2023/05/07(日) - 12:00
モビスターによる横風分断作戦が成功したラ・ブエルタ・フェメニーナ第6ステージ。接戦スプリントをガイア・レアリーニ(イタリア、トレック・セガフレード)が制し、敗れたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が総合首位浮上を果たした。
最終日を翌日に控えたラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)は第6ステージ。その舞台となったのはスペイン北部の街カストロ・ウルディアレスからカンタブリア海沿岸を走り、内陸のラレドにフィニッシュする106.1km。コース後半に連続する、2つの2級山岳が勝負の分かれ目となった。
序盤に形成された逃げをすぐさま吸収したメイン集団に、大会3日目と同じく横風が襲いかかる。それを好機と見たモビスターがペースを上げた結果、前日勝者でマイヨロホを着るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が遅れを喫する。その後、先頭集団ではユンボ・ヴィスマとトレック・セガフレードも牽引に協力したため、フォレリングのいる第2集団との差が徐々に拡大していった。
最初の2級山岳に達した時点で、先頭とフォレリング・グループとの差は2分。フォレリングの集団復帰のため、力を使うSDワークスのアシスト陣が次々と遅れていく一方で、先頭ではファンフルーテンが自ら登りでペースを上げる。それにマビ・ガルシア(スペイン、リブレーシング・テックファインド)ら強力なクライマーたちが遅れ、先頭集団はジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)らを含む5名となった。
ファンフルーテンは最初の2級山岳頂上をトップ通過し、続く中間スプリントも先着して-6秒を獲得。そして2つ目の2級山岳に突入するとファンフルーテンは再び加速し、ガイア・レアリーニ(イタリア、トレック・セガフレード)以外を振り落とす。その1分45秒後方ではマーレン・ローセル(スイス、SDワークス)と共に、フォレリングが自ら16名の追走集団を率いて追走した。
フォレリングが集団に牽引の協力を訴え、それに応じたのは総合8位のカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)と3位のリーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)。しかしファンフルーテンとレアリーニのペースは速く、残り3km地点で1分18秒差と勝負あり。ブエルタ6日目の勝利は先頭の2人に絞られた。
ファンフルーテンが先頭のまま最終ストレートに突入し、先にレアリーニが腰を上げる。150cmと小柄な身体を目一杯に振りながらスプリントするレアリーニに対し、ここまで力を使ったファンフルーテンにいつものキレはない。そして両者が同時にハンドルを投げ、フィニッシュラインを通過。そして写真判定の結果、レアリーニに軍配が上がった。
21歳のレアリーニが世界王者ファンフルーテンを下して掴んだワールドツアー初勝利。「私にとっても、またチームにとっても最高の日になった。なんとかアネミエク(ファンフルーテン)の登坂アタックに食らいつくことができた。この勝利の喜びを表す言葉が見つからない」と感極まって言葉に詰まりながらも、レアリーニはその喜びを語った。
一方、勝利を逃しながらもフォレリングからマイヨロホを奪い取ったファンフルーテン。「横風区間に入り、監督が”皆準備はいいか?”と鼓舞してきた。だから仕掛け、皆素晴らしい走りを見せてくれた。登りで加速した私にレアリーニはついてきた。彼女はこのプロトンで最も脚のある選手ということ。だから最終日の明日が楽しみだ」と、笑顔で語った。
トップの2人から1分4秒遅れでやってきた追走集団は、ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJ・スエズ)が先着。追走も届かず5位だったフォレリングは、ファンフルーテンから1分11秒遅れの総合2位に沈んだ。
明日は超級山岳ラゴ・デ・コバドンガ(距離13.3km/平均6.8%)の頂上にフィニッシュするクイーンステージ。そこで最終的なマイヨロホの着用者が決定する。
最終日を翌日に控えたラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)は第6ステージ。その舞台となったのはスペイン北部の街カストロ・ウルディアレスからカンタブリア海沿岸を走り、内陸のラレドにフィニッシュする106.1km。コース後半に連続する、2つの2級山岳が勝負の分かれ目となった。
序盤に形成された逃げをすぐさま吸収したメイン集団に、大会3日目と同じく横風が襲いかかる。それを好機と見たモビスターがペースを上げた結果、前日勝者でマイヨロホを着るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が遅れを喫する。その後、先頭集団ではユンボ・ヴィスマとトレック・セガフレードも牽引に協力したため、フォレリングのいる第2集団との差が徐々に拡大していった。
最初の2級山岳に達した時点で、先頭とフォレリング・グループとの差は2分。フォレリングの集団復帰のため、力を使うSDワークスのアシスト陣が次々と遅れていく一方で、先頭ではファンフルーテンが自ら登りでペースを上げる。それにマビ・ガルシア(スペイン、リブレーシング・テックファインド)ら強力なクライマーたちが遅れ、先頭集団はジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM)らを含む5名となった。
ファンフルーテンは最初の2級山岳頂上をトップ通過し、続く中間スプリントも先着して-6秒を獲得。そして2つ目の2級山岳に突入するとファンフルーテンは再び加速し、ガイア・レアリーニ(イタリア、トレック・セガフレード)以外を振り落とす。その1分45秒後方ではマーレン・ローセル(スイス、SDワークス)と共に、フォレリングが自ら16名の追走集団を率いて追走した。
フォレリングが集団に牽引の協力を訴え、それに応じたのは総合8位のカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)と3位のリーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)。しかしファンフルーテンとレアリーニのペースは速く、残り3km地点で1分18秒差と勝負あり。ブエルタ6日目の勝利は先頭の2人に絞られた。
ファンフルーテンが先頭のまま最終ストレートに突入し、先にレアリーニが腰を上げる。150cmと小柄な身体を目一杯に振りながらスプリントするレアリーニに対し、ここまで力を使ったファンフルーテンにいつものキレはない。そして両者が同時にハンドルを投げ、フィニッシュラインを通過。そして写真判定の結果、レアリーニに軍配が上がった。
21歳のレアリーニが世界王者ファンフルーテンを下して掴んだワールドツアー初勝利。「私にとっても、またチームにとっても最高の日になった。なんとかアネミエク(ファンフルーテン)の登坂アタックに食らいつくことができた。この勝利の喜びを表す言葉が見つからない」と感極まって言葉に詰まりながらも、レアリーニはその喜びを語った。
一方、勝利を逃しながらもフォレリングからマイヨロホを奪い取ったファンフルーテン。「横風区間に入り、監督が”皆準備はいいか?”と鼓舞してきた。だから仕掛け、皆素晴らしい走りを見せてくれた。登りで加速した私にレアリーニはついてきた。彼女はこのプロトンで最も脚のある選手ということ。だから最終日の明日が楽しみだ」と、笑顔で語った。
トップの2人から1分4秒遅れでやってきた追走集団は、ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJ・スエズ)が先着。追走も届かず5位だったフォレリングは、ファンフルーテンから1分11秒遅れの総合2位に沈んだ。
明日は超級山岳ラゴ・デ・コバドンガ(距離13.3km/平均6.8%)の頂上にフィニッシュするクイーンステージ。そこで最終的なマイヨロホの着用者が決定する。
ラ・ブエルタ・フェメニーナ2023第6ステージ
1位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 2:49:23 |
2位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | |
3位 | ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJ・スエズ) | +1:04 |
4位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) | |
5位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | |
6位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブレーシング・テックファインド) | |
7位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJ・スエズ) | |
8位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
9位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | アネ・サンテステバン(スペイン、ジェイコ・アルウラー) |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 16:16:17 |
2位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | +1:11 |
3位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +1:23 |
4位 | ジュリエット・ラブー(フランス、チームDSM) | +1:58 |
5位 | マーレン・ローセル(スイス、SDワークス) | +2:11 |
6位 | オリヴィア・バリル(カナダ、UAEチームADQ) | +2:18 |
7位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +2:38 |
8位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブレーシング・テックファインド) | +2:39 |
9位 | エリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ) | |
10位 | リカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | +2:45 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) |
チーム総合成績 | UAEチームADQ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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