2023/05/25(木) - 20:49
ツアー・オブ・ジャパン信州飯田ステージは、序盤に形成された先頭集団が逃げ切り、その中から岡篤志(JCLチーム右京)が最後に抜け出して優勝。リーダージャージを含むメイン集団は2分以上遅れたため、岡が総合首位に立った。

小学生の手作り応援バナー photo:Satoru Kato 
飯田名物「焼肉コーナー」が復活 photo:Satoru Kato

飯田市出身の山田拓海(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)の応援バナー photo:Satoru Kato 
地元の幼稚園児が応援 この中から将来の選手が出るかも? photo:Satoru Kato
ツアー・オブ・ジャパン第5ステージは、長野県飯田市でのレース。飯田市を南北に流れる天竜川の東側の山間部に設定された1周10.8kmを、パレードランを含め10周する120.9kmで行われる。昨年から周回コース内の下久堅小学校前がスタート・フィニッシュ地点となり、残り300mは若干の登りフィニッシュに改められた。また、1級山岳に指定される山岳賞が3回設定され、全て1位通過することで21ポイントを獲得出来る。僅差の山岳賞争いの行方も注目された。

各賞ジャージを先頭にパレードスタート photo:Satoru Kato
この日の飯田市の朝は肌寒さを感じるほどだったが、レースがスタートした午前10時頃には日差しが強まって気温が上昇。とは言え、前半戦のような夏を思わせるほどの暑さにはならず、涼しい風を感じる中でのレースとなった。

1周目、リーダージャージのルーク・ランパーティー(トリニティレーシング)自らが先頭で動く photo:Satoru Kato

1周目、先行した集団を追う岡篤志(JCLチーム右京) photo:Satoru Kato
リアルスタート直後から、リーダージャージのルーク・ランパーティー(トリニティレーシング)も加わってのアタック合戦が始まる。1周目から集団が分裂しかけたものの再びひとつになり、2周目にも先行する集団が形成されたが吸収される。

4周目までに10名となった先頭集団 photo:Satoru Kato
3周目、1回目の山岳賞に向けてレオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島)が単独先行し、頂上を先頭で通過する。この動きをきっかけに8名の先頭集団が形成され、4周目に2名が追いついて10名となる。メンバーは以下の通り。
岡篤志(JCLチーム右京)
ジェイス・イワート(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)
ライアン・カバナ、山本元喜(以上キナンレーシングチーム)
ディーン・ハーヴィー(トリニティレーシング)
フェリックス・スティリ(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
今村駿介、兒島直樹(以上チームブリヂストンサイクリング)
レオネル・キンテロ・アルテアガ、カーター・ベトルス(以上ヴィクトワール広島)
メイン集団は積極的に主導権を握るチームが無いこともあってか、先頭集団との差は6周目に4分以上つく。

レース中盤、一列になって登り区間を進むメイン集団 photo:Satoru Kato

5周目、2回目の山岳賞をレオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)と兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が競り合う photo:Satoru Kato
先頭集団では山岳賞争いが加熱。キンテロが3回の山岳賞を全て先頭通過で21ポイント獲得する。対して山岳賞ジャージの兒島は1回目を4位通過、2回目を2位通過で計29ポイントとしてかろうじてジャージを守るも、キンテロが8ポイント差の2位に迫ることに。

残り2周、先頭集団の8名でアタック合戦が始まる photo:Satoru Kato
レース終盤に入り、先頭集団から兒島と今村が遅れて8名となるものの、メイン集団との差は縮まらない。最終周回に入ってやっと4分未満の差になったものの、先頭集団に追いつく勢いはない。勝負は8名に絞られた。

抜け出してきた岡篤志(JCLチーム右京)が勝利を確信 photo:Satoru Kato

天を仰いでフィニッシュする岡篤志(JCLチーム右京) photo:Satoru Kato
「カーター(・ベトルス)選手が脚を残していたので絶対逃さないようにして、スプリントなら勝てる自信があったので落ち着いて勝負出来た」と言う岡が、1人抜け出して残り200mに現れる。残り100mを切ると勝利を確信して何度もガッツポーズ。前日に亡くなったという祖父へ捧げたか、天を仰いでフィニッシュラインを越えた。

水引の冠とリーダージャージを身につけた岡篤志(JCLチーム右京) photo:Satoru Kato
岡篤志 コメント
「最後に後ろから行かれるのが嫌だったので、あえて最後尾に陣取っていた。ラスト1kmあたりでカーター選手が早駆けしたけれど、残ったメンバーにスプリンターがいなかったので皆自分の脚を使って追っていった。途中、間が開いたのでトリニティの選手が詰めようとしたけれど詰められず、トレンガヌの選手が詰め切ったところで自分が仕掛けた。残り300mを切って、思い切り踏んだら後ろが離れた。

飯田恒例のシードルファイト photo:Satoru Kato
今大会の序盤はまだコンディションが上がってなくてアシストの役目を果たしてきた。チーム内では自分はスプリンター寄りとされているとは言え、うまく走ればここで勝てると思っていた。チームとしてはメイン集団のメンバーで勝負の作戦だったので、タイム差が開いたところで引くなと指示されていたけれど、途中から何も言われなくなったので、チャンスが巡ってきたと思った。明日の富士山でどれだけ粘れるかにかかるが、全力を尽くしたい」

ポイント賞を守ったルーク・ランパーティー(トリニティレーシング) photo:Satoru Kato 
山岳賞を守った兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato
明日5月26日は、ツアー・オブ・ジャパンのクイーンステージとなる富士山。ふじあざみラインの登り1本勝負で、今大会の総合優勝の行方が見えてくるだろう。昨年の富士山で圧倒的な強さを見せたネイサン・アール(JCLチーム右京)や、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)は、ここまで目立った動きを見せていない。富士山に備えているのか、あるいは伏兵が現れるのか?注目したい。




ツアー・オブ・ジャパン第5ステージは、長野県飯田市でのレース。飯田市を南北に流れる天竜川の東側の山間部に設定された1周10.8kmを、パレードランを含め10周する120.9kmで行われる。昨年から周回コース内の下久堅小学校前がスタート・フィニッシュ地点となり、残り300mは若干の登りフィニッシュに改められた。また、1級山岳に指定される山岳賞が3回設定され、全て1位通過することで21ポイントを獲得出来る。僅差の山岳賞争いの行方も注目された。

この日の飯田市の朝は肌寒さを感じるほどだったが、レースがスタートした午前10時頃には日差しが強まって気温が上昇。とは言え、前半戦のような夏を思わせるほどの暑さにはならず、涼しい風を感じる中でのレースとなった。


リアルスタート直後から、リーダージャージのルーク・ランパーティー(トリニティレーシング)も加わってのアタック合戦が始まる。1周目から集団が分裂しかけたものの再びひとつになり、2周目にも先行する集団が形成されたが吸収される。

3周目、1回目の山岳賞に向けてレオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島)が単独先行し、頂上を先頭で通過する。この動きをきっかけに8名の先頭集団が形成され、4周目に2名が追いついて10名となる。メンバーは以下の通り。
岡篤志(JCLチーム右京)
ジェイス・イワート(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)
ライアン・カバナ、山本元喜(以上キナンレーシングチーム)
ディーン・ハーヴィー(トリニティレーシング)
フェリックス・スティリ(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)
今村駿介、兒島直樹(以上チームブリヂストンサイクリング)
レオネル・キンテロ・アルテアガ、カーター・ベトルス(以上ヴィクトワール広島)
メイン集団は積極的に主導権を握るチームが無いこともあってか、先頭集団との差は6周目に4分以上つく。


先頭集団では山岳賞争いが加熱。キンテロが3回の山岳賞を全て先頭通過で21ポイント獲得する。対して山岳賞ジャージの兒島は1回目を4位通過、2回目を2位通過で計29ポイントとしてかろうじてジャージを守るも、キンテロが8ポイント差の2位に迫ることに。

レース終盤に入り、先頭集団から兒島と今村が遅れて8名となるものの、メイン集団との差は縮まらない。最終周回に入ってやっと4分未満の差になったものの、先頭集団に追いつく勢いはない。勝負は8名に絞られた。


「カーター(・ベトルス)選手が脚を残していたので絶対逃さないようにして、スプリントなら勝てる自信があったので落ち着いて勝負出来た」と言う岡が、1人抜け出して残り200mに現れる。残り100mを切ると勝利を確信して何度もガッツポーズ。前日に亡くなったという祖父へ捧げたか、天を仰いでフィニッシュラインを越えた。

岡篤志 コメント
「最後に後ろから行かれるのが嫌だったので、あえて最後尾に陣取っていた。ラスト1kmあたりでカーター選手が早駆けしたけれど、残ったメンバーにスプリンターがいなかったので皆自分の脚を使って追っていった。途中、間が開いたのでトリニティの選手が詰めようとしたけれど詰められず、トレンガヌの選手が詰め切ったところで自分が仕掛けた。残り300mを切って、思い切り踏んだら後ろが離れた。

今大会の序盤はまだコンディションが上がってなくてアシストの役目を果たしてきた。チーム内では自分はスプリンター寄りとされているとは言え、うまく走ればここで勝てると思っていた。チームとしてはメイン集団のメンバーで勝負の作戦だったので、タイム差が開いたところで引くなと指示されていたけれど、途中から何も言われなくなったので、チャンスが巡ってきたと思った。明日の富士山でどれだけ粘れるかにかかるが、全力を尽くしたい」


明日5月26日は、ツアー・オブ・ジャパンのクイーンステージとなる富士山。ふじあざみラインの登り1本勝負で、今大会の総合優勝の行方が見えてくるだろう。昨年の富士山で圧倒的な強さを見せたネイサン・アール(JCLチーム右京)や、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)は、ここまで目立った動きを見せていない。富士山に備えているのか、あるいは伏兵が現れるのか?注目したい。
ツアー・オブ・ジャパン 第5ステージ・信州飯田 結果(120.9km)
1位 | 岡 篤志(JCLチーム右京):3時間6分11秒 | |
2位 | ライアン・カバナ(オーストラリア、キナンレーシングチーム) | +5秒 |
3位 | ジェス・イワート(アイルランド、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム) | +7秒 |
4位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +10秒 |
5位 | ディーン・ハーヴィー(アイルランド、トリニティレーシング) | +13秒 |
6位 | フェリックス・スティリ(スイス、EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) | +21秒 |
7位 | 山本元喜(キナンレーシングチーム) | +1分23秒 |
8位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | +1分57秒 |
9位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | +2分27秒 |
10位 | 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) | +2分31秒 |
個人総合順位(第5ステージ終了時) | ||
1位 | 岡 篤志(JCLチーム右京):12時間16分7秒 | |
2位 | フェリックス・スティリ(スイス、EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) | +34秒 |
3位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +1分48秒 |
4位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | +2分13秒 |
5位 | ルーク・ランパーティ(アメリカ、トリニティレーシング) | +2分22秒 |
6位 | ジャンバルジャムツ・セインベヤール(モンゴル、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム) | +2分34秒 |
ポイント賞(第5ステージ終了時) | ||
1位 | ルーク・ランパーティー(アメリカ、トリニティレーシグ) | 72p |
2位 | 岡 篤志(JCLチーム右京) | 60p |
3位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | 53p |
山岳賞(第5ステージ終了時) | ||
1位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) | 29p |
2位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | 21p |
2位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | 15p |
チーム総合成績(第5ステージ終了時) | ||
1位 | キナンレーシングチーム | 36時間53分20秒 |
2位 | JCLチーム右京 | +36秒 |
3位 | トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム | +52秒 |
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