2022/12/25(日) - 15:43
UCI(国際自転車競技連合)が2023年シーズンに適用されるUCIポイント配分の変更を発表し、3大グランツールやワールドツアーの主要レース、五輪やロード世界選手権の優勝者等に与えられるポイントが増加した。ワールドツアーではなく、下位カテゴリーレースに注力してUCIポイント量産を防ぐ目的だ。
レース分類のカテゴリーが一つ上がったストラーデビアンケ photo:CorVos
UCI(国際自転車競技連合)が発表したUCIポイントに関する変更は大きく分けて4つ。主要レースに配分されるUCIポイントの増加、モニュメントカテゴリーの新設、UCIポイントが付与される獲得順位の拡大、そして各チームの獲得ポイントがカウントされる選手数の増加(上位10名→20名)だ。
ツール・ド・フランスを頂点とした5つのワールドツアーカテゴリーは新たにモニュメント*カテゴリーが追加されて(付与されるUCIポイントも増加)合計6カテゴリーとなり、ストラーデビアンケが最下部からカテゴリーが一つ上がっている。更にツールと2つのグランツール(ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャ)、モニュメントの優勝(グランツールは総合優勝)で得られるUCIポイントが大幅に増加した。
*モニュメント:ミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディア
UCI(国際自転車競技連合)が発表したUCIポイントの配点に関する変更点 image:UCI
今回の変更の背景には、UCIが実行した「2020年から2022年までの3年間にチームが獲得したUCIポイントの合計で上位18チームにワールドチームの資格が与えられる」という施策がある。この結果アルペシン・ドゥクーニンクとアルケア・サムシックがワールドチーム昇格を決め、ロット・スーダルとイスラエル・プレミアテックがプロチームに降格。しかしその配点に対しては問題点が度々指摘されていた。
変更以前のルールを活用したアルケアはジロ・デ・イタリアへの出場資格がありながらもスキップし、代わりに同時期に行われたトロ・ブロ・レオン(UCI.1.Pro)など下位カテゴリーのレースに出場。UCIポイントの大量獲得に成功して見事ワールドチームへの昇格を決めた。そのためUCIはツール区間優勝(120pts)よりも1クラス(上から3番目のカテゴリー)のワンデーレース優勝で付与されるポイント(125pts)の方が大きかった問題を改善し、ツールの区間優勝を210pts、ジロとブエルタを180ptsへと大幅に増加させレース間の格差を拡大させた。
今年チームのUCIポイント獲得のため、ロード世界選手権への出場が叶わなかったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
同様の問題はロード世界選手権に関しても起こっており、降格の可能性が浮上したモビスターはUCIポイントが見込める他レースにエースのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を出場させるべく、同選手のロード世界選手権への派遣を拒否した。そのためUCIは世界選手権と五輪のロードレース、タイムトライアルの付与ポイントが大幅アップさせ、特に世界選手権のロードレース優勝者には900ptsが付与され、モニュメントの優勝で得られる800ptsを上回ることとなった。
更に各チームのUCIポイントの合計が上位10名の選手までしか加算されなかった枠を上位20名にまで拡大し、これまでの”UCIポイントを有する上位選手たちがより多くのレースに出場しなければならなかった”事態の緩和を目指す。これら変更についてUCIは「トップと下位カテゴリーのレースで獲得できるUCIポイントの格差を広げるため」とし、「重要なレースに最良の選手たちを集めるためである」とその目的を説明した。
また、来年はプロチームとして活動するロット・スーダルとイスラエル・プレミアテックに対し、2023年限定でグランツールを除く全ワールトツアーへの出場権が与えられることも明らかとなった。
text:Sotaro.Arakawa
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UCI(国際自転車競技連合)が発表したUCIポイントに関する変更は大きく分けて4つ。主要レースに配分されるUCIポイントの増加、モニュメントカテゴリーの新設、UCIポイントが付与される獲得順位の拡大、そして各チームの獲得ポイントがカウントされる選手数の増加(上位10名→20名)だ。
ツール・ド・フランスを頂点とした5つのワールドツアーカテゴリーは新たにモニュメント*カテゴリーが追加されて(付与されるUCIポイントも増加)合計6カテゴリーとなり、ストラーデビアンケが最下部からカテゴリーが一つ上がっている。更にツールと2つのグランツール(ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャ)、モニュメントの優勝(グランツールは総合優勝)で得られるUCIポイントが大幅に増加した。
*モニュメント:ミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディア
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今回の変更の背景には、UCIが実行した「2020年から2022年までの3年間にチームが獲得したUCIポイントの合計で上位18チームにワールドチームの資格が与えられる」という施策がある。この結果アルペシン・ドゥクーニンクとアルケア・サムシックがワールドチーム昇格を決め、ロット・スーダルとイスラエル・プレミアテックがプロチームに降格。しかしその配点に対しては問題点が度々指摘されていた。
変更以前のルールを活用したアルケアはジロ・デ・イタリアへの出場資格がありながらもスキップし、代わりに同時期に行われたトロ・ブロ・レオン(UCI.1.Pro)など下位カテゴリーのレースに出場。UCIポイントの大量獲得に成功して見事ワールドチームへの昇格を決めた。そのためUCIはツール区間優勝(120pts)よりも1クラス(上から3番目のカテゴリー)のワンデーレース優勝で付与されるポイント(125pts)の方が大きかった問題を改善し、ツールの区間優勝を210pts、ジロとブエルタを180ptsへと大幅に増加させレース間の格差を拡大させた。
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同様の問題はロード世界選手権に関しても起こっており、降格の可能性が浮上したモビスターはUCIポイントが見込める他レースにエースのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を出場させるべく、同選手のロード世界選手権への派遣を拒否した。そのためUCIは世界選手権と五輪のロードレース、タイムトライアルの付与ポイントが大幅アップさせ、特に世界選手権のロードレース優勝者には900ptsが付与され、モニュメントの優勝で得られる800ptsを上回ることとなった。
更に各チームのUCIポイントの合計が上位10名の選手までしか加算されなかった枠を上位20名にまで拡大し、これまでの”UCIポイントを有する上位選手たちがより多くのレースに出場しなければならなかった”事態の緩和を目指す。これら変更についてUCIは「トップと下位カテゴリーのレースで獲得できるUCIポイントの格差を広げるため」とし、「重要なレースに最良の選手たちを集めるためである」とその目的を説明した。
また、来年はプロチームとして活動するロット・スーダルとイスラエル・プレミアテックに対し、2023年限定でグランツールを除く全ワールトツアーへの出場権が与えられることも明らかとなった。
text:Sotaro.Arakawa
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