2023/02/27(月) - 14:30
第5回UAEツアーの総合優勝者を決めるジュベルハフィートの山頂フィニッシュでアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)がライバルを一蹴し区間優勝。遅れを最小限に留めたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が総合優勝に輝いている。
中東のアラブ首長国連邦を舞台に、7日間に渡り行われたUAEツアーも最終日を迎えた。その締めくくりとなるのは大会の名物登坂であるジュベルハフィート(距離10.8kmkm/平均6.6%)。そこに至るまでは平坦路が続くため、これ以上ない純粋な登坂力を試すステージで、区間優勝と第5代総合優勝者が決定する。
サッカースタジアムであるハッザーア・ビン・ザーイドを出発したこの日の気温は32度。現地では”過ごしやすい”と言われる気候の中、総合リーダージャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を先頭に133名の選手たちがスタートを切った。
153kmという今大会2番目に短いステージを前日にスプリントを争ったサム・ウェルスフォード(オーストラリア、チームDSM)や21歳の若手クライマーであるミヒェル・ヘスマン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)ら5名が逃げる展開。クライマーや総合上位勢のラストチャンスをものにすべく、イネオス・グレナディアーズやリーダーチームのスーダル・クイックステップが牽引し、最大6分まで拡がったタイム差を詰めていく。
最終日に時点でエヴェネプールと総合2位ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)とは9秒差。3位のペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)は13秒差と、僅差にひしめく上位3名による登坂バトルに注目が集まるなか、逃げから2分26秒遅れでプロトンがジュベルハフィートの麓に到着した。
逃げからイグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、グルパマFDJ)とヘスマンの2人が最後まで抗う一方で、プロトンはUAEチームエミレーツの高速牽引によって人数が一気に絞られる。そしてブランドン・マクナルティ(アメリカ)の牽引が終わるとエースのイェーツが加速し、それに対応できたエヴェネプールとセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)以外を置き去りにした。
ここに総合のライバルであるプラップとビルバオの不在を知ったエヴェネプールが先頭交代に加わると、逃げの2人を捉え、更に上がったスピードにクスが遅れる。そして残り3kmの勾配の厳しくなるコーナーを利用し、イェーツが満を持してアタック。ダンシングで軽快に駆け上がるイェーツとシッティングで淡々と踏み続けるエヴェネプールのスピード差は明らかで、そのままイェーツがジュベルハフィートを制覇した。
「いつも僕に自信を与えてくれたチームにこの勝利を捧げたい。最終山岳の麓からチームメイトは素晴らしい走りを見せてくれた。暑さ厳しいなかアタックするのは簡単ではなかったものの、なんとかステージ優勝を掴み取ることができた。そのうえ総合表彰台にも立つことができた」と、移籍後初勝利を喜んだイェーツ。第1ステージの横風分断でタイムを失い早々と総合争いから脱落したものの、-10秒のボーナスタイムを加算したためビルバオを抜き、3位で総合表彰台に上がった。
これで区間2勝目を挙げたUAE。総合3連覇こそ逃したものの、チーム総合成績でも首位とスポンサーへのアピールに成功している。
そしてエヴェネプールが10秒遅れ、ビルバオとプラップが54秒遅れでフィニッシュしたため、エヴェネプールが第5代UAEツアー総合優勝者に輝く。「登りの麓から頂上までハイスピードのタフなステージだった。アダム・イェーツと共に飛び出し、残り1kmまで一緒にいくと思ってた。だがアタックを仕掛け、僕は自分の限界を超えて食らいつくしかなかった。今日の目標はリーダージャージのキープだったので、総合優勝ができて本当に嬉しいよ」とエヴェネプールは語っている。
エヴェネプールはこの後、3月20日に開幕するボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)やリエージュ~バストーニュ~リエージュを挟み、総合優勝を目指すべくジロ・デ・イタリアに向かう予定だ。
中東のアラブ首長国連邦を舞台に、7日間に渡り行われたUAEツアーも最終日を迎えた。その締めくくりとなるのは大会の名物登坂であるジュベルハフィート(距離10.8kmkm/平均6.6%)。そこに至るまでは平坦路が続くため、これ以上ない純粋な登坂力を試すステージで、区間優勝と第5代総合優勝者が決定する。
サッカースタジアムであるハッザーア・ビン・ザーイドを出発したこの日の気温は32度。現地では”過ごしやすい”と言われる気候の中、総合リーダージャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を先頭に133名の選手たちがスタートを切った。
153kmという今大会2番目に短いステージを前日にスプリントを争ったサム・ウェルスフォード(オーストラリア、チームDSM)や21歳の若手クライマーであるミヒェル・ヘスマン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)ら5名が逃げる展開。クライマーや総合上位勢のラストチャンスをものにすべく、イネオス・グレナディアーズやリーダーチームのスーダル・クイックステップが牽引し、最大6分まで拡がったタイム差を詰めていく。
最終日に時点でエヴェネプールと総合2位ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)とは9秒差。3位のペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)は13秒差と、僅差にひしめく上位3名による登坂バトルに注目が集まるなか、逃げから2分26秒遅れでプロトンがジュベルハフィートの麓に到着した。
逃げからイグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、グルパマFDJ)とヘスマンの2人が最後まで抗う一方で、プロトンはUAEチームエミレーツの高速牽引によって人数が一気に絞られる。そしてブランドン・マクナルティ(アメリカ)の牽引が終わるとエースのイェーツが加速し、それに対応できたエヴェネプールとセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)以外を置き去りにした。
ここに総合のライバルであるプラップとビルバオの不在を知ったエヴェネプールが先頭交代に加わると、逃げの2人を捉え、更に上がったスピードにクスが遅れる。そして残り3kmの勾配の厳しくなるコーナーを利用し、イェーツが満を持してアタック。ダンシングで軽快に駆け上がるイェーツとシッティングで淡々と踏み続けるエヴェネプールのスピード差は明らかで、そのままイェーツがジュベルハフィートを制覇した。
「いつも僕に自信を与えてくれたチームにこの勝利を捧げたい。最終山岳の麓からチームメイトは素晴らしい走りを見せてくれた。暑さ厳しいなかアタックするのは簡単ではなかったものの、なんとかステージ優勝を掴み取ることができた。そのうえ総合表彰台にも立つことができた」と、移籍後初勝利を喜んだイェーツ。第1ステージの横風分断でタイムを失い早々と総合争いから脱落したものの、-10秒のボーナスタイムを加算したためビルバオを抜き、3位で総合表彰台に上がった。
これで区間2勝目を挙げたUAE。総合3連覇こそ逃したものの、チーム総合成績でも首位とスポンサーへのアピールに成功している。
そしてエヴェネプールが10秒遅れ、ビルバオとプラップが54秒遅れでフィニッシュしたため、エヴェネプールが第5代UAEツアー総合優勝者に輝く。「登りの麓から頂上までハイスピードのタフなステージだった。アダム・イェーツと共に飛び出し、残り1kmまで一緒にいくと思ってた。だがアタックを仕掛け、僕は自分の限界を超えて食らいつくしかなかった。今日の目標はリーダージャージのキープだったので、総合優勝ができて本当に嬉しいよ」とエヴェネプールは語っている。
エヴェネプールはこの後、3月20日に開幕するボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)やリエージュ~バストーニュ~リエージュを挟み、総合優勝を目指すべくジロ・デ・イタリアに向かう予定だ。
UAEツアー2023第7ステージ結果
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | 3:29:42 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:10 |
3位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | +0:42 |
4位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:47 |
5位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:54 |
6位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:16 |
8位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | ベン・ツィーホフ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:25 |
10位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ) |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 23:25:26 |
2位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:59 |
3位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +1:00 |
4位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:03 |
5位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | +2:06 |
6位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:18 |
7位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、トレック・セガフレード) | +2:33 |
8位 | ベン・ツィーホフ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:38 |
9位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ハルム・ファンハウケ(ベルギー、チームDSM) | +2:40 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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