2023/01/14(土) - 19:33
"シクロクロス日本一"を決める全日本選手権が愛知県稲沢市の国営木曽三川公園「ワイルドネイチャープラザ」で開幕。初日はシングルスピードと男女マスターズの年代別選手権が行われ、各エイジグループで新たな日本チャンピオンたちが誕生した。
木曽川河川敷にある祖父江砂丘の国営公園「ワイルドネイチャープラザ」。東海のシクロクロスシーンを盛り上げる全国屈指のサンドコースにカウベルと声援が鳴り響いた。
アップダウンに富むサンドセクションをたっぷりと含んだ、1周回2.6km、1周あたりの高低差40mの特設コース。レース1日目となる1月14日土曜日は昼頃まで雨が降り注ぎ、普段サラサラの砂を重く、そして硬くした。かといって単純に難易度が下がるのではなく、ひとたび轍を外せば重たい砂で即失速という難コンディションの中、レーススケジュールが進行した。
オープニングレースとなったのは、変速機の無い(あるいは取り外した)バイクで戦うエキシビション扱いのシングルスピード(30分)。昨年激しい優勝争いを繰り広げた腰山雅大(All-City Cycles)と三宗広歩(TEAM TAMAGAWA)に川村誠(チーム36隊)が追いついたものの、三宗はタイヤ剥がれによって脱落。勝負は2連覇を狙う腰山と、先週転倒で肩を痛めていたという川村の一騎打ちに持ち込まれた。
後半戦はフィジカルに勝る川村がリードしていたものの、転倒と、バニーホップを味方につけた腰山が合流に成功。勝負はフィニッシュ直前の長い砂区間に持ち込まれ、サイドバイサイドの戦いの末に川村が抜け出し、勝負あり。普段カテゴリー1を走る2人による手に汗握る勝負の末、川村が2018年のマキノに続くシングルスピード全日本王者に輝いた。なお女子は片岡幸(Team轍屋)が勝利している。
全日本選手権ではマスターズカテゴリーが若い順に男子35-39(歳)、40-49、 50-59、60歳以上、そして女子と合計5カテゴリーに分かれている。この日の第2レースとなった60歳以上のレースで優勝したのは昨年覇者の佐藤稔(スワコレーシングチーム)だった。
レースはスタート直後から石田純之(カシャロ水曜夜練)が独走していたものの、元ロード選手にしてかつてイギリス・リーズで開催された1992年のシクロクロス世界選手権の日本代表として走った経歴をもつ佐藤が猛烈なペースで追い上げ、最後の砂区間を前にアタック。「1ヶ月前に脚の肉離れを起こし、2日前にさらに悪化させてしまったんです。だからランニングセクションでの勝負に持ち込みたくなかった」と振り返る往年の名選手は、脚を引きずりながら登った表彰台で2年連続のチャンピオンジャージを受け取った。
60歳以上の部と時差出走となったマスターズ女子は、「このジャージを獲るためにエリートからマスターズに移ってきました」と言う林口幸恵(Gufo cycleworks)が、直前のシングルスピード女子で勝利した片岡幸(Team轍屋)らを抑えて勝利した。中盤まで数名の先頭パックで競り合っていたものの、後半は独走。念願のジャージとメダルをサポート役として支えた夫と喜んだ。
群雄割拠の50-59カテゴリー。筧太一(BUCYO COFFEE/CLT CYCLING TEAM)を退け3年連続タイトルを確保したのは、1996年に初めて開催された第1回シクロクロス全日本選手権覇者である大原満だった。
「今日は負ける気がしなかった。相手を休ませず、自分も休まないレースをしたかった」と振り返る"小さな巨人"大原は、前半こそ筧の背後で様子を窺っていたが、やがて筧を引き離し独走フィニッシュ。エリートで3回、マスターズで3回と合計6度目の全日本王者に輝いている。負けた筧は「大原さんはやっぱり強かった。でも成長できている点もあるので来年は差を縮めたい」と勝者を称えつつ、大人気のBUCYO COFFEE出店ブースに戻っていった。
マスターズの中で最も選手層に富み、ハイレベルの戦いが繰り広げられるのが40-49カテゴリーだ。しかし優勝候補の池本真也(和光機器-BIORACER)がスタートのクラッシュで病院搬送され、さらに筧五郎(56)もコロナ感染の影響が残っている状態でリスクを負えない、と1コーナーでリタイア。そんな波乱を経て先頭パックは石川正道(SBC Dirt Union)と、昨年の30代王者である村田憲治(岩井商会レーシング)の2人に絞られた。
そんな争いを制したのは、砂区間で目覚ましい走りを披露した村田だった。「3周目あたりから感覚を掴んだので自分のペースに切り替えた」と独走。石川を39秒引き離して30代2連覇に続くマスターズ3連覇を成し遂げた。2位は石川で、3位は織田善照(STRADA)だった。
マスターズ35-39では序盤から松尾遊(Champion System Japan Test Team)と城島大樹 (TeamZenko)が一騎打ちを繰り広げ、「昨日の試走で上手く走れず不安でしたが、前哨戦のマイアミで得たノウハウをもとにミックスパターンのタイヤを選んだのが良かった」と振り返る城島が2位以下を振り切って勝利した。
翌日の9日(日曜日)には男女のU17&U15、男女ジュニア、男子U23、そして男女エリートレースが行われる。雨は降らず、気温は最低8度、最高15度と暖かくなる予報のため、砂区間は今日よりも乾き軽くなると見られている。土曜日以上にテクニックを要求する砂コースが全日本チャンピオンを決める。
木曽川河川敷にある祖父江砂丘の国営公園「ワイルドネイチャープラザ」。東海のシクロクロスシーンを盛り上げる全国屈指のサンドコースにカウベルと声援が鳴り響いた。
アップダウンに富むサンドセクションをたっぷりと含んだ、1周回2.6km、1周あたりの高低差40mの特設コース。レース1日目となる1月14日土曜日は昼頃まで雨が降り注ぎ、普段サラサラの砂を重く、そして硬くした。かといって単純に難易度が下がるのではなく、ひとたび轍を外せば重たい砂で即失速という難コンディションの中、レーススケジュールが進行した。
オープニングレースとなったのは、変速機の無い(あるいは取り外した)バイクで戦うエキシビション扱いのシングルスピード(30分)。昨年激しい優勝争いを繰り広げた腰山雅大(All-City Cycles)と三宗広歩(TEAM TAMAGAWA)に川村誠(チーム36隊)が追いついたものの、三宗はタイヤ剥がれによって脱落。勝負は2連覇を狙う腰山と、先週転倒で肩を痛めていたという川村の一騎打ちに持ち込まれた。
後半戦はフィジカルに勝る川村がリードしていたものの、転倒と、バニーホップを味方につけた腰山が合流に成功。勝負はフィニッシュ直前の長い砂区間に持ち込まれ、サイドバイサイドの戦いの末に川村が抜け出し、勝負あり。普段カテゴリー1を走る2人による手に汗握る勝負の末、川村が2018年のマキノに続くシングルスピード全日本王者に輝いた。なお女子は片岡幸(Team轍屋)が勝利している。
全日本選手権ではマスターズカテゴリーが若い順に男子35-39(歳)、40-49、 50-59、60歳以上、そして女子と合計5カテゴリーに分かれている。この日の第2レースとなった60歳以上のレースで優勝したのは昨年覇者の佐藤稔(スワコレーシングチーム)だった。
レースはスタート直後から石田純之(カシャロ水曜夜練)が独走していたものの、元ロード選手にしてかつてイギリス・リーズで開催された1992年のシクロクロス世界選手権の日本代表として走った経歴をもつ佐藤が猛烈なペースで追い上げ、最後の砂区間を前にアタック。「1ヶ月前に脚の肉離れを起こし、2日前にさらに悪化させてしまったんです。だからランニングセクションでの勝負に持ち込みたくなかった」と振り返る往年の名選手は、脚を引きずりながら登った表彰台で2年連続のチャンピオンジャージを受け取った。
60歳以上の部と時差出走となったマスターズ女子は、「このジャージを獲るためにエリートからマスターズに移ってきました」と言う林口幸恵(Gufo cycleworks)が、直前のシングルスピード女子で勝利した片岡幸(Team轍屋)らを抑えて勝利した。中盤まで数名の先頭パックで競り合っていたものの、後半は独走。念願のジャージとメダルをサポート役として支えた夫と喜んだ。
群雄割拠の50-59カテゴリー。筧太一(BUCYO COFFEE/CLT CYCLING TEAM)を退け3年連続タイトルを確保したのは、1996年に初めて開催された第1回シクロクロス全日本選手権覇者である大原満だった。
「今日は負ける気がしなかった。相手を休ませず、自分も休まないレースをしたかった」と振り返る"小さな巨人"大原は、前半こそ筧の背後で様子を窺っていたが、やがて筧を引き離し独走フィニッシュ。エリートで3回、マスターズで3回と合計6度目の全日本王者に輝いている。負けた筧は「大原さんはやっぱり強かった。でも成長できている点もあるので来年は差を縮めたい」と勝者を称えつつ、大人気のBUCYO COFFEE出店ブースに戻っていった。
マスターズの中で最も選手層に富み、ハイレベルの戦いが繰り広げられるのが40-49カテゴリーだ。しかし優勝候補の池本真也(和光機器-BIORACER)がスタートのクラッシュで病院搬送され、さらに筧五郎(56)もコロナ感染の影響が残っている状態でリスクを負えない、と1コーナーでリタイア。そんな波乱を経て先頭パックは石川正道(SBC Dirt Union)と、昨年の30代王者である村田憲治(岩井商会レーシング)の2人に絞られた。
そんな争いを制したのは、砂区間で目覚ましい走りを披露した村田だった。「3周目あたりから感覚を掴んだので自分のペースに切り替えた」と独走。石川を39秒引き離して30代2連覇に続くマスターズ3連覇を成し遂げた。2位は石川で、3位は織田善照(STRADA)だった。
マスターズ35-39では序盤から松尾遊(Champion System Japan Test Team)と城島大樹 (TeamZenko)が一騎打ちを繰り広げ、「昨日の試走で上手く走れず不安でしたが、前哨戦のマイアミで得たノウハウをもとにミックスパターンのタイヤを選んだのが良かった」と振り返る城島が2位以下を振り切って勝利した。
翌日の9日(日曜日)には男女のU17&U15、男女ジュニア、男子U23、そして男女エリートレースが行われる。雨は降らず、気温は最低8度、最高15度と暖かくなる予報のため、砂区間は今日よりも乾き軽くなると見られている。土曜日以上にテクニックを要求する砂コースが全日本チャンピオンを決める。
男子マスターズ35-39結果
1位 | 城島大樹 (TeamZenko) | 36:49 |
2位 | 斉藤和哉(シルクロード ) | +0:29 |
3位 | 松尾遊(Champion System Japan Test Team) | +1:19 |
男子マスターズ40-49結果
1位 | 村田憲治(岩井商会レーシング) | 35:45 |
2位 | 石川正道(SBC Dirt Union) | +0:39 |
3位 | 織田善照( STRADA) | +1:04 |
男子マスターズ50-59結果
1位 | 大原満 | 30:02 |
2位 | 筧太一(BUCYO COFFEE/CLT CYCLING TEAM) | +0:38 |
3位 | 湯浅勉(RIDE LIFE GIANT) | +1:10 |
男子マスターズ60+結果
1位 | 佐藤稔(スワコレーシングチーム) | 33:41 |
2位 | 石田純之(カシャロ水曜夜練) | +0:07 |
3位 | 松井正通(2RLine.) | +0:41 |
女子マスターズ結果
1位 | 林口幸恵(Gufo cycleworks) | 27:17 |
2位 | 片岡幸(Team轍屋) | +0:22 |
3位 | 上田順子(ダム部) | +0:29 |
男子シングルスピード結果
1位 | 川村誠(チーム36隊) | 29:39 |
2位 | 腰山雅大(All-City Cycles / 662CCC) | +0:17 |
3位 | 牧野崇(COGS) | +1:39 |
女子シングルスピード結果
1位 | 片岡幸 (Team轍屋) | 37:15 |
2位 | 原田悦子(Team Shiokaze CX) | +1:22 |
text&photo:So Isobe
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