第3回パリ〜ルーベ・ファムが、本日4月8日(土)に開催される。今季のクラシックで敵なしのSDワークスに対し、チーム3連覇のかかるトレック・セガフレードがどう挑むのか。激戦必至の「クラシックの女王」をプレビュー。



全17箇所、総距離29.2kmに及ぶ石畳セクター photo:CorVos

パリ〜ルーベ・ファム2023コースマップ image:A.S.O.
コロナ禍の2021年10月に初開催されたパリ〜ルーベ・ファムは、本日4月8日(土)に第3回目を迎える。ドゥナンからルーベのヴェロドロームを目指すコース全長は145.4kmで、昨年から20km近く距離が伸びたものの、その距離は初回大会とほぼ同じだ。

ヤギによる除草作業が行われた合計17箇所の石畳区間(セクター)は総距離29.2km。パリ〜ルーベの象徴とも言えるアランベールは通過しないが、石畳の最高難易度を示す5つ星の「No.11 モンサン=ぺヴェル」と「No.4 カルフール=ド=ラルブル」は今年も健在。女子レースの中でも群を抜いた過酷さを誇るパヴェを、男子と比べ軽い体重の選手たちは駆け抜けなければならない。

2021年は泥がコースを覆い、昨年は快晴に恵まれた本日の天気は曇り。雨予報はなく、最高気温12度のなか現地時間13時45分(日本時間20時45分)にスタートが切られる予定だ。
計17の石畳セクター一覧 image:A.S.O.



トレックのチーム3連覇か、下馬評通りSDワークスの圧倒か

2022大会の表彰台:2位コペッキー、1位ロンゴボルギーニ、3位ブラント photo:CorVos

2021年、22年とチーム2連覇を果たしたトレック・セガフレードはもちろん昨年覇者エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)をエースに据える。そこに前世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア)や自身も優勝候補に挙げられるルシンダ・ブラント(オランダ)と世界トップクラスの選手を揃えるものの、いまのSDワークスに対してはそんな戦力も霞んでしまう。それほど1週間前のロンド・ファン・フラーンデレンでSDワークスが見せた走りは圧倒的だった。

SDワークスのエースを務めるのはそのロンドを制したロッタ・コペッキー(ベルギー)。冬に減量を成功させた前ベルギー王者は今季5戦3勝(2位1回)と驚異的な走りでキャリアハイとなるシーズンを邁進中。「パリ〜ルーベで優勝することだけが、私の目標」と語るコペッキーが、昨年2位の悔しさも力に初戴冠を目指す。

今季オンループとロンドを優勝しているロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) photo:CorVos

ロンドでは3位入賞を果たしたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
シーズンインが遅れたものの、順調に調子を上げているマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos


コペッキー以外のSDワークスは、石畳よりもアップダウンの激しいアルデンヌクラシックに向くデミ・フォレリング(オランダ)や、石畳のヘント〜ウェヴェルヘムを制したマーレン・ローセル(スイス)が不出場。しかし、その代わりを欧州王者のロレーナ・ウィーベス(オランダ)や37歳のベテラン、クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク)が務めるため、その戦力に隙はない。

また2月に骨盤動脈手術を受け、復帰2戦目のドワーズ・ドール・フラーンデレンで3位入賞を果たしたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)も優勝候補の一人。他にも昨年4位で表彰台を逃したエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)やフロールチェ・マッカイ(オランダ、モビスター)、そして今季チームワークに磨きのかけるチームDSMはファイファー・ジョルジ(イギリス)がエースを務める。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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