2023/06/27(火) - 16:00
東京サンエスがワンバイエスのチタンフレーム"JFF Ti V2"をリリースした。加工が難しいチタンフレームの複雑な造形を実現し、快適な走行性能を確保した第2世代オールラウンドロードバイクを紹介しよう。
ワンバイエス JFF Ti V2 (c)東京サンエス
多岐にわたるオリジナル製品開発でエンスーなサイクリストから絶大な支持を集める東京サンエス。新製品のアナウンスを心待ちにするファンも多く、刊行されるカタログは一つの読み物としても人気を博しているほど。人々の心を掴む理由は東京サンエスがトレンドを追うのではなく、自らが必要と感じている物を真摯に開発を続けているから。時には時代の一歩先を進み、ローンチから数年後にマーケットが追いつくことも珍しくない。
例えば、ステムクランプからライズ、バックスイープ、フレアしたドロップハンドルはグラベルシーンで当たり前の存在となっているが、その兆候が見え隠れしていた2015年の段階でVeno ボーダレスカーボンハンドルバーとして東京サンエスはリリースした。このアイデア力こそが東京サンエスの魅力を生み出す源泉となっている。開発にまつわるストーリーはぜひこちらの記事を読んでもらいたい。
表面は輝く仕上げで、ロゴはマット (c)東京サンエス 
各チューブがオーバル形状とされている (c)東京サンエス
溶接痕が整えられている (c)東京サンエス 
非常に複雑な曲線を描くチェーンステー (c)東京サンエス
そんな東京サンエスは自転車"JFF"シリーズの開発にも余念がない。レジェンドサイクリスト辻浦圭一氏と共に作り上げたワンバイエスのシクロクロスバイクから、日本での自転車遊びにフォーカスしたオールラウンド・ロードバイクまで開発を行い、国内のサイクリストのニーズに応えられるラインアップを形成している。
2020年にはブランド初となるチタン素材を活用したフレーム"JFF Ti"をリリース。リアエンド側が過剛性になりがちな金属フレームのスルーアクスル＋フラットマウント・ディスクブレーキ仕様のロードバイクでも、チタン素材特有の振動減衰能力によってながら快適な自転車を作り上げた。
この自転車でJFFフレームのポリシーである「心地よい＝快適な感触」を実現していたが、東京サンエスの開発の手が止まることはなかった。チタンでもクロモリのようにチューブを複雑に加工することで、さらなる快適性、JFFらしさの実現を目指すことになったが、加工が難しいチタン素材で複雑な造形を実現することは難しいとして制作工場の社長から断られ続けたという。
OBS-RBD1.25THフォークを装備したJFF Ti V2 (c)東京サンエス
OBS-CBD1.25THフォークを装備したJFF Ti V2 (c)東京サンエス
しかし技術者でもある制作会社の社長が東京サンエスの理想を実現するべくチタン加工にチャレンジし、見事に強度安全性を確保した状態で新たなチタンフレームの製造に成功。東京サンエスの理想と技術者のプライドの結晶として実現することとなった。
JFF TiV2として生まれた新型チタンフレームは、どのチューブも考え抜かれた形状が施されている。チェーンステーはクロモリよりもアグレッシブな扁平形状でシートステーも楕円形状とすることで、自転車後方の路面追従性と快適性を確保。他にも走行性能を向上させるための設計が散りばめられているため、実車を隈なくチェックすることが楽しみとなる1台に仕上げられているはずだ。
またフレームの走行性能だけではなく、フェンダーアイレットやケーブルの取り回しなど使い勝手に関わる部分もしっかりと作り込まれている。タイヤクリアランスは最大で35C、フェンダー装着時で28Cとロードバイクとしてのカスタマイズの幅を確保した。
CBD1.25THに太いタイヤをセットすることも可能 (c)東京サンエス
今作では2種類のフォークを選択できることも大きなポイントだ。一つはデュアルオフセットのロード系OBS-RBD1.25THフォークで、もう一つがシクロクロス系のOBS-CBD1.25THフォーク。この二つは肩下寸法が異なり、それぞれをアセンブルした時のジオメトリーや推奨タイヤサイズが変化する。
簡単に説明するとロード系はロードらしい28C程度のタイヤサイズが適しており、ジオメトリーも前傾姿勢がフィットする。シクロクロス系は30Cや32C程度のタイヤに向いており、ポジションも若干アップライトとなるオフロードも安定して走らせられるバイクとなる。この選択肢によってライダーの指向に合わせてバイクを組み上げることが可能となるため、バイクとのミスマッチも少なくなるだろう。プロショップで相談しながらバイクの仕様を決める時も楽しいひとときとなるはずだ。
コンポーネントは電動と機械式どちらにも対応しており、シートポスト径は27.2mm。フレーム重量は約1483g（510）。価格はロード系フォークセットで424,600円（税込）、シクロクロス系フォークセットで415,800円（税込）。7月8日より順次発売開始だ。
ワンバイエス JFF Ti V2
フレーム：3A 2.5V チタン シームレスチューブ（ダウンチューブ：トリプルバテッド・トップチューブ/シートチューブ：ダブルバテッド）
サイズ（SL）：455・490・510・530・550mm
カラー：ブライトチタン
シートポスト径：27.2mm
Fメカバンド径：31.8mm
BBシェル幅：68mm
フレーム重量：約1483g（510mm フレームのみ、装備付属品なし）
フォーク重量/OBS-RBD1.25TH：約480g
フォーク重量/OBS-CBD1.25TH：約478g
フレーム＆OBS-RBD1.25TH（ロード系フォーク）：424,600円（税込）
フレーム＆OBS-CBD1.25TH（シクロクロス系フォーク）：415,800円（税込）
多岐にわたるオリジナル製品開発でエンスーなサイクリストから絶大な支持を集める東京サンエス。新製品のアナウンスを心待ちにするファンも多く、刊行されるカタログは一つの読み物としても人気を博しているほど。人々の心を掴む理由は東京サンエスがトレンドを追うのではなく、自らが必要と感じている物を真摯に開発を続けているから。時には時代の一歩先を進み、ローンチから数年後にマーケットが追いつくことも珍しくない。
例えば、ステムクランプからライズ、バックスイープ、フレアしたドロップハンドルはグラベルシーンで当たり前の存在となっているが、その兆候が見え隠れしていた2015年の段階でVeno ボーダレスカーボンハンドルバーとして東京サンエスはリリースした。このアイデア力こそが東京サンエスの魅力を生み出す源泉となっている。開発にまつわるストーリーはぜひこちらの記事を読んでもらいたい。
そんな東京サンエスは自転車"JFF"シリーズの開発にも余念がない。レジェンドサイクリスト辻浦圭一氏と共に作り上げたワンバイエスのシクロクロスバイクから、日本での自転車遊びにフォーカスしたオールラウンド・ロードバイクまで開発を行い、国内のサイクリストのニーズに応えられるラインアップを形成している。
2020年にはブランド初となるチタン素材を活用したフレーム"JFF Ti"をリリース。リアエンド側が過剛性になりがちな金属フレームのスルーアクスル＋フラットマウント・ディスクブレーキ仕様のロードバイクでも、チタン素材特有の振動減衰能力によってながら快適な自転車を作り上げた。
この自転車でJFFフレームのポリシーである「心地よい＝快適な感触」を実現していたが、東京サンエスの開発の手が止まることはなかった。チタンでもクロモリのようにチューブを複雑に加工することで、さらなる快適性、JFFらしさの実現を目指すことになったが、加工が難しいチタン素材で複雑な造形を実現することは難しいとして制作工場の社長から断られ続けたという。
しかし技術者でもある制作会社の社長が東京サンエスの理想を実現するべくチタン加工にチャレンジし、見事に強度安全性を確保した状態で新たなチタンフレームの製造に成功。東京サンエスの理想と技術者のプライドの結晶として実現することとなった。
JFF TiV2として生まれた新型チタンフレームは、どのチューブも考え抜かれた形状が施されている。チェーンステーはクロモリよりもアグレッシブな扁平形状でシートステーも楕円形状とすることで、自転車後方の路面追従性と快適性を確保。他にも走行性能を向上させるための設計が散りばめられているため、実車を隈なくチェックすることが楽しみとなる1台に仕上げられているはずだ。
またフレームの走行性能だけではなく、フェンダーアイレットやケーブルの取り回しなど使い勝手に関わる部分もしっかりと作り込まれている。タイヤクリアランスは最大で35C、フェンダー装着時で28Cとロードバイクとしてのカスタマイズの幅を確保した。
今作では2種類のフォークを選択できることも大きなポイントだ。一つはデュアルオフセットのロード系OBS-RBD1.25THフォークで、もう一つがシクロクロス系のOBS-CBD1.25THフォーク。この二つは肩下寸法が異なり、それぞれをアセンブルした時のジオメトリーや推奨タイヤサイズが変化する。
簡単に説明するとロード系はロードらしい28C程度のタイヤサイズが適しており、ジオメトリーも前傾姿勢がフィットする。シクロクロス系は30Cや32C程度のタイヤに向いており、ポジションも若干アップライトとなるオフロードも安定して走らせられるバイクとなる。この選択肢によってライダーの指向に合わせてバイクを組み上げることが可能となるため、バイクとのミスマッチも少なくなるだろう。プロショップで相談しながらバイクの仕様を決める時も楽しいひとときとなるはずだ。
コンポーネントは電動と機械式どちらにも対応しており、シートポスト径は27.2mm。フレーム重量は約1483g（510）。価格はロード系フォークセットで424,600円（税込）、シクロクロス系フォークセットで415,800円（税込）。7月8日より順次発売開始だ。
ワンバイエス JFF Ti V2
フレーム：3A 2.5V チタン シームレスチューブ（ダウンチューブ：トリプルバテッド・トップチューブ/シートチューブ：ダブルバテッド）
サイズ（SL）：455・490・510・530・550mm
カラー：ブライトチタン
シートポスト径：27.2mm
Fメカバンド径：31.8mm
BBシェル幅：68mm
フレーム重量：約1483g（510mm フレームのみ、装備付属品なし）
フォーク重量/OBS-RBD1.25TH：約480g
フォーク重量/OBS-CBD1.25TH：約478g
フレーム＆OBS-RBD1.25TH（ロード系フォーク）：424,600円（税込）
フレーム＆OBS-CBD1.25TH（シクロクロス系フォーク）：415,800円（税込）
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