5月21日から28日に開催されるUCIステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」のオンライン発表会が行われ、各ステージ概要と出場チームが明らかになった。4年ぶりに8日間8ステージ、UCI2.1クラスでの開催となり、国内外16チームが出場する。あわせて、次世選手輩出ブロジェクト「ロード・トゥ・ラヴニール」との提携も発表された。



2022年大会 東京ステージスタートの模様 photo:Satoru Kato

ツアー・オブ・ジャパンはコロナ禍により2020年大会が中止されたものの、規模を縮小して2021年、2022年と開催が続けられてきた。そして今年、本来の姿であるUCIアジアツアー2.1クラスのレースとして、8日間8ステージでの「フルスペック開催」が復活する。

3月30日14時から行われたオンライン発表会では、各ステージの概要や出場チームが発表された。

日程は下表の通り。5月21日に堺市での個人タイムトライアルでスタートし、5月28日に東京の大井埠頭でフィニッシュする。

大会の天王山となる富士山は、ふじあざみラインの登りのみとなる photo:Satoru Kato

富士山のステージは富士スピードウェイから五輪個人タイムトライアルコースを走る部分が無くなり、ふじあざみラインの登りのみのオールドスタイルとなる。その他コースに大きな変更は無いが、美濃のステージは山岳賞ポイントとなるコース頂上部分が新たに出来た道とトンネルを通る。
ツアー・オブ・ジャパン2023 日程
ステージ(開催地) 距離(獲得標高)
5月21日 第1ステージ 堺(大阪府堺市) 2.6km(10m/個人TT)
5月22日 第2ステージ 京都(京都府精華町・京田辺市) 103.6km(1,836m)
5月23日 第3ステージ いなべ(三重県いなべ市) 127.0km(1,650m)
5月24日 第4ステージ 美濃(岐阜県美濃市) 137.3km(1218m)
5月25日 第5ステージ 信州飯田(長野県飯田市) 120.9km(2,580m)
5月26日 第6ステージ 富士山(静岡県小山町) 11.4km(1,160m)
5月27日 第7ステージ 相模原(神奈川県相模原市) 107.5km(1,728m)
5月28日 第8ステージ 東京(東京都大田区) 112.0km(50m)
出場チームは、海外6チーム、国内10チームの計16チームが予定されている。

海外チームは、アジア、イギリス、ルーマニア、アメリカ、ニュージーランドなど、多彩な地域からチームが集まる。国内チームは、ディフェンディングチャンピオンチームとなるJCLチーム右京をはじめ、UCIコンチネンタル登録チームが出場する。出場チーム一覧は以下表の通り。ルーマニアのソフェル・サヴィーニ・デュー・オムズには鳴海颯、グローバル・シックス・サイクリングには小山智也が所属し、出場が期待される。

昨年大会を席巻したチーム右京は、「JCLチーム右京」として出場する photo:Satoru Kato
グローバルシックスサイクリングのプロフィール写真には小山智也の姿(右端) ツアー・オブ・ジャパン公式サイトより

ツアー・オブ・ジャパン2023 出場チーム
海外チーム(6)
トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム(マレーシア)
アルマティ・アスタナ・モータース(カザフスタン)
トリニティ・レーシング(イギリス)
ソフェル・サヴィーニ・デュー・オムズ(ルーマニア)
EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム(アメリカ)
グローバル・シックス・サイクリング(ニュージーランド)
国内チーム(10)
JCLチーム右京
キナンレーシングチーム
宇都宮ブリッツェン
シマノレーシング
マトリックスパワータグ
愛三工業レーシングチーム
チームブリヂストンサイクリング
さいたま那須サンブレイブ
ヴィクトワール広島
スパークルおおいた
2019年大会以来となる制限なしの現地観戦が可能に photo:Satoru Kato
信州飯田ステージでの「焼肉コーナー」復活にも期待 photo:Satoru Kato


また、今大会はコロナ禍以降初めて現地観戦の制約が無くなることもトピックと言えよう。自転車月間推進協議会の小泉昭男会長は、「声をからして応援してほしい。日本を元気にする起爆剤にしたい」と述べた。一方で、2014年から大会ディレクターを務めてきた栗村修氏に代わって、村山吾郎氏が新たに大会ディレクターに就任することも併せて発表された。
次世代選手発掘プロジェクト「ロード・トゥ・ラヴニール」との提携が発表された ツアー・オブ・ジャパン公式サイトより


さらに、次世代ロードレーサー輩出プロジェクト「ロード・トゥ・ラヴニール(以下RTA)」と提携することが発表された。RTAはシクリスムジャポン代表の浅田顕氏が今年からスタートさせるプロジェクトで、世界トップレベルで活躍できる日本人選手を発掘・育成することを目的とする。今大会では、ツアー・オブ・ジャパン各ステージでの広報活動に加え、開催地域での若い可能性の発掘をしていくという。

発表会後半に行われた栗村修氏(右)と浅田顕氏のトークショー ツアー・オブ・ジャパン オンライン発表会のスクリーンショット

オンライン発表会後半では、最終ステージの東京でアンバサダーを務める浅田氏が出席し、司会進行の栗村修氏と共に「日本から世界的な選手を輩出するための国内レースのあるべき姿」と題してトークショーが行われた。

その中で、これまで大会ディレクターを務めてきた栗村氏から「ツアー・オブ・ジャパンをワールドツアーにすれば日本から強い選手が生まれるのか?」という疑問が投げかけられた。

これについて浅田氏は「そうはならない」とした上で、「ツアー・オブ・ジャパンはラインレースとは違った厳しさがある。海外から強い若手選手が集まるようになって、大会の結果を世界が注目するようになればトップへの道が開ける大会になる。例えば若手登竜門と言われる『ツール・ド・ラヴニール』のアジア予選のような大会になれば、活躍した選手が注目されるようになるだろう」と、ツアー・オブ・ジャパンが目指すべき姿を語った。

ツアー・オブ・ジャパンは全ステージがライブ配信される予定。詳細については下記リンクより大会公式サイトをご参照頂きたい。

ツアー・オブ・ジャパン2023公式プロモーションムービー



text:Satoru Kato

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