2023/04/10(月) - 10:00
チームメイトのアシストを受けたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)による圧巻の独走劇。ファンアールトのパンクという運も味方につけた28歳が、パリ〜ルーベを初制覇して石畳トロフィーを掲げた。
石畳クラシックの最終戦であるパリ〜ルーベ(UCIワールドツアー)が4月9日(日)に行われた。初開催が近代オリンピックと同じ1896年まで遡る歴史ある大会は今年で120回目を迎え、その過酷さゆえ「北の地獄」と呼ばれる。一大決戦には175名の選手たちが臨んだ。
気温16度で天候は晴れ。最初の2時間の平均速度が50.55kmに達する記録的なハイスピードで進行したレースは、スタートして80km地点、最初の石畳区間の10km手前でようやく4名の逃げ集団が成立する。そこにはヨナス・コッホ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やシュールト・バックス(オランダ、UAEチームエミレーツ)が入り、遅れて「バイクのハブに取り付け、ブルートゥースでタイヤ空気圧調整が可能な機材」を使用するニルス・エーコフ(オランダ、チームDSM)が合流を目指したものの、叶わずメイン集団に戻っている。
逃げとプロトンがいよいよ最初のパヴェ区間No.29 トロワヴィル〜アンシー」に突入すると、スーダル・クイックステップのカスパー・アスグリーン(デンマーク)とフロリアン・セネシャル(フランス)がパンクで集団から脱落する。更にペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)は2つ目のパヴェ区間で落車に巻き込まれ、骨折等はなかったもののレース復帰はできず。2018年大会の覇者が早々に現役最後のパリ〜ルーベを終えることとなった。
3人の優勝候補(ファンアールト、ラポルト、ファンバーレ)を擁するユンボ・ヴィスマが先導するプロトンでは、シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)やマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)らがメカトラでバイク交換をしながらも集団に復帰。そしてリアタイヤをパンクしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)も素早く集団に戻ると、ユンボが4つ星難易度のパヴェ区間「No.20 アブルイ〜ワレー」で早くも攻撃を仕掛けた。
クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)の加速からファンアールトも牽引に加わり、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やキュング、2015年大会を制したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)ら7名による精鋭グループが出来上がった。
7名はパリ〜ルーベを象徴するパヴェ区間「No.19 トゥルエ・アランベール」を迎える。一方で逃げと44秒差、ファンアールトの集団と26秒差で突入したメイン集団では昨年覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と、パンクから集団復帰したアスグリーンらが落車してしまう。2人はレースを去り、そのアランベールで加速したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が単騎ファンアールトたちへの合流を目指した。
逃げを吸収し、先頭グループとなったファンアールトたちの中ではラポルトのリアタイヤがパンクする。機材交換に手間取り大幅なタイムロスを喫したラポルトはチームメイトのナータン・ファンホーイドンク(ベルギー)と共に追走したものの、最後までファンアールトに追いつかず。勝負所でのアシストを担うことは叶わなかった。
ピーダスンやその後方を走っていたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)らが先頭集団に合流。13名中ファンアールトがチームメイト不在となった一方、ファンデルプールはヤスペル・フィリプセン、そしてグラベル世界選手権初代王者のジャンニ・フェルメールス(共にベルギー)という頼もしいチームメイトを得た。
下馬評ではチーム力で上回っていたファンアールトに対し、逆に数的優位な状況を得たファンデルプールは「No.12 オシー=レ=オルシ〜ベルシー(残り54.4km)」で最初のアタックを仕掛ける。シクロクロッサーならではのライン取りでコーナーを攻めるファンデルプールに、デゲンコルプが食らいつき、遅れてファンアールトも合流。しかし今年ミラノ〜サンレモを初制覇して勢いに乗るファンデルプールは、5つ星の「No.11 モン・アン・ペヴェル」で2度目の飛び出しを見せた。
マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)やローレンス・レックス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)らが遅れ、ファンデルプールによる3度目のアタックにより先頭集団は7名に絞られた。
先頭の7名
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)
この日最後の5つ星、「No.4 カルフール・ド・ラルブル」にフィリプセンを先頭に突入。ファンデルプールが再びペースアップしてフィリプセンを抜こうとした際、斜行したフィリプセンにファンデルプールが行き詰まり、その余波を受けたデゲンコルプが落車してしまう。ここまでファンデルプールのアタックに対し、唯一的確な対応を見せてきたデゲンコルプが重要な場面で脱落してしまった。
この混沌の最中でファンアールトが仕掛け、ファンデルプールが追従。長きに渡りライバル対決を続ける2人がレース先頭でローテーションを組んだものの、カルフール・ド・ラルブルが終わる直前にファンアールトがパンクの不運に襲われた。
パヴェ区間の直後に待ち受けていたチームスタッフによる素早いタイヤ交換を受けたファンアールト。ピーダスンとフィリプセンの追走集団に合流したものの、26秒先を逃げる単独先頭となったファンデルプールに、この後2度と追いつくことは叶わなかった。
落車のリスクを恐れることなく最短距離でコーナーを攻めるファンデルプールは「No.2 ヴィレム〜エム」と「No.1 ルーベ」をクリア。追走集団から飛び出したファンアールトにはフィリプセンがマークにつき、ファンデルプールはルーベ・ヴェロドロームに単独先頭で突入する。
そして大観衆に右手で応え、フィニッシュ直前に何度も”信じられない”と頭を横に振ったファンデルプールが、パリ〜ルーベの第120代優勝者に輝いた。
「今日はこれまでの自転車人生で最も調子のよい日だった。何度もアタックしたが強い選手たち相手に決まらず、独走になってからはがむしゃらにペダルを踏み込んだ。ファンアールトのパンクがなければ2人でヴェロドロームに突入していたのだろうが、運もこのレースを勝つ要素の1つ。今日の僕には、勝利に足る脚と運の2つが揃っていた」とファンデルプールは喜んだ。
これでロンド・ファン・フラーンデレンとミラノ〜サンレモに続く、3つ目のモニュメント(5大クラシック)制覇。そしてファンデルプールは同一シーズンにミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベを制した史上4人目の選手となった。
ファンアールトとフィリプセンのマッチスプリントに持ち込まれた2位争いは、フィリプセンが制してアルペシンがワンツーフィニッシュを達成。この2001年以来、22年振りとなる快挙についてファンデルプールは、「チームワークがもたらした素晴らしい勝利。ヤスペル(フィリプセン)が2位というこれ以上は望めない結果となった」と語った。
石畳クラシックの最終戦であるパリ〜ルーベ(UCIワールドツアー)が4月9日(日)に行われた。初開催が近代オリンピックと同じ1896年まで遡る歴史ある大会は今年で120回目を迎え、その過酷さゆえ「北の地獄」と呼ばれる。一大決戦には175名の選手たちが臨んだ。
気温16度で天候は晴れ。最初の2時間の平均速度が50.55kmに達する記録的なハイスピードで進行したレースは、スタートして80km地点、最初の石畳区間の10km手前でようやく4名の逃げ集団が成立する。そこにはヨナス・コッホ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やシュールト・バックス(オランダ、UAEチームエミレーツ)が入り、遅れて「バイクのハブに取り付け、ブルートゥースでタイヤ空気圧調整が可能な機材」を使用するニルス・エーコフ(オランダ、チームDSM)が合流を目指したものの、叶わずメイン集団に戻っている。
逃げとプロトンがいよいよ最初のパヴェ区間No.29 トロワヴィル〜アンシー」に突入すると、スーダル・クイックステップのカスパー・アスグリーン(デンマーク)とフロリアン・セネシャル(フランス)がパンクで集団から脱落する。更にペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)は2つ目のパヴェ区間で落車に巻き込まれ、骨折等はなかったもののレース復帰はできず。2018年大会の覇者が早々に現役最後のパリ〜ルーベを終えることとなった。
3人の優勝候補(ファンアールト、ラポルト、ファンバーレ)を擁するユンボ・ヴィスマが先導するプロトンでは、シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)やマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)らがメカトラでバイク交換をしながらも集団に復帰。そしてリアタイヤをパンクしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)も素早く集団に戻ると、ユンボが4つ星難易度のパヴェ区間「No.20 アブルイ〜ワレー」で早くも攻撃を仕掛けた。
クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)の加速からファンアールトも牽引に加わり、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やキュング、2015年大会を制したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)ら7名による精鋭グループが出来上がった。
7名はパリ〜ルーベを象徴するパヴェ区間「No.19 トゥルエ・アランベール」を迎える。一方で逃げと44秒差、ファンアールトの集団と26秒差で突入したメイン集団では昨年覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と、パンクから集団復帰したアスグリーンらが落車してしまう。2人はレースを去り、そのアランベールで加速したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が単騎ファンアールトたちへの合流を目指した。
逃げを吸収し、先頭グループとなったファンアールトたちの中ではラポルトのリアタイヤがパンクする。機材交換に手間取り大幅なタイムロスを喫したラポルトはチームメイトのナータン・ファンホーイドンク(ベルギー)と共に追走したものの、最後までファンアールトに追いつかず。勝負所でのアシストを担うことは叶わなかった。
ピーダスンやその後方を走っていたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)らが先頭集団に合流。13名中ファンアールトがチームメイト不在となった一方、ファンデルプールはヤスペル・フィリプセン、そしてグラベル世界選手権初代王者のジャンニ・フェルメールス(共にベルギー)という頼もしいチームメイトを得た。
下馬評ではチーム力で上回っていたファンアールトに対し、逆に数的優位な状況を得たファンデルプールは「No.12 オシー=レ=オルシ〜ベルシー(残り54.4km)」で最初のアタックを仕掛ける。シクロクロッサーならではのライン取りでコーナーを攻めるファンデルプールに、デゲンコルプが食らいつき、遅れてファンアールトも合流。しかし今年ミラノ〜サンレモを初制覇して勢いに乗るファンデルプールは、5つ星の「No.11 モン・アン・ペヴェル」で2度目の飛び出しを見せた。
マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)やローレンス・レックス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)らが遅れ、ファンデルプールによる3度目のアタックにより先頭集団は7名に絞られた。
先頭の7名
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)
この日最後の5つ星、「No.4 カルフール・ド・ラルブル」にフィリプセンを先頭に突入。ファンデルプールが再びペースアップしてフィリプセンを抜こうとした際、斜行したフィリプセンにファンデルプールが行き詰まり、その余波を受けたデゲンコルプが落車してしまう。ここまでファンデルプールのアタックに対し、唯一的確な対応を見せてきたデゲンコルプが重要な場面で脱落してしまった。
この混沌の最中でファンアールトが仕掛け、ファンデルプールが追従。長きに渡りライバル対決を続ける2人がレース先頭でローテーションを組んだものの、カルフール・ド・ラルブルが終わる直前にファンアールトがパンクの不運に襲われた。
パヴェ区間の直後に待ち受けていたチームスタッフによる素早いタイヤ交換を受けたファンアールト。ピーダスンとフィリプセンの追走集団に合流したものの、26秒先を逃げる単独先頭となったファンデルプールに、この後2度と追いつくことは叶わなかった。
落車のリスクを恐れることなく最短距離でコーナーを攻めるファンデルプールは「No.2 ヴィレム〜エム」と「No.1 ルーベ」をクリア。追走集団から飛び出したファンアールトにはフィリプセンがマークにつき、ファンデルプールはルーベ・ヴェロドロームに単独先頭で突入する。
そして大観衆に右手で応え、フィニッシュ直前に何度も”信じられない”と頭を横に振ったファンデルプールが、パリ〜ルーベの第120代優勝者に輝いた。
「今日はこれまでの自転車人生で最も調子のよい日だった。何度もアタックしたが強い選手たち相手に決まらず、独走になってからはがむしゃらにペダルを踏み込んだ。ファンアールトのパンクがなければ2人でヴェロドロームに突入していたのだろうが、運もこのレースを勝つ要素の1つ。今日の僕には、勝利に足る脚と運の2つが揃っていた」とファンデルプールは喜んだ。
これでロンド・ファン・フラーンデレンとミラノ〜サンレモに続く、3つ目のモニュメント(5大クラシック)制覇。そしてファンデルプールは同一シーズンにミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベを制した史上4人目の選手となった。
ファンアールトとフィリプセンのマッチスプリントに持ち込まれた2位争いは、フィリプセンが制してアルペシンがワンツーフィニッシュを達成。この2001年以来、22年振りとなる快挙についてファンデルプールは、「チームワークがもたらした素晴らしい勝利。ヤスペル(フィリプセン)が2位というこれ以上は望めない結果となった」と語った。
パリ〜ルーベ2023結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 5:28:41 |
2位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:46 |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | +0:50 |
5位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | |
6位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM) | |
8位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス) | |
9位 | ローレンス・レックス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
10位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) |
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