺田吉騎(シマノレーシング)が一定のペースを保って周回。後半に入っても崩すことなく走り切り、津田のタイムを7.8秒上回って優勝した。
今年シマノレーシングに加入した寺田は静岡県袋井出身。高校時代は水泳部に所属しながら自転車レースに出場していたが、その後自転車1本に絞ったと言う。
「優勝という結果には自分でも驚いています。静岡出身なので地元での勝利も嬉しいです。このコースは選ぶラインでスピードが乗りやすい箇所とそうでない箇所があるので、失速しないようにうまく走ることを心がけました。ウェーブ1の津田選手の走りを見て序盤に上げすぎると後半に垂れるようだと判ったので、前半は抑えめにして、後半に脚を残すよう走ったのが良かったと思います。
最初のラップの9分30秒のタイムでいい感触を掴みました。応援の「いいぞ」という声もよく届いて、気持ちを保てました。限界まで追い込まないよう後半まで残せるよう意識し、パワーメーターを見ながら限界値を超えないように走りました。
シーズンはじめにタイでの合宿に参加して距離を乗り込んだが、体調を崩して復帰に時間がかかってしまいました。3月にようやくライドを再開し、4月からチームに合流したが、この全日本選手権だけにターゲットを絞ってコンディションをもってこれました。
結果論ですがこのコースは下りを攻めるよりも登りでペースを落とさないように踏んだほうが良いと感じていたので、機材は、ジャイアントPROPELのノーマルバイク+TTハンドルをあえて選びましたが、その選択も良いほうに働いたと思います。インナーは使わず、坂もアウターのままローギア55×30Tで行けました」
女子エリート+U23は7名が出走予定だった。しかし與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)がスタート時間になっても姿を見せず、6名の出走となった。
U23の石田唯(早稲田大学)が、1周目からトップタイムを刻んで周回。ロードバイクは3週間ぶりに乗ったという垣田真穂(早稲田大学)が2位タイムで続くが、差は徐々に開いていく。垣田は落車によりさらにタイムを失い、石田が2分近い差をつけて優勝した。
「アップダウンで踏みすぎないようにパワーメーターで出力を見ながら一定のペースで走るように心がけました。後半はキツかったけれど前の選手が見えていたので、気持ちを切らさずに踏むことができました。最終周に垣田さんが転倒したのは知らなかったけれど、前に姿が見えたことが良いペースを保つことにつながりました。
ロードでナショナルチャンピオンのタイトルは取ったことがなかったので、まずは優勝することを目標にしていました。支えてくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
今シーズンは3月から本格的に強度を上げてトレーニングして、ここを一番の目標としてきました。TTの割にはアップダウンが厳しいコースなので、追い込んで一度タレてしまうと戻せないと思っていたので、しっかりパワーメーターで出力をチェックしながら走ることを意識しました。一周目は余力を残して走ったのにトップに立てたのは予想外でしたが、調子が良いということは判ったので、後は出し切るだけだと思ってフィニッシュを目指しました。ロードでもアンダーで優勝できるよう頑張ります。
機材はノーマルバイクにTTバーをセット。ギア比もロードと同じ52/36 11-30Tです。選んだワケは学生ロードTTもあったためTTバイクの用意はあったが、このコースならロードバイクで走ったほうが有利だろうと思って2ヶ月前にはこの機材で行こうと決めていました。しかし念のためTTバイクも用意はしていました」
パラサイクリング
text:Satoru Kato
photo:Makoto AYANO, Yuichiro HOSODA, Satoru Kato
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