2023/05/30(火) - 19:00
Mt.富士ヒルクライムなどを控え、GWは走りやすい気温でシーズン真っ只中。そんなGWに、クライマーが多く集う「都民の森」にて愛車の突撃取材を実施。全3編で、vol.1はヒルクライムイベントに参加するという4名のこだわりヒルクライムバイクを紹介していく。
猪ノ原諭さん ラピエール XELIUS SL EXCLUSIVE ティボー・ピノシグネチャーモデル
ズイフトチーム"NICO-OZ"の色鮮やかなチームジャージで駆け上がってきた、猪ノ原諭さん。自転車歴は10年で、ハルヒルのトレーニングのために都民の森を登ってきたという。愛車はラピエールの軽量オールラウンドモデル"XELIUS SL EXCLUSIVE"のティボー・ピノ(フランス)の限定カラー。
ハンドルはイーストン EC90のカーボンハンドル、ステムはTNIと軽量性を意識した組み合わせ。サドルにも軽量なTNI HYPERを使用している。更にサドルレールには激坂スポットとして名を馳せる「子ノ権現」の交通安全お守りが取り付けられていたあたり、筋金入りのクライマーであることが窺える。そんな猪ノ原さんにとって、ヒルクライムの魅力とは「頑張れば少しずつ速くなるのがわかるところ」なんだとか。
コンポーネントはシマノ ULTEGRA R8000シリーズのDI2で統一。ライデアの楕円チェーンリング"Lami-Flow ROAD Ring"が搭載される。スプロケットは軽量化のためにULTEGRAではなくDURA-ACEの12-28Tを使用しているというところも、妥協しない姿勢を感じるポイントだ。パワーメーターはペダル型のアシオマ DUOを愛用。
優れたコストパフォーマンスで人気を集めるカーボンホイールのLUN HYPERに組み合わせられるのは、「転がりが軽くて、気に入っています」というミシュランのレーシングクリンチャータイヤ 、POWER TIME TRIAL。使用しているインナーチューブも軽量なパナレーサー R’AIR。体重は57kg前後で、空気圧は5.5barでセッティングする。
岡本康寿さん ピナレロ DOGMA F
ハルヒルと富士ヒルのトレーニングのために都民の森にやってきたという、岡本康寿さん。愛車はシルバーカラーのピナレロ DOGMA F……だけでなく、なんと自宅にはブラック/レッドのDOGMA Fをもう一台所有しているというから驚きだ。
そしてこのシルバーのDOGMA Fも通常のフレームセットとはちょっと違う点が。1枚目の写真で分かった方はかなりのピナレロマニア。正解しても特に賞品はありませんが、SNSで自慢してもらってもいいですよ(笑)
さて、正解は……シートポスト!純正ではシルバーに塗装されているシートポストを、岡本さんはブラックのものに変更しているのだ。「シルバーで塗装されたシートポストが、シートの上げ下げで傷がつくのが嫌だったんですよ。なので、真っ黒なシートポストを追加で購入しました」と、DOGMA Fへの愛はとどまるところを知らない様子。
コンポーネントはシマノの最高峰、DURA-ACE R9270シリーズで統一。フロントが50-34T、リアが11-30Tの組み合わせでヒルクライム仕様の軽めのギア比にしているという。サドルは軽量なスペシャライズド S-WORKS POWERを使用し、BBにはスギノのセラミックBBを搭載するなど、重量はもちろん回転の軽さにもこだわっている。
「昨年の富士ヒルではブロンズを獲得したので、今年はシルバーを狙っていきたいと思います」と意気込みを語ってくれた岡本さん。このPLUTONIUM FLASHカラーのDOGMA Fにピッタリな富士ヒルの完走リングがこの週末に待っているハズ!
藤森貴行さん サーヴェロ Caledonia-5
富士ヒルと乗鞍のトレーニングのため、ライド仲間(次に登場するアラハタさん)と都民の森を登ってきたという、藤森貴行さん。愛車は購入して1ヶ月と納車したての綺麗なホワイトが眩しい、サーヴェロの「モダンロード」である"Caledonia-5"。 「『ピュアなレースバイクであるSシリーズやRシリーズは固すぎるよ』と行きつけのショップでアドバイスしてもらったんです。そこで薦められたのがCaledoniaでした。実際、フレームはちょうど良い剛性感で乗っていて疲れないですし、登りもこなせるので気に入っています」と満足げな様子。
コンポーネントはシマノ DURA-ACE R9270シリーズで、パワーメーターもシマノのFC-R9200-P。ギア比はフロントが50-34T、リアは11-34Tと、最小ギア比は1:1。登りに目一杯寄せたセッティングで、「Caledoniaでヒルクライムも走る気満々です!」と藤森さん。
足回りはDURA-ACE C36 TLカーボンホイールとコンチネンタル GRAND PRIX 5000S TR。タイヤクリアランスに余裕のあるCaledoniaだが、タイヤ幅は25Cと軽快感を狙ったレーシーな組み合わせ。サドルはテストモデルを使って、好印象だったというフィジーク ARGO VENTO R1 ADAPTIVEが装着されていた。
「昨年の富士ヒルが78分50秒でブロンズだったので、今回はシルバーの記録を出したいですね。特に今年は新車にしましたし、新たな相棒と共に頑張りたいです!」と今週末に迫った富士ヒルへの抱負を話してくれた。
アラハタさん キャノンデール SuperSix
上記の藤森さんと共に富士ヒルに参加するために都民の森にやってきたのが自転車歴20年を超える大ベテランのアラハタさん。今回はロードで登ってこられましたが、実際はMTBの方が好きらしく、長距離のXCマラソンイベントとして知られる王滝に参加しているマウンテンバイカーである。そんなアラハタさんの愛車はキャノンデールの軽量オールラウンドバイク"であるSuperSix"だ。
富士ヒルクライムへも参加するとのことですが、「自転車には楽しく乗り続けることが大切だと思っています。富士ヒルにも参加しますが、タイムはあまり気にしていなくて(笑)。仲間の藤森さんについて行って楽しく登りきることができれば良いですね!」とベテランの貫禄を感じるコメントを頂いた。
カスタムのポイントはバーテープやクランク取付ボルト、スプロケット、ローターのロックリング、ボトルケージのチタンボルト、バルブキャップなど、至る所にアラハタさんのラッキーカラーである紫色のパーツを採用している点。また、サドルには弱虫ペダルでキャノンデールに乗る手島純太(総北高校)のストラップが取り付けていた。「弱虫ペダルのアニメは好きなので、トレックに乗っていた時は総北の金城さんのストラップをサドルにつけていました」と、愛車に合わせたキャラチョイスを重視しているとのこと。
コンポーネントはGRXと105のミックス構成。フロントが40Tで、リアが11-42Tというグラベルライクな歯数構成もこだわりポイント。「フロントの変速をするのが嫌いだからフロントシングルにしています」とMTB乗りらしさ溢れるカスタムだ。「今はヒルクライム仕様なので、富士ヒルが終わったらフロントを44Tにしようかなと思っています」と、走るシーンに合わせたギア板を用意しているのも、ベテランならでは。
text:Michinari TAKAGI
photo:So Isobe
猪ノ原諭さん ラピエール XELIUS SL EXCLUSIVE ティボー・ピノシグネチャーモデル
ズイフトチーム"NICO-OZ"の色鮮やかなチームジャージで駆け上がってきた、猪ノ原諭さん。自転車歴は10年で、ハルヒルのトレーニングのために都民の森を登ってきたという。愛車はラピエールの軽量オールラウンドモデル"XELIUS SL EXCLUSIVE"のティボー・ピノ(フランス)の限定カラー。
ハンドルはイーストン EC90のカーボンハンドル、ステムはTNIと軽量性を意識した組み合わせ。サドルにも軽量なTNI HYPERを使用している。更にサドルレールには激坂スポットとして名を馳せる「子ノ権現」の交通安全お守りが取り付けられていたあたり、筋金入りのクライマーであることが窺える。そんな猪ノ原さんにとって、ヒルクライムの魅力とは「頑張れば少しずつ速くなるのがわかるところ」なんだとか。
コンポーネントはシマノ ULTEGRA R8000シリーズのDI2で統一。ライデアの楕円チェーンリング"Lami-Flow ROAD Ring"が搭載される。スプロケットは軽量化のためにULTEGRAではなくDURA-ACEの12-28Tを使用しているというところも、妥協しない姿勢を感じるポイントだ。パワーメーターはペダル型のアシオマ DUOを愛用。
優れたコストパフォーマンスで人気を集めるカーボンホイールのLUN HYPERに組み合わせられるのは、「転がりが軽くて、気に入っています」というミシュランのレーシングクリンチャータイヤ 、POWER TIME TRIAL。使用しているインナーチューブも軽量なパナレーサー R’AIR。体重は57kg前後で、空気圧は5.5barでセッティングする。
岡本康寿さん ピナレロ DOGMA F
ハルヒルと富士ヒルのトレーニングのために都民の森にやってきたという、岡本康寿さん。愛車はシルバーカラーのピナレロ DOGMA F……だけでなく、なんと自宅にはブラック/レッドのDOGMA Fをもう一台所有しているというから驚きだ。
そしてこのシルバーのDOGMA Fも通常のフレームセットとはちょっと違う点が。1枚目の写真で分かった方はかなりのピナレロマニア。正解しても特に賞品はありませんが、SNSで自慢してもらってもいいですよ(笑)
さて、正解は……シートポスト!純正ではシルバーに塗装されているシートポストを、岡本さんはブラックのものに変更しているのだ。「シルバーで塗装されたシートポストが、シートの上げ下げで傷がつくのが嫌だったんですよ。なので、真っ黒なシートポストを追加で購入しました」と、DOGMA Fへの愛はとどまるところを知らない様子。
コンポーネントはシマノの最高峰、DURA-ACE R9270シリーズで統一。フロントが50-34T、リアが11-30Tの組み合わせでヒルクライム仕様の軽めのギア比にしているという。サドルは軽量なスペシャライズド S-WORKS POWERを使用し、BBにはスギノのセラミックBBを搭載するなど、重量はもちろん回転の軽さにもこだわっている。
「昨年の富士ヒルではブロンズを獲得したので、今年はシルバーを狙っていきたいと思います」と意気込みを語ってくれた岡本さん。このPLUTONIUM FLASHカラーのDOGMA Fにピッタリな富士ヒルの完走リングがこの週末に待っているハズ!
藤森貴行さん サーヴェロ Caledonia-5
富士ヒルと乗鞍のトレーニングのため、ライド仲間(次に登場するアラハタさん)と都民の森を登ってきたという、藤森貴行さん。愛車は購入して1ヶ月と納車したての綺麗なホワイトが眩しい、サーヴェロの「モダンロード」である"Caledonia-5"。 「『ピュアなレースバイクであるSシリーズやRシリーズは固すぎるよ』と行きつけのショップでアドバイスしてもらったんです。そこで薦められたのがCaledoniaでした。実際、フレームはちょうど良い剛性感で乗っていて疲れないですし、登りもこなせるので気に入っています」と満足げな様子。
コンポーネントはシマノ DURA-ACE R9270シリーズで、パワーメーターもシマノのFC-R9200-P。ギア比はフロントが50-34T、リアは11-34Tと、最小ギア比は1:1。登りに目一杯寄せたセッティングで、「Caledoniaでヒルクライムも走る気満々です!」と藤森さん。
足回りはDURA-ACE C36 TLカーボンホイールとコンチネンタル GRAND PRIX 5000S TR。タイヤクリアランスに余裕のあるCaledoniaだが、タイヤ幅は25Cと軽快感を狙ったレーシーな組み合わせ。サドルはテストモデルを使って、好印象だったというフィジーク ARGO VENTO R1 ADAPTIVEが装着されていた。
「昨年の富士ヒルが78分50秒でブロンズだったので、今回はシルバーの記録を出したいですね。特に今年は新車にしましたし、新たな相棒と共に頑張りたいです!」と今週末に迫った富士ヒルへの抱負を話してくれた。
アラハタさん キャノンデール SuperSix
上記の藤森さんと共に富士ヒルに参加するために都民の森にやってきたのが自転車歴20年を超える大ベテランのアラハタさん。今回はロードで登ってこられましたが、実際はMTBの方が好きらしく、長距離のXCマラソンイベントとして知られる王滝に参加しているマウンテンバイカーである。そんなアラハタさんの愛車はキャノンデールの軽量オールラウンドバイク"であるSuperSix"だ。
富士ヒルクライムへも参加するとのことですが、「自転車には楽しく乗り続けることが大切だと思っています。富士ヒルにも参加しますが、タイムはあまり気にしていなくて(笑)。仲間の藤森さんについて行って楽しく登りきることができれば良いですね!」とベテランの貫禄を感じるコメントを頂いた。
カスタムのポイントはバーテープやクランク取付ボルト、スプロケット、ローターのロックリング、ボトルケージのチタンボルト、バルブキャップなど、至る所にアラハタさんのラッキーカラーである紫色のパーツを採用している点。また、サドルには弱虫ペダルでキャノンデールに乗る手島純太(総北高校)のストラップが取り付けていた。「弱虫ペダルのアニメは好きなので、トレックに乗っていた時は総北の金城さんのストラップをサドルにつけていました」と、愛車に合わせたキャラチョイスを重視しているとのこと。
コンポーネントはGRXと105のミックス構成。フロントが40Tで、リアが11-42Tというグラベルライクな歯数構成もこだわりポイント。「フロントの変速をするのが嫌いだからフロントシングルにしています」とMTB乗りらしさ溢れるカスタムだ。「今はヒルクライム仕様なので、富士ヒルが終わったらフロントを44Tにしようかなと思っています」と、走るシーンに合わせたギア板を用意しているのも、ベテランならでは。
text:Michinari TAKAGI
photo:So Isobe
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